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ワークショップにおける参加者の様子

ドキュメント内 -介護現場で共に生きる視点から考える- (ページ 161-167)

第 4 節 本論文におけるワークショップの実践

4.5 実践報告

4.5.3 ワークショップにおける参加者の様子

というタスクに入る。指を順に曲げる作業に集中し相手にバトンを渡す行為を参加者全 員で見守る中、端から端へとつながった。途中、指をうまく曲げられた参加者に対し「も っと見たい」などとの声が起こる。無事につながり拍手が起こる。続いて、逆の端から もう一度つなげていく。一回目より若干スムーズに伝わっているように映る。拍手が起 こる。ファシリテーターから「簡単なことであるが、意識して行うと難しかったりしな いか、でも意識してつなげようとするとつながった時面白かったりする。」というコメ ントがあった。

続いて、ファシリテーターの指示により、座っている椅子を持って、名前の50音順 に円になる。「みんなの顔が見えるように円になって」と言ってできた円は、小さい円 で参加者の距離感の近さが窺える。ワークの進行上もう少し大きな円になるよう広がっ た。そしてファシリテーターが名前を言って50音順か確認していく。途中参加者の一 人が名前(カタカナ)を書き間違えていたことに気づき笑いが起こる。この笑いは表記 の間違いをばかにした笑いではなかった。ファシリテーターも「恥ずかしい」と言って 参加者の気持ちを代弁する。表記を間違えたことから、今日だけその名前で行くことが 全員の合意のもと確認され、座る順番に変更が生じた。また、ある参加者は自分の名前 を言うだけでなく、胸にはったネームを参加者に見せる。ファシリテーターがすかさず

「音だけでも名前はわかるが、ネームを見せてもらうことで文字でもしっかりわかる。

自分を相手に開放し、押し付けがましくない自己紹介で素敵な行為」といったコメント をした。全員で50音に並んでいた。

続いて、「セブン−イレブンじゃんけん」に入る。まず、「セブンじゃんけん」を行う。

相手とじゃんけんをするのだが、勝敗を決めるのではない。相手と出した数字を足して 7にするゲームである。例えば、自分が2を出し、相手が5を出すと7になると言った 具合である。片手だけで行うか参加者からの質問があり片手だけで行う旨を全員で確認 し、行われた。ペアとなってじゃんけんが始まる。「1回目で(7に)なった」と興奮し て声をあげるペア、考えながらやるペア、なかなか7にならず続けるペアなどが見られ る。ファシリテーターから「相手とじゃんけんをして3回7になったら終わる」と指示 が出る。じゃんけんが加速する。「(2人でやって7を作るから)1出したらダメじゃん」

「0もダメ」といったコメントと笑い声が沸き起こる。最後のペアが3回目7になった とき自然と拍手が起こる。そして「2(チョキ)と5(パー)が一番出しやすい」「グー

(0)出しちゃう場合があって」「5しかないよ」など感想が自然と漏れ、それをファシ リテーターが拾って全体で共有する。次に「イレブンじゃんけん」が行われた。今度は ペアではなく、参加者同士が協力して3 人以上で行い、11 を作るようにファシリテー ターが伝える。一度ファシリテーターとその近くの参加者で例を見せる。1人がグーを

出し、笑いが起こる。「グー出したらダメって言ったのに、自分で出しちゃった」とフ ァシリテーターがその参加者の行為に対してコメントする。そして、「グーは(出して も11 にならないため)ダメだ」とルールを共有する。3 人以上でじゃんけんをして 1 回11になったら、ペアを変えて2

回目の11 を作り、2 回11 になっ たら座るように指示も出た。

いざ立って参加者同士じゃんけ んを始めると、だんだんと加熱す る。2回11を作って早々に座って いる参加者も見られた。その参加 者にルールを確認する参加者の様 子も見受けられる。

最後は4人でジャンケンをし、

11になった時は、全身で喜びを表現し、先に座っている参加者からは拍手が起こった。

ファシリテーターが参加の様子をコメントしながら、参加者にどうだったか、感想を聞 く。ファシリテーターに指名された参加者の一人が「難しい、混乱してきて、どうして もグーを出してしまう」といい、周りの参加者も笑って受け止める。それに対しファシ リテーターから「ついつい、ジャンケンだと、グー・チョキ・パーしか頭にない、普段 の思い込みですよね」とコメントがあった。

続いて次のワークに入る前にファシリテーターから「今日やることは遊びだから、間 違い、失敗を気にしなくてもいい、そんな時は笑い飛ばすぐらいでいい」といった内容 を全員で共有する。そして、「ハイ・イハ・ドン」に入った。まずペアになり、両手を 出し、相手の手と自分の手を、手と手の間隔を空け重ねていく。重ね方はどのように重 ねてもよい。そしてファシリテーターが「ハイ」と言ったら一番下の手を一番上に重ね る。「イハ」と言ったら一番上の手を一番下に持っていく。ファシリテーターの「ハイ」

「イハ」の掛け声に合わせて、練習したのち、「ドン」の説明に入る。「ドン」と言われ た時は、一番上に手がある人がその下の手を叩くのだが、その時叩かれるのは嫌だから、

手を引っ込めることを共有する。ペアでのゲームを開始する時「ドキドキする」と参加 者の気持ちをファシリテーターが代弁する。「ドン」と言った時、両手を引くペア、叩 く側が自分の手を引っ込め忘れたペアなど、その場で起きたことを共有する。続いてペ アを変えて行う。今度は「ドン」という口調で「ハイ」といったとき、手を叩くペアが 数ペア見られ笑いが起こる。「人の話はよく聞いてね」とファシリテーターがいう。「ド

