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いろいろな物質

ドキュメント内 チャレンジ・ガイド II (ページ 115-119)

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元の状態(a)に戻るから,一度交換した状態の波動関数は,元の波動関数と全く同じであ るか,符号だけ異なるかのどちらかになるとみなす10。そうすると,

) , ( )

,

(2 1 A,B1 2

B

A,

 (3.1) あるいは,

) , ( )

,

(2 1 A,B1 2

B

A,

 (3.2) のどちらかとなる。交換しても波動関数が変化せず,(3.1)式の成り立つ粒子をボース粒 子(boson),交換すると波動関数の符号を変える粒子をフェルミ粒子(fermion)という。

ボース粒子の場合,箱AとBが同じ場合,

) , ( )

,

(2 1 A,A1 2

A

A,

となり,同種粒子では,波動関数

A,A(2,1)

A,A(1,2)が同じものであることを示してい るだけで,波動関数に新たな制限を課すものではない。よって,

A,A(1,2)0でない値 をとることができ,同種の2つのボース粒子は同じ箱(状態)に入ることができる。

フェルミ粒子の場合,箱AとBが同じ場合,

) , ( )

,

(2 1 A,A1 2

A

A,



となり,

A,A(2,1)

A,A(1,2)が同じ波動関数であることを考えると,

0 2 1 1

2 A,A

A

A, ( , )

(, )

となる。これは,同種の2つのフェルミ粒子は同じ箱(状態)に入ることはできないこ とを意味する。

一般に,

「ボース粒子は1つの状態にいくつでも入ることができるが,

フェルミ粒子は,1つの状態に1個しか入ることができない。」

上のフェルミ粒子に関する規則を,パウリの排他律(Pauli exclusion principle)とい う。

なお,いろいろな考察から,電子はフェルミ粒子であり,光子はボース粒子であるこ とが分かっている。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆【発展終】

3.2 金属

1.3節で述べたように,金属結晶の表面には電気二重層ができ,金属内の電位

は外部 より十数 V だけ高くなっている。そのため,金属内の電子の位置エネルギーは,外部よ り低く,金属内に留まっている。

を内部電位という。

金属内では,各原子の最外殻軌道をまわる電子は原子による束縛を離れ,金属内をほ ぼ自由に動き回っている。このような電子を自由電子(free electron)という。自由電子 がマクロな大きさの金属内を動き回るため,その運動エネルギーはほぼ連続的な値をも

10 波動関数の

以外の位相差は意味をもたないとみなす。

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つことができるが,上の(1)で述べたように,電子は1つの状態に1つしか入ることがで きないフェルミ粒子であるため,多数の自由電子は,エネルギーの低い状態から順番に 占拠していく。絶対零度では,途中に穴ができることな

く電子が詰まる。このとき,電子がもつことのできる最 大の運動エネルギーをフェルミ・エネルギー(fermi

energy)といい

Fと書く。金属内を動き回っている自由

電子は,運動エネルギーと位置エネルギーe

をもつか ら,金属内の最もエネルギーの高い電子のエネルギーは,

低温で

Fe

程度になる。このとき,仕事関数W は,

e

WF となる(図3.3)。通常の金属では,

FW であり,それらは数eVである。

金属中を流れる電流

金属では,自由電子のとることのできるエネルギー準位は連続的に分布し,絶対零度

T 0)では,電子は運動エネルギー

Fまでのエネルギー準位を孔が空けることなく占 拠している。有限温度(T 0)になると,図 3.4 のよ

うに,運動エネルギー

Fより小さい電子が励起され,

F より大きい運動エネルギーをもつと同時に,電子の抜け たホールができる。金属に電場をかけると,

Fより大き な運動エネルギーをもつ電子が電場と逆向きに,ホール が電場の向きに動くことにより電流が流れる。

3.3 絶縁体と半導体 絶縁体

電流の流れない絶縁体では,各電子がすべて原子核に束 縛され,図3.5のように,そのエネルギー準位(これを価 電子帯(valence band)という)がすべて電子で埋め尽く されている。そのため,電子は自由に動くことができず,

電場をかけても電流は流れない。自由電子のエネルギー準 位(これを伝導帯(conduction band)という)は,エネ ルギーの高いところにはあるが,価電子帯と伝導帯の間に は,大きなエネルギーの隙間(これをエネルギー・ギャッ

プ(energy gap)という)Egがある。絶縁体を高温に熱したり,大きな電圧をかけたり すると,価電子帯にある電子が励起され,伝導帯に入って自由電子となって電流を流す。

このような現象は絶縁破壊(dielectric breakdown)とよばれる。

半導体

金属と絶縁体の中間の電気抵抗値をもつ物質を半導体という。電磁気編の第3章で説

電子のエネルギー

F

W

Fe

e

0

図3.3

F

電子

ホール

図3.4

図3.5

電子のエネルギー 伝導帯

価電子帯 広いエネル ギー・ギャ ップEg

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明したように,半導体は,例えば,元素の最外殻の軌道に4個の電子をもつゲルマニウ ムGeなどからなる物質である。ゲルマニウムなどの真性半導体のエネルギー準位の状態 を模式的に描くと,図3.6のようになる。その場合,電子で埋まった価電子帯と伝導帯の 間のエネルギー・ギャップは狭く,少し熱したり,少し強い電場をかけたりすると,価 電子帯の電子が励起されて伝導帯に入り,自由電子となって電流を流す。

真性半導体より電流を流れやすくするために,最外殻の軌道に5個の電子をもつリンP などをわずかに加えたN型半導体のエネルギー準位の状態は,模式的に図3.7のように 描かれる。この場合,不純物原子のエネルギー準位が伝導帯のすぐ下にあり,弱い電場 をかけるだけで,不純物準位にあった電子は励起されて伝導帯に入り,自由電子となっ て電流を流す。

他方,真性半導体に,最外殻の軌道に3個の電子をもつ インジウムInなどをわずかに加えたP型半導体のエネルギ ー状態は,模式的に図 3.8 のように描かれる。この場合,

空の不純物準位が価電子帯のすぐ上にあり,わずかな励起 で価電子帯の電子が不純物準位に入り,価電子帯にホール ができる。P 型半導体に弱い電場をかけると,価電子帯の ホールが価電子帯の中を動くことにより電流を流す。

図3.6

電子のエネルギー 伝導帯

価電子帯 狭いエネルギ ー・ギャップ

図3.7

電子のエネルギー 伝導帯

価電子帯 不純物準位

電子 ホール

図3.8

電子のエネルギー 伝導帯

価電子帯 不純物準位 ホール 電子

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