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途中に、中国の工業地帯のnss−SO42一イオンやNO3一イオンを取り 込んで、日本列島に飛来するようになると考えられる。

・143一

5.4.7 降水をアルカリ化する汚染物質

 (1) NH4+/nss・Ca2+濃度比

  図5.38の(A)、(B)、(C)にNH4+/nss・Ca2+濃度比の経月変化

 (2000年7.月〜2001年6月)を示す。

  アルカリ性の汚染物質のうち、どちらの寄与が大きいかを知る  ことができる。年平均値は、秋田1.23、柏崎1.22、富山1.43、

 石川0.85、福井1.00、鳥取0.76、米子0.64、萩0.52、福岡0.53  であった。鳥取以西の地域では、nss−Ca2+の寄与が大きく、福井  以北の地域ではN且4+イオンの寄与が大きいことがわかる。これ  は、黄砂の影響が西日本側の地域で大きいためである。

  N且4+/11ss−Ca2+濃度比の経月変化は、12月を中心に左右対称に  折り返したような変動をしている。夏から秋にかけて下がり、季

節風の強まる10月〜2月に再び上昇する。3月には、黄砂の影 響により日本海側のどの地域も、Ca2+イオンの寄与が大きくなつ

 ている。

一144一

(A)

  ヨ:

  も4

   13   ♪2   姜1

    0

.ド ρ φφ臼り.,

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    /

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.        β口

7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 一秋田…・ 一柏崎一←富山

(B) 6

  曇5  愚4

   13

  ♪2   婁1

    0

年悶平均 1.23 1.22 1。43

  9 ムニ

,,, ・7 M、 ・・合\  .., 曹□ 一 一 口.

(C) 6

  濃5

も4

  13

  ♪2

  壬  Z 1

   0

7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月

年間平均

         一

ヒ竺型竺 福井→ 鳥取1

 0.85       1.00      0.76

7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月

+米子…・…萩一砺一福岡

年間平均     0.64   0・52    0・53

図5.38 mH:4+/ns鋳Ca2+比(2◎00年7月〜2001年6月)

       一145・

(2) (NH4+十nss・Ca2+)!(NOゴ十nss−SO42つ濃度比

  図5.39の(A)、(B)、(C)に、(NH4+一トnss・Ca2+)/(NO3 +nss・SO42

 比の経月変化(2000年7月〜2001年6月)を示す。

  この比が大きいほど降水のアルカリ化が進んでいることを示し  ている。比の年平均値は、秋田0.97、柏崎0.82、富山0.84、石  川。.76、福井。.65、鳥取。.75、米子。.77、萩。.75、福岡1.oo  である。

  アルカリ化が進んでいると思われる福岡の値が大きく、それに  続いて秋田が高い。その他の地域では、福井を除きほぼ同程度であ  つた。福井の降水については、前で述べたようにアルカリ成分が  少ないため、酸性成分の中和があまり進んでいないため比が低く  なったといえる。

  濃度比の経月変化をみると、福岡や萩を除き、2月〜4月に高  くなっており、黄砂による中和進んでいることがわかる。また、福  岡や萩では、12月、1月に高くなっており、黄砂の飛来が他の地  域よりも早かったことを示している。

・146一

(A)考2

   串{:1

   翠14

   1望1号    ≦o.8

   弍①0.6      ,.

   ?0.4    葦α2    セ◎

   乙  7月  8月

       年間平均

(B)誓2

   もt8

   望1.6

   影4

   1。t2    窪 1  

   碁OB  ・

   苫α6    、

   あ 0.4      ロー一φ

   釜02    ≧・

   一  7月  8月  9月

         年間平均    美

(c)も1孟

   宏1.6

   影4    ㌦t2    皇 1    ≦o.8        り

   ま⑪ 0.6      「〔コ... ,ρ.

