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2016 年 8 月 29 日発行 第 634 号 CONTENTS

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(1)

1 2016

8

29

日発行 第

634

CONTENTS

アジア自動車シンポジウム 2016のお知らせ ... 2

中国ニュース

8.22-8.28 ... 3

バングラデシュ探訪:ウットラ

EPZ

とバハルプール仏教遺跡 小島正憲 ... 8

【中国経済最新統計】 ... 16

(2)

2

アジア自動車シンポジウム 2016 のお知らせ

主催

京都大学東アジア経済研究センター

共催

東京大学ものづくり経営研究センター 東京大学社会科学研究所現代中国研究拠点 京都大学人文科学研究所付属現代中国研究センター

後援

京都大学東アジア経済研究センター支援会

アジア自動車シンポジウム 2016

新興国における部品現地調達を考える

―部品国産化ライフサイクルを一つの視座として―

■京都会場 2016 年 11 月 5 日(土) 13 時

京都大学経済学部三番教室(法経東館 2 階)

■東京会場 2016 年 11 月 7 日(月) 13 時

京都大学東京オフィス(新丸の内ビルディング 10 階)

13:00-13:20

挨拶

東京大学ものづくり経営研究センター ディレクター 新宅 純二郎 東京大学社会科学研究所現代中国研究拠点長 丸川 知雄

13:20-14:40

問題提起: 部品国産化ライフサイクル 京都大学 経済学研究科 教授 塩地 洋

14:40-15:10

サプライチェーンの複雑化と深層の現地化 東京大学 経済学研究科 教授 新宅 純二郎

15:30-16:00

日系サプライヤーの現調化基本戦略 立命館大学 経営管理研究科 准教授 佐伯 靖雄

16:00-16:30

現地2次サプライヤーの技術能力-深化を制約するか 桜美林大学 経営学研究科

教授 井上 隆一郎

16:30-16:50

総括コメント 東京大学 社会科学研究所 教授 丸川 知雄

16:50-17:00

閉会挨拶 京都大学 経済学研究科 准教授 田中 彰

17:10-18:30

懇親会 参加費

2000

円(支援会会員は無料)

参加の御申込は,塩地

[email protected]

宛に,①会場名,②氏名・所属,③懇親会出欠を御連絡くださ い。シンポジウムの参加費は無料,懇親会は 2000 円です。ただし支援会会員は懇親会も無料です。

東京会場は定員 90 名,京都会場 200 名です。お早めにお申し込みください。

なお東京会場は会場が小さいため,御申込は支援会会員のみとさせていただきます。

支援会入会につきましては塩地までお問い合わせください。

(3)

3

中国ニュース 8.22-8.28

HEADLINES

 2016

年最富裕国番付、1位米国・2位中国

中国中車がインドで鉄道工場に初投資

国内旅行は階段型に発展

民間資本、大型

165

プロジェクトへの参加可能に

 G20

イノベーション競争力番付、1位は米国、中国は

9

消費財品質を国際先端水準まで向上目指す

13

次五カ年計画、新エネ車の技術革新を推進

中国は人間開発高水準国の仲間入り

今年

1~7

月、海外

M&A

の取引額は昨年以上

中国湿地保護システムの整備進む

2016

年最富裕国番付、1位米国・2位中国

【環球網

8

26

日】ロシア・スプートニクが

24

日に伝えたところによる と、市場調査会社ニュー・ワールド・ウェルスが発表した「W10 世界最富裕 国番付」で、中国は

2

位だった。この番付は各国国民の「総合的個人資産」の 統計に基づくもので、不動産、現金、銀行預金、事業・ビジネスなどが含まれ る。中国の「総合的個人資産」は

17

4

千億ドル(1ドルは約

100.5

円)で

2

位。番付の報告によると、中国はここ

15

年間の資産の増加ペースが最も速 かったという。最も富裕な国は米国で資産額は

48

9

千億ドル。3位は日本 で

15

1

千億ドルだった。

中国中車がインドで鉄道工場に初投資

【央広網

8

26

日】中国中車株式有限公司はインドに初の鉄道設備工場を 設立し、同日に稼働がスタートした。この工場は中国がインドに投資して設立 した初の軌道交通設備の電気牽引設備製造企業となり、主に鉄道の電動機の生 産及び修理に力を入れている。この新会社・中車先鋒(インド)電気有限公司 は、中車永済電機有限公司とインドの先鋒貿易会社が