図15 イレブンじゃんけんの様子

ン」と言ったときに歓声が上がり笑いが起こる。

さらにゲームは続き、ペアから3人、

4 人グループとなる。「ドン」と言 ったときの笑いが一層盛り上がる。

一番上に手があって叩く人が「ドン」

と言われた時に、叩く人でありなが ら両手を引っ込めたグループがあ り、そのグループの参加者から「優 しい」と声が上がる。ファシリテー ターがすかさず「何が優しいか」と 拾い、全員で共有する。

ここで休憩が数分入った後、「私と一緒〜」に入る。円形で座っている中、一人が輪 の中に立ち「例えば私と一緒で、カレーライスが好きな人」と言って、同じだと思った ら立って、輪の中に立っている人、それから同じだと思って集まってきた人とハイタッ チをするようにファシリテーターが例を示す。言うことはサッカーが好きなどシンプル なものでいいことも伝えられた。はじめの参加者が「私と同じ春と秋が好きな人」とい い、同じ人が集まりハイタッチを行う。ファシリテーターから、ハイタッチしなかった 人へ声がけが行われる。「花粉症だから」「秋だけだから」とハイタッチをしに行かなか った参加者の声を共有する。このように参加者が一人一人輪の中に立って話したことに ついて、ハイタッチの後内容について触れ全体で共有することは、話す機会にもなり互 いを知る機会にもなった。このワークの途中で一人職員が退出した。また一名、この活 動で自ら輪の中に立ち話さないと決めた参加者もいた。

続いて、席替えのため、バースデーリングに入る。話さずに、ジェスチャー(手で数 字を示すなど)で誕生日を伝える。早く座った人から、まだ自分の席がわかっていない 参加者のジェスチャーを見て、「あなたはここだよ」と、ジェスチャーによるサポート が入る。そして座った後誕生日順に座れているか、一人一人誕生日を言って確認する。

確認してみるとジェスチャーの解釈の違いが生じており、誕生日順に座っていなかった ことに気付く。全員の誕生日を確認後、ファシリテーターから、伝え方と受け止め方に ズレがあること、よって解釈の違いが生じミスコミュニケーションになる事も共有され た。

続いてボール回しに入る。始めに赤いボール(実在しない)を「あか」と言って、ほ かの人にパスする。何回か、パスのラリーが続いたのち、同様に実在しない、青いボー

図16 「ハイ・イハ・ドン」で手を重ねる

ルをファシリテーターが取り出し、「あお」と言いながら青いボールも回していく。つ まり赤いボールと青いボールが同時に、参加者間を回ることになる。ボールを投げる時 に、投げる相手に「あなたにボールを投げるよ」というサイン、そして受け手に「受け 取るよ」という共通意識がないと、ボールの行方はたちまちわからなくなる。何度か、

受け手に受け取る準備がなされぬままパスが出されており、ファシリテーターから送り 手から受け手へサインを送ることの確認が入る。さらに黒いボールが投入され、3つの ボールが同時に回される。3つ回し始めると、サインが送られぬままボールが回される ことがあったり、ボールが消えてしまう(受けて不在で投げっぱなしとなる)事態も起 きた。しかしゲームなので笑いが起こる。そこで、ファシリテーターが状況確認に入る。

ある参加者は、ボールを持っているが色がわからなくなったといい、また、3つボール を回していたはずが1つのボールが紛失していることがわかった。もう一度、3つのボ ールを今誰が持っているかを確認し、回し始める。参加者のうち何人かは、より相手に はっきりボールを送ろうと、座っている椅子から腰を浮かして、届けたい人に届けてい る。急に受け取った人は、驚いて「うぉっ」と声をあげる場面も見られた。途中、「(ボ ールが)増えているよ」という参加者の声から、ファシリテーターが状況確認のため一 度止めに入る。そうすると黒いボールを持っている人が2人いた。そして青いボールが なかった(赤いボールはあった)。ファシリテーターから「なぜこんなことが起こるの か」と問いかけが入る。参加者の1人から「アイコンタクトがないまま、送ったりもら ったりするから(うまく届けられない)」との声が挙がる。アイコンタクトによる、ボ ールを送る、受けるというサインの大切さを参加者間で共有する。また、アイコンタク トがあっても「あか」なのか「あお」なのか、はっきり伝えないとボールの色がわから なくなる可能性も共有された。共有後もう一度回し始める。ボールの送り手が、送ると 同時に他の送り手が送るボールの受け手となるときも戸惑いが起きたことが参加者に より共有される。ファシリテーターから「最初にボールを回し始めたとき、落ち着いて 慎重に回すようになった」参加者の様子が共有され、受け手がアンテナを張っているか、

確認することの大切さが共有された。

続いて、これを発展させ、好きなフルーツの名前を人に伝えて回す。AさんからBさ んに、Aさんが好きな「りんご」と伝え、BさんからCさんに、Bさんが好きな「みか ん」を伝えると言った具合である。今度は、先のボールのようにどこから飛んでくるか わからないのではなく、渡す相手を決めて、その人にだけ自分の好きなフルーツを渡す ことルールとして共有する。数回好きなフルーツを特定の相手に渡し、渡すルートを確 認する。さらに好きなスポーツを伝えて回す。フルーツと同様渡す相手を決め、その人 にだけ好きなスポーツを、フルーツと違うルートになるようにして伝え回す。これも回

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