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ドキュメント内 エジプト 2012 年憲法の読解 (ページ 42-46)

前文

われらエジプト人民大衆

慈悲深く慈愛遍きアッラーの名において,そしてアッラーのご加護のもと,

 これこそわれらの憲法:1月25日革命の文書である。この革命は,われらの若者がひき おこし,われらの人民が集まり,われらの軍隊が与したものであった。

 われらは,タハリール広場で,国中で拒絶の声を上げた:不正,従属,暴虐,圧制,疎外,

強奪,汚職および独占に対し,抗議の声を上げた。

 われらは,われらが有する十全な権利により,「パンと自由と社会的公正と人間の尊厳を」

と叫んだ。殉教者の血,負傷者の痛み,子どもたちの夢および男と女の尽力がこれに続いた。

 われらは取り戻した,偉大な文明の風を,光り輝く歴史の薫りを。われらは,不朽のナイ ルの岸辺にたたずむ最古の国を生き返らせた。この国は,国民間の平等および平等な権利を,

差別なきことを知っていた。世界で初めて書き文字を伝え,唯一性の信仰および創造主の存 在を知らしめた。アッラーの預言者を,彼らが伝えた天の啓示をその懐に抱き,絢爛たる創 作により人類史の紙面を飾った。

 われらの清らかな革命の継続させるため,エジプト人を平等の語により結びつけ,新たな 民主国家を建設するため,われらは,以下の原則を固く守ることを宣言する。

 一.人民は権力の源である。人民が権力を創始する。権力は人民により正当性を与えられ,

人民の意志にしたがう。権力が有する責務と権限は,それを担う者に預託されたにすぎず,

いかなる特権も権力により擁護されることがない。

 二.統治体制は民主制である。それは,権力の平和的交替を強固にし,政治および政党の 複数性を深め,選挙の公正性および国民的決定の形成における人民の参画を保障する。

 三.個人の尊厳は祖国の尊厳の一部である……。女性が尊重されない国に尊厳はない。女 性は男性の同胞であり,両者は国民的成果および責務をともに担う。

 四.自由は権利である。それは,思想,創作,意見,居住,所有,定住および移住に関わ る。創造主は,これら自由の根源を,宇宙の運動と人間の本性のなかに置かれた。

 五.平等と機会均等はすべての者に与えられる。国民の間に男女の差を認めず,差別を設 けず,縁故を認めず,情実もない。これらは権利および義務に関わる。

 六.法の支配は,個人の自由の基礎であり,権力の正当性および国の法治を支える。権利 の力に勝る声はない。司法は,独立し,はるか高みに立つ。憲法を保護し,正義の均衡を保 ち,権利および自由を守るべき高き使命を有する。

 七.国民統一は絶対的義務であり,新たなエジプト国家を打ち建てる基礎である。その方 向は進歩および開発に向けられる。寛容,穏健および中庸の価値観,ならびに,所属する国 内集団の違いなくすべての国民に権利および自由を保障することは,統一を確固にする。

 八.祖国の防衛は,名誉であり,義務である。われらの軍隊は,国民的・職業的・中立的 機関であり,政治問題に介入しない。軍隊は,国を守る盾である。

 九.治安は最大の恩寵である。警察は,人民への奉仕およびその保護,正義の均衡の保持 に,夜を徹して努める。保護なくして正義は実現せず,人間の尊厳および法の支配を尊重す る治安機関なくして保護は実現しない。

 十.統一はアラブ共同体の希望であり,歴史の叫び,未来の呼び声,運命の必然である。

その統一を支えるのは,ナイル川流域諸国およびイスラーム世界との統合および友愛である。

これら地域は,エジプトが世界地図上に占める天与の位置および場所の自然な延長である。

 十一.エジプトの思想的・文化的な先駆性は,エジプトが有する無形の力の具現である。そ れは,創作および思想の自由の賜物であり,エジプトの大学,科学的・言語的学術協会,学 術研究所,報道,芸術,文学,マスメディア,国民的協会および高貴なるアズハルによって 体現される。アズハルは,その歴史の長きにわたり,この国の本質的性格を伝え,不滅のア ラビア語および栄光のイスラームのシャリーアを護持し,啓かれた穏健思想の灯台であった。

われらエジプト人民大衆は,

アッラーとその啓示を信仰し,

祖国および共同体に対するわれらの義務を自覚し,

われらの国民的・人類的責務を意識しながら,

この憲法に記された不動の事柄にしたがい,これを責務とする。この憲法は,われらが自ら 受け入れ,認めたものである。われらはこの憲法にもとづき行動し,これを守護し,国家および

あらゆる権力からこれを守り,尊重する固き決意を持つことをここに確認する。

ドキュメント内 エジプト 2012 年憲法の読解 (ページ 42-46)