2014

年に共同出資して 設立したもので、総投資額は 6340万ドルに上る。株式の

51%を永済が、 49%

(4)

4

を先鋒が保有する。その後

2

年あまりの建設期間を経て、新たに建設された工 場の稼働準備が整った。

国内旅行は階段型に発展

【人民網

8

23

日】中国観光研究院が

22

日に北京で発表した報告書「中国 地域観光発展年度報告(2015~2016年)」によると、2015年には全国で観光 客が増加傾向をみせたという。発展水準は地域別にみると、東部が最も高く、

中部、西部の順に低くなっていくという階段型になっており、観光客の割合は

東部が

7、中部が 2、西部が 1

だった。観光客を多く出しているのは環渤海湾

地域、長江デルタ地域、珠江デルタ地域、成都・重慶地域で、全国の観光客の

55.3%を占めた。省区市別にみると、北京市、上海市、広東省、江蘇省、浙江

省がベスト

5。都市部と農村部の内訳をみると、昨年国内を旅行した都市住民

はのべ

24

8300

万人に上り、旅行率は

373.1%、同じく農村部住民はのべ 11

2800

万人で、旅行率は

167.2%だった。

民間資本、大型

165

プロジェクトへの参加可能に

【京華時報

8

24

日】

国家発展改革委員会はこ のほど、民間資本が第

13

次五カ年計画綱要で確定 した

165

項目の重大投資 プロジェクトに参加する ことが可能になると明か した。さらに民営空港、

基礎電気通信事業の運営、

石油・天然ガスの探査開発などの分野や、医療、介護、教育などの国民生活に かかわる分野でより有効な措置を打ち出し、民間投資が競争に公平に参加でき るようにしていくという。

(5)

5 G20

イノベーション競争力番付、1位は米国、中国は

9

【新華社

8

25

日】「主要

20

カ 国・地域(G20)革新競争力発展報告 書」によると、米国、英国、日本がベ スト

3

に名を連ねた。中国は

9

位で、

発展途上国および新興市場国の中で トップだった。この番付は福建師範 大学、科学技術部(科学技術省)中国 科学技術交流センター、中国共産党 中央党校国際戦略研究院などで構成 する課題チームが作成したものである。同黄書によると、2014年の

G20

メン バーのイノベーション競争力は

4

つのレベルに分かれ、第

1

レベルには米国、

英国、日本、ドイツ、カナダが入り、第

2

レベルは韓国、フランス、オースト ラリア、中国、イタリア、第

3

レベルはトルコ、ロシア、サウジアラビア、ブ ラジル、メキシコ、第

4

レベルは南アフリカ、アルゼンチン、インド、インド ネシアとなっている。

消費財品質を国際先端水準まで向上目指す

【央広網

8

26

日】 国 家標準化管理委員会の田世 宏主任は

26

日、「消費財標 準及び品質向上の計画」を 紹介した。計画書には品質 の改善に関して明確な目標 が掲げられており、2020年 までに定性と定量の二種類 の目標を実現することが記されている。定性目標は消費財供給が日増しに増え る消費需要をほぼ満たし、重点分野の消費財品質を国際先端水準に引き上げる、

あるいはできるだけ近づけることである。定量目標は

95%以上の重点分野にお

ける主要消費財品質水準を国際水準と一致させ、消費財品質国家監督サンプル 検査合格率を

90%以上に保ち、消費財品質競争力指数を 84

以上に安定させる

(6)

6

こととなっている。

13

次五カ年計画、新エネ車の技術革新を推進

【電ラン網

8

23

日】中国科 学技術部の陰和俊副部長による と、中国科学技術部は第

13

次五 カ年計画期間中(2016−2020年)

に新エネ車技術の革新的発展を 力強く推進するという。その目標 は

2020

年までに電気自動車動力 システム科学技術体制及び産業

チェーンを整え、中国の新エネ車産業の発展を科学技術で力強く支えていくこ ととなっている。今年上半期の全国新エネ車生産・販売台数はいずれも

17

万 台を超え、2015 年同期より大幅に増加した。陰副部長によると、中国科学技 術部は

2015

年下半期より、中国財政部、中国工業情報化部などとともに、第

13

次五カ年計画国家重点開発計画新エネ車試行特別プロジェクトを開始した。

中国は人間開発高水準国の仲間入り

【中華網

8

24

日】国連開発計画(UNDP)が

22

日に発表した「2016年中 国人間開発報告書(China National Human Development Report 2016)」に よると、2014年、中国の人間開発指数は

