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● リハビリテーション科

ドキュメント内 2 (ページ 77-83)

リハビリテーション科

1. 概要・スタッフ構成

平成 22 年度相澤病院リハビリテーション科の診療概要

・DPC 病院として脳卒中急性期リハビリテーションによる治療成績の向上を目指す

・回復期リハビリテーション病院との連携を強化して、連携パスを定着させていく

・最新のリハビリテーション治療・技術を導入し提供する(TMS 治療の導入、嚥下障害への治療 的電気刺激の導入、Gait Judge など)

・高次脳機能障害、長野県拠点病院としてその診療・リハビリテーション、復職支援・生活支援 を一層強化する

・嚥下障害の評価とリハビリテーションをクリニカルパスに依拠して一層充実させる

・リハビリテーション科専門医の教育育成

スタッフ

リハビリテーション科 常勤医師:原(指導責任者)、滝澤(平成 23 年 3 月まで)、濱田(平成 22

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年 10 月から京大呼吸器内科より)、山口(長野県より出向研修、平成 24 年 3 月までの予定)

嚥下摂食障害治療科 非常勤:上沼

日本リハビリテーション医学会教育研修施設、日本脳卒中学会研修施設

・平成 22 年度日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医試験結果(平成 23 年 3 月施行)

専門医 滝澤合格、認定臨床医 山口合格

2. 今年度の取り組みと成果

退院患者数と内訳

急性期脳梗塞 201 名、急性期脳出血 103 名、高次脳機能障害 16 名、嚥下障害(仮性球麻痺、球麻 痺)29 名、頭部外傷 16 名、症候性てんかん 4 名、廃用症候群 14 名、TMS 治療目的片麻痺 48 名、

慢性期脳血管障害片麻痺 57 名、ALS 1 名、脊髄小脳変性症 1 名、低酸素脳症 1 名、肺炎 2 名、心不 全 2 名、その他 8 名

脳卒中上肢手指麻痺改善のための経頭蓋磁気刺激 TMS(Transcranial Magnetic Stim-ulation)治療の導入

慈恵大リハ医学教室により開発された、脳卒中上肢機能改善のための TMS と集中 OT プログラ ム(NEURO-15、脳梁を介する半球間の抑制理論を用いた健側半球抑制と CI 療法の理論を導入)

を、臨床研究として当院倫理委員会の承認を経て、さらに慈恵医大第三病院における OT の研修を 行い、平成 22 年 8 月より開始した(慈恵医大リハ科関連病院としての治療プログラム導入)。15 日 間入院クリニカルパスにて平成 23 年 3 月末までに脳卒中慢性期片麻痺患者 48 名(月平均 7 名入院 の実績)に実施し、その安全性の確認と、治療効果を確認した。全症例において複数の評価項目で 上肢手指機能の改善を得ることができた。平成 23 年 4 月以 後も継続しており、脳卒中後上肢手指 麻痺改善のルーティンの治療法として確立をすることができている。当初には東京、沖縄、岩手県、

新潟県、静岡県、岐阜県など県外からの患者層(慈恵医大リハ科受診後の当院への紹介患者さん)

が過半数を占めたが、現在は県内の患者さんが希望し受診しており 6〜7ヶ月先の予約となってい る。従来のリハビリテーションの技術では、上肢手指麻痺の改善には明らかに限界が存在していた が、この NEURO-15 の導入により新しい Neuromodulation に依拠した機能回復可能性を提供でき ることとなった。

下図は治療成績の一部(左:簡易上肢機能検査 STEF 前後成績、右:Fugl Meyer Assessment 上 肢機能評価前後成績)である。

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回復期リハビリテーション病院との連携

回復期リハビリテーション病院との連携を、脳卒中地域医療連携計画書(連携クリニカルパス)

