1. 実習の位置づけと総合的な管理体制
(1)実習センターの設置
実習は理学療法士・作業療法士の養成教育の中で大きな時間数を占める重要な 科目であり、学内で学習した知識と技術・技能および態度を臨床における理学療 法・作業療法体験により統合する過程である。
学生は臨床実習指導者の指導のもとに、対象者の全体像の把握、理学療法・作 業療法の計画、治療・指導・援助などを通して療法士としての知識と技術・技能 および態度を身につけ、保健・医療・福祉にかかわる専門職としての認識を高め るものである。従って高い実習教育水準保持のために指導者を育成することや、
実習指導者と連携を保ち個々の学生に適した指導を実施するためには、実習全体 を統括管理することが非常に重要である。
そのため、実習に関する業務を統括管理する「実習センター」を設置し、実習 に関する業務一般を行うと共に、年間を通して学生の実習や学習に関する総合的 な支援を行う。なお、「実習センター」は保健医療学部の専任教員及び職員をもっ て、下表の通り構成する。
役職 配置人数
センター長 1 名(専任教員)
副センター長 1 名(専任教員)
センター担当教員 3 名(専任教員)
担当職員 2 名(職員)
(2)実習先確保の状況【参考資料 14】
本学園の関西医療技術専門学校において従来培ったネットワークを活用し、実 習施設を確保している。実習施設確保には、中長期的な視点を持って取り組む。
34 し、実習教育の成果や問題点を共有する。
(3)実習先との契約
実習承諾については、実習施設の実習担当者に事前に協議し、内諾を得てから、
単年度毎の実習契約を取り交わす。
契約に関しては、本学、及び実習施設の責務を明確にするとともに、特に医療 安全や個人情報保護についても定める。
①医療安全・感染症対策
2 年次後期からの実習に備え、1 年次後期に「医療安全・感染症学」を必修科目 として開設し、医療事故に対するリスクマネジメントや医療事故防止、身近な感 染症について具体的な例を通して学習する。さらに、実習前にセミナーを行い、
万が一、医療事故や院内感染を受けた場合について「医療安全・感染症対策マニ ュアル」(作成中)を用いて、指導を行う。
また、実習の事前準備として、ツベルクリン判定を実施し、陰性判定を受けた 学生については予防接種を実施する。風疹・麻疹・水痘・流行性耳下腺炎につい ては、問診表において既往歴と予防接種の有無を申告させ、臨床実習指導者に学 生の個人情報として報告する。
その他、学生には実習施設において発生しうる事故の補償問題に対応するため、
本学学生全員に学生教育研究災害傷害保険と賠償責任保険に加入させるものとす る。
②個人情報保護対策
個人情報保護については「学校法人 玉手山学園プライバシーポリシー」と「関 西福祉科学大学・関西女子短期大学個人情報の保護に関する規程」【参考資料 15】
に基づくとともに、法的な守秘義務であることをふまえた指導を徹底して行う。
尚、実習期間中、学生に接する対象者については,臨床実習指導者が責任を持っ て実習生とともに個人情報管理に留意する。
作業療法学専攻では分野の特性(精神科分野)に配慮し、個人情報保護法に基 づく個人情報の取り扱いについてより厳密な指導を行う。学内での個人情報保護 の方法について指導を行い、実習中および、実習後に達成度の評価を行う。
指導内容は、実習の記録作成時の情報の匿名化と取り扱い(データ化しない、
むやみに複写や携行をしない)についての基本事項、および実際に症例を担当し た場合の課題である。
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(4)実習水準確保の方策
実習センターを中心に本学および実習指導者が協力して実習水準の確保ができ るよう取り組みを充実させる。
①保健医療実習委員会
「保健医療実習委員会」を設置し、実習施設の確保、実習施設との契約、「臨床 実習指導者会議」の企画・運営、学生の配置の決定、実習期間中の問題発生時の 対策、実習前後における教育の検討などを行う。また、実習先でなされた学生評 価についても基準の標準化を図り、評価の公平性について検討する。
②実習巡回体制
実習については、実習施設と本学との情報交換、連携が十分はかれる体制をと る。実習施設の巡回については、実習前・実習中に 1~2 回、必要によりそれ以上 の巡回を予定している。実習巡回には理学療法士・作業療法士資格を有する学科 専任教員全員(以下、「巡回担当教員」という)を配置し、実習巡回および実習関 連事項の指導ならびに帰校指導を行うことを予定している。巡回担当教員は年間 を通じて学生の相談に応じ、実習や平素の学習に関するサポートも行う。
実習施設巡回では、実習中の学生の課題や進捗状況を臨床実習指導者と共有し、
臨床実習指導が円滑に進むよう臨床実習指導者をサポートする。また、実習期間 中、学生が抱える問題・課題などについては、巡回時のみならず ICT(e-mail な ど)を活用したタイムリーな指導・援助を行う。
