2.7.6.3.1 治験方法の概要
治験標題:M605101の尋常性ざ瘡を対象とした第III相臨床試験(長期投与)
治験責任医師:堀内 祐紀 他、計26名
治験実施施設:医療法人社団ケイロン 秋葉原スキンクリニック 他、計25施設
治験期間:2012年5月15日(最初の被験者の同意取得日)
~2013年9月11日(最終の被験者の規定来院日)
開発フェーズ:第III相
目的:M605101の尋常性ざ瘡に対する長期投与時の安全性及び有効性を評価することを目的とし て、尋常性ざ瘡患者に2.5% M605101又は5% M605101を1日1回52週間投与する非盲検/無作為割 付/多施設共同臨床試験を実施する。安全性は、有害事象、臨床検査値及び皮膚安全性スコア(鱗 屑、紅斑)を評価項目とする。有効性は、皮疹数の経時推移で評価する。
治験のデザイン:非盲検、無作為割付、多施設共同臨床試験 対象:尋常性ざ瘡患者
選択基準:以下の基準をすべて満たす患者を対象とした。
(1)
顔面(眼囲及び口唇を除く)に5個以上40個以下(細菌学的検査のために用いる膿疱を除く)の炎症性皮疹(紅色丘疹と膿疱の合計)を伴う患者
(2)
顔面(眼囲及び口唇を除く)に1個以上100個以下の非炎症性皮疹(閉鎖面皰と開放面皰の 合計)を伴う患者(3)
顔面(眼囲及び口唇を除く)の結節/嚢腫数が2個以下の患者(4)
年齢:12歳以上50歳未満(同意取得時の年齢)(5)
性別:不問(6)
外来患者除外基準:以下の基準のいずれかに抵触する患者は、本治験の対象から除外した。
(1)
治験薬の評価に影響を及ぼすと考えられる合併症(尋常性ざ瘡以外のざ瘡(集簇性ざ瘡、ステロイドざ瘡、壊死性ざ瘡、職業性ざ瘡等)及び酒さ等)を顔面(眼囲及び口唇を除く)
に伴う患者
(2)
治験期間中(治療開始日から52週後又は中止日まで)に顔面に皮疹が生じる可能性のある 皮膚疾患(アトピー性皮膚炎等)を合併する患者(3)
治療開始日前4週間以内に、レチノイドあるいはレチノイド様作用を有する薬剤の顔面への 外用を開始又は再開した患者(4)
治療開始日前4カ月(120日)以内に、他の治験に参加していた患者(5)
治験薬の成分(過酸化ベンゾイル、プロピレングリコール、カルボキシビニルポリマー及 び水酸化カリウム)に対する過敏症(皮膚過敏症を含む)の既往がある患者(6)
本治験への参加が適切ではない重篤な合併症(全身疾患を含む)を有する患者(7)
妊娠中又は治験期間中(治療開始日から52週後又は中止日まで)に妊娠を希望する患者及 び授乳中の患者(8)
その他、治験責任医師又は治験分担医師が不適切と判断した患者 例)顔面が過度に日焼けしている患者等目標症例数:450例(登録例数:459例)
• 2.5% M605101群(2.5%群):225例(231例)
• 5% M605101群(5%群):225例(228例)
目標症例数450例は、「致命的でない疾患に対し長期間の投与が想定される新医薬品の治験段階 において安全性を評価するために必要な症例数と投与期間について」(平成7年5月24日薬審第592 号)を参考とし、少なくとも6カ月間の投与を受ける被験者を合計300例以上、1年間に至る投与を 受ける被験者が合計100例以上を満たすことを考慮して決定した。
治験薬:2.5% M605101、5% M605101
投与方法:1日1回(夜)、洗顔後に水分をよく拭き取った後、治験薬を顔面全体(眼囲及び口唇を 除く)に適量を52週間塗布した。
前治療:除外基準として「治療開始日前4週間以内に、レチノイドあるいはレチノイド様作用を有 する薬剤の顔面への外用を開始又は再開した患者」を規定し、前治療を制限した。
併用禁止薬剤・併用禁止療法:
治療開始日(登録後)から52週後又は中止日まで、以下の薬剤及び療法等の併用は禁止した。
(1)
