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コンポーネントと機能

ドキュメント内 LSI MegaRAID® SAS Software (ページ 32-61)

RAID レベルは、大規模ディスクサブシステムに格納されたデータの可用性と 冗長性を確保するシステムを規定します。RAID レベルの詳細は、「 RAID レ ベル」の項を参照してください。以降の項では、RAID ドライブグループのコ ンポーネントと RAID レベルについて説明します。

2.4.1 物理アレイ

物理アレイは、ドライブのグループです。ドライブは、仮想ドライブと呼ば れる区画単位で管理されます。

2.4.2 仮想ドライブ

仮想ドライブは、ドライブグループ内の区画で、ドライブ上の連続したデー タセグメントで構成されています。仮想ドライブの構成として、ドライブグ ループ全体、複数のドライブグループ全体、ドライブグループの一部、複数 のドライブグループの一部、またはこれらの条件の組み合わせを指定できま す。

2.4.3 RAID ドライブグループ

RAID ドライブグループは、RAID コントローラが制御する 1 台以上のドライ ブです。

2.4.4 フォールトトレランス

フォールトトレランスは、サブシステムでドライブの故障が発生した場合で も、データの整合性や処理機能を損なわないようにする機能です。RAID コン トローラは、RAID レベル 1、5、6、10、50、60 の冗長ドライブグループを 使用して、この機能をサポートします。あるドライブグループでドライブ故 障が発生した場合でもシステムは正常に機能しますが、パフォーマンスはあ る程度低下します。

RAID 1 ドライブグループのスパンでは、各 RAID 1 ドライブグループには 2 台のドライブがあり、1 台のドライブが故障しても動作が保証されます。

RAID 1 ドライブグループのスパンは最大 32 台のドライブで構成され、最大 16 台までのドライブ故障(各ドライブグループで 1 台)に対応します。

RAID 5 ドライブグループは、各 RAID 5 ドライブグループで 1 台のドライブ の故障に対応できます。RAID 6 ドライブグループは、最大 2 台のドライブの 故障に対応できます。

スパニングされた各 RAID 10 仮想ドライブは、複数のドライブ故障に対応し ますが、これは故障がそれぞれ別のドライブグループで発生した場合に限り ます。RAID 50 仮想ドライブは、2 台のドライブ故障に対応しますが、これ は故障がそれぞれ別のドライブグループで発生した場合に限ります。RAID 60 ドライブグループは、各ドライブグループで最大 2 台のドライブ故障に対 応できます。

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RAID レべル 0 にはフォールトトレランス機能はありません。RAID 0

ドライブグループ内のドライブが故障すると、仮想ドライブ全体(仮

フォールトトレランスは、故障時にもシステムを利用できるという点で、シ ステム可用性とよく関連付けられます。ただし、問題の修復中にもシステム を利用できるという点も重要です。

ホットスペアは使用されていないドライブで、冗長 RAID ドライブグループ でディスクが故障した場合にリビルドに使用され、冗長性を再度確立できま す。ホットスペアが RAID ドライブグループに自動的に移行した後、ホット スペアドライブ上でデータが自動的にリビルドされます。RAID ドライブグ ループは、リビルドの実行中も要求された処理を続行します。

自動リビルドにより、故障したドライブが交換され、同じドライブベイのド ライブを「ホットスワップ」することでデータが自動的にリビルドされます。

RAID ドライブグループは、リビルドの実行中も要求された処理を続行しま す。

2.4.5 MDCMake Data Consistent : 整合性確保)

この処理では、RAID レベル 1、5、6、10、50、60 を使用する仮想ドライブ のデータの妥当性を検証します (RAID 0 にはデータの冗長性はありません)。 たとえばパリティがあるシステムでは、整合性のチェックは、1 台のドライ ブのデータを計算し、その結果をパリティドライブの内容と比較します。

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月に 1 回は、MDC(整合性確保)を実行することを推奨します。

OS が適切にシャットダウンされないと、ハードディスクドライブ間 でデータ整合性が損なわれる場合があります。このような場合は、

MDC を手動で実行してください。

MDC の実行中は I/O パフォーマンスが低下します。このパフォーマン スの低下は、WebBIOS CU の MDC Rate パラメータまたは ServerView RAID Manager の MDC Rate パラメータの値を小さくすることで解消 できます。このパラメータの値を小さくすると、MDC 処理の実行時間 が長くなることがあります。

