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5 結果

5.2 インタビューの結果と定性分析

5.2.4 インタビュー内容の定性分析からの発見事項と確認事項

表 14 にインタビュー内容から発見した事項を、表 15 に確認した事項について、各事例で 当てはまる内容を抽出し整理した。

発見事項 1 は、情報発信への反響に含まれる現製品で対応できない案件に着目することが 重要であることで、6 つの事例で当てはまる点があった。

発見事項 2 は、情報発信への反響に含まれる現製品で対応できない案件から、保有資源を 活用できる、それまで知らなかった思いもよらない異分野の用途の新たな市場やニーズ情 報が得られることで、6 つの事例で当てはまる点があった。

発見事項 3 は、保有資源についての視点の転換が、情報発信の反響に含まれるニーズ情報 により行われたことで、6 つの事例で当てはまる内容があった。

発見事項 4 は、企業ビジョンを設定・共有し、権限委譲して挑戦を奨励するとともに相談 中心のコミュニケーションを行う支援型の社⾧のマネジメントが有効なことで、社員が担 当した不特定多数への情報発信を行った事例で当てはまりがよい。

発見事項 5 は、情報発信から得られる新たなニーズに適合する新製品は新市場をひらくこ とで、6 つの事例で当てはまる内容があった。

発見事項 6 は、新たな用途別の新製品を開発し、その用途展開事例とあわせて情報発信し てさらに新たなニーズ情報を得てシリーズ展開を積極的に進める場合があることであり、

無線式防水型温湿度センサーの用途別の新製品展開の事例が当てはまる。

確認事項については、Caniëls et al.(2014)、水野(2018)、岸本(2017)などで文脈から 読み取れる様に、ソーシャル・ネットワークはニーズ情報の源となるとともに、新たな技術 等の資源調達の源ともなり、資源調達能力を支援する効果があることが5つの事例で確認 できた。

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表 14 インタビューにおける発見事項と支持する内容 事例 レーザー・

クリーニング・

サービス

コンクリート 養生用無線式 防水型温湿度

センサー

ISO のコンサル ティングと教育 を行うサービス

医薬品、化粧品 製造の一部を請 け負うサービス

無線を使う電子 回路の試作開発 受託サービス

無線式防水型 温湿度センサー

Logbee) (商品名

事例分析結果

情報発信の

対象 不特定多数へ 不特定多数へ 特定の関係者へ 特定の関係者へ 特定の関係者へ 特定の関係者へ 企業 三郷金属工業 チトセ工業 三郷金属工業 三郷金属工業 チトセ工業 チトセ工業 発見事項 1

情報発信への 反響に含まれ る現製品で対 応できない案 件に着目する ことが重要で ある。

情報発信への反 響に含まれる現 製品で対応でき ない案件に担当 者が着目した点 で当てはまる。

同左 情報発信への反

響に含まれる現 製品で対応でき ない案件に社⾧

が着目した点で 当てはまる。

同左 同左 同左 いずれの事例も

当てはまる。

発見事項 2 情報発信への 反響に含まれ る現製品で対 応できない案 件から、保有 資源を活用で きる、それま で知らなかっ た思いもよら ない異分野の 用途の新たな 市場やニーズ 情報が得られ る。

情報発信への反 響に含まれる現 製品で対応でき ない案件から、

保有資源を活用 できる、それま で知らなかった 思いもよらない 異分野の塗膜剥 離用途の新たな 市場やニーズ情 報が得られた点 で当てはまる。

情報発信への反 響に含まれる現 製品で対応でき ない案件から、

保有資源を活用 できる、それま で知らなかった 思いもよらない 異分野のコンク リート養生用途 の新たな市場や ニーズ情報が得 られた点で当て はまる。

情報発信への反 響に含まれる現 製品で対応でき ない案件から、

保有資源を活用 できる、それま で知らなかった 思いもよらない 異分野である教 育、コンサルテ ィングの新たな 市場やニーズ情 報が得られた点 で当てはまる。

情報発信への反 響に含まれる現 製品で対応でき ない案件から、

保有資源を活用 できる、それま で知らなかった 思いもよらない 異分野である医 薬品・医薬部外 品製造用途の新 たな市場やニー ズ情報が得られ た点で当てはま る。

情報発信への反 響に含まれる現 製品で対応でき ない案件から、

保有資源を活用 できる、それま で知らなかった 思いもよらない 異分野である電 子回路試作開発 用途の新たな市 場やニーズ情報 が得られた点で 当てはまる。

情報発信への反 響に含まれる現 製品で対応でき ない案件から、

保有資源を活用 できる、それま で知らなかった 思いもよらない 異分野である植 物工場用無線セ ンサーの用途の 新たな市場やニ ーズ情報が得ら れた点で当ては まる。

いずれの事例も 当てはまる。

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表 14 インタビューにおける発見事項と支持する内容(続き) 事例 レーザー・