を平成 21 年度から開始し、さらに平成 22 年度にはその実績をあげるシステムを作ることとした。

転院前の連携病院とのカンファレンスの実施、さらに回復期リハ病院退院後には当院リハビリテー ション科への外来受診のシステムを作り運用した。それにより、当院からのスムーズな転院とリハ 情報の共有化の促進、さらに回復期リハ病院退院後のリハの継続性の保証が可能となり、下肢装具 の改変、上肢手指機能への治療的電気刺激の導入などのリハを継続できることとなった。また第 6 回中信脳卒中連携リハビリテーションセミナー(2010 年 8 月 7 日)を開催、千里リハビリテーショ ン病院 副院長の吉尾雅春先生の「脳卒中患者に対する装具療法の取り組み」の講演会を開催した

(128 名参加)。

嚥下障害に対するリハビリテーション

急性期脳卒中に対する嚥下摂食機能障害の初期評価を入院日から開始する取り組み、さらに慢性 期嚥下障害例に対するクリニカルパスを用いた嚥下機能評価入院(29 名の嚥下障害評価入院あり)、

その後のフォローアップ評価入院とリハビリテーションを実施した。

さらに治療的電気刺激 Vital Stim の導入を行ない、従来の嚥下リハに加えて新しい治療プログラ ムとして導入し成果をあげつつあり、平成 23 年度には Vital Stim を用いた臨床研究を考案する方 針とした。

嚥下評価検査実施件数 嚥下造影 VF 検査 331 件、嚥下内視鏡 VE 検査 38 件

高次脳機能障害研修会開催

長野県高次脳機能障害支援拠点病院(平成 16 年より)として、平成 22 年度高次脳機能障害専 門セミナーを開催(2010 年 7 月 10 日)、慶應義塾大学医学部精神神経科 加藤元一郎先生による「前 頭葉症状の回復とリハビリテーションについて」、北海道の脳外傷友の会コロポックル副代表の篠 原節先生から「高次脳機能障害者にとっての家族(会)とは」の 2 講演を実施、200 数名の参加を得 た。「中信高次脳機能障害支援センター」との名称を掲げて、相談業務と外来診療(下図)、認知リ ハビリテーションの計画・実施、さらに精神保健福祉手帳、「器質性精神障害」として障害年金診断 書の記載、地域就労支援ワーカーとの連携による社会生活援助をおこなった。相談件数は 204 件、

外来患者数は 144 名と引き続き中信の拠点病院としての役割を担っている。

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岩手県「急性期リハビリテーション」の普及促進事業への協力

岩手県保健福祉部医療推進課が進める急性期リハビリテーションの普及促進事業へ協力、岩手県 立中央病院からの医師研修に引き続き、2010 年 9 月 22 日には盛岡市で開催された「脳卒中・急性期 医療啓発フォーラム」に参加(原、大塚 PT、古木 ST、貝梅 OT)し、急性期リハ普及に向けた提言・

講演を行った。その議事録が岩手県庁 HP に掲載をされた。http://www.pref.iwate.jp/view.

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急性期リハビリテーションの必要性は、脳卒中診療ガイドライン(米国 2005、欧州 2008、日本 2009)の中で、レベル A として強調されているが、多くの DPC 病院における普及にはまだ隔世の 感があるのが我が国の現実である。当院はそのトップランナーとして岩手県の普及事業への情報提 供を行なうことができた。

脳卒中片麻痺者簡易歩行分析のための、Gait Judge(川村義肢製)の導入

脳卒中片麻痺患者に対する歩行機能改善の向けた客観的な評価法の導入がこれまでは臨床上では 困難であった。油圧緩衝器付き底屈制動の下肢装具(Gait Solution)を 6 年前から採用していたが、

H22 年度に導入した足部の底屈モーメントの測定が可能な Gait Judge により健常歩行に近づける 歩行訓練方法と、その到達度の評価が可能となり、効果的な歩行再建のリハビリテーションプログ ラムを進めることが可能となった。

3. 学術・研修

学会活動

原 寛美:日本リハビリテーション医学会誌 Jpn J Rehabil Med 編集委員会,日本リハビリテー ション医学会脳卒中治療ガイドライン策定委員会

論文

原 寛美:脳卒中の新しいリハビリテーション.脳卒中急性期リハのエビデンス-SU と ESD.

