本章 で は、 曲面 の接 ベ ク トルの 双対
"と
して余接 ベ ク トル を定 め、曲 面の1次
微 分形 式 を定 義す る。 さ らに、1次
微 分形 式 ど うしの演算 として テ ンソル積 や外積 を定 め る。 リー マ ン計 量 とよばれ るテン ソル積 は、接 ベ ク トル空間 に内積 の概 念 を与 えてい る。 また、外積 に よって微 分形式を高次 に発展 させ て い くこ とが可能 とな る。
2。
1 ‑次 微分形式
ここまでの こ とを少 し振 り返 ってみ よ う。 1.4節 で は、 曲面
SLの
点P
で座標 近傍 の と り方 に よ らない接 ベ ク トル空間
TP(S)を
定 義 した。続 い て 1.5節 で は、 曲面S上
の各 点Pに
ひ とつず つ接 ベ ク トル を対応 させ た ベ ク トル場Xを
定 義 した。本節 の 目標 は、曲面S上
の点Pで TP(S)の
双対 とよばれ るベ ク トル空間 を定義 し、その元 を各点 にひとつずつ対応 さ せ る写像 を考 えることである。
まず は一般 のベ ク トル空間 に対 して、その 双対
"と
は どの ようなもの であるかを考 えることにす る。定義 2。 1。
17を RLの m次
元ベ ク トル空間 とす る。 この とき、yか
らR
への線型写像 ω
:y→ Rを
ソLの
一次形式 とい う。 また、y上
の一次形式全体 のなす集合 を ソ*と表す。
噛l ω2∈ 1/*に 対 して、和 ω
l+ω
2とスカ ラー倍 んωlを次の ように定義 す る。 ただ し、υ∈l′′とし、たは実数である。・ 和 (ω
l+ω
2)(υ)=ω
l(υ)十
ω2(υ)● スカ ラー倍 (た ωl)(υ
)=た
(ωl(υ ))この演算 に よ り、
y*も
またベ ク トル空間 にな る こ とは容 易 に示 す こと がで きる。 この ソ*を 1/の 双対ベ ク トル空間 とよぶ。実 は、y*の
基底 をyの
基底 か ら構 成 す る こ とがで きる。第
2章
微 分形 式 と外微 分55
命題
2.1.2ベ
ク トル空間 1/の 基底el,c2,…
・,Cηしに対 して、y*の
元 ω,を
次 の よ うに定 め る。
1/の 元 υが υ=α
lel+α 2e2+…
・+αm em(α
t∈R)と
表 され る とき、喝(υ)=α
をで あ る。この とき、ωl,ω 2,…・,ω
mは
1/*の 基底 にな る。証 明
次 の(i)(五
)(Hi)を
示せ ば よい。(i)喝 ∈ソ
*で
あ る こ と。ωJの 定義 よ り写像 ω
.:y→ Rが
線型 写像 で あ る こ とは容 易 に示 す こ とがで きる。証 明 は省 略 す る。(ii)ωl,ω2,… °,ω
mは 次
独 立で ある こ と。今、blωl+b2ω
2+…
・十b ωれ=0(bl,b2,・
…,baは実数)で
あ る と仮 定 す る。 この とき、任 意 の 元 υ∈
yに
対 して、(blω
l+b2ω 2+…
・十b″ lωη2)(υ)=0
となる。υとして特に
e′ (1≦」≦η
2)を代入すると、
0=blω
l(e″)十
b2ω2(C,)+… 。十
bγγ 〃η
(eブ)=19J
とな り、わ
1=b2=…
・=b =0と
な る。(lii)ω l,ω2,・・・,ω″とが
y*を
生成 す るこ と。任意 の元 ω ∈1/*に 対 して、
bl=ω
(el),b2=ω (e2),・ …,bη2=ω
(cm) とお く。 この とき、yの
任 意 の元 υに対 して、υ=α
l el+α2C2+
…・+α″,Cm (α二∈
R)と
お くと、u71(υ
)=ω
(αl el十 α2C2+…
・+αm erれ)=alω
(Cl)十 (ι2ω(C2)十・…+αmω
(Cη2)=ω
l(υ)ω(el)+ω
2(υ)ω(C2)+…
・+ω
″2(υ)ω(Cm)=(わlωl+わ2ω2+・ …+われ螺 )(υ)
と変 形 で き る の で ω
=blω l+b2ω 2+…
