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第 5 章 早稲田大学総合活動型日本語教育の事例分析―ゲシュタルトグループ―

5.6 まとめ

ゲシュタルトグループは、「個人と社会を結ぶ」というクラスのテーマについ て、劇を演じたうえでレポート集をまとめる形でグループ活動を行ってきた。

まず、メンバーの「個人の文化」に基づき、テーマについての理解を「表現」、

「共有」および「統合」の場による異文化に根付く共通認識の統合ができ、グ ループのキーワードを見出した。次に、グループのキーワードに基づき、劇の シナリオを作成し、劇を演じるという「表現」、「共有」による意見の「統合化」

ができた。

ゲシュタルトグループのグループ活動のプロセスを分析すると、グループ内お よびクラス内での協働が大変重要な役割を果たしていた。ゲシュタルトグルー プ活動においては、2人の実習生はファシリテーターとして、グループディスカ ッションの場づくりを仕掛ける役を果たしていたが、場面によって他のメンバ ーがファシリテーターになってリーダーシップを発揮したことも見られた。グ

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ループ活動のプロセスには、「表現⇒共有⇒統合⇒内省」の繰り返しがあった。

この「表現⇒共有⇒統合⇒内省」のスパイラルによって、メンバーの言語・文 化知識が変容されてきた。

ゲシュタルトグループのメンバーはグループ活動における対立や分裂を繰り 返しつつ、活動を最後までやり遂げたことが注目された。特に劇をするおよび そのまとめの段階においては、学部生のメンバーも積極的にファシリテーター の責任を担当したことから、グループワークにおける人間関係の重要性および そのメンバー間の包容性が不可欠なものだとわかった。

5-8 ゲシュタルトグループの行動規範:

反対意見を受け入れながら自己为張する

GJ1* 他者を受け入れようとするようになった

自分の意見を裏付けとなる説明をできるようになった ぶつかり合いは無駄ではない

真の関係を築くのには対立は避けられない

GJ2 コミュニケーションのベーシックなものがわかった

GK1 異なる意見を受け入れることと自己为張はバランスを取ること GC2 反対意見は相手を肯定してから伝える

ゲシュタルトグループの場合は、グループメンバーが個性的で、コミュニケー ションのやり方がかみ合わずに、グループが分裂することがあった。グループ ディスカッションを進めると同時に、メンバーたちは反対意見を受け入れなが ら自己为張できるような活動の「ルール」に尐しずつ気づいてきた。このルー ルも当然、メンバーの意見伝達に影響を及ぼしている。ゲシュタルトグループ の行動規範は、表5-8で表すように、「他者を受け入れよう」とし、「反対意見は 相手を肯定してから伝える」など「コミュニケーションのベーシックなもの」

から考え直し、「異なる意見を受け入れることと自己为張はバランスを取るこ と」が大事であった。簡単にまとめると、ゲシュタルトグループの行動規範は

「反対意見を受け入れながら自己为張する」である。

または、多文化グループワークを通じて、ゲシュタルトグループはグループ なりの「世界観」も生まれた。それは、クラスのタイトルでもある「個人と社 会を結ぶ」ということの答えになる。ゲシュタルトグループの考えでは、「個 人と社会を結ぶ」には、「柔軟性、包容性、相互理解」が不可欠である。「ゲシ ュタルトは演劇を通してキーワードの3つである「柔軟性」「包容性」「相互理解」

をコミュニケーションの齟齬という形で伝えようとした。これらの3つのキー ワードはいずれにしろ「受容」という点に重点を置いている。「ゲシュタルトの 活動について」によると、柔軟性は自分の意志も入ったものであるとして発信 を前提にしているが、個人と社会が結ばれるためには「柔軟な受容」がバイタル

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な要素なのであろう」(MJ3期末レポート)。

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