2.4.6 コピーバック

コピーバック機能により、仮想ドライブのソースドライブから、仮想ドライ ブに含まれていないドライブにデータをコピーできます。コピーバックは、

ドライブグループに特定の物理構成を作成または復元する場合によく使用さ れます(デバイス I/O バスのドライブグループメンバーの特定の構成など)。

コピーバックは自動または手動で実行できます。

通常、ドライブが故障するか、故障が予想される場合、データはホットスペ アでリビルドされます。故障したドライブは、新しいディスクと交換されま す。次に、データがホットスペアから新しいドライブにコピーされ、ホット スペアはリビルドドライブから元のホットスペアのステータスに戻ります。

コピーバック処理はバックグラウンドのアクティビティとして実行され、仮 想ドライブは引き続きホストからオンラインで使用できます。

コピーバックは、SMART(Self-Monitoring Analysis and Reporting

Technology)エラーが仮想ドライブの一部のドライブ上で初めて発生したと きにも開始されます。コピー先ドライブは、リビルドドライブの条件を満た すホットスペアです。SMART エラーがあるドライブは、コピーバックが正 常に完了した場合のみ「故障」とマークされます。これにより、ドライブグ ループの低パフォーマンスステータスへの移行を回避できます。

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コピーバック処理中に、仮想ドライブが削除されたためにコピーバッ ク対象のドライブグループが削除された場合、コピー先ドライブは

「Unconfigured Good」状態またはホットスペア状態に戻ります。

優先順位

以下のシナリオでは、コピーバック処理よりもリビルドが優先されます。

1. コピーバック処理がホットスペアドライブですでに実行されている場合、

コントローラ上で仮想ドライブが低パフォーマンス状態になると、コピー バック処理は中止され、リビルドが開始します。リビルドにより、仮想ド ライブが最適な状態に変化します。

2. リビルド処理とコピーバック処理の両方を開始できる条件の場合は、リビ ルド処理が優先されます。以下に例を挙げます。

a) ホットスペアがシステムで構成されていない(または使用できない)

場合。

b) SMART エラーのしきい値を超過したドライブと、故障したドライブ の、2 台のドライブがある(両方とも仮想ドライブのメンバー)場合。

c) ホットスペア(グローバルホットスペアと仮定)をコピーバック処理 中に追加すると、コピーバックは中止され、リビルド処理がホットス ペア上で開始されます。

2.4.7 バックグラウンド初期化

バックグラウンド初期化は、仮想ドライブを作成するときに必ず実行される 整合性チェックです。バックグラウンド初期化と整合性チェックの違いは、

バックグラウンド初期化は新しい仮想ドライブで必ず実行されることです。

この処理は、仮想ドライブを作成した 5 分後に自動的に実行されます。

バックグラウンド初期化は、ドライブ上のメディアエラーを検出します。

ストライプ化されたデータセグメントが、ドライブグループ内のすべてのド ライブ上で同一であることを確認します。推奨するデフォルトのバックグラ ウンド初期化率は 30 % です。リビルド率を変更する際には、バックグラウ ンド初期化を停止する必要があります。停止しないと、変更がバックグラウ ンド初期化率に反映されません。バックグラウンド初期化を停止してリビル ド率を変更した後、バックグラウンド初期化を再開すると変更したリビルド 率が適用されます。

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バックグラウンド初期化が完了する前にサーバがリセットされるか、

電源がオフになると、バックグラウンド初期化は中断されたところか ら再開されます。

2.4.8 パトロールリード

パトロールリードは、ドライブ故障を引き起こすドライブエラーをシステム で確認し、エラーを修復する操作を実行します。目的は、故障が発生して データが破損する前にドライブの故障を検出して、データ整合性を維持する ことです。修復処理は、ドライブグループ構成とエラーの種類によって異な ります。

パトロールリードは、コントローラが一定期間アイドル状態で、その他の バックグラウンドタスクがアクティブではない場合にのみ開始されます。た だし、I/O が多いプロセス中でも、実行を継続できます。

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注意 !

パトロールリードは、168 時間ごとに自動的に開始します。パトロー ルリードの実行中は、I/O パフォーマンスが低下します。スケジュール を管理するには、パトロールリードを無効にして、ServerView RAID で MDC スケジュールを定義します。詳細は、ServerView RAID のユー ザーマニュアルを参照してください。パトロールリードまたは MDC を週に 1 回実行して、データ整合性を維持することを推奨します。

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