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OECD行動指針に基づく期待 企業が人権への悪影響の原因となる、また

は可能性があると思われる場合、企業は必 要な措置を講じ、その影響を中止または防 止すべきである。(OECD行動指針、IV、注 釈42)

「サプライチェーンの関連において,企業 が悪影響を引き起こすリスクを特定した場 合に は,その影響を停止又は防止するため の必要な措置をとるべきである。」(OECD 行動指針、II、注釈18)

「悪影響の一因となっていなくても,取引 関係によって,そうした悪影響が自らの事 業,製品又はサービスに直接的に結び付い ている場合には,悪影響の防止又は緩和を 求める。これは,悪影響を引き起こした事 業体から,取引関係を持つ企業に責任を転 嫁することを意図していない。」(OECD行 動指針、II、A12)

3.1 自社操業の害悪の中止、防止または緩和

企業は、自社の操業で害悪を生じるか原因とな る行動を止めるべきである。企業は、衣類・履物 セクターにおける是正措置計画(CAP)を策定 し、実施し、それ自社操業の将来の害悪を防止ま たは緩和すべきである。同計画は、フォローアッ プのための明白なタイムラインに即して、講じ られる措置の内容を詳述すべきである。追求さ れる措置は、害悪の重大性に比例すべきである。

是正措置計画の短期的目的

短期的には、直ちに措置を講じ、既存の影響を止 め、直接かつ深刻なあらゆる危険を防止すべき である。従業員の健康と生活に直接深刻な危険 がある場合、企業は労働者の危険を直ちに除去 すべきである。モジュール 5.労働安全衛生を参 照。同様に、環境に対する喫緊かつ重大な危険が ある場合、企業は危険除去に取り組み解消でき るまで、その害悪を生じる(またはリスクを生じ る)活動を止めるべきである。

重要な用語

防止-本ガイダンスは用語「防止」を 広い意味で用いており、害悪の発生を 止めるために意図される措置を含む。

言い換えれば、「防止」は必ずしもリス ク回避と同一視されない。さらに防止 は、企業がそれ自体の操業で取る措 置、またはそのサプライチェーンに関 連する害悪を防止するために取る措 置を指す(例えばサプライヤー能力の 向上など)

緩和-「緩和」は、悪影響が生じる場 合、その害悪を減らすか除去するため に講じる措置を指す。緩和措置は、害 悪の程度を減らす目的で工程の前後、

または途中に講じることができる。例 えば、織物工場は水質汚染を減らすた めに利用可能な最良の技術を採択す る。

是正措置計画の長期及び成果志向ソリューション

長期的には、企業は、害悪防止のための結果志向の解決方法を講ずるべきである。大抵 の場合、成果志向の対応は次の条件を満たす。最も効果的な成果を生むよう、資源が優 先順位付けされ、害悪のリスクに比例し、その取組は持続可能で、既存のエビデンスに 基づいている。図1を参照。

図1. 成果志向ソリューションの条件

推奨 例

最も効果的な成果を生むよう、資源が優先 順位付けされること

資源は、最大の効果が期待できる対策から 優先的に割り当てられるべきである。

リスク:火災

例:企業は最初に仕事場を安全にすること を優先したうえで、労働者に火災安全 のための研修を提供するべきである。

害悪のリスクに比例すること

衣類・履物セクターの大抵のリスクは複雑 であり、害悪を十分防止または緩和するた めに複数の取組が必要である。

リスク:賃金法の不遵守

例:企業は労働者に自動的支払を提供して もよい。これは賃金と手当及び給与明 細の読み方に関する法的権利に基づい て労働者の研修を伴うことがある。

持続可能であること

長期ソリューションは長期の成果に導くべ きである。多くの事例で、これは取組が管 理システムに埋め込まれるべきであること を意味する。

リスク:有害な化学物質の取り扱いと処理

例:化学物質の安全な取り扱いと処理の方 法に関する労働者の研修は、労働者へ のオリエンテーションと現行の再教育 コースに組み込まれる。

既存のエビデンスに基づくこと

既存のソリューションがある場合、企業は それらのソリューションを採択または増強 することを考慮すべきである。

リスク:水の使用

例:企業は、セクターにおいて利用可能な 最良の技法を採択する。

企業の操業に関する是正措置計画のコンポーネント

是正措置計画には、実施とフォローアップに関する明確なタイムラインがあるべきであ る。一般的に計画は方針、研修、設備改善及び管理システムの強化を含む。

● 方針:方針は、国際基準を掲げる企業の公約を明確に伝えるもので、研修、設 備改善などのさらなる措置の基礎となる。

● 研修:研修の目的、参加者及び内容は目的に合うべきで、研修は大部分の是正 措置計画の重要なコンポーネントである。大抵の事例で、研修はリスク、労働 者の権利、害悪の防止や緩和に関して研修を受ける人に期待される役割を含む。

