■ 事故発生時の傷害を軽減する」技術
万が一事故が発生した際に、運転者および同乗者の傷害を軽減する技術を着実に進 化させています。そのため、各国・各地域の法規制や、NCAP試験に対応したさまざま な試験評価※1を行うだけでなく、道路上で発生しうるさまざまな状況を想定した衝突 実験を行っています。主な技術は以下の通りです。
Mazda Sustainability Report 2014
マツダのCSR お客さま満足 環境保全 社会貢献 人間尊重 マネジメント
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本社(広島)にある「マツダミュージアム」での安全に関する展示や、子ども向けサイト「マ ツダ交通安全キッズクイズ」の運用など、子どもから大人まであらゆる人の安全意識 向上に取り組んでいます。
2013年度は2014年3月にマツダR&Dセンター横浜(MRY)で開催した「サステイナブル
“Zoom-Zoom”フォーラム2014〜『走る歓び』と『優れた環境・安全性能』の両立」をは じめ、各種イベントにてマツダの安全技術に関する説明を行いました(P158参照)。
2013年5月に東京都と広島市で開催された国土交通省と独立行政法人自動車事故 対策機構主催の安全に関するイベントにも参加し、衝突実験に利用した車両展示や、
参加した一般ドライバーの方々へのクルマの安全性能に関する説明を行いました。
■ ITSを活用した安全な社会への取り組み(国内)
ITS(高度道路交通システム)は、情報通信技術を用いて、クルマと人と交通環境を結び、
国内における渋滞緩和や事故防止を図るシステムです。マツダは、政府や地域、関連 企業と連携して、社会全体で安全なクルマ社会の実現を目指していくため、ITSのプロジェ クトに自動車メーカーの視点で積極的に参画しています。
2013年9月からは、先進の安全運転支援システムを搭載した「アテンザ ASV※1-5(エー エスブイ・ファイブ)」の公道実証実験を産学官共同で開始しました。
10月には、第20回ITS世界会議東京2013※2に参加するとともに、広島市において ポストイベントとしてデモンストレーション走行を行いました。
※1 ASVとは、Advanced Safety Vehicle(先進安全自動車)の略。
※2 主催:ITS世界会議 東京2013日本組織委員会、ITS Japan、東京。
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子ども向けサイト「マツダ交通安全キッズクイズ」http://www.mazda.com/jp/about/kids/
safetyquiz/
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サステイナブル“Zoom-Zoom”フォーラム2014p
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人への取り組み
道路・インフラの取り組み
プロジェクト 概要 主体
スマートウェイ 高速道路や有料道路を中心に、人とクルマと道路とを情報で結ぶITS技術を活用した次
世代道路システムの研究・整備を進めている。 国土交通省
道路局 DSSS(Driving Safety
Support Systems) 自動車と道路インフラが通信を行う路車間通信を活用した安全運転支援システムや、交
通の円滑化システムなどの研究開発を進めている。 警察庁
UTMS協会* ASV(Advanced
Safety Vehicle) 自動車と自動車が通信を行う車車間通信を活用した安全運転支援システムの研究開発
を進めている。 国土交通省
自動車交通局
ITS推進協議会 安全運転支援システムの実用に向けた課題を解決するための路車・車車連携型システム の検証や安全運転支援システムの開発、普及を進めるため、関係省庁および産業界で連
携し活動している。 内閣官房
マツダが参加するITSプロジェクト
*社団法人新交通管理システム協会。
TOPICS
路面電車が市民の足として定着した広島で、世界初の実証実験~広島地区ITS公道実証実験~
10月20日〜21日に、ITS世界会議東京2013のポストイベントとして、世界初の 路面電車-自動車間通信による先進安全運転支援システムの実証実験を広島市 内で実施しました。
路面電車と自律型車載センサーを搭載したアテンザ ASV-5との間で通信し、接 触事故を未然に防ぎ、安全で円滑な運転を支援するシステムの効果検証を中心 に行いました。