0.727

で、188カ国・地域中第

90

位 と、すでに人間開発高水準国の一員となった。1990 年時点で人間開発レベル が低水準だった

47

カ国のうち、中国は唯一、高水準国へと発展した国となっ た。報告書では、人間開発指数に基づき、所得・保健・教育という人間開発の

3

つの指標を通して、中国の経済社会の発展状況に対する系統立った分析と評 価が行われた。

(7)

7

今年

1~7

月、海外

M&A

の取引額は昨年以上

【人民網

8

23

日】商 務 部 の 王 受 文 副 部 長 は

23

日に行われた記者会 見で、中国の外資導入と 対外投資協力の状況を伝 えた。今年

1~7

月に中国 企業が行った海外 M&A は

459

件で、

63

カ国・地 域、

15

産業に及ぶ。実行ベース取引額は

543

億ドル(約

5

4501

億円)と、

昨年同期の取引総額を上回った。また、対外投資に占める割合も昨年同期の

34%を上回った。

中国湿地保護システムの整備進む

【人民日報

8

26

日】全国湿地保護管 理プロジェクト会議 がハルビン市で開催 された。会議では「第

12

次五カ年計画」期 間中の湿地プロジェ クトの進展が総括さ れた上で、全国湿地 プロジェクトは著し い成果を収め、湿地保護改革が全面的に推進されたと指摘された。また、会議 は「第

13

次五カ年計画」及び今後の湿地保護プロジェクトの進展について、

「2020年までに、全国湿地面積は

8

億ムーを超え、湿地資源保護率は

50%に

到達し、湿地生態機能は全体的に安定する」とした研究成果を提出した。現在、

全国には国際的に重要な湿地が

49

カ所、湿地自然保護区が

602

カ所、湿地公 園が約

1000

カ所余りある。中国の湿地資源保護率は

10

年前の

35%と比べて

現在は

46.8%にまで回復し、自然保護区と湿地公園を主体として、他の保護形

式が相互に補完する湿地保護管理システムが形成された。

(8)

8

バングラデシュ探訪 : ウットラ EPZ とバハルプール仏教遺跡

19.AUG.16

アジア・アパレルものづくりネットワーク代表理事

株式会社小島衣料オーナー 東アジアセンター外部研究員 小島正憲

7

1

日に起きたバングラデシュのテロ事件は、私にきわめて大きな衝撃を 与えた。それは私の思考を停止させ、人生観を変えてしまうほどだった。もっ ともその

1

週間ほど前に、わが社のバングラ工場で想定外のストライキが突如 として起き、それが私のバングラ観を大きく揺るがせており、そこにこのテロ が追い打ちを掛けたわけであり、それらは私にダブルショックを与えたのであ る。

テロ事件直後、いわば茫然自失、思考停止中の私に、多くの人から事件の真 相についての問い合わせが殺到した。それは、それまで多くのバングラデシュ についての情報を発信し、バングラデシュ通を自認していた私にとって、当然 の成り行きだった。しかし思考停止中の私には、それらの要望について、事件 をわかりやすく解説することは不可能だった。もちろん、ここでだんまりを決 め込むのは卑怯だと思った。しかし、私はどうしても明快な回答を見つけ出せ なかった。私は苦しんだ。

そのようなおりに、心を落ち着 けようと思って読んだ本の中に、

事態に対する私の姿勢を大きく転 換させる文章が載っていた(本文 末尾に添付)。これを読んで私は少 し平静を取り戻すことができた。

そして今回はあせって結論を出す のではなく、時間的経過を見据え ながら、じっくり本質に迫ろうと 思うに至った。読者のみなさんに は、歯がゆい思いをさせ続けるこ

(9)

9

とだと思うが、今後、バングラデシュの歴史の再学習、バングラ各地への取材、

わが工場でのバングラデシュ人との生身の接触などを通じて、本質に迫ってい く努力をするつもりである。

このように考え、ひとまず落ち着きを取り戻した私に、数日後、悲しい知ら せが届いた。私が心から信頼し、すべてを任せていたバングラデシュの友人の 奥さんが、交通事故で突然亡くなられてしまったのである。奥さんは日本人で、

