• 検索結果がありません。

家族を強め,守る

ドキュメント内 歴代大管長の教え (ページ 78-88)

「家族を強め,守ることは主の御

こころ

心 です。」

ジョセフ・フィールディング・スミスの生涯から

ョセフ・フィールディング・スミス大管長は次のように宣言している。「家族 はこの世においても永遠にわたっても最も大切な組織です。」1 スミス大管長が このことを最も明めいりょうに教えた場所は,自分自身の家庭であった。家庭におい て,大管長は愛にあふれた夫,父親,祖父としての模範を示した。使徒として 多忙であったにもかかわらず,常に家族のために時間をつくり,「家にいるとき には 2 倍の愛情を惜しみなく注ぐことによって,家を離れている日々の埋め合 わせを〔した〕。」2

スミス大管長の 2 人目の妻であるエセルは,あるとき,「あなたの知っている ご主人について話していただけませんか」と頼まれた。多くの教会員が自分の 夫をとても厳格な人物だと思っていることに気づいていたエセルは,次のように 答えた。

「わたしの知っている夫について話すようにということですが,わたしは夫 が亡くなるときに,人々は夫のことを『実に立派な人,誠実な人,教義に忠実な 人』などと言うだろうと,よく考えます。公衆に知られている側面が語られるこ とでしょう。でも一般の人々が思っている人物と,わたしの知っている人物との 間には大きな違いがあります。わたしの知っているあの人は,優しい,愛にあ ふれた夫であり,父親です。家族を幸せにすることを人生における最大の望み とし,そのために我を忘れて力を注ぐ人です。ぐずる子供を寝かしつけ,幼い 子供たちには寝る前にお話をしてあげる人です。どんなに疲れていても,多忙 であっても,夜遅くまで,あるいは朝早くから,年長の子供たちが学校の難しい 宿題を解くのを手伝います。だれかが病気になれば,苦しむその子を優しく看 病し,世話するような人です。子供たちが呼び求めるのは父親であり,子供た ちにとっては父親がそばにいてくれることが万能薬なのです。傷に包帯を巻く 父親の手,苦しむ者に勇気を与える父親の腕,過ちを犯したときには優しくいさ める父親の声。そのような父親に恵まれた子供たちは,父親の喜ぶことをする のが自分たちの喜びであると分かるようになるのです。……

「福音は家族を中心としており,家族の中で実践しなければなりません。」

第 4 章

わたしの知っているあの人は,利己的なところがなく,不平を言わず,思慮深 く,思いやりのある,心の優しい人です。愛する者がこの上ない喜びに満ちた 人生を送れるように,精いっぱいのことをしてくれる人です。わたしの知ってい る夫はそのような人です。」3

スミス大管長の子供たちは,家族を強め,守り,家族が「この上ない喜びに 満ちた人生を送れるように」するために父親が行ってくれたことについて様々 な例を紹介している。ジョセフ・フィールディング・スミスの伝記の共著者であ るジョセフ・フィールディング・スミス・ジュニアとジョン・J・スチュワートは,

伝記に次のような回想を載せている。「父がエプロンを着けてたくさんのパイ を焼き始めるのを見て,子供たちは大喜びした。父の好物はミンスパイ〔訳注

―ドライフルーツやりんご,香辛料などで作った「ミンスミート」を詰めたパ イ〕であった。中に詰めるミンスミートを父は自分で作った。しかしまた,リン ゴやサクランボ,モモ,カボチャなど,ほかの種類のパイにも挑戦した。子供 たちは必要な道具や材料を家のあちらこちらから取って来るように言われ,父 のパイ作りは家族ぐるみの作業となった。大きなオーブンでパイを焼いている 間,漂ってくるおいしそうなにおいに胸をわくわくさせた。パイを出すのが早す ぎることも遅すぎることもないように,目を離さずに絶えず確認した。その一方 で,母のエセルは手作りのアイスクリームをかき混ぜ,子供たちは順番にアイス クリーム機のハンドルを回した。」4

ダグラス・A・スミスは,自分と父親との間には「すばらしい関係」があった と述べている。ダグラスは父親と一緒に楽しんだ活動として,次のような例を 紹介している。「わたしたちは時々,ボクシングとは言えないまでも,ボクシング のまねごとをしました。わたしは尊敬する父を,父は愛する息子を,本気でなぐ ることなどできなかったので,……実際にはシャドーボクシングでした。また,

父と一緒によくチェスをし,父に勝てたときには喜んだものです。今,振り返る と,たぶんわざと負けてくれたのだと思います。」5

アメリア・スミス・マッコンキーは次のような思い出を語っている。「父が 特別な注意を向けてくれるので,病気になるのが楽しいくらいでした。……父 は古いエジソン蓄音機で良い音楽をかけて,わたしたちを楽しませてくれまし た。わたしたちを喜ばせようと,父は音楽に合わせて踊ったり,部屋中を行進し たり,歌おうとすることさえありました。……きれいな大きくて甘いオレンジを 持って来て,ベッドに腰かけて皮をむき,一房ずつ渡してくれました。自分が子 供のころのことや,自分が病気のときに父親がどのように世話してくれたかを話 してくれました。適切であれば,祝福も授けてくれました。」6 アメリアはまた,

