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トルクの釣合い

ドキュメント内 2017年版PDF (ページ 36-40)

物体に働くトルクT1, T2,· · · の総和がゼロとなる条件,

T:=T1+T2+· · ·= 0 (3.13) を,(トルクの)釣合い条件という7).未知数を含む釣合い条件を,釣合い方程式とい う.物体に働くトルクが釣合い条件を満すとき,トルクが物体の回転運動に及ぼす効果 はゼロになる.

例題3.4 例題3.2p24の着力点Oをどこに移せば,この棒のトルクは釣合うか.釣 合い条件を与えるabの比r=a/bを,fA, fB で書き下せ.

例題3.5 同様に,例題3.3p24の着力点Oをどこに移せば,この棒のトルクは釣合 うか.釣合い条件を与えるabの関係式を,fA, fB, Tで書き下せ.(前問と異な り,関係式は比r=a/bでは表せない)

7)T ,0T,Oとすれば3次元用の条件となる.

3.4. トルクの釣合い 29

3 章の補足

● 例題3.1p23の解答例

点Pから測った着力点Qの位置ベクトルxと,点Qに作用する力f の直交成 分は,(2.2)p13より,それぞれ,

x= 0.5

cos 45 sin 45

, f= 5

cos 120 sin 120

これらを(3.6)に代入して,

T =xf=

0.5

cos 45 sin 45

5

cos 120 sin 120

= 2.5

cos 45 sin 45

cos 120 sin 120

 ∵算法3.2p23の分配則

= 2.5

cos 45 cos 120 sin 45 sin 120 = 2.5

1 2 12

1 2

3 2

= 2.5

3 + 1 2

2 2.41//

● 例題3.2p24の解答例 各力の成分は,

fA=

0 fA

, fO=

 0

−fO

, fB =

0 fB

である.また,Oから見た着力点の位置ベクトルは,

−→OA =

−a 0

, −−→

OO =

0 0

, −→

OB =

b 0

である.ゆえに,Oに作用するトルクは,力学法則3.1p24より,

T =−→

OAfA+−−→

OOfO+−→

OBfB

= −a 0

0 fA

+

0 0

0 −fO

+

b 0

0 fB

=−a fA+b fB//

● 例題3.3p24の解答例

点Oに直接働くトルクT を加算して,

T =−→

OAfA+−→

OBfB+−−→

OOfO+T=−a fA+b fB+T//

● 例題3.4p28の解答例

例題3.2の解答例p29を使うと,釣合い条件は,

T =−a fA+b fB = 0 これより,r=a

b = fB

fA

//

● 例題3.5p28の解答例

例題3.3の解答例p29を使うと,釣合い条件は,

T =−a fA+b fB+T= 0//

これが求める関係式となる.

4

剛体に働く力

これまで1点に作用する力やトルクを学んできたが,現実の物体においては,異な る作用点に,複数の力やトルクが同時に働くことのほうが多い.その効果を比較した り,集約したりする方法を学ぶ.

4.1 剛体とは?

変形を無視した物体を,剛体(rigid body)と呼んだ1).その意味するところを,も うすこし丁寧に確認しておこう.

4.1.1 初等力学における「運動」と剛体

初等力学では,物体に引き起される変化のうち「位置」と「姿勢角」の変化に着目 する.それぞれ,

物体の「位置」の時間変化を,並進運動(translation)

物体の「姿勢角」の時間変化を,回転運動(rotation) と呼び,2つ合せて,運動(motion)という.

こうした運動を計算するため,初等力学では「位置」と「姿勢角」しか動かせない 架空の物体を考える.それが「剛体」である.定義は次の通り.

変形しない物体を,剛体(rigid body)という.

なぜ変形を無視すると「位置」と「姿勢角」しか動かせなくなるのか?—茹でたての うどんを1本,放り投げてみよ.うどんの1点を追跡すれば「位置」は簡単に定まる.

しかし「姿勢角」は,うねうね,ぐにゃぐにゃ,定まらない.そこで,うどんを凍結 して変形を制限し,姿勢角を定める.それが剛体だ.

さらに簡略化を進めて,姿勢角まで無視してしまった架空の物体を,質点(point of

mass)という.質点とは,大きさが0の物体である.ものすごい空想力だが,確かに

大きさが無い物体なら,姿勢角を考えずに済む.

1)p23の説明にも登場させた.

4.1.2 剛体に作用する力やトルクの効果

本書では,このあと,力やトルクの「効果」という表現をよく使う.ここでいう「効 果」とは,必然的に,

剛体の「位置」や「姿勢角」を変化させる効果

のことになる.なぜなら,「位置」と「姿勢角」しか動かない剛体に,いかなる力やト ルクを加えようとも,その効果は「位置」と「姿勢角」にしか表れない.

以下で見ていくように,複数の力やトルクが剛体に働くとき,その効果は,1つの 力と1つのトルクで表せる.逆に,力とトルクを,それぞれ1つずつ与えれば,剛体 を自由に動かせる.

▶▶ ただし,力とトルクの方向や大きさは,適切に時間変化させる必要がある.また,変 形を考慮した弾性体では「位置と姿勢角」のほかに「形状」も変化するので,一対の力とト ルクでは,特定の効果しか作れない.

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