先端医療シリーズ 40 リハ医とコメディカルのための最新リハビリテーション医学.

先端医療技術研究所,2010.4.

原 寛美:脳卒中リハビリテーションにおける下肢装具の展開−臨床的知見から−.Jpn J Reha-bil Med 47(6), 2010:350-355

原 寛美:医療の現状と今日求められているもの−脳卒中リハビリテーションを中心に−(The Recent Survey and Analysis of Stroke Rehabilitation in Japan).PO アカデミージャ ーナル 18(4).2011,208-216

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著作

原 寛美(監修著):高次脳機能障害ポケットマニュアル 第 2 版.医歯薬出版,2011.3.

講演

原 寛美:「記憶障害の症候学」,記憶障害のリハビリテーション.第 34 回 日本高次脳機能障害 学会学術集会サテライトセミナー.2010.11.20. さいたま市大宮ソニックシティー大 ホール

原 寛美:日本リハビリテーション医学会 病態別実践リハビリテーション医学研修会(神経 系)「高次脳機能障害のリハビリテーション」.2010.12.18. 大手町サンケイプラザホ ール

原 寛美:脳卒中急性期から回復期のリハビリテーション.第 10 回 岩手リハビリテーション連 携フォーラム.2010.12.2. 盛岡グランドホテル

原 寛美:前頭葉障害のリハビリテーション.第 12 回 鹿児島高次脳機能障害研修会.2010.10.24.

鹿児島大学医学部鶴陵会館

原 寛美:高次脳機能障害の臨床とリハビリテーション.第 78 回 茨城県脳神経外科集談会.

2010.7.17. つくば国際会議場

原 寛美:急性期から開始する脳卒中リハビリテーションの理論と実践.第 55 回 佐賀リハビリ テーション研究会.2010.10.9. 伊万里市民センター文化ホール

原 寛美:地域におけるデザインされた包括的リハビリテーションのあり方.岩手県庁主催「脳 卒中・急性期医療啓発フォーラム」.2010.9.22. ホテル東日本

原 寛美:急性期から開始する脳卒中リハビリテーションの理論と実際.第 7 回 多摩ストロー ク研究会.2011.1.27. 立川市

原 寛美:急性期から開始する脳卒中リハビリテーションの理論と実際.第 30 回 日本リハビリ テーション医学会近畿地方会 専門医・認定臨床医生涯教育研修会.京都大学医学部 芝蘭会館稲盛ホール

原 寛美:地域から求められる地域リハビリテーションとしての回復期リハビリテーション病棟 の機能と役割.第 3 回 東大阪回復期リハビリテーション研究会.2010.7.6. シェラ トン都ホテル大阪

学会発表

原 寛美:脳卒中片麻痺者に対する新しい歩行評価システムの開発(講演).第 47 回 日本リハ ビリテーション医学会学術集会.2010.5.20. 鹿児島市

原 寛美:DPC 病院における脳卒中急性期リハビリテーションの分析(講演).第 47 回 日本リ ハビリテーション医学会学術集会.2010.5.22. 鹿児島市

滝澤歩武:当院における嚥下機能評価入院の現状分析(ポスター発表).第 47 回 日本リハビリ テーション医学会学術集会.2010.5.21. 鹿児島市

座長

原 寛美:第 47 回 日本リハビリテーション医学会学術集会.「高次脳機能障害」,2010.5.21. 鹿 児島市

原 寛美:第 47 回 日本リハビリテーション医学会学術集会.モーニングセミナー.京都大学大 畑光司先生講演「脳卒中後片麻痺患者に対する底屈制動装具の効果と歩行トレーニン グ」.鹿児島市

原 寛美:第 20 回 認知リハビリテーション研究会.2010.10.2. 慶應義塾大学病院

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