*1 Japan New Car Assessment Program
独立行政法人自動車事故対策機構 (NASVA : National Agency for Automotive Safety and Victim's Aid)が実施する安全性能総合評価。
5つ星:ファイブスターが最高評価。
*2 National Highway Traffic Safety Administration New Car Assessment Program NHTSA (米国運輸省道路交通安全局)が実施する安全性能総合評価。
5つ星:ファイブスターが最高評価。
*3 Insurance Institute for Highway Safety Rating IIHS (米国道路安全保険協会)が実施する安全性能総合評価。
Top Safety Pick + (プラス)が最高評価。
*4 European New Car Assessment Programme
ヨーロッパ各国の交通関連当局などで構成された独立機関が実施する安全 性能総合評価。
5つ星:ファイブスターが最高評価。
マツダは、ドライバー・人間を理解・信頼・尊重することを重視し、以下の考えで 安全技術の研究・開発を行っています。
安全に運転するためには、認知・判断・操作の各ステップで適切に行動すること が重要です。運転する環境が変化しても、正しく認知・判断することをサポートし、
安全に安心して運転していただきたいと考えています。
しかし、人間は時として避けられないミスを起こします。万が一のドライバーの ミスにも対応できるように、事故被害を防止・軽減することをサポートする技術 を開発・提供していきます。
お客さまの使用状態 マツダが提供する安全性能 傷害低減 衝突時の乗員保護と
歩行者などの保護
事故の被害を軽減
ドライバーに 危険を気付かせ、
安全運転をサポート 良好な運転環境
(視界視認性、操作性)と 優れた操縦安定性で 安全運転をサポート
事故低減 迫っている状態リスクが
事故が起きて しまった状態 事故が起きて しまった状態 避けられない状態
低 高
リスク被害の
正しい「認知」→「判断」→「操作」により、
安全に安心して運転している状態
a
安全への取り組み3つの視点安全なクルマの 開発・商品化
交通環境の整備の動きに 連携した取り組み
クルマ
インフラ道路・
人
人々への安全啓発
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b
安全性能総合評価CX-5 アテンザ/
Mazda6 アクセラ/
Mazda3 日本 JNCAP*1
5つ星 平成24年度 平成25年度 −
(未評価)
米国
米国NCAP*2
5つ星 モデルイヤー2015 2015
モデルイヤー 2015 モデルイヤー IIHS*3
TSP+ (プラス) 2014 2014 2014 欧州 Euro NCAP*4
5つ星 2012 2013 2013
(2014年7月末時点)
理想的なドライビングポジション
人とクルマのインターフェースであるペダルやステアリングなどの主要な運転操作機 器の配置(レイアウト)について、操作しやすく疲れにくい運転姿勢を追求しました。ド ライバーが素早く正確に力を出せる脱力状態をもたらす「快適関節リンク角」の理論 に基づいて、小柄な方から大柄な方まで、さまざまな体格のお客さまが適切なドライビ ングポジションで運転できるよう設計しています。コンパクトカーである新型デミオ/
Mazda2に通常このクラスでは少ないテレスコピック機構※1を標準装備としているの はその一例です。
優れた運転視界
ドライバーが周囲の状況(道路環境、周辺車両や障害物、子どもを含む歩行者など)を 素早く認知し、的確な対応が出来るよう、良好な視界を確保することを重視しています。
新型アクセラ/Mazda3ではAピラーを旧モデルよりも約100mm後退させ、前席か らの左右の見開き角を1.8°拡大しました。また、ドアミラー越しの視界を広げるため、ド アミラーをドア外版に取り付けるとともにその位置を下げています。
子どもについては、親の付き添いなく歩行する最少年齢の子どもとして5歳児(身長 100cm)を基準体格とし、子どもが巻き込まれやすい左折時などの視認性を向上して います(P45参照)。
新世代HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)※2
人間中心設計を徹底しており、運転に集中できるコクピット設計により3つの不注意運 転要因(見るわき見、意識のわき見、不安定な姿勢での操作)を最小化しています。
HMIコンセプト「Heads-Up Cockpit」(ヘッズアップ コクピット)
新型アクセラ/Mazda3から採用するHeads-Up Cockpitは、さまざまな情報通信 機能を安全にそして快適に使ってもらうことを重視しました。
多くの情報を扱いながら、正しい姿勢で安全に運転に集中することを目的として視線 移動と姿勢変化を最小限に抑えたHMIを実現しました。
・情報を種類ごとにゾーン配置したシンプルなコクピット
・ 視線を下げずに確認しやすいダッシュボード上に設置された7インチセンターディス プレイ(①)
・手元を目で確認しない操作を追求したコマンダーコントロール(②)
・ 車速やナビゲーションのルート誘導情報などをメーターフード前方に虚像として表示 するアクティブ・ドライビング・ディスプレイ(③)