   90.4    旱02

   ㌔  0    菱    )

  〜 ・ {ユ ρ

φ

     ヒ

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。, ・・

Xぐ吐

9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月

一秋田…・…柏崎み一富山

0.97 0.82 0。84

・口 ・一 ψ㌔

4コ , ,り  ・

10月 斜月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月

+石川…ロ…福井一一ゆ一一鳥取

0.76 0.65 0.75

ノ須 砿 り…減覗 一・ \、

9      軸1コ

     7月 8月 9月 船月 斜月 犯月 1月 2月 3月 4月 5月 6月        一米子…ロ…萩一一福岡

        年間平均   {L77 . 0.75    1.00

図5.39(NH4++nss−Ca2+)/(NO∫+nss−SO42」)比の経月変化(2000年7月〜2001年6月)

       ・147一

(3)鳥取におけるnss−Ca2+イオンの沈着量の経,月変化       (1999年、7,月〜2001年6月)

  図5.40に鳥取のnss・Ca2+イオンの沈着量の経月変化(1998年  7.月〜2001年6,月)を示す。

  2000年7,月〜2001年6月の黄砂は、飛来期間が長く、飛来量  も多いことがわかる。これは、暖冬や干ばつ、砂漠化によって大  規模な砂嵐が発生し、これによって巻き上げられた黄砂が中国本  土や韓国、日本に飛来しているためである。

  資料5.1に砂嵐と黄砂についての新聞記事(朝日新聞)を示す。

 目本での黄砂観測日は2000年で794日(過去2位)、2001年で  544日(過去4位:4月12日現在)であり、この2年間に多量

 の黄砂が日本列島に飛来している。鳥取でのnss℃a2+イオンの沈  着量もこれを反映した結果となっていることがよくわかる。

・148一

25

 20

㌔15

ξ

9 ε10

  5

0

7 9 11

 1998 1 3 5 7 9 判    1999

1 3 5 7 9 11

   2000 1 3 5  2001

図5.40鳥取のnss℃a2÷イオン沈着量の経月変化(1998年7月〜2001年6月)

一149・

資料5.1砂嵐と黄砂

日    箭   聞 .2◎01零仰虞1S年⊃4の199・「噛7網曜日  13」蠣 6

倒)

ア㍊鑑

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鴇酬脚   幽載;』撫纏 ・鵜繊1

た負砂が、憂目萬で日本蜜で翼膠れ る様子を衛星がとら蒐た10日の映

・像。米翻塵宇宵罵(NASA)ゴダ:,

一欝四国円舞断が撫僕した詔AP,

2001年4月19日 朝日新聞

一150・

5 4.8 酸性化物質とアルカリ化物質の関係

  図5.41の(A)にはH+イオンの濃度を、(B)には降水中の酸性  化物質(nss・SO42一イオンとNO3一イオン)の濃度からアルカリ化  物質(N且4÷イオンとnss−Ca2+イオン)の濃度を引いたものを示

 す。

  (A)のH+イオンの濃度は、11月〜12月の米子から石川にかけ  て高くなっている。これは、これらの地域が、酸性の汚染物質の

影響を強く受けて、降水が酸性化されていることを示している。

  特に、福井は10月〜2月にかけて高くなっており、酸性化が 他の地域に比べて進んでいることがわかる。

  (B)のグラフでは、11月〜12月の米子から石川にかけての部分  が、H+イオンの濃度のパターンと似ている。このことから、降

水中の酸性化物質の濃度からアルカリ化物質の濃度を引いたもの  が、H+イオンの濃度を表していることがいえる。

151・

(A)

       ∫「

秋田         惇柏崎、、

富山

石川 、窟 い

福井

鳥取、「』』凋_,胃

米子

 濃度(μeq騒iv L−1)

1國■ 0〜10 圏

〔コ 30〜40〔コ 10〜20口

40〜50

20〜30

(B) nss−SO42一十NO3一一(nss葡Ca2+十NH4+)

秋田 柏崎炉

A

富山し、

石川 福井

鳥取  米子   萩  福岡

  濃度(μequiv L,一1)

