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ひび割れ性状および破壊状況

第 4 章 RC はりに対するせん断補強効果

4.3 せん断補強効果の検討

4.3.3 ひび割れ性状および破壊状況

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4.3.3 ひび割れ性状および破壊状況

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(a)北側 (b)スパン中央付近

(c)スパン中央付近 (d)南側

図-4.3.17 試験体(A-2)破壊状況

(a)西側支点付近 (b)スパン中央付近 (c)東側支点付近 図-4.3.18 試験体(B-0)破壊状況(南面)

(a)西側支点付近 (b)スパン中央付近 (c)東側支点付近 図-4.3.19 試験体(B-0’)破壊状況(南面)

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(a)西側支点付近 (b)スパン中央付近 (c)東側支点付近 図-4.3.20 試験体(B-1)破壊状況(南面)

(a)西側支点付近 (b)スパン中央付近 (c)東側支点付近 図-4.3.21 試験体(B-2)破壊状況(南面)

(a)西側支点付近 (b)スパン中央付近 (c)東側支点付近 図-4.3.22 試験体(B-3)破壊状況(南面)

(a)西側支点付近 (b)スパン中央付近 (c)東側支点付近 図-4.3.23 試験体(C-1)破壊状況(南面)

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(a)西側支点付近 (b)スパン中央付近 (c)東側支点付近 図-4.3.24 試験体(C-2)破壊状況(南面)

(a)西側支点付近 (b)スパン中央付近 (c)東側支点付近 図-4.3.25 試験体(C-3)破壊状況(南面)

(a)西側支点付近 (b)スパン中央付近 (c)東側支点付近 図-4.3.26 試験体(C-4)破壊状況(南面)

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(2)ひび割れ状況

各試験体のひび割れおよび破壊状況を図-4.3.27~図-4.3.29 に示す。全試 験体において最大主ひずみ分布よりひび割れ分布を再現できている。全ての試 験体において,まず載荷点直下にひび割れが発生した。次いで支点と載荷点とを 結ぶ線上に斜めせん断ひび割れが発生し,荷重の増加に伴いひび割れ長さ,ひび 割れ幅が進展した。終局時には上縁コンクリートの一部が圧壊した。

シリーズAでは,A-2とA-1を比較すると,A-2はA-1に比べひび割れ本数,

ひび割れ幅ともおおむね小さく,ひび割れ発生位置はハンチ部からの進展が抑 制されていることが分かった。これは,ハンチのCFRPグリッドがせん断耐力を 負担していることに加え,ハンチに発生したひび割れをCFRP グリッドとPCM によって面で抑えているためであると考えられる。また,FEM解析 のひび割れ 図は主応力コンターであり,最大荷重時の結果より,試験結果とおおむね同じ傾 向を示した。

一方,シリーズ B では,無補強(B-0),PCM のみ(B-0’)の両者を比較するとひ び割れ本数,ひび割れ幅ともに同程度で,PCM による補強効果はほとんどない ことがわかった。CFRPグリッドで補強したB-1,B-2,B-3を比較すると,CFRP グリッドの断面積が小さくなるほどひび割れ幅が大きかった。

(a)A-0

(b)A-1

(c)A-2

図-4.3.27 破壊状況及び主ひずみ分布

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(a)B-0

(b)B-0’

(c)B-1

(d)B-2

(e)B-3

図-4.3.28 試験体ひび割れおよび破壊状況(シリーズ B)

(a)C-1

(b)C-2

(c)C-3

(d)C-4

図-4.3.29 試験体ひび割れおよび破壊状況(シリーズ C)

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(3)破壊試験後の CFRP グリッド損傷状況

試験終了後に CFRP グリッドのひずみが特に大きかった箇所を中心にはつり 作業を行い,CFRPグリッドの破断状況を確認した。その観察結果を図-4.3.30

~図-4.3.32に示す。シリーズAでは,A-1のCFRPグリッドは破断には至っ ていないが,せん断ひび割れ直上にはく離と CFRP グリッド格点部が直角性を 失っている箇所が見られた。また,既設部と補強部の界面では一部にPCMの剥 離も確認された。一方,A-2のCFRPグリッドは破断やはく離はなく,A-1に比 べてCFRPグリッドの格点の変形が小さかった。また,ハンチのCFRPグリッド 及びPCMについても破断や剥離は確認されなかった。

(a)A-1 (b)A-2

図-4.3.30 試験後の CFRP グリッドの状況

シリーズ B では,B-1 の CFRP グリッドは腹部に設置したひずみゲージ GE8

が1112μ,ハンチに設置したひずみゲージGE9が10872μを示していた。このひ

ずみゲージ付近での CFRP グリッドの破断は見られなかったが,せん断ひび割 れ直上にて CFRP グリッドの格点部が直角性を失い,損傷している箇所が確認 された。B-2,B-3も同様にCFRPグリッドの破断はなかったが,B-2ではウェブ に設置したひずみゲージのGE8が7327μ,GE11が7188μ示しており,せん断ひ び割れの直上にあった。B-3も同様に腹部に設置したひずみゲージGE2が6511μ を示しており,せん断ひび割れの直上にあった。なお,いずれも既設コンクリー トとPCMの界面の剥離は見られなかった。

(a)B-1 (b)B-2 (c)B-3

図-4.3.31 破壊試験後の CFRP グリッドの損傷状況(シリーズ B)

GE9 GE8

(A)

GE11 GE8

(B)

GE2

(C)

ハンチ

ウェブ

ハンチ ウェブ ハンチ

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一方,シリーズC では,試験体C-1 のCFRP グリッドは,せん断ひび割れの 直上にあった縦筋のひずみゲージGTW24が15161μを示していることより,破 断ひずみとほぼ同等のひずみで層間剥離を生じていることが確認できた。また,

試験体C-2,C-3,C-4はCFRPグリッドの破断は見られず,いずれも破断ひずみ よりも小さなひずみで層間剥離を生じた。

(a)C-1 (b)C-2

(c)C-3 (d)C-4

図-4.3.32 破壊試験後の CFRP グリッドの損傷状況(シリーズ C)

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