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乱流統計量

ドキュメント内 衝撃波の干渉を伴う (ページ 108-116)

第6章 . 超音速乱流境界層

6.1 乱流統計量

Fig. 6.1.1 Comparison of skin friction coefficient with literatures.

比較的近いが,やや大きく,遷移領域の特徴として壁面摩擦係数がオーバーシュートしている可 能性がある.一方,本研究の結果は,Van-DriestⅡとよく一致していることがわかる.これは,空 間発展型DNSにより高解像度で計算した ( スパン方向長さ、y方向高さなどを検討し空間発展計 算を行った ) 結果得られたものであると考えられる.

図6.1.2には,平均主流方向流速,温度,質量流束についてProzzoli et al. ( 2005 ) による数値計

算とShutts ( Fernholz & Finley ( 1977 ) ) らによる実験結果とともに示す.このグラフを見ると二つ

の数値計算結果は,比較的よく一致していることを確認できる.一方,数値計算と実験結果を比 べると壁面近傍ではよく一致しているが,y/δ が 0.5 程度の点でバンプしていることが確認でき,

数値計算結果と異なる結果を示している.この点についてはProzzoli et al. ( 2005 ) も言及せず,

計測による影響なのか,それとも物理的な影響なのかについてはよくわかっていない.

図6.1.3は,Van-Driest変換を施した主流方向平均速度分布をPirozzoli et al. ( 2011 ),Schlatter et al.

( 2009 ),Lagha et al. ( 2011 ) の計算結果とともに示す.ここでは,定数はそれぞれ,κ = 0.40,C =

5.1 ( Coles ( 1954 ) )とした.結果を比較すると対数則に一致する範囲が100 < y+ < 300程度と計算

によって異なっており,また,外層付近の値もそれぞれ異なることが確認できる.

Fig. 6.1.2 Distribution of mean streamwise velocity, temperature and mass flux.

Fig. 6.1.3 Van Driest transformed mean streamwise velocity with several numerical simulations.

10 0 10 1 10 2 10 3

0 10 20

Present (M=2.3, Re

θ

=2717) Pirozzoli (M=2.0, Re

θ

=2434) Schlatter (M=0.0, Re

θ

=2512) Lagha (M=2.5, Re

θ

=?)

u + = y +

u + = 1/0.40log(y + )+5.1

y +

u VD

0 1 2

0 1 2

T/T

u/U

ρ u/ ρ U

Present (M = 2.3, Re

θ

= 2717)

Pirozzoli et al. (M = 2.25, Re

θ

= 4263) Shutts et al. (M = 2.25, Re

θ

= 4260)

y/ δ

u/U

T / T

ρu

U

Fig. 6.1.4 R.M.S velocity profile with Martin ( 2007 ), Elena ( 1985 ) and Keblanoff ( 1955 ).

次に図6.1.4は,主流方向と壁垂直方向流速のR.M.S.値をMartin ( 2007 ) によるDNS,Elena

( 1985 ),Klebanoff ( 1955 ) による実験とともに示し,図6.1.5には,いくつかの条件,計算法によ

り計算された結果とともに示す.ここでは,

 本研究,Pirozzoli et al. ( 2011 ),Schlatter et al. ( Pirozzoli et al. ( 2011 ) ) は空間発展型DNS

 Guarini et al. ( 2000 ),Spalart ( 1985 ) はフリンジ法を用いた時間発展型DNS

 Martin ( 2007 ),Lagha et al. ( 2011 ) はrescaling-recycling法を用いた時間発展型DNS

によりそれぞれ計算がおこなわれている.また,横軸は境界層厚さにより規格化し,縦軸 は

Morkovin ( 1962 ) の仮説に基づき,密度により重みづけした.

これらの二つの図を見ると,壁面近傍のピークの位置についてはレイノルズ数が一致していれ ばおおよそ一致していることが確認できる.一方,レイノルズ数が高い場合にはより壁に近い位 置でピークを取ることを確認できる.その値については 2.5 ~ 3.2 程度の範囲で存在するが,近年 のデータ ( 2010 ~ ) を見ると計算法の違いによらず 2.7 程度の値を取るものが多いように思わ れる.壁から離れた位置 ( 0.2 < y/δ < 0.7 ) では,主流方向,壁垂直方向の流速どちらも非圧縮性 の計算と圧縮性の計算の違いではなく,計算法によって値の差異が存在することがわかる.おそ らくこれは,バルジ領域に存在する残留撹乱の大きさに依存するものではないかと考えられる.

吸い込みを用いて壁面近傍構造の再生成について調べた研究においても ( Asai et al. ( 2007, Fig.4 参照) ), 壁面近傍の値については下流で急速に収束しているのに対し,壁から離れた位置では値 がほとんど回復していないことが確認でき,壁から離れた領域は撹乱に非常に敏感であることが 推測できる.また,その値については主流方向流速では 1.5 ~ 2.0 程度,壁垂直方向流速では 1.0

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 1 2

3 Present ( M=2.3 Re

θ

=2717 )

Martin ( M=2.3 Re

θ

=4450 ) Elena single component LDV Elena two component LDV Elena hot wire

Elena two component LDV Klebanoff

y/ δ

u

u

i

w

2

M=2.32 Re

θ

= 4450

Fig. 6.1.5 R.M.S velocity profile with several numerical simulations: ( top ) streamwise velocity and ( bottom ) wall-normal velocity.