快活な方であり、私たちはいつも奥さんの朗らかさに助けられていた。この運 命のいたずらに、再び、私の心は沈み込み、私はトリプルショック状態に落ち 込んだ。しかし最愛の奥さんを亡くした彼のことを考えると、私のショックな ど軽いものだと考え直し、彼のためになにかをしなければと思った。しかし彼 がイスラム教徒であるということもあって、「どのような言葉をかければよい か、なにをすればよいか」などがまったくわからなかった。

もともと私と彼は

2

か月ほど前から、バングラデシュ最北部のウットラ

EPZ

に調査に出かける予定にしていた。それが今回のテロ事件などで吹っ飛んでし まっていた。私は、彼の気分転換のためにも、バングラの田舎におけるテロ事 件の反響を調べるためにも、そして本来の調査のためにも、また彼と行動を共 にする中で、イスラム教徒の死生観を学ぶためにも、予定通り、これを実行す ることにした。そこで地図を見ていると、近くにバハルプールという仏教遺跡 があることがわかった。それは世界遺産だった。ついでにそれを見ることがで きるということで、私の心は躍った。

今回はその調査報告である。「バングラデシュ探訪」というような、テロ事 件の解明とはかけ離れたふざけた題名であるが、お許しいただきたい。また数 か月前から滞っている「バングラデシュ短信」については、短慮の結果の誤報 を防ぐために、その配信を一時休止とさせていただきたい。

※参照文章

「現実世界は、さまざまな要素が複雑に絡み合ってできている。どれが原因 でどれが結果なのか、きれいに取り出して説明できることはきわめて稀で、た いていはさまざまな要素が渾然一体となってある現象を生み出しています。そ ういう複雑な系(システム)では、ちょっとした変化が徐々に増幅されて伝わ り、最終的にまったく予想外の結果につながることがあります、未来を語る上 では、物事はつねに変化するから、いまを基準に考えない、ということに気を つけなければいけません。静的ではなく、動的にものを考える必要があるので す」、「人はわかりやすい説明を求めます。とくに何らかの生物的な要因が複雑 な行動を説明するという単純な構図は受け入れられやすい。しかし、ひとたび

(10)

10

わかりやすい説明がマスコミを通じて広まると、それを是正するのは非常に困 難です」。

A.ウットラ EPZ(輸出経済特区) ※EPZ=Export Processing Zones=輸出加工区

ウットラ

EPZ

は、バングラデシュ最北部にあり、ダッカからは飛行機で約

50

分、車で

10

時間ほど離れている。最寄りのジョイエドプール空港からウット ラ

EPZ

までは

15

分ほどであり、しかもダッカから

1

5

便が飛んでおり、

便利である。鉄道も通じているが、トラック運送の方がはるかに速く、安全な ようである。ちなみにバングラデシュには、この他に

7

個所の

EPZ(①ダッ

カ、②アダムジー、③コミラ、④チッタゴン、⑤カルノフリ、⑥イシュワルデ ィ、⑦モングラ、⑧ウットラ)がある。これらの

EPZ

のうち、①から⑤はす でに満杯であり、空きスペースはない。韓国・中国・香港・日本などからの企 業進出も多い。しかし⑥~⑧は、ダッカやチッタゴンから離れているという理 由で、企業進出が少なく、かなりの部分がまだ空いている。したがって①から

⑤の

EPZ

と比較すると、土地や建物のレンタル料は半値ほどで、しかも当局 との交渉ごとにも融通が利くという。それでも企業には人気がない。ところが 各種の資料によると、ウットラ

EPZ

には中国企業が

4

社も進出している。私 がどうしてもウットラ

EPZ

調査に行きたかったのは、「なぜこのような辺境の 地の

EPZ

に大陸の中国企業が進出しているのか。そこにおける彼らのメリッ トは何なのか」を知りたかったからである。なお、事前の調査では、ウットラ

EPZ

への日本企業の進出はゼロであるということだった。

1.ウットラ

EPZ

の概要と様子

①2001年設立。 現在

12

社(香港企業

4

社・その他の外資企業3社、バング ラデシュ企業

5

社)が稼働中。

②EPZの総スペースは

86

万㎡。まだほとんどが空き地。土地レンタル料=1.

