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2016 年 6 月 27 日発行 第 626 号 CONTENTS

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(1)

1 2016

6

27

日発行 第

626

CONTENTS

「中国経済研究会」のお知らせ ... 2

シンポジウムのお知らせ ... 3

中国ニュース

6.20-6.26 ... 4

読後雑感:2016年第

15

回 小島正憲 ... 9

【中国経済最新統計】 ... 14

(2)

2

「中国経済研究会」のお知らせ

2016年度第4回(通算第58回)の中国経済研究会は下記の要領で開催することになりましたので、

ご案内いたします。大勢の方のご参加をお待ちしております。

時 間: 2016年

7

19

日(火) 16:30-18:00

場 所: 京都大学吉田キャンパス・法経済学部東館地下

1

階 みずほホール

AB

テーマ: 「中国における食料安全保障の現状と政策的動向」

報告者: 王鳳陽(立命館大学政策科学研究科博士後期課程)

注:本研究会は原則として授業期間中の毎月第3火曜日に行いますが、講師の 都合等により変更する場合があります。2016度における開催(予定)日は以下 の通りです。

前期:4月19日(火)、 5月17日(火)、 6月21日(火)、7月19日(火) 後期:10月18日(火)、11月15日(火)、12月20(火)、1月17日(火)

(この研究会に関するお問い合わせは劉徳強([email protected])までお願いします。なお、

研究会終了後、有志による懇親会が予定されています。)

(3)

3

シンポジウムのお知らせ

韓国労働政策の現状と展望

主催:京都大学東アジア経済研究センター 2016 年 7 月 23 日(土) 14 時 00 分~

京都大学経済学研究科三番教室(みずほ講義室)

(法経済学部東館 2 階、経済学部事務室の隣)

趣旨

朴槿恵政権は、経済の活性化に向けた4大改革(労働市場改革、公共部門改革、教育改革、

金融改革)のなかでも、労働市場改革を最優先課題に位置づけて、推進してきた。しかし、

賃金ピーク制と一般解雇ガイドラインの導入、就業規則変更要件の緩和などに関しては、労 働組合や野党は強硬な反対運動を展開した。今年

4

月に行われた総選挙で与党セヌリ党は 大敗したので、野党の協力なくしては、法案は一本も通らない状況で、来年の大統領選挙を 迎えることになる。したがって労働市場改革の方向性は、韓国の政治・経済の今後の動向を 左右する重要な争点であり続けるだろう。

この問題意識から、今回のシンポジウムでは、盧武鉉政権時代に大統領諮問委員会委員を 務め、労働政策担当のブレーンの役割を果たした金 炯基・慶北大学教授に、韓国労働市場 改革の争点と今後の展望についてお話いただく。また、日本においても、労働法制度の改革 をめぐって議論が続いている。労働法制度の日韓比較を専門として研究している安 周永・

常葉大学講師には、両国の改革の方向性を比較して、その差異と共通性を明らかにしていた だく。

司会 京都大学大学院経済学研究科東アジア経済研究センター長 宇仁宏幸

14:00-14:10

挨拶:京都大学大学院経済学研究科 研究科長 教授 文 世一

14:10-15:40

講演:慶北大学経済通商学部 教授 金 炯基

「韓国労働市場改革の争点と展望」 (韓国語講演、通訳付き)

15:50-16:20

講演:常葉大学法学部 講師 安 周永

「労働市場改革の日韓比較」 (日本語講演)

16:20-16:50 質疑応答 16:50-16:55

閉会挨拶

17:00-18:30

懇親会 会場:京都大学経済学研究科

B1

みずほホール

開会挨拶 京都大学大学院経済学研究科教授/東アジア経済研究センター長 宇仁宏幸

●参加希望者は東アジア経済研究センター([email protected])までご連絡ください。

なお懇親会は参加料

2000

円を頂きます。(但しセンター支援会会員は無料です)

(4)