マツダは、二つの交通形態がそれぞれのメリットを生かしつつ、共存できる安全な 交通体系を作るため産学官による共同研究を進め、鉄道とクルマとの安全な連携 を目指します。
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広島地区ITS公道実証実験■ マツダの安全への取り組みと主要な安全技術
領域
事故低減 傷害低減
事故を未然に防止
(アクティブセーフティ技術) 事故のリスク/被害を軽減
(プリクラッシュセーフティ技術) 事故発生時の傷害を軽減
(パッシブセーフティ技術)
クルマ
危険を知らせる
■ 後側方接近車両モニター : ブラインドスポットモニター(BSM)/
リアビークルモニタリングシステム(RVM)
■ リアクロストラフィックアラート(RCTA)
■ エマージェンシー・シグナル・システム(ESS)
■ レーンデパーチャーワーニングシステム(LDWS)
■ フォワードオブストラクションワーニング(FOW)
危険を回避する
■ ブレーキアシスト&EBS
■ 4輪アンチロックブレーキシステム(4W-ABS)
■ ダイナミックスタビリティコントロール(DSC)
■ ブレーキ・オーバーライド・システム(BOS)
運転を支援する
■ 駐車支援システム
■ インテリジェント・ドライブ・マスター(i-DM)
安全と快適性を両立する
■ SKYACTIV-CHASSIS : 新開発のフロントストラット&リアマルチ リンクサスペンションシステム、軽量・高剛性クロスメンバーなど
■ 車間距離制御機能:マツダレーダークルーズコントロールシステム
(MRCC)
■ アダプティブフロントライティングシステム(AFS)
■ ハイビームコントロール(HBC)
■ うっかり挟み込み防止機能
■ 撥水機能付きガラスウインドー
■ 前方視界性向上
■ オルガン式アクセルペダル
衝突時の被害軽減
■ スマートブレーキサポート(SBS)
■ スマート・シティ・ブレーキ・サポート
(SCBS)
■ AT誤発進抑制制御
衝突時の乗員保護
■ SKYACTIV-BODY
基本骨格のストレート化、連続化技術・マルチロードパス構造、
十字断面フロントフレーム、超高張力鋼板バンパーフレーム
■ カーテン&フロントサイドエアバック
■ 衝撃吸収ソフトインテリア
■ 頸部衝撃緩和シート/荷物進入防止リアシート
■ プリテンショナー&ロードリミッターシートベルト
■ クラッシャブルブレーキペダル
■ ISO-FIX対応 チャイルドシート 固定機構
■ 衝撃吸収ステアリング 歩行者事故時の被害軽減
■ 衝撃吸収バンパー
■ 衝撃吸収ボンネット
■ アクティブボンネット
人 安全教育
■ マツダミュージアム安全に関する展示 ■ 子ども向け交通安全啓発クイズサイト ■ 各種イベントでの安全技術紹介など インフラ道路・
安全な社会への取り組み
■ 高度交通道路システム(ITS) ■ スマート交通流制御 ■ ITSスポットサービスなど
■ ASV-5 ■ 路車間通信ITS(DSRC) ■ 広島における世界初の路面電車ー自動車間通信型ASVの実証実験
詳細はマツダオフィシャルウェブサイトにてご紹介しています。
● 安全技術サイト : http://www.mazda.com/jp/technology/safety/
TOPICS
子どもの安全・安心に配慮した自動車技術が第8回キッズデザイン賞※1「内閣総理大臣賞」受賞
子どもの安全・ 安心に配慮した自動車技術「MAZDA TECHNOLOGY FOR KIDS(マツダ・テクノロジー・フォー・キッズ)」
が、第8回キッズデザイン賞において、最優 秀賞となる「内閣総理大臣賞」を受賞しました。
自動車技術では初の受賞です。
「MAZDA TECHNOLOGY FOR KIDS」は、
子どもたちの視点から安全・安心を考え、子 どもを大切にするという思いを込めた、マツ ダの自動車技術の総称です。CX-5を初めと した新世代商品などに採用されている4つ の技術※2が受賞しました。
第8回キッズデザイン賞授賞式
※1 主催:特定非営利活動法人キッズデザイン協議会、後援:経済産業省。
※2 ・子どもを発見しやすい前方視界を拡大したAピラーとドアミラー配置。
・子どもの巻き込み事故リスクを減らすサイドモニター。
・子どもを車酔いさせにくい、スムーズな運転操作の習得をサポートする「i-DM (アイ・ディー・エム、インテリジェント・ドライブ・マスター)」。
・子どもによるエンジンの誤始動を防ぐアドバンストキーレスエントリー システム。