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地域における情報伝達と避難誘導   1 地域における情報伝達

ドキュメント内 2 (ページ 170-200)

 (1)防災行政無線(集落内放送)等による情報伝達 

      防災行政無線による情報発信          

   

防災行政無線を用いて、各集落で集落内に一斉放送ができるシステム「地 区遠隔端末装置」が、全142集落のうち109集落に設置されていた。こ のうち、今回の災害時には地区遠隔端末装置を用いて、集落内への一斉放送 が行われた集落は、19集落であった。集落によって、防災行政無線の利用 の有無・頻度に大きな差があった。 

なお、48の集落では、役員と消防団が連携して防災行政無線、電話、訪 問等により、集落の住民へ避難の呼びかけなどを行った。 

    【主たる要因】 

各集落による防災行政無線の利用の有無・頻度に差が生じた要因としては、

まず、地区遠隔端末装置の設置がされていない集落(佐用地域33集落)が ある。また、装置が設置されていても、浸水により使用不能となった集落も あった(表1、表2)。

さらに、装置があっても、平時から集落内でのお知らせなどに利用してい た集落では、災害時にも頻繁に利用することができたが、平時から利用して いなかった集落では、災害時に利用することができなかった。

      防災行政無線による放送内容         

  

地区遠隔端末装置を用いた集落内放送を活用し、集落の状況に応じた、き め細かな放送が多く行われた。例えば、越水前に公民館等への避難を促す放 送、越水後に浸水で通行できなくなった箇所を伝える放送、外出せずに自宅 の2階への避難を呼びかける放送などが行われている(表2)。 

その一方で、地区遠隔端末装置を用いた集落内の放送を行わなかった集落 もあり、活用状況には差があった。 

    【主たる要因】 

平時に防災行政無線の地区遠隔端末装置を利用しておらず、操作に不慣れ な集落があった。また、災害時に集落で地区遠隔端末装置を利用するタイミ ングや、集落の住民に対して放送すべき内容などは明確になっていなかった。

検証の視点 防災行政無線による放送内容の状況  検証項目2 

検証の視点 防災行政無線による情報発信の状況  検証項目1 

      防災行政無線の聴取          

   

佐用町では、防災行政無線の受信装置として、町内39箇所に屋外拡声器 を設置するとともに、原則、全戸に戸別受信機を配備していた。 

しかし、今回の水害時の受信状況については、佐用町災害復興計画検討委 員会のアンケート調査の結果によると、避難した人のうち54.3%と約半 数の人が、防災行政無線の放送を聞いていなかった(表3)。 

    【主たる要因】 

屋外スピーカーについては、その設置場所が小学校などに限られており、

設置場所から離れた世帯では、平時でも放送内容を十分に聞きとることは難 しい。さらに豪雨時では、設置場所の周辺にある世帯であっても、雨音や窓 を閉め切った場合、聞こえにくい状況となる。また、屋外にいる者も、豪雨 時の雨音で、屋外スピーカーの放送内容を十分に聞き取ることは難しい。

戸別受信機は、屋内に設置されているが、豪雨時には、やはり雨音で音が 聞き取りにくい状況となった。また、屋外で防災活動をしていた自治会の役 員などは、防災行政無線の戸別受信機による放送を聞くことができなかった。

なお、屋外アンテナを設置しなくても、防災行政無線を受信できる町内の 一部地域では、戸別受信機を持ち出し、屋外でも使用することが可能であっ た。しかし、そうした携帯利用が可能であることを事前に周知していなかっ たため、今回の災害時に屋外に持ち出す者はいなかった。

 

 (2)消防団、自主防災組織による避難誘導 

      消防団による避難誘導          

 

町地域防災計画では、避難の誘導は町職員が行い、消防団及び自主防災組 織は避難誘導に協力することとなっている。しかし、今回の災害では、町職 員のみでは、現地で避難誘導することは十分にはできなかった。 

消防団では、8月9日午後3時30分頃から地域の要請及び分団長の指示 などにより、多くの分団が地域情報の把握、避難誘導及び住民の救助などの 活動を行った。延べ7分団が住民の安否確認、延べ21分団がポンプ付積載 車による警戒放送やサイレン吹鳴により住民の避難誘導を行い、地域住民の 被害軽減に貢献した。また、自治会役員や町職員と連携し、通行止めや交通 整理を行い町外者、特に自動車移動者の避難誘導を行った。(町外避難者27 5名) 