父親がどのような方法で子供たちをしつけたかについても明らかにしている。

「間違った行いについて子供たちを正す必要があるときには,父はただ両手を その子の肩に置き,自らの目に心の痛みを表しながらその子の目を見つめ,こう

第 4 章

言うのでした。『わたしは子供たちが良い子であってほしいと願っているよ。』

それはお尻をたたかれるよりも,どんな罰よりも効果がありました。」7

スミス大管長が子供たちに寄せた愛と関心は,孫たちにも寄せられた。孫の ホイト・W・ブルースター・ジュニアは,オランダで働く宣教師として 1958 年に イギリス・ロンドン神殿の奉献式への出席を許されたときのことについて語っ ている。ホイトとほかの宣教師たちがアッセンブリールームに入ったとき,祖父 が孫の姿を見つけた。ホイトは後に次のように回想している。「一瞬のためら いもなく,祖父はいすから跳び上がると両手を伸ばし,こちらに来なさいとわた しに合図しました。そのときわたしが見たのは,十二使徒評議会会長のジョセ フ・フィールディング・スミスではなく,……愛する孫の一人を見つけたおじいさ んでした。躊ちゅうちょせずに仲間から離れ,わたしが急いで檀上に行くと,祖父は聖 会に集まった全会衆の前でわたしを抱き締め,キスをしてくれました。わたしに とって,人生における最も神聖で心に残る瞬間の一つでした。」8

ジョセフ・フィールディング・スミスの教え

1

家族はこの世においても永遠にわたっても最も大切な組織である 家族という単位が天の御父の計画全体においてどれほど大切であるかを思 い起こしてください。実際,教会の組織はまさに,家族が昇栄に到達するのを 支援するために存在しています。

家族が一致し,福音に献身することは非常に大切であるため,敵は社会にお いて家族を崩壊させることに大いに注目しています。人生における善いものと 気高いものの基盤として家族に本来備わっている高潔さに,あらゆる方面から 攻撃が加えられています。……堕胎に関する法律が世界中で緩和されている ことは,命の神聖さが軽視されていることを示しています。増え続ける違法な 薬物の使用と合法な薬物の乱用によって,家族は引き裂かれています。権威を あなどる若者が増えていますが,それは多くの場合,家庭における不敬な態度 や不従順から始まります。……

悪の力は人が拠り所とする家族を引き裂くことによって個人を攻撃してくるた め,末日聖徒の親にとって,家族を維持し,強めることがきわめて重要になりま す。家族の支えなしに生きていけるような非常に強い人も何人かいるかもしれ ませんが,ほとんどの人は深く気遣ってくれる人たちから愛され,教えを受け,

受け入れられる必要があるのです。9

この世が続くかぎり変わらない昔からの真理,いかなる進歩も変えることの できない真理があります。その一つは,家族(父親と母親,子供たちから成る

組織)は教会におけるあらゆることの土台であるということです。もう一つは,

清らかで健全な家族生活に対する罪は,あらゆる罪の中でも特に,そうしたこ とが行われる国々のうえにきわめて深刻な結果を間違いなくもたらすというこ とです。……

どのような職業に就いているか,どのくらい裕福かといったことよりもはるか に重要な質問と言えるのが,どのような家族生活を営んでいるかです。ほんとう の家庭が存在しているかぎり,そして家庭を構成する人たちが互いに対する義 務を果たしているかぎり,ほかのことはすべてそれほど重要ではありません。10

義にかなった家庭に代わるものはありません。世の中ではそう考えられては いないかもしれませんが,末日聖徒イエス・キリスト教会においてはそうであり,

そうでなければなりません。家族は神の王国における単位なのです。11

家族はこの世においても永遠にわたっても最も大切な組織です。…… 家族 を強め,守ることは主の御こころ心です。父親の皆さんが家族の長として当然担うべ き役割を果たすように願っています。母親の皆さんにお願いします。夫を支え 励まし,子供たちの光になってください。12

福音は家族を中心としており,家族の中で実践しなければなりません。父な る神の家族に倣ならって自分たちの永遠の家族を築こうと努めるときに,わたした ちは家庭において,最も偉大で大切な訓練を受けるのです。13

2

主は家族を永遠に続くものとして設けられた

結婚は創世の前に定められた永遠の原則であって,死がこの世に入り込む前 に地上に設けられたと,わたしたちは学んでいます。わたしたちの最初の先祖 は,増えて地を満たすように命じられました。そして当然のこととして,家族の 組織もまた永遠に続くように意図されていました。この地上のために用意され た計画において,土台となったのは日の栄えの世界を治める律法でした。主の 大いなる業と栄光とは,「人の不死不滅と永遠の命をもたらすこと」です〔モー セ 1:39〕。これを成し遂げることのできる唯一の方法は結婚と家族によるも のであり,実際,これこそ昇栄した人たちの間にある永遠の秩序であって,無数 の世界において永遠の秩序となってきたものです。14

地上で人を治めるために福音の中で与えられている計画には,神の王国を治 める律法の特徴がよく示されています。父親や母親,子供たちとのつながりが ない状態で永遠の世界に取り残されること以上に悲しいことを想像できるで しょうか。家族が根本的な基盤となっていない国,すべての市民が互いにあま りよく知らない者同士であり,自然な愛情が見られない国,家族のきずなが人々 を結びつけていない国を想像するとぞっとします。そのような状況がもたらし

ドキュメント内 歴代大管長の教え (ページ 78-88)