囮  0〜15 匿=コ

[=コ 45〜60 〔=コ

15〜30 [===]    30〜45 60〜75 ■■■■■    75〜90

図5.41酸性化物質とアルカり化物質の関係

・152・

第6章  塩の濃度が高い降水のイオン分析に対する調題点

 今回の日本海側地域の降水調査で、Crイオンが過多になる現 象がみられた。特に、Cl一イオンが過多になる傾向は、北西季節 風の強い冬季と海岸に近い地域で強くみられることがわかった。

日本海側の海岸に近い地域では、北西季節風によって巻ぎ上げら れた海塩の影響によって、海塩の濃度は兵庫における夏季の降水 の100倍以上になる。この降水をイオンクロマトで分析すると、

Cl一イオン過多の現象が起きた。

 この現象は、本研究室の岡田(1999)が、日本海側の鳥取地区(気 高中など)で行った調査でも見られた。この時には、日本海から巻 き上げられたNaClが越境汚染物質の且2SO4と反応して、Na2SO4 とHCIができ、Na2SO4が海に落ち除去され、且Clのみが目本海 側の地域に飛来するためCrイオン過多の現象が起こると考えて

いた(10)。

 本研究では、降水中の各イオン濃度は、20μequiv:r1に調製 した標準NaCl水溶液と前に述べた東亜電波工業(株)製標準溶 液の比から決定している。しかし、測定しようとしている日本海 側地域の降水中のNa+イオンやCrイオン濃度が、標準NaCl水 溶液の100倍以上も高いため、Na+イオンやCrイオンの濃度が 正確に評価できているかどうかわからない。

 そこで、20μequiv L−1のNaCl水溶液を基準として、1倍

〜3000倍の濃度のNaCl水溶液について、Na+イオンやCl一イオ ンの濃度が正確に評価できているかどうか調べた。

 調製したNaCl水溶液の濃度に対するNa+イオンやCrイオン

の濃度の関係を図6.1に示す。

 C1一イオンは、すべてのプロットがほぼ111の直線上にある

一153一

.三

5

0

宏1霞屡

7104 6104 5104 4104 3104 2104 1104

  0

    一ユ;ユー、

0

1104 2104 3104 4104 5104 6104 7104

    麗aCl濃度(μequivじ1)

 図6.1NaC1の濃度とCl−/Na+濃度比の関係

154・

ことから、ほぼ正しく評価されていると考えられる。

 しかし、Na+イオンは、 NaCl水溶液の濃度が大きくなるにした がって、プロットが1:1の直線よりも下側に曲がった。このこと から、Na+イオンの濃度は、実際の濃度よりも過少評価されている

ことがわかった。

 そこで、Na+イオンとCrイオンの濃度に補正を加えるため、補 正式を考えた。

 まず、NaClの濃度が20μequiv:L−1の時を基準にしたので、

Na+イオンとCl一イオンの濃度は、それぞれ①、②式のように表す

ことができる。

 [Na+]m。a,一20=([NaCl]一20)A  …………①  [Cr]m。。、一20=([NaC1ト20)B  …………②

 ただし、[]m。a,は測定値の等量濃度を、[NaCl]は調製したNaCl 水溶液の等量濃度を表す。

 次に、図6.2に示すように、A、Bの値をグラフ作成ソフト「カレ イダグラフ」を用いて、最小2乗法で求めた。得られたA、Bの値を

①、②式に代入すると、

 [Na+]m。a、一20=([:NaC1】一20)o・97105 …………③  [Cl一]m。a,一20=([NaC1]一20)1・ooo6  …………

C

となる。

 次に、Na+イオンとCrイオンの濃度の補正値をそれぞれ

[Na+]。。rrect、[CI「。。rrectとすると、

[NaCl]=[Na+】,。rrect=[C1一]。。。。ectとなるので、

Na+イオンとCrイオンの濃度の補正値は、

 [Na+]。。。,ect=20+([Na+]m,a,一20)1・0298 一・・……⑤  [Cl「,。r,ect=20+([Cl『]mea,一20)o・9994  一・・……

E

・155一

0

3

105

104

1000

100

 10

C1一イオン B 1.0006

③/

  /

     ・/の

  /:/

/〆

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