(5)実習先との連携対策
①臨床実習指導者会議
実習センターが中心となり、大学教員と臨床実習指導者による「臨床実習指導 者会議」を開催し、実習に関する情報と意見交換を行う。また、実習開始前に学 生と指導者が顔合わせと、情報交換を行うことで学生の不安を取り除き、実習の 円滑な進行を図る。
②教育・研究における交流
実習センターが中心となり、学内教育、臨床実習指導方法などをテーマとした 講演会・研修会を開催し、臨床実習指導者と大学教員双方における教育レベル向 上に努める。大学・実習施設における共同研究を推進し、両者の学術レベルの向 上にも努める。
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制をとるために、実習前にそのシステムの理解を双方が行う。
(6)実習施設における指導者
臨床経験 3 年以上の有資格者である臨床実習指導者が在籍する施設に対して実 習契約を結ぶものとし、実習施設における指導体制の水準の確保をはかる。また 各専攻の所属団体などが主催する臨床実習部研修会や、養成校連絡協議会におけ る研修会についての情報を提供する。
(7)成績評価および単位認定方法
成績評価は実習科目担当者が責任を負う。評価は、臨床実習指導者からの報告、
巡回担当教員からの報告、学生の実習報告会内容などを合わせて保健医療実習委 員会によって決定される評価基準により総合的に判定する。
2. 実習の具体的計画
(1)実習前教育
実習前にセミナーを実施し、実習に不可欠な臨床現場における倫理や学ぶ上で の態度、報告・連絡・相談の意味などについて指導する。さらに、実習の目的や 方法、課題の内容など実践を踏まえた演習や講義を行い、円滑な実習の進行を図 る。
(2)実習後教育
実習後、各学生の課題達成度を明らかにし、また実習での実践課程の共有化を 図り、より高い教育効果を得るために実習報告会を開催する。この中で学生及び 教員が実習において顕在化した課題の明確化と相互認知のすりあわせを図る。巡 回担当教員や臨床実習指導者からの報告と実習報告会で明らかとなった課題に基 づき、学生と個別面談を行ない、その対策を検討する。また、検討された対策を 実施し、その教育的効果の検証を行う。
(3)実習の流れ
【理学療法学専攻】
理学療法学専攻において、実習を 2 年次見学実習、3 年次評価実習、4 年次治療 実習として計画する。いずれの実習も、学内で学んだことを積み上げ、その総括 と確認を行うためと位置づける。実習により、自らの不足を理解し、学んでいく
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実習は以下の通り計画する。各実習においては、前述のように大学と実習施設 間が緊密に連携し、きめ細やかな指導を展開する。実習は「臨床見学実習」、「臨 床評価実習」、「臨床治療実習」、「保健福祉実習」に分ける。
〔実習科目と目的、時期〕(実習の時期に関しては【参考資料 17】)
①臨床実習Ⅰ(臨床見学実習)(2 単位)
2 年次後期の 2 週間を実習期間とする。
履修条件は、2 年次前期までの専門基礎分野と専門分野の必修科目をすべて修 得していることとする。
1 年次教育を総括し専門的視点・観察力・コミュニケーション力を磨き、理学 療法士の社会的な意義を理解することにより学習目標を明確化する。また、人間 理解の機会とし、リハビリテーション理念が理解できるよう、より多くの経験を できるように指導する。学内では、学生が実習施設でより多くのことを学ぶため に必要な姿勢・態度がとれるよう事前教育する。
②臨床実習Ⅱ(臨床評価実習)(5 単位)
3 年次後期の 5 週間を実習期間とする。
履修条件は、3 年次前期までの専門基礎分野と専門分野の必修科目をすべて修 得していることとする。
施設での評価実習を通じて実践的な知識・技術を得ること、専門職としての自 覚と誇りを持たせることを目的とする。そのために、対象者の心身機能・構造、
活動や参加の評価・分析について臨床実習指導者の管理・指導の下、対象者の個 別の問題や環境が及ぼす影響などを学習する機会を持つ。学生が自らの課題を計 画的に進め、さらに医療人としての態度を身につけることができるようにする。
③臨床実習Ⅲ(臨床治療実習)(7 単位)
4 年次前期の 7 週間を実習期間とする。
履修条件は、3 年次後期までの専門基礎分野と専門分野の必修科目をすべて修 得していることとする。
これまでの学習成果を前提に、臨床実習指導者の監督の下、対象者の理学療法 を計画し実施できるようになることを目的とする。また、4 年次治療実習では、
その理学療法の治療効果判定ができるようになることである。理学療法実践経験 を通してリスク管理能力、問題解決能力も養う。学生が対象者に対してインフォ