9 クイックマイグレーション/ライブマイグレーション
9.1 留意事項
9.1.6 仮想マシンの記憶域の移動が失敗することがあります
ホストOS
WS2012
現象 以下の条件の時に、移動先の記憶域の空き容量が十分あるにも関わらず、仮想マシンの記憶 域の移動が以下のエラーで失敗することがあります。
条件
・WS2012 Hyper-Vホストにて2ノードクラスターを組んでいる
・CSVを2ボリューム以上使用している
・仮想マシンのVHDがサイズ60GBで固定サイズとなっていて、ローカルディスク上にある
・ホストOSのCドライブの空き領域が20GB以下となっている
・仮想マシンの記憶域の移動で、ローカルディスクよりVHDを1つのCSVボリュームへ、残りを 違うCSVボリュームへ移動しようとする
対策 ◇修正プログラムの適用による回避方法
以下のマイクロソフト社の公開情報から取得した修正プログラムをホストに適用してください。
“Hyper-V storage migration fails when you try to migrate VHD and configuration files to CSV volumes in Windows Server 2012”
http://support.microsoft.com/kb/2913461/en-us
9.1.7 「保護されているネットワーク」の切断時、自動実行されるライブマイグレーション が失敗する場合があります
対象 ホストOS
WS2012R2
現象 フェールオーバークラスター環境で仮想マシンの「保護されているネットワーク」で使用している 物理 NIC の切断が発生した場合、自動的にライブマイグレーションが実行されますが、以下の 条件の場合、ライブマイグレーション処理が失敗します。
・仮想スイッチの外部ネットワーク設定で「管理オペレーティングシステムにこのネットワークア ダプターの共有を許可する」にチェックを入れている。
・上記の共有したネットワークがホストとドメインコントローラーを接続する唯一のネットワークで ある。
対策 ライブマイグレーションの認証処理のためにドメインコントローラーとの接続が必要となります。
「保護されているネットワーク」で使用している物理 NIC がホストとドメインコントローラーを繋ぐ 唯一のネットワークであった場合、認証処理が実行できずライブマイグレーションが失敗しま す。
これを防ぐためには「保護されているネットワーク」で使用している物理NICとは別にホストとドメ インコントローラー間接続用の物理NICを用意します。
詳細は以下のサイトを参照してください。
“Hyper-V クラスター環境の仮想マシンで "保護されているネットワーク" に接続された物理
NIC の LAN ケーブルを抜線した際に、ライブ マイグレーションが失敗する”
http://blogs.technet.com/b/askcorejp/archive/2015/09/03/hyper-v-quot-quot-nic-lan.aspx
9.2 TIPS
9.2.1 クイックマイグレーション/ライブマイグレーションに失敗した場合の確認ポイント 対象
ホストOS
WS2008, WS2008R2, WS2012, WS2012R2
ポイント クイックマイグレーション/ライブマイグレーションに失敗した場合、以下3つのポイントを確認し てください。
1) 「仮想マシンを最新の状態に更新」を実行してください (WS2008, WS2008R2のみ対象) クラスターリソースとして仮想マシンを登録した後に、Hyper-V マネージャーからネットワークの 設定を変更すると本現象が発生します。クラスターリソースとして仮想マシンを登録した後に、
ネットワークの設定を変更するにはフェールオーバークラスターマネージャーから該当の仮想マ シンを選び、「その他のアクション」の「仮想マシンを最新の状態に更新」を選び、仮想マシンを 最新の状態にします。「仮想マシンを最新の状態に更新」操作の実行は複数回実施しても問題 無く、仮想マシンの状態が最新となります。
クラスターリソースとして登録した仮想マシンの設定を変更する場合はHyper-Vマネージャーか らではなくフェールオーバークラスターマネージャーから設定してください。
2) 移行元と移行先の仮想ネットワークの名前を確認してください
移行元Hyper-Vサーバーと移行先Hyper-Vサーバーの仮想ネットワークの名前は同じである
必要があります。仮想ネットワーク定義はHyper-Vサーバー間で引き継ぐことができないため、
移行元と移行先それぞれのHyper-Vサーバーで同一の名前で仮想ネットワークを定義しておく 必要があります。移行元と移行先の仮想ネットワークの名前が同じであるかを確認してくださ い。
3) 仮想マシンが物理DVDドライブを使用していないか確認してください。
移行する仮想マシンが物理DVDドライブを使用している場合、移行先で他に物理DVDドライブ を使用している仮想マシンが存在するとリソースの競合が発生しマイグレーションに失敗しま す。
9.2.2 クイックマイグレーション実行後、外部からのネットワークがつながらない場合があ ります
対象 ホストOS
WS2008, WS2008R2
説明 ゲストOSがWS2003以前の場合、または WS2008/Vista以降のOSでTCP/IPV6を有効にし
ていない場合では、クイックマイグレーション終了後しばらくの間、仮想マシンに対してネット ワーク接続ができなくなります。
理由:
これは仮想マシンが外部ネットワークと通信するまでハブのルーティングテーブルが更新されな いためです。
対処:
仮想マシンから外部に対してネットワーク接続することによりルーティングテーブルが更新され、
外部からのネットワークがつながるようになります。
クイックマイグレーション実行前に ping -t <外部のアドレス>
等を行い、仮想マシンから外部に接続を行うようにしてください。
