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a-Si:H/c-Ge(p) ヘテロ接合太陽電池作製条件の最適化

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第 8 章 a-Si:H/c-Ge(p) ヘテロ接合界面への酸素暴露処理の影響

8.3 a-Si:H/c-Ge(p) ヘテロ接合太陽電池作製条件の最適化

第7章の結果では、PH3暴露処理のみを適用した場合、界面に付着したPH3が分解されにくいヒー

(a) Dd= 0 cm-2 (b) Dd= 1×1013cm-2

-6.0 -5.5 -5.0 -4.5 -4.0 -3.5

0 50 100 150 200

Energy (eV)

Distance (nm)

EC

EFp

EV

EFn

a-Si:H(i) a-Si:H(n)

c-Ge(p)

-6.0 -5.5 -5.0 -4.5 -4.0 -3.5

0 50 100 150 200

Energy (eV)

Distance (nm)

EC

EFp

EV

EFn

a-Si:H(i) a-Si:H(n)

c-Ge(p)

図 8-6 Dd=0cm-2及び1.0×1013cm-2でのヘテロ接合界面近傍の バンドダイヤグラムシミュレーション結果

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タ温度120℃での a-Si:H(i)層の製膜では、界面近傍が空乏化せず、良好な太陽電池特性が得られな

かった。一方、O2暴露処理とPH3暴露処理を適用した場合、PH3暴露処理のみでは界面近傍に空乏 化が見られたヒータ温度200℃でa-Si:H(i)層を製膜しても、明瞭な空乏化は確認できていない。

a-Si:H(i)層製膜時のヒータ温度は、界面近傍のバンドダイヤグラムや、a-Si:H(i)層の膜質に影響を 及ぼすと考えられるため、O2暴露処理及びPH3暴露処理を適用したGe(100)基板に対して、より高温 のヒータ温度240℃でa-Si:H(i)層を製膜した。ヒータ温度以外の作製条件は表 8-1から表 8-3と同じ である。太陽電池特性の比較を図 8-7 に示す。ポストアニールの影響についても確認するため、太陽 電池作製後のアニール(真空下で 150℃8 時間)前後の特性を示している。また、より広範囲の

a-Si:H(i)層製膜時のヒータ温度の影響を比較するため、図7-2で示したG(111)基板にPH3暴露処理の

みを適用した際のアニール前後の特性も併記している。2.2.1 項に記載した通り、作製条件の相対比

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

100 150 200 250 300

VOC(Normailzed)

Heater Temperature (oC) O2+PH3 after anneal O2+PH3 before anneal PH3 after anneal PH3 before anneal

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

100 150 200 250 300

JSC(Normailzed)

Heater Temperature (oC)

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

100 150 200 250 300

F.F. (Normailzed)

Heater Temperature (oC)

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

100 150 200 250 300

Conv. Eff. (Normailzed)

Heater Temperature (oC)

図 8-7 Ge(100)基板にO2暴露処理及びPH3暴露処理を適用したc-Ge(p)ヘテロ接合太陽電

池のa-Si:H(i)層製膜温度依存性(アニール処理前後)。240℃製膜時の太陽電池特性で規格化。

Ge(111)基板にPH3暴露処理のみを適用した太陽電池特性も併記。

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較のため、最も高い変換効率を示した a-Si:H(i)層製膜温度 240℃、アニール後の特性で規格化した 値を示している(電流値が高めに評価されているため、あくまで参考値であるが、基準セルの太陽電池 特性は以下の通り:VOC=0.263V、JSC=48.2mA/cm2、F.F.=0.603、Eff.=7.61%)。

O2暴露処理とPH3暴露処理を適用した場合、a-Si:H(i)層の製膜温度を240℃に増大させると、VOC

F.F.が改善し、変換効率が向上した。アニール前後を比較すると、a-Si:H(i)層の製膜温度が 200℃の

場合でも 240℃の場合でも、大幅に変換効率が改善した。一方、PH3暴露処理のみの場合、a-Si:H(i)

層の製膜温度が 240℃の時、アニール前後で特性はほとんど変わらない。O2暴露処理以外は同じプ ロセスを使用しているため、O2暴露処理を適用した場合、デバイス完成後の熱処理により

a-Si:H(i)/c-Ge(p)界面が影響を受けていると考えられる。120℃でa-Si:H(i)層を製膜した場合、アニール前の特性

は著しく低く、アニールを適用するとわずかに改善するが、依然 240℃で製膜した場合と比較すると変 換効率が低い。a-Si:H(i)層製膜時及びアニーリングのみでは PH3 の分解が十分進まないため、界面 近傍が空乏化しないことがその要因と考えられる。また、低ヒータ温度で製膜した a-Si:H(i)層は SiH2

結合が多く、a-Si:H(i)層の膜質が悪いことも要因の可能性がある。

本研究で見出したO2暴露処理と PH3暴露処理によるc-Ge(p)ヘテロ接合太陽電池の特性改善手 法は、O2 暴露処理による低欠陥界面の実現と、PH3暴露処理とその後の a-Si:H(i)層製膜、ポスアニ ール条件による界面近傍のバンドダイヤグラムの調整が可能であり、c-Ge(p)ヘテロ接合太陽電池の 変換効率向上に有効な手法であると言える。

図 8-8 に本研究で得られた最も変換効率の高い c-Ge(p)ヘテロ接合太陽電池の IV 特性を示す。

Ge(100)基板にO2暴露処理及びPH3暴露処理を適用、a-Si:H(i)層を240℃で製膜した太陽電池に反

射防止膜を適用したものである。変換効率は7.61%に達し、c-Geヘテロ接合太陽電池の世界最高効 率を達成した(過去に報告された最高効率は 7.2%[9])。c-Ge ホモ接合太陽電池の世界最高効率

7.9%[15]には及ばなかったが、本研究で作製した太陽電池は裏面での再結合を抑制する BSF 未適

0 10 20 30 40 50

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 Current Density (mA/cm2)

Voltage (V)

V

OC

J

SC

F.F.

Eff.

0.270 V 45.7 mA/cm

2

0.617

7.61 %

図 8-8 本研究で得られた最高効率のc-Ge(p)ヘテロ接合太陽電池のIV特性

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用にもかかわらず、VOCは世界最高効率の c-Ge ホモ接合太陽電池より高く、本研究で見出した、O2

暴露処理及びPH3暴露処理は非常に良好なヘテロ接合界面を形成可能であることを示している。

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