曲線(B)
10
9
8
7
この溶解平衡定数K:cを用いて、
[H2CO3]=:Kc・Pco2 一・一………・・一一一⑤ の関係が成り立つ。そこで、⑥式が得られる。
[且CO3一]=K:a・Kc・Pco2/[H:÷] …………一・⑥
ここで、③式、⑥式を①式に代入すると
[H+]2+[且+]([M+ト[X一])一(:Kw+Ka・K:c・Pco2)=0 ……⑦ が得られる。
⑦式について、[且+]を求めると、
[H+】=(1/2){一([M+ト[X−D±(([M+】一[X一】)2十4:Ka・1(c・Pco2)112}
………⑧ この場合、解は負の値をとらないので、
[H+]=一(1/2){([M+卜[X一])一(([M+ト[Xコ)2+4Ka・Kc・Pco2)1/2}
………⑨
となる。
pH:は pH:=一10910[H+] と表されるので、 ………⑩
pH:=一10910〔(1/2){・([M+]・[X一])+(([M+}[X ])2+4K:a・K:c・Pco2)1/2}〕
………・・一
J
となる。
一57・
図5.9の下限曲線(A)は、純粋な水に塩酸のみが溶存していると 仮定し、様々な濃度の塩酸におけるpHとその時の電気伝導度
(:EC)の計算値との関係を線で結んだものである。ここでは、塩酸 にしたが、硫酸や硝酸でもほとんど変わらない結果を得る。つまり、
下限曲線(A)は、純粋な酸を純粋な水で希釈していった時の溶液の pHとECの関係を表している。また、上限曲線(B)は純粋な水に炭 酸水素カルシウムのような塩のみが溶存し、また、大気中のCO2 と分圧を平衡にあると考えたときのp且とその時の電気伝導度
(EC)の計算値との関係を線で結んだものである。ここでは、炭 酸水素カルシウムと仮定したが、これを炭酸水素ナトリウムと考 えてもほとんど同じ結果を得る。つまり、上限曲線(B)は、純粋な アルカリの炭酸水素塩を純粋な水で希釈していった時の溶液の pH:とECの関係を表している。
これらの曲線と降水の分布を見てみると、p且の酸性側では、
曲線(A)が分布の下限になっている。しかし、大気中のCO2分圧 の平均である350ppmを用いた場合の曲線(B)は、分布より上側に
くる。そこで、CO2分圧を700ppm、1400ppm、3000ppmと変え
て曲線を描いた。先行研究(7)では、700ppmの場合がよく一致す ることが分かっているが、それは通常の実験室における空気中の CO2分圧が500〜700ppmであるためである。しかし、今回は、
それよりもずっとpH:が低いところで分布している。これは、今 回のデータは日本海側の降水試料であり、全体的に酸性化されて いるためと思われる。一方、:ECの値が小さくなる(降水に溶存 イオン量が少なくなる)ほど、大気中の二酸化炭素で飽和された 清浄な水のpHである5.6付近に収敏している。逆に、ECの値が 大きくなるにつれ、水滴が酸性物質やアルカリ性物質を多く含む
一58一
ようになり、pHの値がばらつくようになる。
図5.10に酸またはアルカリのみが溶存している降水に中性塩 が加わった場合のpH:とECの関係を示す。降水のp且は、溶存
している水素イオン濃度によって決まるので、中性塩が入っても P且は変化しない。しかし、:ECは、溶存するイオンの量の増加に
よって大きくなる。これによって、同じpHでもECの大きさの
違う多数の試料が、曲線(A)、(B)の内側に存在することになる。
一59一
純粋な炭酸水素カルシウムが清浄な雨によって希釈された場合の理論曲線(B)
(CO2:350ppmの時)
9
@ 8
@ 7
目國
中性塩が増加すると 1
同じpHでもECが増加する。
0 50
100 150 200dC(μS/cm)
純粋な塩酸が清浄な雨によって希釈された場合の理論曲線(
清浄な雨にCO2が溶解平衡(CO21350ppm)に達した場合の理論pH
図5.10酸・アルカリのみが溶存している雨水に中性塩が加わったときの pHとECの変化のモデル
・60・
5.3 各イオン濃度及び沈着量の経月変化 5.3.1 Na+、 Cl一、 Mg2+の経月変化
図5.11−1、図5.11−2、図5.11−3にNa+イオンの濃度(月ご とに各週の試料の濃度を降水量で加重平均したイオン濃度)及び沈 着量(濃度×降水量).の経月変化(2000年7月〜2001年6,月)を
示す。
Na+イオンの濃度(A)は11,月〜4月に高く、沈着量(B)は、萩、福 岡を除く地域では11,月〜3,月に大きい。福岡や萩の11月〜12月、