クリーニング・

サービス

コンクリート 養生用無線式 防水型温湿度

センサー

ISO のコンサル ティングと教育 を行うサービス

医薬品、化粧品 製造の一部を請 け負うサービス

無線を使う電子 回路の試作開発 受託サービス

無線式防水型 温湿度センサー

Logbee) (商品名

事例分析結果

情報発信の

対象 不特定多数へ 不特定多数へ 特定の関係者へ 特定の関係者へ 特定の関係者へ 特定の関係者へ 発見事項 3

保有資源につ いての視点の 転換が、情報 発信の反響に 含まれるニー ズ情報により 行われた。

得られたニーズ 情報により、保 有資源であるレ ーザー技術への 視点を、溶接用 途からクリーニ ング用途へ転換 し新製品コンセ プト創造した点 で当てはまる。

得られたニーズ 情報により、保 有資源である無 線センサーへの 視点を、植物工 場用途からコン クリート養生用 途へ転換し新製 品コンセプト創 造した点で当て はまる。

得られたニーズ 情報により、保 有資源である ISO 教育資源を 社内用途から社 外教育とコンサ ルティング用途 へ視点を転換し 新製品コンセプ ト創造した点で 当てはまる。

得られたニーズ 情報により、保 有資源である変 種変量対応の品 質管理資源を医 薬品・医薬部外 品用途へ視点を 転換し新製品コ ンセプト創造し た点で当てはま る。

得られたニーズ 情報により、D 氏の保有技術、

ネットワークを 試作開発用途へ 視点を転換し新 製品コンセプト 創造した点で当 てはまる。

得られたニーズ 情報により、保 有資源である電 子回路試作開発 の保有資源を植 物工場用無線セ ンサー開発用途 へ視点を転換し 新製品コンセプ ト創造した点で 当てはまる。

いずれの事例も 当てはまる。

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表 14 インタビューにおける発見事項と支持する内容(続き 2)

事例 レーザー・

クリーニング・

サービス

コンクリート 養生用無線式 防水型温湿度

センサー

ISO のコンサルテ ィングと教育を行

うサービス

医薬品、化粧品 製造の一部を請 け負うサービス

無線を使う電 子回路の試作 開発受託サー

ビス

無線式 防水型 センサー 温湿度

事例分析 結果

情報発信の

対象 不特定多数へ 不特定多数へ 特定の関係者へ 特定の関係者へ 特定の関係者

へ 特定の関

係者へ 発見事項 4

企業ビジョン を設定・共有 し、権限委譲 して挑戦を奨 励するととも に相談中心の コミュニケー ションを行う 支援型の社⾧

のマネジメン トが有効であ る。

「溶接(つなぎ)

屋」を企業ビジョン として掲げ、顧客ニ ーズに応じて難易度 の高い物と物の溶接 を行い、さらに者と 者、物と者を溶接

(つな)いでいくこ とを社内で共有し社 外にも公表、PR し ている。情報共有、

自発的チャレンジ、

権限移譲、リーダー シップ教育、社内外 コミュニケーショ ン、提案といった点 に注力し相談を多用 して支援型で社員を 育成するマネジメン トをしている。その ような中で担当者が 現製品で対応できな い塗膜剥離の案件に 着目し社⾧と相談し ながら挑戦した。

新技術・新商品創造 により新事業を創造 するという経営基本 方針を設定し社内外 に周知している。社 員教育、権限移譲、

提案への報償制度、

失敗や不具合への組 織的対応、インフォ ーマルなコミュニケ ーションにも取り組 み、社員が自主的、

積極的に考え、相談 報告をしながらカイ ゼンや新製品開発を 含む業務活動をする ようマネジメントし ている。そのような 中で担当者は現製品 で対応できないコン クリート養生の案件 に着目し社⾧に相談 して検討を進めた。

「溶接(つなぎ)

屋」を企業ビジョ ンとして掲げ、顧 客ニーズに応じて 難易度の高い物と 物の溶接を行い、

さらに者と者、物 と者を溶接(つ な)いでいくこと を社内で共有し社 外にも公表、PR している。ISO 教 育の社内向け講師 の社員に、社外向 けの講師と教育プ ログラムの開発を 任せ挑戦させて育 成するマネジメン トをしている。

「溶接(つな ぎ)屋」を企業 ビジョンとして 掲げ、顧客ニー ズに応じて難易 度の高い物と物 の溶接を行い、

さらに者と者、

物と者を溶接

(つな)いでい くことを社内で 共有し社外にも 公表、PR して いる。品質管 理、精密レーザ ー溶接等の強み を 5 つに整理し 社内外で情報発 信している。

新技術・新商 品創造により 新事業を創造 するという経 営基本方針を 設定し社内外 に周知し、事 業開発部を設 立し新製品開 発を推進して いる。 新製品の調 査、開発を D 氏に権限移譲 するとともに 人員の補強も 行い新製品開 発を支援する ようマネジメ ントしてい る。

同左 いずれの事 例も概ね当 てはまり、

社員が担当 した事例で 当てはまり がよい。