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図表

3-11 岐阜大学病院バス停 図表 3-12

岐阜大学病院バス乗り場

出典:筆者撮影 出典:筆者撮影

3)総括

今回、実施した岐阜市内視察では、岐阜市はまだ『公共交通を軸に都市機能 が集積した歩いて出かけられるまち』を目指し公共交通の再編を行なっている 最中であると感じた。

岐阜市内の主要路線を走る

BRT

(図表

3-12

)や市内の中心地を循環する市内 ループ線(写真

3-13

)などはまちのシンボル的存在になっていた。視察の際に 乗り込んだが車内は中程度の乗車率であり、市民の利用は進んでいるように考 えることができた。

図表

3-13

清流ライナー(岐阜市

BRT) 図表 3-14

市内ループ線

出典:筆者撮影 出典:筆者撮影

バス優先レーンやトランジットセンターは岐阜市総合交通戦略で目標とされ ていた姿とは異なっていたが、おそらく変革の最中なのであろう。今後の岐阜 市の変化に期待を寄せていきたいと考えられるものであった。

91

3.名古屋市

日本国内で

BRT

が都市内の交通機関として使われている例が数少なく、

2

件が名古 屋市に存在。⇒首都圏や京阪神に比べ、鉄軌道系交通機関が乏しく、一方で幅員の広 い道路が多数存在し、自動車都市となっているため。

・名古屋ガイドウェイバス・ゆとりーとライン

・名古屋市バスの基幹バス

日本国内では他に

2015

年に暫定的に運行を開始した、新潟市の萬代橋ラインがあ る。

(1) 名古屋市、基幹バス

図表

3-15

名古屋市基幹バス:路線図とバス・専用道

出典:路線図は

http://www.rosenzu.com/index.html

より。写真は筆者撮影。

・系統:基幹

1

号、基幹

2

号の計

2

系統

・ダイヤの間隔…昼間・栄発着が

10

分間隔、名古屋駅発着が

20

分間隔、朝

4

分間 隔、夕方

5

分間隔

・表定速度向上のため、停留所の間隔を通常の系統より長い(通常より

2

3

倍の距 離)

92

・バスレーン規制を行ない、レーンの区分をはっきりさせるため赤とオレンジのカ ラー舗装。監視カメラと道路情報掲示板で、バスレーンを走る一般車両に対して警 告を行う。

・路面電車と同じく、中央寄りのレーンがバスレーンとなっている。方向別信号制 御で交差点内での中央寄りレーンを直進するバスと右折する一般車の同時進入を防 ぎ、互いの干渉を排除。

(2) 名古屋ガイドウェイバス・ゆとりーとライン

図表

3-16

ゆとりーとライン:路線図とバス

出典:http://www.guideway.co.jp/より

・正式名称はガイドウェイバス志段味線。大曽根駅から小幡緑地駅に至る全線高架の 案内軌条式軌道路線で、小幡緑地駅から高蔵寺方面は一般道を走行する。

・大曽根~小幡緑地間は、軌道法に基づき軌道特許を受けた専用軌道区間で、バスと 新交通システムの中間的存在

93

4.高松市

(背景)

和歌山市においては、新たなまちづくりの指針として、和歌山市都市計画マスタ ープランの見直しが平成

28

年度に行われ、平成

29

3

1

日付けで和歌山市立地 適正化計画が策定された。これらによると、中心市街地区は

JR

和歌山駅、南海和 歌山市駅、和歌山城に囲まれたエリアとしている。中心市街地区の端部に位置する

2

つの拠点駅から、市中心部までの交通網は特に問題ないが、中心部周辺や中心部 を外れた地域への交通利便性が非常に悪く、反面、人口減少、若者の車離れの今で も、道路網の整備が進められ、中心部周辺や近隣市町から和歌山市への移動は、主 に自家用車となっている。この状況を放置すれば、人口減少の進捗と相まって、

JR

和歌山線、南海電鉄加太線、和歌山電鐵貴志川線等の和歌山市の基幹交通網の経営 の重荷になってくると思われる。

また、このまちづくりと公共交通網の課題のもとで、平成 30

年度を目途に和歌山

市地域公共交通網形成計画の策定が進められている。地域公共交通網形成計画は、

国土交通省の指針通り、まちづくりと公共交通が両輪となったもので、公共交通は コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりの各拠点を結ぶものでなければな らない。