4

中国ニュース 6.20-6.26

HEADLINES

アップルは

iPhone

の販売停止に対し「変わりなく販売されている」

富士康、P2Pネット金融事業に進出

華為、国家体育総局体育科学研究所と共にスポーツ健康市場に力を入れる

夏休みの海外旅行、価格

20%アップ

中国都市競争力ランキング、香港は

12

位に

中国の

4G

利用者は

5.3

億件、欧米の合計抜く

シンガポール、今年

6

月から人民元を公的外貨準備に

「中国で最も価値あるブランドトップ

500」が発表、北京は 105

ブランドがランクイン

インド最大の科学技術起業センターが海南生態ソフトウェアパークと協力関係を結ぶ

安徽省産業用ロボットがベラルーシに初輸出

アップルは

iPhone

の販売停止に対し「変わりなく販売されている」

【環球網

6

20

日】米ア ップル社のスマートフォン

「iPhone 6」と「iPhone 6

Plus」はこのほど、北京市知

的財産権局から中国の携帯 メーカー佰利公司の関連製 品と酷似しているとして販 売停止を命じられた。同局が この決定についての公告を 発表すると、驚きの声が広がった。アップルは今回の件について、「先月に北 京市知的財産権局の決定について行政訴訟を起こしており、判決は北京知的財 産権法院の審議を待たなければならない。両機種は現在、中国市場でこれまで と変わりなく販売されている」とコメントした。

(5)

5

富士康、P2Pネット金融事業に進出

【中国網

6

21

日】鴻海グループ傘下の富士康が

P2P(ピアツーピア、個

人間)のインターネット金融事業に進出することが

20

日に明らかになった。

金融科学技術サービスプラットフォームの富中富をうち出し、主に富士康の供 給チェーンの事業パートナーにサービスを提供するという。富士康はこれまで に貸出業務、金融担保業務、設備貸出業務、ファクタリング業務などのサービ スの現地における営業許可証を取得しており、今後は傘下の富中富の発展に合 わせて、3億元規模のプライベートエクイティファンドを設立し、主に新しく 設立された企業に投資し、発展を促す。富中富は年内に運営をスタートする見 込みであるという。

華為、国家体育総局体育科学研究所と共にスポーツ健康市場に力を入れる

【中国新聞網

6

21

日】華為と国家体育総局体育科学研究所はこのほど戦 略的協力合意に調印し、スポーツ健康市場を共同で開発していくことを決めた。

華為と同研究所は共同実験室を共同で設立して、緊密な協力関係の構築を推進 する。またスポーツをめぐる検査測定方法、スポーツ健康サービス、関連の基 準や規範、全国民が対象のトレーニングマネジメント活動の普及など各方面で、

相互利益・ウィンウィンの協力を積極的に推進する。この協力は華為にとって その目標であるスマート端末があらゆる場面で接続される未来に向けた重要 な一歩であり、スポーツ・健康の分野を突破口として、大きな可能性のあるパ ーソナル化サービスにつながるものになるという。

夏休みの海外旅行、価格

20%アップ

【環球網

6

21

日】旅行サイト・途牛旅遊網が

20

日、明らかにしたところ によると、7月の長距離の海外団体ツアーはまもなく予約期間が終了し、今年 は中距離と短距離の旅が人気だという。短距離の海外旅行の人気の高まりは、

長距離ツアーの予約がまもなく終了することと関係がある。海外ツアーの価格 は普段より

20%前後上昇している。また、同サイトのモニタリングデータに

よると、現在、夏休み海外ツアーの予約では

3

人以上での申し込みが

50%以

上を占め、親子での海外ツアーは

7

月中旬にピークを迎える見込みだという。

(6)