これにより、クイックマイグレーション実行後、仮想マシンからのパケット送信により、速やかに ルーティングテーブルが更新され、外部から接続可能になります。
本現象はクイックマイグレーションによる仮想マシンの移動で確認されており、ライブマイグレー ションでは確認されていません。
10 Dynamic Memory
10.1 留意事項
10.1.1DMをサポートするホストOSでHyper-Vマネージャーからゲスト OSのDMに関係
するパラメーターを設定したにもかかわらず、ゲスト OSでDMが使用できない場合 があります
対象 ホストOS
WS2008R2, WS2012, WS2012R2
現象 DMをサポートするホストOSで、Hyper-VマネージャーからゲストOSのDMに関係するパラメー ターを設定したにもかかわらず、ゲストOSでDMが使用できない場合があります。
対策 DM がサポートされるゲスト OSかどうかを確認した後、最新の統合サービスが適用されている かどうかを確認してください。
WS2008 SP2(Standard)およびWindows Web Server 2008 SP2をゲストOSに使用している場合 は、マイクロソフト社の公開情報から取得した以下の修正プログラムをゲスト OS に適用してか ら最新の統合サービスを適用してください。
“Hotfix: Hyper-V Dynamic Memory does not work on a Windows Server 2008 Standard Edition or Windows Web Server 2008 virtual machine (VM)”
http://support.microsoft.com/kb/2230887/en-us
DMがサポートされるゲストOSについては、下記を参照してください。
<Windows Server 2008 R2 Hyper-V>
“Hyper-V Dynamic Memory Configuration Guide”
http://technet.microsoft.com/en-us/library/ff817651(v=ws.10).aspx
<Windows Server 2012 / Windows Server 2012 R2 Hyper-V>
“Hyper-V Dynamic Memory Overview”
http://technet.microsoft.com/en-us/library/hh831766.aspx
なお、富士通でサポートするゲストOSについては、下記をご参照ください。
< Windows Server 2008 R2 Hyper-V>
当社サポート可能なゲストOSとサポートCPU数
http://jp.fujitsu.com/platform/server/primergy/software/windows/os/wins2008/hv/
<Windows Server 2012 / Windows Server 2012 R2 Hyper-V>
当社サポート可能なゲストOS
http://jp.fujitsu.com/platform/server/primergy/software/windows/os/wins2012/hv/
10.1.2 DM使用時にゲスト OSでメモリ量を確認しても正しい値が表示されない場合があり ます
対象 ホストOS
WS2008R2, WS2012, WS2012R2
現象 DMを使用している仮想マシンでは、ゲスト OS内のタスクマネージャーなどから物理メモリ量を 確認しても、正しい値が表示されない場合があります。
対策 仮想マシンの物理メモリはホストから以下の方法で確認することができます。
・Hyper-Vマネージャー上の「メモリの割り当て」表示を確認
・パフォーマンスカウンターで次のカウンターを確認
Hyper-V Dynamic Memory VM(Guest Name)\Physical Memory
仮想マシン上のメモリ使用量が減少して仮想マシンのメモリがホストに回収された後も、ゲスト での表示上はメモリが減少しないために発生します。1度でもメモリの回収処理が行われると、
ゲスト上で正しい物理メモリ量を確認することはできません。
10.1.3DM使用時、大量のメモリを使用するアプリケーションの性能が、静的メモリ使用時
と比較して劣化する場合があります 対象
ホストOS
WS2008R2, WS2012, WS2012R2
現象 DMを使用時、大量のメモリを使用するアプリケーションの性能が、静的メモリ使用時と比較して 劣化する場合があります。
対策 本現象は以下の2つに当てはまる可能性があります。
・ケース1(ページングによる性能低下)
DM 使用時は仮想マシンへのメモリ割り当てが頻繁に発生しますが、割り当て動作は瞬時に完 了しないため、アプリケーションから大きなメモリ要求が発生した場合、メモリが一時的に不足す るためページングが発生します。
ページングファイル使用中はメインメモリ使用時よりも性能が落ちますが、メモリの割り当て完 了後は静的メモリと同等の性能になります。
ページングファイルを使用するタイミングで発生する性能低下が許容できない場合、スタート アップ RAM 値やメモリバッファ値を調整し十分なメモリ量を確保するか、静的メモリでの運用を 検討してください。
・ケース2(アプリケーション特性による性能低下)
DM を使用している仮想マシンの物理メモリは、仮想マシンが起動してから一度も拡張されてい ない場合、その時点で割り当てられているメモリ量を物理メモリ値として認識します。
このため、搭載している物理メモリ量をもとに、使用するメモリ量を調整するようなアプリケーショ ンの場合、最大RAMの値を考慮せず拡張前の物理メモリ量だけを考慮してメモリを確保する場 合があります。
このようなアプリケーションを使用する場合はスタートアップRAM値やメモリバッファ値を調整し