このような背景から、和歌山市の交通まちづくりの参考事例とするため、下記の

日程で、高松市の交通まちづくりについて調査を行った。

調査日程:平成

29

3

13

15

3

13

日 志度線及び長尾線沿線、中央通り(官庁、企業ビル)

中央商店街の夜の状況

3

14

日 事業者ヒアリング(高松琴平電気鉄道(株))、琴平線沿線 中央商店街の出勤時の状況、瓦町

FLAG

(商業ビル)

3

15

日 高松築港駅、

JR

高松駅周辺、中央商店街の出勤時の状況

(1)高松市の概要

高松市は、四国の玄関口として、四国を統轄する国の出先機関のほとんどや、

多くの全国的規模の企業の四国支社や支店、また四国電力や

JR

四国といった、

四国全域を営業区域とする公共サービス企業の本社などが置かれ、四国の政治経 済における中心拠点であり、平成

11

年に中核市に移行し、平成

18

年に香川町、

香南町、国分寺町、庵治町、牟礼町を合併して、現在では、面積

375.17

k㎡、人 口約

42

万人(平成

27

年国勢調査)となっている。また人口集中地区(

DID

)は

94

面積

41.04

k㎡(全市の

10.9

%)、人口約

21

万人(全市の

50.6

%)で、

DID

面 積、人口は拡大しつつあるが、中心部に人口が集中している都市といえる。

高松市ではモータリゼーションに伴う道路網の進展による市街地の拡散と合併

による更なる人口の拡散に対して、平成

20

年度に策定した「高松市都市計画マス タープラン」と整合性を取りながら、支所や鉄道駅周辺などの集約拠点への都市 機能の集積と市街地の拡大抑制を目指して平成

25

2

月に立地適正化計画にあた る「多核連携型コンパクト・エコシティ推進計画」を策定し、その実現に取り組 んでいる。

また、自動車利用者の増加の放置は、将来の人口減少と相まって、公共交通の

衰退につながるといったことから、平成

25

9

月に「高松市公共交通利用促進条 例」を定め、平成

27

3

月に「高松市地域公共交通網形成計画」、平成

28

3

月に「高松市地域公共交通再編実施計画」を策定し、今まさに「コンパクト・プ ラス・ネットワーク」のまちづくりに邁進している。

(2)高松市と和歌山市の流動人口、従業者数の比較

高松市と和歌山市の人口、面積、人口集中地区は、図表 3-17

3-18

に示す通り で、高松市は和歌山市に比べて、人口

1.15

倍に対して人口密度は

1.6

分の

1

である が、人口集中地区の人口密度は逆に約

1.2

倍となっている。特に人口集中地区につ いては、両市とも面積は、ほぼ横ばいであるが、

DID

人口は、高松市が下げ止まり に対して、和歌山市は減少を続けている。

次に、市内の流動人口や従業者数を比較してみると、平成

28

4

月の

14:00

に おいて、市内に滞在する人数は、高松市が

343,294

人(人口の

1.08

倍)、和歌山市 が

310,726

人(人口の

1.08

倍)となっている

。中心市街地区における時間帯別の 人口において、中心市街地区へ移動してくる人口をみると、平成

28

4

月の両市

∗ RESAS

まちづくりマップ

From-to

分析(滞在人口)株式会社NTTドコモ・株式会社ドコモ・インサ

イトマーケティング「モバイル空間統計

®

図表

3-18

高松市・和歌山市の 人口集中地区の推移

出典:国勢調査

図表

3-17

高松市・和歌山市の人口等の比較

出典:国勢調査 人口 平

成27年 (a)

平成22年

~27年の 人口増減 数 2)

面積

(km2)

(b) 1) 2) 人口密度

(1km2当 たり)

(a)/(b) 2) 人口 平 成27年 (a)

平成22年

~27年の 人口増減 数 2)

面積

(km2)

(b) 1) 2) 人口密度

(1km2当 たり)

(a)/(b) 2) DID面積 率(%)

DID人口 率(%) 和歌山市

364,154

-6,210 208.84 1,743.7

275,582

-8,645 63.05 4,370.8 30.2 75.7

高松市

420,748 1,319

375.41 1,120.8

212,897 94

41.04 5,187.5 10.9 50.6

富山市

418,686

-3,267 1241.77 337.2

235,868 12,618

57.89 4,074.4 4.7 56.3

市域全体 人口集中地区(DID)