25US$/㎡/Y。他 EPZ

より1$安。

・現在、ウットラ

EPZ

管理当局が、アコード・アリアンスのコンプライアン スをクリアーできるレンタル工場を4棟(3000 ㎡×4フロアー)建設中。今 年中に完成し

1.6US$/1㎡/M

で貸し出す。他

EPZ

より約1$安。

レンタルスペースは自由であり、契約は2年更新(契約更新時の値上げはない)。

※工場の建設には、

300~350US$/1㎡(2013

年実績、バングラデシュ国内 ではほぼ共通)が必要なため、バングラデシュの政情などのリスクを考慮した 場合、レンタル工場の方がはるかに有利。

(11)

11

③EPZ周辺人口は、約

200

万人。EPZ外のジョイエドプール市内には大きな 工場などはなく、労働力は潤沢。

・現在、EPZ内の総ワーカー数は、3,2万人。そのうち香港企業4社で

2,3

万 人を雇用。

・人件費は、最低賃金が他の

EPZ

と同じため、地方であっても安くはない。

EPZ

外ならば、ダッカ周辺の2割安。

・ワーカーのほとんどが、8年制の初等教育を受けた地元出身者であり、ダッ カ周辺の出稼ぎ者よりも学歴が高い。

ただし高学歴者はダッカに出ていくため、幹部人材の確保は困難。

※他の

EPZ

同様、ウットラ

EPZ

にも一律の最低賃金アップ制(10%/Y)が 適用されているので、勤続年数の長い社員への対策が必要か?

④電力供給は他地域と大差なし。1日に2~3時間程度の停電あり。電気代は

8.06

タカ/KWH(他

EPZ

と同額)。

・ガス供給はなし。発電機、ボイラーなどは重油対応のため、コスト高。

・水は他

EPZ

同様。EPZ外ならば汲み上げ可能なため、割安。

⑤運送面では、トラック輸送でチッタゴンから

16

時間、ダッカから

10

時間。

運賃は

2

割増し。

・ハルタル時などの交通事情が混乱しなければ、大きな問題なし。

・ダッカからの緊急便は、AIRで、即日、工場着荷可能。DHLあり。

⑥通信インフラは、ダッカ周辺と大差なし。

⑦EPZ内に駐在員用居住宿舎(約

200

人宿泊可能)があり、便利。他の

EPZ

では、EPZ内には居住禁止。

・香港企業の4社がEPZ管理当局と折衝し、建設させ借用しているという。

なお、香港企業4社は、

EPZ

内に自前の寮を建設中。そのため宿舎の半数ほど が空き部屋となるため、貸し出し可能という。4LDKで

16,000

タカ/M。

・外国人出張者用のホテルもあり、便利。朝食込みで

3,200

タカ/D。

⑧ハルタルの影響はほとんどなし。ストライキほとんどなし。

⑨一部の他の

EPZ

のように、地元の口入れ屋的な組織が暗躍しているという こともないし、物品購入などや治安取り締まりの際にリベートを要求されるこ ともないという。

⑩ウットラ

EPZ

には、棺桶を製造しているイギリス企業がある。木製のもの がほとんどであるが、ほぼ全量をイギリスに輸出している。棺桶の中身は空気 なので、完成品の輸出ではイギリスまでの運送料が高くつくと思い、イギリス 到着後の組み立て方式かと聞いたところ、サイズが多いので、子供用まで含め

(12)

12

て、上手に詰め合わせて送るので問題がないとの返事だった。

2.ウットラ

EPZ

のメリット・デメリットなど

①人材面

・賃金はさほど安くはないが、文字が読めて計算ができるワーカーを採用する のが容易である。ただし経験工を採用することは困難である。しかしこのこと は工場を渡り歩き、擦れているワーカーがほとんどいないため、教育しやすい という面も持ち合わせている。

・地元出身者が多いため、定着率が高く、ベテラン工員が育ちやすい。

・高学歴者はダッカなどの都会に出て行ってしまうため、管理者の採用は難し い。高度技術者の確保も難しい。

※ある工場ではチッタゴンにある親工場から、管理者と高度技術者を大量に連 れてきて、この問題を解決していた。

EPZ

では最低賃金の上昇率が高く定められているため、社歴が長くなると賃 金の負担が重くなり、経営を圧迫する。

※ある工場では、

EPZ

外に数多くの衛星工場を作ることによって、この問題の 解決を図っているようだった。

・一部の

EPZ

にあるようなワーカーの斡旋業者がいないので、ワーカー採用 には問題がなさそうである。

②施設面

・土地や工場のレンタル料が、他の

EPZ

よりも安いことはともかくとして、

管理当局がアコード・アリアンスのコンプライアンスをクリアーできるレンタ ル工場を建設中であり、それを

1.6$で貸し出すということは、的を射た戦略

である。ダッカ市内の一昨年のビル倒壊事故以来、欧米のバイヤーたちは縫製 工場の建物に強い関心を抱いており、独自の検査機関(アコード、アリアンス)

