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アンカーポイントによる世界測地系座標の精度の安定化の手法の検討 29

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2 簡易な屋内平面図を利用した3次元地理空間情報データベースの構築

2.1 空間参照系データベース構築概要

2.1.2 アンカーポイントによる世界測地系座標の精度の安定化の手法の検討 29

昨年度の事業では、ビルオーナーによる CAD データへの世界測地系座標の割り当 てに関して、正確かつ負担にならないように設定できることを考慮し、以下の方法で行 った。 

 

・ 建築確認申請時に提出している配置図(地上階の建物敷地と隣接道路及び外 壁が記載されている)建物配置図を媒介として、誰でも容易に入手可能な 1/2500地形図や都市計画図での建物の位置(平面直角系)を割り出し、世界 測地系へ変換する。 

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・ 各階の平面図は、少なくとも方向は同じであるため、各 CAD データから建 物部分を切り出して地上階部分を基準に重ね合わせて、図面座標を統一し、

上記世界測地系を割り当て処理することで、世界測地系への変換を実現する。 

図 2-10  昨年度事業での世界測地系の付与イメージ

上記の方法は、昨年度の時点では、誰でも実現できるという観点からは、最も有効 な世界測地系座標の割り振り方法であると考えられた。しかし、構築される空間参照系 データベースの世界測地系座標の精度は対応づける図面に依存し、どのような図面 間(縮尺差、時間的差異)で対応づけるかによって、位置的な品質に大きなばらつき が発生してしまうケースがあることが明らかとなった。これは、サービス事業者にとって 望ましくない状態である。主な原因としては、以下が挙げられる。 

 

・  世界測地系座標を取得するための基となる屋外図面は、1/2500 地形図や 都市計画図、Web図面等があるが、それぞれ精度が異なっている。 

・  図面の種類や経年変化により、屋外図面、建物配置図共に、対応する地点 の抽出が困難なケースがある。 

 

この状態では、空間参照系データベースの世界測地系でのブレ具合が大きいケー スが発生し、図面内はもちろんのこと、屋内図面と屋外図面、屋内図面同士の接合に

都市計画図

建物配置図

世界測地系座標(x,y)

平面直角座標(x,y)

地下1階平面図

地上2階平面図

地上1階平面図

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関しての歪みの補正に負荷がかかるケースが想定される(昨年度は、これを地上・地 下に係る同一施設(エレベータ)の位置を用いて補正したが、補間点として下図が少 なく、歪みを取り除くまでには至らなかった)。 

このことは、連続した空間の構成(接合処理)を、サービス事業者が行う可能性も想 定すると、サービス展開上の支障となり、多くの事業者にとって新規参入の障壁になり かねない。また、地下街のように異なる事業者によって空間構成されている場合など は、事業者毎に更新頻度の違うケースが想定され、サービス事業者が最新の情報に 更新したい場合においても接合処理の問題から更新し難いといったケースも想定され る。 

上記の問題を解決するには、「確実に正しい世界測地系座標が取得できること」、

「誰もが実施できること」、「屋内平面図に対応づけられること」が重要であり、安定した 世界測地系を持った公的な基準点(以降、アンカーポイント)の存在が望まれる。

図 2-11  空間参照系データベース構築と基準点の設置

これは実世界を構成するモノのうち共通に利用されることの多い公共的な構造物・

施設や地物などに明示的に体系的な識別子を付与し、場所としての空間定義、世界 測地系などの国際的な標準空間参照系に基づいた座標値を有する「アンカーポイント」

を設置することなどを推進することを意味する。 

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図 2-12  アンカーポイントによる連携イメージ

尚、これらの検討にあたっては測量的な観点が必要であり、社会活動の基盤となる 国土の情報を整備・提供を行っている、国土交通省国土地理院などと共に検討・実施 した。 

 

(1) アンカーポイントの技術的対応 

アンカーポイントを定義するにあたり、満たすべき要件を抽出した。具体的には以下 の通りである。 

 

・  確実に正しい世界測地系座標が取得できること(安定性の担保) 

・  誰もが実施できること(ユニバーサル性の担保) 

・  屋内平面図に対応づけられること   

誰もが正しい世界測地系座標を取得するために、1次実証実験ではパシフィコ横浜、

2次実証実験ではクイーンモールで実際に測量を行った。また、アンカーポイントの設 置個所に関しては、「屋外と屋内とのシームレスな切り替えで利用するために、外界と 接地している出入口に置くとよい」との意見を G 空間基盤整備検討委員会の委員の皆 様からいただいたので、出入口にアンカーポイントを設置した。 

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図 2-13  1次実証(パシフィコ横浜)で設置したアンカーポイント

図 2-14  2次実証(クイーンモール)で設置したアンカーポイント

以上、1次・2次実証実験共に、設置したアンカーポイントを使用することによって、

安定した x,y,z で多様な表現の2次元データを連携することが可能となった。 

:計測点 :アンカーポイント(座標変換点)

展示会場

:計測点 :アンカーポイント(座標変換点)

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(2) アンカーポイントの制度的対応 

アンカーポイントの制度的対応についての詳細は「4 章」で述べる。 

2.1.3 空間認知上必要となる構造物(目印情報)の表現方法の検討

昨年度の実証実験では、「階段、エスカレータ、エレベータ等の構造物は、アイコン や文字のみの表現では認識ができない/困難である」との意見が多く寄せられた。そこ で、より効率的な空間認知連携のための情報として、構造物(エレベータ、エスカレー タ、階段、段差、スロープなど)の表現方法の検討を行った。

まず、利用者にとって、構造物の表現に求められるものを以下に整理した。

・  フロアマップ上のアイコンや文字だけでは、実際の位置と異なる場合があ るので、近くに行っても認識できないことが多い(位置の正確性の担保)

・  存在の認識(内容性の認知)のみならず、移動上のランドマークとしても 重要であるが、シンボル化し過ぎると判らなくなるので、表現方法も重要

(表現の正確性の担保)1

対応として、CAD/簡易平面図で表現されている構造物を、そのままに近い状態で 表現できるようツールに反映させた。

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