6 プロジェクト・マネジメント
6.1 プロジェクト・マネジメントとは
6.1.2 プロジェクト計画の概要
図 6.1.6の流れの概要は、以下の通りである。
① プロポーザル段階の関連書類をレビューする。
プロジェクト受注前に、コントラクターは見積書を顧客に提出する。最初に顧客から 提示された仕様書は、契約交渉の段階で変更されることが多い。プロジェクト・マネー ジャーは、顧客との間に取り交わされたメール、レター、関係書類を整理し、顧客から の要求やそれに対するプロポーザル内容及びその経緯を把握し、契約書のドラフトを慎 重に検討しなければならない。
② プロジェクト組織をつくる。
契約後、プロジェクト・マネージャーは、プロジェクト組織の主要メンバーを任命す る。主要メンバーは、詳細なプロジェクト遂行計画に参画する。業務が進むにつれ、必 要に応じてメンバーを増員していく。
③ 顧客とのキックオフミーティングを開催する。
契約発効後、できるだけ早く顧客とのキックオフミーティングを開催する必要がある。
ここで、達成すべき業務及び役務の範囲、プロジェクト組織と要員、全体スケジュール 等を確認する。
④ 役務範囲を確認する。
効果的にプロジェクトを管理・統制するためには、そのプロジェクトの役務範囲をしっ かり把握するとともに、関係者間でのコミュニケーションを円滑に行うため、役務範囲 の定義のコード化が必要となる。
役務範囲の定義に有効な技法として、WBS(Work Breakdown Structure)が知られて いる。WBSは、プロジェクトをシステマチックに組織し、管理することを可能にする。
WBSは、業務内容を細分化し、その階層構造をツリー構造で整理したものである。各要 素はコード化され、プロジェクトに関する文書(技術文書、計画文書、報告文書、経理 文書など)に記載される。図6.1.7にWBSの例を示す。
⑥ プロジェクト遂行方針を設定する。
プロジェクト・マネージャーは、プロジェクト遂行方針を設定し、プロジェクトの目 的、管理の優先順位、プロジェクト成功のための基本思想を表明する。
⑦ プロジェクト実行予算を立てる。
過去の実績データ等に基づいて、プロジェクトの実行予算を立てる。
⑧ 日程計画(プロジェクトスケジュール)を作成する。
プロジェクトの立ち上げ時に、プロジェクト・マスター・スケジュールを作成する。
プロジェクト・マスター・スケジュールは、プロジェクトの各フェーズで実行しなけれ ばならない主要な作業を一覧できるものである。プロジェクト・マスター・スケジュー ル作成に当たっては、そのプロジェクトのマイルストンや、遅れの原因となり得る項目 を確認し、それらに配慮するようにしなければならない。
⑨ 社内プロジェクト・キックオフミーティングを開催する。
プロジェクト遂行基本方針策定後、直ちに社内でのキックオフミーティングを開催す
る。契約に至るまでの経緯やプロジェクト遂行の基本方針を、プロジェクト・メンバー 間で共有する。
⑩ プロジェクト・ナンバリングシステムを設定する。
前述のWBSと関連付けて、プロジェクト・ナンバリングシステムや手順書を作成し、
以下の項目などの番号、コードを規定する。
エンジニアリング文書番号(図面、仕様書、Data Sheet等)
調達文書番号(仕様書、注文書等)
マテリアル番号(機器、マテリアル等)
スケジュール作業項目コード
コスト管理コード
マンアワー(勤務時間)管理コード
⑪ プロジェクト業務遂行要領書を作成する。
プロジェクト業務遂行要領書を作成し、顧客に提出して、承認を得る。
⑫ プロジェクト・マネジメント要領書を作成する。
プロジェクト・マネジメント要領書を作成し、顧客に提出して、承認を得る。
⑬ 設計、調達、及び建設の基本計画を作成する。
設計、調達、建設の基本計画については、それぞれの担当マネージャーが作成し、プ ロジェクト・マネージャーが確認する。
図6.1.7 WBSの例 出典:プロジェクト・マネジメント用語辞典
6.1.3 スケジュール管理の概要