3月〜4月の降水は、降水量が少なかったため、濃度(A)は高いが、
沈着量(B)は小さくなったと考えられる。
Na+イオンの濃度(A)や沈着量(B)は、冬の季節風の強まりととも に増加し、季節風が弱まると減少している。これは、日本海上で発 生した海塩エアロゾルが、冬の季節風に乗って日本海側の地域に運 ばれてくるものと、海岸付近の地上風によって海から巻き上げられ る野塩エアロゾルが、地上風によって内陸に運ばれてくるものとに よって、11月〜3月の沈着量(B)が増加したと考えられる。
一61・
(A)
等000 900 800
£700
・蓉60◎
3400 9500
300 200 100 0
Na+イオン濃度経月変化
B φ●●
只、
至
晋奮霧賢賢賢聖晋零竪晋留
E亜互舶崎一一富山
(B)
250
Na+イオン沈着量経月変化
ヂ20◎
皿
甲
ε150
奮
轟100 饗5・
0
戸
子
鼠
b・φ o、
/
讐奮霧賢響賢聖賢霧撃讐署
一秋田…・…柏崎一←富山
図5.11−1Na+イオンの濃度及び沈着量の経月変化 (2000年7月〜2001年6月)
一62一
(A)
1000
900 800 倉7・・
喜6009 500
3400
300 200髄
壌◎◎
0
Na÷イオン濃度蜜月変化
P。
,口
P. ・
ノ {コ
・口
口⇔
警 署霧 署 讐 零零 署 霧 寒晋 晋
や卿 ▼囎r ▼一
一石川…ロ 福井一一鳥取
(B)
25◎
Na+イオン沈着量経月変化
ヂ200
賦
窄
ε150
・≧
9
5100
酬
饗5。
0
只
__蝕瓦,、
讐三三蟹警賢撃賢警專讐署
一石川…ロ…福井→一鳥取
図5。11−2:Nガイオンの濃度及び沈着量の経月変化 (2000年7月〜2001年6月)
・63・
(A)
10◎0 900 800
ε700
・峯600
9500
、34◎o 鑓3・・
lll O
Na+イオン濃度文月変化
,』コ・_
/
口
口や
十
王奮霧賢警賢讐晋馨馨讐一
一米子…ロー 萩一ひ一福岡
(B)
250
Na÷イオン沈着量経月変化
デ 2◎0
㍗
鉦150
・ξ
5100
9嘱
50
◎
へ
甕奮霧讐響署零署霧響晋署
マ國■ 〒關隔 ▼一[
一米子…ロ…萩一福岡
図5。11−3Nガイオンの濃度及び沈着量の経月変化 (2000年フ月〜2001年6月)
一64一
図5.12−1、図5.12−2、図5.12−3にCrイオン、図5.13−1、
図5.13−2、図5.13−3にMg2+イオンの濃度及び沈着量の経月変化
(2000年7月〜2001年6月)を示す。
CrイオンとMg2+イオンの濃度(A)や沈着量(B)は、 Na+イオン と同じ傾向を示す。これは、Cl一イオンやMg2+イオンが、Na+イオ ンと同じ海塩起源であるため、Na+イオンとともに海塩エアロゾル として日本海から運ばれてくるためである。
後で述べるが、Na+イオン、 Crイオン、 Mg2+イオンの濃度や沈 着量は、海岸からの距離に関係している。
一65・
(A)
140◎
1200 ヂ1000
」
・彗800
冨
、3600 鍵i400 200 0
C「イオン濃度経月変化
戸 只
ロロ
ゼ ◎旦
亙.
雲奮霧賢要賢零署霧寒鴨馨
一☆一秋田…・…柏崎一富山
(B)
350
ア(300 罫250撃ε
.≧200
暮 ゆ
垂壌5◎
雛で・・
50 ◎
Cドイオン沈着量経月変化
β
q
b
/へ.、
b一 q
/
讐留署賢警蟹零署零響馨署
一秋田…ロ…柏崎一一富山
図5。12−1C仁イオンの濃度及び沈着量の経月変化 (2000年7月〜2001年6月)
一66・
(A)
1400
遷200
歪1000
」
・彗800
9 13600
礫 4◎0 200 0
C「イオン濃度落月変化
・口
P・蔭,
・ 【3 9、
口
頂侮.
巫1 田こ 硬 肛こ 皿1 皿こ 瓜: 畷 皿 硬 皿こ 田こ
ト 。。 ① 9 二 望 F N の 曽 ゆ o 一石川…ロ 福井一一鳥取
(B)
350
丁(300 N 250皿
量蓬
。≧200
吾
竃15・
翻准00 拠 50 ◎
C「イオン沈着量経月変化
冶く,♂
左
目噂噂,
響留署賢讐賢堅晋鷲辱奮讐
一去一石川…日…福井一一鳥取 図5.12−2Crイオンの濃度及び沈着量の経月変化 (2000年7月〜2001年6月)
・67・
(A)
140◎
1200
ヂ71◎OO
J
.≧
き800
Φ
こ}6◎o
騨400
200 0
C「イオン濃度経月変化
,{ユ 輸,
雲奮腎賢賢蟹讐讐零響讐一
一米子…日…萩一福岡
(B)
350
丁(300
尉 250
婁ε
.≧200
き
ε015◎
蝦100拠