以下の全身投与医薬品(内服及び注射等全身作用を目的としたもの)1)
抗菌剤(ただし、治療開始日から4週後までは各規定来院日間*で合計3日以内**、4週後 から52週後又は中止日までは各規定来院日間*で合計7日以内**のざ瘡治療目的以外での 服用は可とした)*:規定来院が不来院であった場合(許容外来院を含む)は、基準日を基に規定来院日間の日数を計算 した。
**:処方量3日分(又は7日分)を1日目の途中から服用し始め、4日目(又は8日目)に服用終了する場 合は、3日以内(又は7日以内)と扱った。
(2)
以下の局所投与医薬品の顔面(眼囲及び口唇を除く)への使用(点眼剤、耳鼻科用剤は除 く)1)
抗菌剤2)
レチノイドあるいはレチノイド様作用を有する薬剤(治療開始時点で使用している被験 者は、使用を継続可とした)(3)
以下の療法の顔面への施術1)
ケミカルピーリング2)
レーザー治療、光線療法3)
面皰吸引、圧出(4) BPO含有製剤並びにBPO含有医薬部外品及び化粧品の顔面への使用
調査・観察項目:表 2.7.6-27の評価スケジュールに従い、調査・観察した。
(1)
医師診察•
顔面(眼囲及び口唇を除く)の炎症性皮疹数(紅色丘疹数、膿疱数)、非炎症性皮疹数(閉 鎖面皰数と開放面皰数の合計)及び結節/嚢腫数•
皮膚安全性スコア(鱗屑、紅斑)•
併用薬剤・療法、顔面へのBPO含有製剤並びにBPO含有医薬部外品及び化粧品の使用、自覚 症状及び他覚所見等(2)
写真撮影(3)
被験者背景:生年月日、性別、過敏症の既往歴、合併症、前治療薬及び前治療法(治療開 始日前4週間以内)(4)
治験薬の投与遵守状況(5)
有害事象調査:有害事象の内容、重篤度、重症度、発現日、処置(有害事象に対する処置、治験薬の処置)、転帰、転帰日(転帰確認日)及び治験薬との因果関係
(6)
臨床検査:血液学的検査、血液生化学的検査(7)
妊娠検査(妊娠可能な女性):血清hCG(8)
血液採取量(臨床検査・妊娠検査)(9)
細菌学的検査(顔面(治験薬投与部位)に膿疱が存在する被験者):•
菌種の同定及び菌種ごとの菌量•
各種抗菌剤(NDFX、CLDM、EM、GM、TC、MINO、FRPM)に対するMICの測定 表 2.7.6-27 評価スケジュール治療 開始日
2 週後
4 週後
8 週後
12 週後
16 週後
20 週後
24 週後
28 週後
32 週後
36 週後
40 週後
44 週後
48 週後
52週後 又は 中止日 同意取得 ○
医師診察 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 写真撮影 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 適格性確認 ○
被験者背景 ○ 症例登録 ○ 治験薬の投与
治験薬の
使用状況調査 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 有害事象調査
臨床検査 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
細菌学的検査1) ○ ○
妊娠検査2) ○ ○
1) 顔面(治験薬投与部位)に膿疱が存在する場合のみ実施した。
2) 妊娠可能な女性を対象に実施した。
評価基準:
(1)
有効性1)
各評価日の皮疹数(総皮疹数*、炎症性皮疹数、非炎症性皮疹数)の経時推移2)
各評価日の皮疹数(総皮疹数*、炎症性皮疹数、非炎症性皮疹数)の減少率の経時推移3)
各評価日の皮疹数(総皮疹数*、炎症性皮疹数、非炎症性皮疹数)の減少数の経時推移*総皮疹数:炎症性皮疹数(紅色丘疹数と膿疱数の合計)と非炎症性皮疹数(閉鎖面皰数と開放面皰数 の合計)の合計
(2)
安全性1)
有害事象a)
自覚症状及び他覚所見b)