ただし、災害対策本部では、各地域の消防団が確認していた情報を、十分 に収集することができなかった

検証の視点 消防団による避難誘導の状況  検証項目1

検証の視点 防災行政無線の聴取の状況  検証項目3 

     【主たる要因】 

今回のように広範囲に及ぶ災害においては、町職員のみで全ての地域の避 難誘導を行うことは極めて困難であった。地域の消防団は、町職員が町役場 から地域に行くよりも、災害時にいち早く駆けつけ、災害対応を行うことが できた。

ただし、通信手段の不備、救出活動等による多忙、また、消防団において 水害時の役割分担が不明確であったこともあり、今回の災害では、災害対策 本部への連絡については、十分には行われなかった。

      自主防災組織による避難誘導          

 

町地域防災計画では、避難の誘導は町職員が行い、消防団及び自主防災組 織は避難誘導に協力することとなっている。しかし、今回の災害では、町職 員のみでは、現地で避難誘導することは十分にはできなかった。 

各地域の自主防災組織は、地域住民の安否確認、避難誘導のため、48集 落で役員と消防団が連携し、電話、訪問及び防災行政無線等を活用して住民 の安否確認、避難の呼びかけや避難誘導などを行った。

また、町外者の避難誘導のため、10集落で自主防災組織の役員と消防団 及び町職員が連携し、町外者、特に自動車移動者の避難誘導を行った。(町外 避難者275名)   

ただし、災害対策本部では、各地域の自主防災組織が確認していた情報を、

十分に収集することができなかった。

     【主たる要因】 

今回のように広範囲に及ぶ災害においては、町職員のみで、全ての地域の 避難誘導を行うことは極めて困難であった。

町では、以前から集落自治会を中心としたコミュニティの結びつきが強く、

平時においても祭りや地区の清掃などのコミュニティ活動が活発に行われて いた。そのため、今回の災害においても、地域を守るための自主防災組織に よる防災活動が積極的に行われた。

ただし、自主防災組織において、役場に連絡を行うなどの役割分担を明確 に定めていない自治会もあり、今回の災害時には、十分に連絡は行われなか った。

検証の視点 自主防災組織による避難誘導の状況  検証項目2 

住民は、防災情報に日頃から注意する必要がある。

住民は、テレビ・ラジオなどによる気象情報や、町や自治会が発信する防 災情報などに日頃から注意する必要がある。町は、さよう安全・安心ネット の登録促進や、佐用チャンネルによる河川情報の発信とその住民への周知を 行う必要がある。

 

戸別受信機の整備・管理及び使用方法の周知を徹底する必要がある。 

災害時に、戸別受信機が確実に活用されるよう、町と自主防災組織が一体 となり、電池交換の徹底や故障対策、未設置箇所の調査など整備・管理を徹 底する必要がある。 

また、今回の災害では、9日の夜、家を離れて防災対策などを行っていた   住民は戸別受信機を持ち出さなかったため、防災行政無線放送を受信できな かった者が多い。屋外でも防災行政無線を聴取できるよう、町民に戸別受信 機が屋外に持ち出しが可能であることを周知する必要がある。 

地区遠隔端末装置(集落内放送)の未設置箇所の解消を図ることが望ま しい。 

今回の災害では、地区遠隔端末装置を用いることにより、多くの自治会で   それぞれの地域特性や河川水位・浸水等の状況に応じた防災情報を集落内で  放送することができた。

しかし、地区遠隔端末装置が整備されていない自治会があるため、早期に 未設置箇所の解消を図ることが望ましい。

自治会は、平時から集落内放送の操作に習熟する必要がある。 

集落内放送を有効に活用することは、各地域の安全性を高めるために重要 である。このため、より一層、災害時に防災行政無線を有効に活用できるよ う、平時から集落内放送を利用し、地区遠隔端末装置の故障の有無確認や、

操作に習熟することが必要である。

さらに、防災訓練の際にも集落内放送を行い、災害時の放送内容などを、

集落の住民に、あらかじめ周知しておくことが必要である。

自治会では、町からの情報や集落の状況に基づき、集落内放送をするこ とが望ましい。 

自治会では、町から発信される避難勧告などの防災行政無線放送の放送内

地域における情報伝達の改善への提言 

提言 54 

提言 55 

提言 56 

再掲  提言 53 

ドキュメント内 2 (ページ 170-200)