・音声で各機能をコントロールする音声認識にも対応
※1 ステアリングを前後に移動できる機構。
※2 HMI:Human Machine Interfaceの略。運転中に発生するさまざまな情報 をドライバーとクルマの間で適切にやりとりするための装置や仕組みの総称。
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d
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TOPICS
産学連携で「快適関節リンク角」を追求、走行時に、違和感がなく疲れにくいクルマづくり
マツダは安全で快適な運転環境を提供するために人間工学的なアプローチを重 視しています。
「快適関節リンク角」の研究のため、実車を模した専用のドライビングポジション テスターを開発しました。さまざまな体格のドライバーを想定し、運転中の動きや 利用している筋力などを徹底的に調べ、広島大学生体システム論研究室との共 同研究で得た基礎理論を用いて解析をしました。こうして蓄積された実際の実験デー タが、2012年に発売されたCX-5以降の新型車に反映されています。
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快適関節リンク角イメージe
Heads-Up Cockpitd
後退させたAピラーにより拡大した見開き角Aピラー
Mazda Sustainability Report 2014
マツダのCSR お客さま満足 環境保全 社会貢献 人間尊重 マネジメント
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■ 先進安全技術「i-ACTIVSENSE」
「i-ACTIVSENSE」はマツダが目指す安全性能の考え方「Mazda Proactive Safety(マ ツダ プロアクティブ セーフティ)」に基づき開発した先進安全技術の総称です。認知 支援を行いドライバーの安全運転をサポートするアクティブセーフティ技術に加え、事 故が避けられない状況での衝突回避・被害軽減を図るプリクラッシュセーフティ技術で 構成。主な技術は次の通りです。
先進安全技術「i-ACTIVSENSE」
■ 運転支援技術
マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)
先行車との速度差や車間距離を認識し、設定した車速内で車間距離を自動で調整・維 持することで、高速道路などでドライバーの負担を軽減します。
■ 認知支援技術
前方衝突警報システム(FOW)
先行車を検知し、ドライバーに衝突の危険性を知らせ、衝突回避をサポートします。
車線逸脱警報システム(LDWS)
道路上の白線を検知し、車両が意図せず車線を逸脱することを予測してドライバーに 警告します。
リア・ビークル・モニタリングシステム(RVM)
隣(左右)のレーンや後方からの接近車両を検知し、ドライバーに車線変更時の危険を 知らせます。
ハイビーム・コントロールシステム(HBC)
先行車や対向車を検知し、ヘッドランプのハイビーム・ロービームを自動で切り替え、夜 間の視認性を確保し、危険回避をサポートします。
アダプティブ・フロントライティング・システム(AFS)
ステアリングの角度と車速に応じて、ヘッドランプの向きを自動的にコントロールし、カー ブや交差点などで進行方向を早めに照射して夜間時の安全運転をサポートします。
■ 衝突回避支援・被害軽減技術 スマート・ブレーキ・サポート(SBS)
15km/h以上の速度域での走行中に、先行車と衝突の危険性がある場合、自動ブレー キにより減速を行い、衝突回避または被害軽減を図ります。
スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)
4〜30km/hの速度域での走行中に、先行車と衝突の危険性がある場合、自動ブレー キにより減速・停止し、衝突回避または被害軽減を図ります。
AT誤発進抑制制御
前方に障害物が検知された状態で、必要以上にアクセルを踏み込んだ場合、警告音とメーター 表示でドライバーに注意を促すとともに、エンジン出力を抑え急発進を抑制します。
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MRCC作動イメージ図h
i
j
RVM効果イメージ図
HBC効果イメージ図
AFS効果イメージ図
g
FOWおよびSBS作動イメージ図f
g
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i
j
k
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AT誤発進抑制制御作動イメージ図先進安全技術「i-ACTIVSENSE」参照ホームページ
● http://www.mazda.com/jp/technology/safety/i-activsense/
■ 事故発生時の傷害を軽減する」技術
万が一事故が発生した際に、運転者および同乗者の傷害を軽減する技術を着実に進 化させています。そのため、各国・各地域の法規制や、NCAP試験に対応したさまざま な試験評価※1を行うだけでなく、道路上で発生しうるさまざまな状況を想定した衝突 実験を行っています。主な技術は以下の通りです。