6

中国都市競争力ランキング、香港は

12

位に

【 環 球 網

6

22

日】

香 港 大 公報

22

日 の 報 道 に よ る と 、 中 国 都 市競争力研究会がこのほど発表した

2016

年の各種中国都市ランキングのなか で、中国全土の約

300

都市を対象にした「全国省・区、直轄市創造競争力ラン キング」では、広東省、江蘇省、山東省が昨年に続きトップ

3

となった。一方、

香港は「食品安全都市トップ

10」、

「最もきれいな都市」、「政府が信頼できる都

市トップ

10」でいずれも 1

位だったが、総合ランキングでは

2

年連続でトッ

10

入りならず、12 位だった。「全国省・区、直轄市競争力の成長ランキン グ」でも、香港は、広西チワン族自治区に抜かれ

25

位。トップ

3

は、天津、

広東省、江蘇省だった。

中国の

4G

利用者は

5.3

億件、欧米の合計抜く

【漢豊網

6

22

日】

2016

年中国インターネ ット大会が

21

日に北京 国際会議センターで行 われた。工業・情報化部 の陳肇雄副部長は開幕 フォーラムで、「2016年 第

1

四半期末まで、全国 の光ファイバー導入世 帯はすでに

3

9

千万戸あり、4G利用者は

5

3

千万件に達し、欧米の合計 を抜いた。今後は国民生活におけるインターネットを発展させ、都市部と農村

(7)

7

部の情報格差を縮小することを重視すべきであり、またクラウドコンピューテ ィングなどの分野を発展させると同時に、ネットと他産業とのさらなる融合を 推進することが必要だ」と説明した。

シンガポール、今年

6

月から人民元を公的外貨準備に

【中国経済網

6

23

日】シンガポ ール金融管理局は

22

日、今年

6

月か ら人民元を公的外貨準備に組み込ん だことを明らかにした。同局による と、この措置は中国金融市場が標準 化に向けた改革を持続的かつ安定的 に推進していることへの評価に基づ くものであり、グローバル機関投資 家の人民元建て資産の配置に対する認知度の高まりを体現したものでもある。

同局の羅恵燕副局長は、「人民元をシンガポールの公的外貨準備に組み込むの は時宜を得た措置であり、過去

1

年間の中国の持続的で安定した金融改革によ って人民元は世界にますます受け入れられるようになっている」と話す。

「中国で最も価値あるブランドトップ

500」が発表、北京は 105

ブランドがランクイン

【新浪網

6

23

日】世界ブランド実験室(World Brand Lab)はこのほど、

「中国で最も価値あるブランドトップ

500」ランキングを発表した。財務状況、

消費者の反応、ブランドの強さに基づくこのモニタリング報告においてトップ

5

を占めたブランドはそれぞれ、国家電網、テンセント、工商銀行、中国人寿 保険、ハイアールである。報告によると、

2016

年「中国で最も価値あるブラン

ドトップ

500」のブランド価値は合計 13

2696

3

千万元で、前年比

2

4564

7400

万元増、増加幅は

22.72%に達した。また、ランクインしたブラ

ンドをエリア別にみると、北京のブランドは前年比

11

増の

105

ブランドで、

全国で最も多かった。

(8)

8

インド最大の科学技術起業センターが海南生態ソフトウェアパークと協力関係を結ぶ

【新華網

6

23

日】海南生態ソフトウェアパーク(RSC)は

20

日、インド 最大の科学技術起業センターである

T-Hub

インキュベーターと、インドのハ イデラバードで戦略協力協定を結んだ。それによると、

T-Hub

インキュベータ ーを海南に、

RSC

をインドにそれぞれ設立し、両国のハイレベルな起業家たち にグローバルな教育サービスを提供するという。このほか、両国は企業交流、

ゲーム、アニメなどの産業で協力を強め、国際競技イベントなどの共同主催を する。これによって、両国は資源の共有と統合を通じ、双方の企業にとってよ り価値のあるハイレベルのサービスを提供することが可能になるという。

安徽省産業用ロボットがベラルーシに初輸出

【東方網

6

24

日】安 徽 省 が 生 産 し た 産 業 用 ロ ボ ッ ト が こ の ほ ど ベ ラ ル ー シ に 初 輸 出 さ れ た。この生産 ラインの輸出プロジェクトには、自動車の製造に関わる産業用ロボット