~ 1.2 程度の範囲に存在している.Honkan & Andreopoulos ( 1997 ) は非圧縮性乱流境界層について

の実験を行い,また,その結果をそれまでの非圧縮性乱流境界層の研究と比較した.そこで彼ら は,壁面近傍では約 20 %,壁面から離れた位置 ( 0.2 < y/δ < 0.8 ) では約 40 % のばらつきが存在 することを報告している.今回の結果では,圧縮性境界層の結果においても同程度のばらつきが 存在し,それらは壁から離れた位置の撹乱の状態に強く依存することが推測できる.

図6.1.6に示したレイノルズ応力については,壁面近傍に多尐レイノルズ数の効果が存在するも

のの,流速のR.M.S.値に比べて値のばらつきは尐ない.壁から離れた位置では流速のR.M.S.値と

Fig.6.1.6 Reynolds shear-stress profile with several numerical simulations.

Fig.6.1.7 Comparison of flatness distribution with Robinson ( 1986 ), Deleuze ( 1994 ), and Keblanoff ( 1955 ) data.

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 5 10 15

Robinson (M=3) Deleuze (M=2.28) Klebanoff (M=0) Present

y/ δ

F lat ne ss

Fig. 6.1.8 R.M.S pressure fluctuation.

同程度の差異が存在することが確認できる.

図6.1.7にはフラットネスについて3つの実験結果とともに示す.フラットネスは分布の広がり

を示したものであり,正規分布 ( ガウシアン分布 ) においては3となることが知られている.壁 面近傍には多尐の違いがあるものの,どの結果もy/δが0.5程度までは3という値を取っている.

しかし,3 よりも値が大きくなり始める点についてはマッハ数依存性が存在していることを確認 できる.本計算結果はM = 2.3程度の実験結果によく一致していることを確認できる.

次に圧力変動について図6.1.8に示す.まず,壁面近傍に注目すると圧力変動はマッハ数,レイ ノルズ数どちらの変数にも敏感であることがわかる.さらに,壁から離れるにつれそれぞれの計 算結果の値にばらつきがみられる.これは,計算の境界条件が大きく関係しているのではないか と推察される.

図6.1.9には,静温度と全温度について時間発展計算DNSとともに表した図を示す.ここでTt

は全温度を表しており,点線は静温度を静温度の平均で割った結果,一点鎖線は全温度を静温度 の平均で割った結果,実線は全温度を全温度の平均で割った結果である.この結果を見ると実線 に関しては,よく一致しているのに対し,他の二つの線については壁から離れた点で異なった結 果を示している.この結果から本研究の結果の方が0.2 < y/δ < 0.7では平均温度が低いということ になる.さらに,点線に注目すると,本研究の分布は値が減尐しているのに対し,時間発展DNS の結果では増加していることが確認できる.即ち,乱流バルジ領域における温度分布に違いが存 在していることがわかる. 一方,Gastki et al. ( 2002 )が行った超音速乱流境界層SDNSの温度変

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

1 2 3

Present (M=2.3 Re

θ

= 2717) Martin (M=2.3 Re

θ

= 4450) Guarini (M=2.5 Re

θ

= 1577) Spalart (M=0.0 Re

θ

= 670) Spalart (M=0.0 Re

θ

= 1410)

y/ δ

u

p

w

2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0

0.2 0.4 0.6 0.8 1

R uT

y/ δ

Present (M=2.5, Re

θ

=2621) Martin (M=2.3, Re

θ

=4500) Guarini (M=2.5, Re

θ

=1577) Debieve (M=2.3, Re

θ

=5650) Dussauge (M=1.7, Re

θ

=5700)

Fulachier(Incompressible, Re

θ

=5000)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

R

uT

y/ δ

Present (M=2.5, Re

θ

=2621) Martin (M=2.3, Re

θ

=4500) Guarini (M=2.5, Re

θ

=1577) Debieve (M=2.3, Re

θ

=5650) Dussauge (M=1.7, Re

θ

=5700)

Fulachier(Incompressible, Re

θ

=5000)

Fig. 6.1.9 R.M.S total and statics temperature fluctuation with Guarini et al. ( red line )

Fig. 6.1.10 Comparison of RuT between DNS and experimental data.

T

RMS

/ T

T

t RMS

/ T

T

t RMS

/ T

t

Fig. 6.2.1 Instantaneous flow field to visualize near wall streak ( blue: y+ < 100, u' = -0.07 ) and outer layer streak structure ( green: y+ > 100, u' = -0.05 ): ( a ) 0 < x/δ*0 < 140 and ( b ) 160 < x/δ*0 < 300.

動の結果を参照すると,静温度に対する結果の値が壁から離れた位置で減尐していることを確認 できる.よって,これは空間発展型DNSにおいて得られる傾向であると考えられる.

図6.1.10 は温度と主流方向流速の相関係数を表した図であり,いくつかの実験,計算結果と比

較したものを示している.これらの値は Strong Reynolds Analogy ( SRA ) と呼ばれ,密度変化があ まり大きくない場合や中程度のマッハ数においては -1.0になるといわれている.しかし,これら の結果を見ると圧縮性の実験以外の結果は -1.0とはなっていないことが確認できる.超音速乱流 境界層の数値計算においては,SRA 理論の仮定が完全に一致することはなく,修正 Reynolds

Analogyと数値計算の結果がよく一致することがGuarini et al. ( 2000 ) の研究では示されている.

ドキュメント内 衝撃波の干渉を伴う (ページ 108-116)