を作り、建物への監視を強めている。その検査をクリアーするためには、建物 を全面的に改築しなければならないほどであり、それには大金が必要である。

そのためダッカやチッタゴンでは、操業を諦めて、閉鎖してしまう工場も多い。

ウットラ

EPZ

管理当局はそのような状況を察知し、その受け皿として、完璧 な工場を建て、それを安価で貸し出すことを目玉として、企業を誘致しようと いう作戦に出たのである。これは進出企業にとってもきわめて大きなメリット である。

③EPZ管理当局の対応

・ウットラ

EPZ

管理当局の

GM

は、

45

歳と若く、やる気満々であり、彼が企

(13)

13

業誘致作戦を考案したという。今回彼は、私たちの視察に終始同行し、私たち の質問に懇切丁寧に答えた。今まで私が見てきた他の

EPZ

GM

が官僚的で あり、事務所の中での応対のみであったのとは、好対照であった。

④香港企業の団体戦

・2012 年、このウットラ

EPZ

に香港企業が4社、グループで進出してきた。

いずれも本社は香港にあり、それまで中国の東莞で工場を操業させていたが、

人件費の高騰やストライキの多発を嫌い、その一部を移転させてきたという。

それら4社の業種は、カツラ、おもちゃ、ハンドバック、めがねの製造であり、

まったくバッティングしていない。4社はバングラデシュの奥地のこのウット ラ

EPZ

に狙いを定めて共同進出し、団体戦を挑んできたわけである。当時、

まったく進出企業がなく、困っていたウットラ

EPZ

管理当局にしてみれば、

大量の大型企業進出は願ってもない話だった。若き

GM

は、香港企業の誘致の ために、

EPZ

の規則をできる限り緩め、香港企業のきびしい要望に応えた。そ の結果、進出した香港企業は、他の

EPZ

にはない多くのメリットを享受し、4 社とも瞬く間に事業を大成功させた。この香港企業の団体戦は見事である。私 もこのような日本企業の団体戦を率いてみたかった。

・ただし後発進出企業にとっては、先発香港4社との関係を良好に保つ努力が 必要である。

・もちろん柔軟な

EPZ

運営を行っている現

GM

にも任期はあるが、あと2年 は大丈夫だという。

・このウットラ

EPZ

に進出してきていた中国企業というのは、大陸中国企業 ではなく、香港企業だったのである。これで私の謎は解けた。大陸中国企業に は、この地を選択する目も、団体戦を挑む才覚もないからである。

④ウットラ

EPZ

内に日本企業あり

・ウットラ

EPZ

内に日本のアパレル製品を取り扱っている企業があり、そこ に

S

さんという日本人が一人駐在しているという話を聞いたので、さっそく訪 ねてみた。たしかに綺麗な工場で、日本向けシャツを縫製していた。ワーカー

1,200

人ほどで、バングラデシュ人の工場のラインを丸借りしているという。

品質も安定しており、工場も落ち着いた雰囲気であった。私は、何よりも、こ の奥地に

S

さんが一人で駐在していることに感心した。Sさんに、今回のテロ について聞いたところ、

EPZ

内の居住区に寝泊まりしており、安全面などはま ったく心配していないということだった。いずれにせよ、すでにこの地に目を つけた日本企業があり、ノーリスクでビジネスを成功させているのである。立 派なものである。

(14)

14 B.バハルプール仏教遺跡

ジョイエドプール空港から、車で約

3

時間半、南下した場所に世界遺産にも 登録されているバハルプール仏教遺跡がある。その遺跡は、広大な平野の中に、

忽然と現れる。この遺跡は

19

世紀初頭、イギリス人によって密林の中から見 つけ出されたということだったが、周囲には大木はほとんど見当たらず、密林 という言葉を連想するものはまったくなかった。それでもこの遺跡の壮大な規 模は訪れる人を圧倒し、建立された当時の盛況ぶりを彷彿とさせる。この遺跡 を訪れる観光客はあま