95

の夜間人口は

40,000

45,000

人程度であるが、昼間は高松市が約

15

万人、和歌山 市が

12

13

万人となっている

。また、中心市街地区の従業者数(公務除く)をみ ると、高松市が

54,237

人、和歌山市が

38,656

人となっている

(図表

3-19

3-20

参照)。

また、市内で就業・従業している人の移動手段をみると、高松市は和歌山市に較

べて鉄道・電車、自転車の比率が高いが自動車の比率も高い。和歌山市はオートバ イの比率が高松市の

2

倍となっている(図表

3-21

)。

出典:

RESAS

まちづくりマップ 流動人口メッシュ 株式会社

Agoop

「流動人口データ」

出典:

J-Stat MAPH24

年経済センサス-活動調査(

500m

メッシュ)

従業者数(民営事業所のみ(公務除く))

図表

3-19

高松市・和歌山市の時間別流動人口

(平成 28

4

月)

出典:RESASまちづくりマップ 流動人口メッシュ

株式会社

Agoop「流動人口データ」

96

出典:平成

22

年国勢調査

(3)高松市の交通まちづくりについて(調査まとめ)

1)まちづくりの基本方針

①線路に沿ったまちづくり(鉄道沿線人口を増やし、地域鉄道の持続を推進す る)

②集客施設を駅周辺に誘致・新駅設置

③沿線に分散した住宅地から駅へのフィーダーバスを運行

鉄道の線路は移動できないといった視点から、鉄道沿線での住宅取得を促進 し、沿線に人口を集中させて、人口拡散を抑制していくと共に鉄道の持続性に貢 献していく。このことは、沿線

4

3

町において、同様な方針で取り組んでいる と思える。また、鉄道駅周辺に大型ショッピングモール、レジャー施設、病院等 の集客施設を誘致し、人口増に合わせて新駅をつくり、多核の一つを構成するコ ンパクトタウンを充実または新たに創出している。また、公共交通の基幹軸とな る鉄道網の利用者を増やしていくため、住宅地から駅への交通利便性を上げてい る。

このように、大きく分散した人口を鉄道沿線に集中させることで、拠点駅を核 とした多核化の形成を行っている。無理やり中心部に人口を集中させるコンパク トシティ推進でなく、現在でも多核を形成する核が膨らんでいる地域もみられる とのことであった(ことでんヒアリング)。

2)現地調査のまとめ(ことでんヒアリング、現地見学)

①まちづくりの基本方針の実施計画は、高松市や周辺自治体が積極的に推進

し、新駅等の用地取得・設備投資は全額自治体が出資(国・県・関係市町)

図表

3-21

高松市・和歌山市の従業・

通勤の移動手段 (単位 : %)

高松市 市内で従業・通学

和歌山市 市内で従業・通学

総数(利用交通手段)

100.0 100.0

 Ⅰ 利用交通手段が1種類

91.5 88.0

  1 徒歩だけ

4.9 4.3

  2 鉄道・電車

6.1 4.6

  3 乗合バス

1.0 1.2

  4 勤め先・学校のバス

0.2 0.2

  5 自家用車

54.9 49.5

  6 ハイヤー・タクシー

0.1 0.1

  7 オートバイ

5.2 11.8

  8 自転車

17.8 15.0

  9 その他

1.2 1.4

 Ⅱ 利用交通手段が2種類

6.7 7.8

  10 鉄道・電車及び乗合バス

0.3 1.9

  11 鉄道・電車及び勤め先・学校のバス

0.0 0.1

  12 鉄道・電車及び自家用車

1.2 0.7

  13 鉄道・電車及びオートバイ

0.2 0.5

  14 鉄道・電車及び自転車

2.4 2.1

  15 その他利用交通手段が2種類

2.6 2.7

 Ⅲ 利用交通手段が3種類以上

0.6 1.2

 不詳

1.2 2.9

 ※交通手段に「鉄道」を利用する人

10.2 9.8

出典:J-Stat MAP H24年経済センサス-活動調査(500mメッシ ュ) 従業者数(民営事業所のみ(公務除く))

図表

3-20

高松市・和歌山市の中心市

街地区の従業者数

高松市 和歌山市