臨床検査値異常変動2)
臨床検査値3)
皮膚安全性スコア(鱗屑、紅斑)解析方法:
(1)
有効性1)
炎症性皮疹数、総皮疹数、非炎症性皮疹数の治療開始日からの減少率の推移2)
炎症性皮疹数、総皮疹数、非炎症性皮疹数の治療開始日からの減少数の推移3)
炎症性皮疹数、総皮疹数、非炎症性皮疹数の推移評価時期、投与群ごとに要約統計量(例数、平均値、標準偏差、最小値、第1四分位点、
中央値、第3四分位点、最大値)を算出した。また、評価時期ごとの中央値と四分位範囲 を用いて、推移図を作成した。
(2)
安全性1)
有害事象有害事象名について、MedDRA/Jを用いて、SOC、PTに読み替えて集計した。
治療期間中に発現した有害事象について、因果関係(因果関係を問わない、因果関係 が否定できない)、投与群、SOC、
PTごとに発現例数及び発現率を算出した。また、発現
部位ごと、重症度ごと、年齢区分ごと、アダパレン併用の有無別に同様に集計した。有害事象の発現時期ごとの集計について、治療開始日からの日数より、投与期間カテ ゴリごとに、件数、例数及び発現率を、因果関係(因果関係を問わない、因果関係が否 定できない)、投与群、SOC、PTごとに求めた。
2)
臨床検査値血液学的検査及び血液生化学的検査の各臨床検査項目について、投与群、評価時期ご とに要約統計量を算出した。また、評価時期を横軸とした平均値±標準偏差の推移グラフ を作成した。更に、投与群ごとに、治療開始日と28週後、治療開始日と52週後の前後プ ロットを作成した。
3)
皮膚安全性スコア皮膚所見(鱗屑、紅斑)のスコアについて、投与群、評価時期ごとにスコアごとで集 計(例数、割合)した。また、連続変量とみなし、投与群、評価時期ごとに要約統計量 を算出した。
2.7.6.3.2 被験者の内訳とその取扱い (1)
被験者の内訳被験者の内訳を図 2.7.6-9に、中止理由の内訳を表 2.7.6-28に示した
治験参加に同意した患者で、登録した459例に治験薬を無作為に割り付けた。治験薬が割 り付けられた459例中458例が治験薬投与例、1例が治験薬未投与例であった。投与を完了し た被験者は393例で、2.5% M605101群(2.5%群)で198例、5% M605101群(5%群)で195例 であった。
治験を中止した66例の内訳は、2.5%群で33例、5%群で33例であった。中止例数及び中止 理由に投与群間で大きな差はないと考える。
図 2.7.6-9 被験者の内訳 総括報告書 図10-1(5.3.5.2-1)から引用
表 2.7.6-28 中止理由の内訳
総括報告書 表10-1(5.3.5.2-1)から引用 登録例 459 例
2.5% 231 例
5% 228 例
治験薬未投与例 1 例
治験薬投与例 458 例 2.5% 0 例
2.5% 231 例 5% 1 例
5% 227 例
中止例 65 例
完了例 393 例 2.5% 33 例
2.5% 198 例 5% 32 例
5% 195 例
例数 例数 例数
登録例 231 228 459
完了例 198 195 393
中止 33 33 66
被験者の安全性を損なう恐れがあると判断した 0 0 0
有害事象により、治験の継続が困難となった 8 12 20 原疾患の悪化により、治験の継続が困難となった 0 0 0 治験責任医師又は治験分担医師により、顔面の炎症性皮疹(紅色
丘疹及び膿疱)及び非炎症性皮疹が完全に消失したと判断された 2 3 5
選択基準違反又は除外基準抵触が判明した 1 1 2
被験者の都合により、治験の継続が困難となった(治験中止の申
し出、転居、日程上の不都合、不来院等) 20 15 35
治験依頼者により治験が中止された 0 0 0
治験責任医師又は治験分担医師が治験の継続が不適切と判断した 2 2 4
2.5% 5% 計