り多くはないようであ り、遺跡前にも土産物屋 などはなかった。私が訪 れたときは、バングラデ シュ観光客が

20

人ほど 来ていたのみで、外国人 観光客は全くいなかっ た。残念ながら、付属施 設である博物館は、現在 修理中で見学できなかった。

この地には8世紀中頃、ベンガル地方で興り、北インドのビハール地方まで 勢力を伸ばしたパーラ王朝が栄えていた。パーラ王朝の歴代の王は仏教を保護 し、ことに第

2

代ダルマパーラ王は、バハルプールの地に、「ソーマプラ大寺 院」を建てた。当時は約

330m四方の敷地に、 117

の僧院などがあり、

1000

人 以上の僧がここで修業していたと言われている。釈迦はガンジス河の上流で生 まれ、その流域で仏教を広めた。しかしその後、その地では仏教が衰退し、布 教地域はガンジス河中下流のこの地に移った。ガンジス河のもたらす肥沃な土 地を背景にした経済力が、大僧院の建立や多くの僧侶の生活を可能にしたので ある。仏教はこの地で栄え、8世紀の後半、この地のタントラ密教の僧侶パド マサンバヴァがチベットに赴き、そこで中国の西安から来た仏僧と宗教論争を 行い、それに勝ったという。この事実はチベット側でも史実として確認されて いる。爾来、チベットはタントラ密教の影響を深く受け継いでいる。つまり、

当時、この地は仏教の中心地として栄えていたのである。しかしながらパーラ 王朝の衰退と共に、仏教は衰え、この地にはヒンドゥー教やイスラム教が栄え るにいたった。壮大な仏教僧院跡は深いジャングルの中で、破壊を逃れ密かに

(15)

15

残ったと伝えられている。

附 : バングラデシュ北西部地方におけるテロ事件の反響

・ジョイエドプール空港、ジョイエドプール市内、ウットラ

EPZ

内など、警 備が特別に厳重だとは思われなかった。

・ウットラ

EPZ

の若き

GM

からは、今回のテロ事件で日本人が犠牲になった ことについて、お詫びの言葉があった。

・ウットラ

EPZ

内の日本人駐在者は、テロなどを特別に警戒していることは ないという。

・バハルプール仏教遺跡において、警備員からパスポート提示を求められ、宿 泊場所などを聞かれた。これは外国人のみで、政府からの指示があるようであ り、警備員はしっかりメモを取っていた。

・この地方出身の文化担当大臣とダッカへの帰り便がいっしょとなったため、

空港の特別室に招かれ、直接、今回のテロ事件へのお詫びの言葉をもらった。

この特別室の警備は厳重であり、武装した警備員が5人、待機していた。

以上

(16)

16

【中国経済最新統計】

① 実 質 GDP 増加率 (%)

② 工 業 付 加 価 値 増 加 率 (%)

③ 消費財 小売総 額 増 加 率(%)

④ 消費者 物価指 数 上 昇 率(%)

⑤ 都 市 固 定 資 産 投 資 増 加 率 (%)

⑥ 貿 易 収 支 (億㌦)

⑦ 輸 出 増 加 率 (%)

⑧ 輸 入 増 加 率 (%)

⑨ 外国直 接投資 件 数 の 増加率 (%)

⑩ 外 国 直 接 投 資 金 額 増 加率 (%)

⑪ 貨 幣 供 給 量 増 加 率 M2(%)

⑫ 人 民 元 貸 出 残 高 増 加 率(%)

2005年 10.4 12.9 1.8 27.2 1020 28.4 17.6 0.8 0.5 17.6 9.3

2006年 11.6 13.7 1.5 24.3 1775 27.2 19.9 ▲5.7 4.5 15.7 15.7

2007年 13.0 18.5 16.8 4.8 25.8 2618 25.7 20.8 ▲8.7 18.7 16.7 16.1

2008年 9.0 12.9 21.6 5.9 26.1 2955 17.2 18.5 ▲27.4 23.6 17.8 15.9 2009年 9.1 11.0 15.5 0.7 31.0 1961 ▲15.9 ▲11.3 ▲14.9 ▲16.9 27.6 31.7 2010年 10.3 15.7 18.4 3.3 24.5 1831 31.3 38.7 16.9 17.4 19.7 19.8