・+bmω mと
な り、ω をωl,ω2,… °,ω
mの
一 次 結 合 で表 す こ とが で き る。第
2章
微 分形 式 と外微 分56
(i),(ii),(iii)よ り、ωl、ω2,・・・,叫22は
y*の
基底 にな る。□
命題 2.1.2か ら、
y*の
基底 を 1/の 基底 か ら構成 で きる こ とがわ か った。また これ に よ り、 ″ι次 元 ベ ク トル 空間
yの
双対 ベ ク トル 空間 ソ*の次 元 も また7rι で あ る こ とがわ か る。命題 2.1.2で 定 め た ωl,ω 2,… .,ωれ を、1/の 基底 el,c2,… ・,Cη2に 対 す る双対基底 とい う。次 の命題 の (h)は 、双対基底 の性 質 とい うよ りもむ し ろ、双対基底 の定 義 と して用 い られ る こ とが あ る。
命題
2.1.3 cl,c2・
…・ヽC"し をベ ク トル空間 1/の 基底 と して、ω・をy*の
元とす る。 この とき、ω
jに
つ いて次 の2つ
が成 り立つ こ とは同値 で あ る。(1)ω
l,ω2,.…(ii)ωo(Cプ)=
ω l 0
ヽ
I
ηιはel,c2,・・・
,emに
対 す る双対基底 で あ る。:軍 ]で あ 乙
証明
・
(1)→
(ii)が成 り立つ ことは、双対基底 の定 義(命
題2.1.2)よ り明 らかであ る。
・ (五)=→>(1)が 成 り立つ ことを示す。
1/の元 υが、υ
=α
lcl+α2e2+…
・+αηt eη2(at∈ R)で
表 されてい るとす る。 この とき、(ii)を みたす ω,C1/*を
両辺 に作用 させ るとω,(υ)=alω J(cl)+… ・十 α,ω。
(C,)十
… ・+α″2ωィ(Cγη)=0,
とな り、
(1)が
成 り立 つ 。□ ここか らは、ベ ク トル空間1/と して特 に接ベ ク トル空間 Ъ (S)を 扱 う ことに して、曲面上の点での
TP(S)の
双対ベ ク トル空間 を考 える。定義
2.1.4Sを
曲面 とし、Pを S上
の点 とする。この とき、接ベ ク トル空 間TP(S)の
双対 ベ ク トル空間 を 写(S)で
表 し、曲面Sの
点Pに
おける余接ベ ク トル空間 とよぶ。余接ベク トル
77(S)の
元を余接ベ ク トル とよぶ。余接 ベ ク トルの例 を次 に挙 げる。
第
2章
微 分形 式 と外微 分 57 例2,1.5Sを
曲面 として、Pを S上
の点 とす る。∫をPの
まわ りの近傍y⊂ Sを
定義域 にもつ θ∞級関数 とする。このとき、υ∈TP(S)に
υ(y.)∈Rを
対応 させ る写像 を(ィ)ρ と表す ことにす る。 す る と、(ィ)pは 余接ベ ク トルである。証明
υ,り を
TP(S)の
元 として、α,わ を実数 とす る。 この とき、(dハP(αυ+わυ
)=(α
υ十わυ)(.f)=α υ(∫
)十
bυ(∫)=a(イ
)ρ(υ)十 b(イ )p(υ
)と変形で き、写像
(げ )p i TP(S)→ Rは
線型写像 で あ るので、(げ)pは 写(S)の
元であ る。□
ベ ク トル場 を考 えた ときと同様 に、曲面上の各点 に余接ベク トル を対 応 させ るものを考 える。
定義
2.1.6Sを
曲面 とす る。S上
の各点Pに
余接 ベ ク トル空間 写 (S)の元ω Pを ひとつずつ対応させる対応ω ={ω
p}p∈Sを 、 S上 の 1次 微分形式
とよ
̀ミ
。
次 に、 曲面
S上
の一次微 分形 式 ωの 「微 分可能性 」 につ いて考 え る こ とにす る。 こ こで注意 した い こ とは、 ベ ク トル場 の とき と同様 に各 点 で の余接 ベ ク トル空 間 が異 な る こ とで あ る。 そ こで まず は、S内
の座標 近 傍 内で局所 座標 を用 いて余接 ベ ク トル を表 す こ とにす る。命題
2.1.7Sを
曲面 と して、Pを S上
の点 とす る。 (y;.1,・ 2)をPを
含む