● 設備改善:害悪の中には、設備投資と装置の改善だけで防止できるものがある。

そのような投資には、照明、換気、非常口、新しい機械類が含まれる。

● 管理システム:管理システムは、(i)情報をよりよく追跡し、害悪が生じる前に リスクに対し警告を与えるか、または(ii)害悪リスクの初期的緩和のための体系 的措置確立に向け強化することができる。例えば、紡績工場は、強制労働と児 童労働を防止するために、民間の労働者あっせん事業者に関する事前評価制度 を強化できる。例えば工場は、賃金の不公平な減額を防止するために、自動振 込も考えられる。

● 労働者の権利:労働問題の影響に鑑み、企業は、労働者が労働組合を結成し団 体交渉する権利に関するデュー・デリジェンスを是正措置計画に組み込むべき である。労働組合と労働者が自ら選ぶ代表組織は、団体交渉協定、継続的な観 察と労働者の苦情処理の仕組みへのアクセス支援、または苦情処理の仕組みそ のものの提供を通じて、現場での有害な影響を防止するのに重要な役割を果た す。この理由でこのような権利は、権利の行使を可能にすると考えられる。

利害関係者の関与と専門家への相談

労働者と労働組合及び労働者が自ら選ぶ代表組織は、方針とプログラムの設計を含めて、

是正措置計画の作成中に関与すべきである。労働者には、完全で正確な情報を提供し、

懸念を提起し発言する機会を与えるべきである。また、企業は、労働組合と直接連携し て、労働者の発言を促すことができる。序文を参照。是正措置計画を作成する際に、企 業は専門家の助言が必要かどうかを考慮すべきである。リスクが複雑になればなるほど、

対応を計画する際に専門家の助言の必要性が増す。

デュー・デリジェンスの性質に影響しうる要因

すべての企業は、その規模、サブセクター、サプライチェーンの立場、及び操業 状況に関係なく、その行動から結果的に生じる有害な影響を中止、防止または緩 和すべきである。しかし企業は、最初に最も重大な影響に取り組む段階的アプロ ーチを取ることができる

3.2 企業のサプライチェーンにおける害悪を防止または緩和する努力

企業はそのサプライチェーンの将来の害悪防止または緩和に努めるために、計画を作成 し、実施すべきである。計画は、企業がフォローアップの明確なタイムラインに従って 取る措置を詳述すべきである。達成されるべき措置は害悪の重大性に比例すべきである。

企業の計画は下記の措置を含み、拡張することができる。

● 企業のサプライチェーンにおける害悪の原因を防止する。セクション3.2を参 照。

● 企業のサプライチェーンのリスクを緩和するために、内部措置を実施する。セ クション3.2を参照。

● 害悪を防止また緩和するためにサプライヤーに対して影響力を用いる。セクシ ョン3.2を参照。

● 害悪を防止または緩和する際にサプライヤーを支援する。セクション3.2を参 照。

● サプライヤーを契約解除する。セクション3.2を参照

● 政府に関与する。セクション3.2を参照。

3.2.1 企業のサプライチェーンにおける害悪の一因になることを防止する

企業が害悪の一因となっていることを特定した場合、企業は害悪の改善措置を提供する か改善に協力すべきである。セクション6を参照。

企業がサプライチェーンにおける害悪の一因となるリスクを特定した場合、企業はその 原因を防止する計画を開発し、実施すべきである。企業がそのサプライチェーンの影響 の一因になっているかどうかを判定する際に、手引となる「企業の影響への関連」を参 照すること。達成する措置は害悪の重大性に比例すべきである。大抵の場合、計画は下 記の要素を含むべきである。