2011年 9.2 13.9 17.1 5.4 24.0 1549 20.3 24.9 1.1 9.7 13.6 14.3

2012年 7.7 10.0 14.3 2.7 20.7 2303 7.9 4.3 ▲10.1 ▲3.7 13.8 15.0

2013年 7.7 9.7 11.4 2.6 19.4 2590 7.8 7.2 ▲8.6 5.3 13.6 14.1

2014年 7.4 8.3 12.0 2.0 15.2 3824 6.1 0.4 4.41 14.2 12.2 13.6

4月 8.7 11.9 1.8 16.6 185 0.8 0.7 0.5 3.4 13.2 13.7

5月 8.8 12.5 2.5 16.9 359 7.0 -1.7 8.4 -6.6 13.4 13.9

6月 7.5 9.2 12.4 2.3 17.9 316 7.2 5.5 10.3 0.2 14.7 14.0

7月 9.0 12.2 2.3 15.6 473 14.5 -1.5 14.0 -17.0 13.5 13.4

8月 6.9 11.9 2.0 13.3 498 9.4 -2.1 5.2 -14.0 12.8 13.3

9月 7.3 8.0 11.6 1.6 11.5 310 15.1 7.2 9.4 1.9 11.6 13.2

10月 7.7 11.5 1.6 13.9 454 11.6 4.6 8.7 1.3 12.1 13.2

11月 7.2 11.7 1.4 13.4 545 4.7 -6.7 -8.6 22.2 12.0 13.4

12月 7.3 7.9 11.9 1.5 12.6 496 9.5 -2.3 6.1 10.3 11.0 13.6

2015年 6.9 5.9 10.7 1.4 9.7 6024 -9.8 -14.4 11.0 0.8 11.9 15.0

1月 0.8 600 -3.3 -20.0 2.2 -1.1 10.6 14.3

2月 1.4 606 48.3 -20.8 49.8 0.1 11.1 14.7

3月 7.0 5.6 10.2 1.4 13.1 31 -15.0 -12.9 0.3 1.3 9.9 14.7

4月 5.9 10.0 1.5 9.6 341 -6.5 -16.4 2.9 10.2 9.6 14.4

5月 6.1 10.1 1.2 9.9 595 -2.4 -17.7 -14.0 8.1 10.6 14.3

6月 7.0 6.8 10.6 1.4 11.6 465 2.8 -6.3 4.6 1.1 10.2 14.4

7月 6.0 10.5 1.6 9.9 430 -8.4 -8.2 9.6 5.2 13.3 15.7

8月 6.1 10.8 2.0 9.1 602 -5.6 -13.9 23.9 20.9 13.3 15.7

9月 6.9 5.7 10.9 1.6 6.8 603 -3.8 -20.5 5.2 6.1 13.1 15.8

10月 5.6 11.0 1.3 9.3 616 -7.0 -19.0 2.5 2.9 13.5 15.6

11月 6.2 11.2 1.5 10.8 541 -7.2 -9.2 27.7 0.0 13.7 15.3

12月 6.8 5.9 11.1 1.6 6.8 594 -1.7 -7.6 17.2 -45.1 13.3 15.0

2016年

1月 10.3 1.8 18.0 633 -11.5 -18.8 14.1 -2.1 14.0 15.2

2月 10.2 2.3 326 -25.4 -13.8 -11.3 -1.3 13.3 14.7

3 6.7 6.8 10.5 2.3 11.2 299 11.2 -7.4 26.1 4.0 13.4 14.7

4 月 6.0 10.1 2.3 10.1 456 -2.0 -10.5 21.4 2.9 12.8 14.4

5 6.0 10.0 2.0 7.4 500 -4.7 -0.1 43.6 -4.8 11.8 14.4

6 月 6.7 6.2 10.6 1.9 7.3 479 -6.1 -9.0 8.5 4.4 11.8 14.3

7 月 6.0 10.2 1.8 3.9 502 -6.4 -12.9 -3.8 -6.2 10.2 12.9

注:1.①「実質 GDP 増加率」は前年同期(四半期)比、その他の増加率はいずれも前年同月比である。

2.中国では、旧正月休みは年によって月が変わるため、1 月と 2 月の前年同月比は比較できない場合があるので注意 されたい。また、( )内の数字は 1 月から当該月までの合計の前年同期に対する増加率を示している。

3. ③「消費財小売総額」は中国における「社会消費財小売総額」、④「消費者物価指数」は「住民消費価格指数」に 対応している。⑤「都市固定資産投資」は全国総投資額の 86%(2007 年)を占めている。⑥―⑧はいずれもモノの 貿易である。⑨と⑩は実施ベースである。

出所:①―⑤は国家統計局統計、⑥⑦⑧は海関統計、⑨⑩は商務部統計、⑪⑫は中国人民銀行統計による。

参照

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