27

台 が含まれており、価格は総額

1

億元に迫り、年間

8

万台分の車体の溶接作業を サポートすることになる。ベラルーシの自動車製造基地は吉利自動車が先頭に 立って、安徽巨一自動化設備有限公司が技術支援を提供する中国の海外投資に よる最大規模の自動車生産基地であり、中国「一帯一路」戦略の重要な成果で もある。

(9)

9

読後雑感: 2016 年第 15 回

17.JUN.16

アジア・アパレルものづくりネットワーク代表理事

株式会社小島衣料オーナー 東アジアセンター外部研究員 小島正憲

1. 「アジアビジネス 成功への道」 2.「希望の地としての新興アジア」

3. 「燃える森に生きる」 4.「仏教の息づくセレンディップなスリランカ」

5. 「ぶらり歩きメコンの国々」

1.「アジアビジネス 成功への道」 平沢健一著 産業能率大学出版部

2016

6

30

日 副題:「グローバルからグローバル・アジアの時代へ」

帯の言葉:「グローバル・アジアビジネス成功の秘訣」

著者の平沢健一氏は、「米国、欧州、中国の現地法人経営に

20

年間携わり、

56

カ国をビジネスで回ってきた」という強者である。本書は、「大きく変わり 始めているアジア」に進出しようとしている日本人ビジネスマンへの、平沢氏 のアドバイスの書である。本書の中には、平沢氏の各国での貴重な体験談が語 り尽くされており、たいへん参考になる。ことに第3章には、平沢氏の米国、

欧州、中国での実体験が生々しく書き込まれている。それを読んで私は、むし ろ本書の題名は、「日本人ビジネスマンの海外奮戦記」と銘打った方がよかっ たのではないかと思った。なによりも、平沢氏の強みは英語を始めとして、各 国語を赴任地で習得して、それを営業活動に活かしたということであり、本書 には、英語や現地語の平沢氏独特の習得法が伝授してある。とても私には、マ ネのできない芸当である。平沢氏は日本人離れした、いわば戦術の大家でもあ る。私はまったくの語学オンチだったので、自らの持つ縫製技術を武器に各国 で戦ってきたが、どうしてもその行動範囲は限定されたものに終わってしまっ た。平沢氏の努力や胆力には、脱帽である。

ちなみに第1章は、アジアビジネスの今後を俯瞰したものであり、いわば戦 略編である。また第

2

章は、アジアでビジネスに携わっている人たちの寄稿や 平沢氏のインタビュー記事である。私もバングラデシュに関する一文を載せさ せていただいている。第

4

章には、アジアでのビジネスにおける交渉術を、中 国、インド、インドネシア、ベトナムなどの各国別に書き込んである。なかで も、「中国人とインド人が商売すると両方とも全く信用していないから、信用

(10)

10

できる人間を仲介させたらよい。それは真面目で正直で契約も守る“日本人”

だ」という指摘は、面白い。第5章では、「グローバル・アジアビジネスで勝ち 抜くための処方箋」として、多くの名言が書かれている。第4・5の両章は、

いわば戦術編である。

平沢氏は、「中国の大手国有企業も変わってき始めています。日本と中国だ けを知っている日本人を中国へ送り込む時代ではありません。世界を知ってい る人を送る時代です。同様にアジア・新興国も破天荒なスピードでグローバル 時代に突入しています。皆、目が輝いています。実力を一気につけ、自信を持 ち始めてきた中国人、韓国人、ASEANの人たち、そしてインド人、これから のアジアビジネスはよほどしっかりやらないと負け戦になってしまいます」と 書いている。この意見に異論はないが、戦略的に考えるならば、現在は、「中国 のバブル経済崩壊後のアジアの大混乱」に備えることが必要な時期である。中 国の進める

AIIB

や「一帯一路」政策についても、それを過大評価することな く、そのウラを読み抜き、対処していくことが肝要である。

2.「希望の地としての新興アジア」 山田順著 実務教育出版

2016

6

10

日 副題:「私たちが失ったものがそこにある」

帯の言葉:「世界のマネーと頭脳がアジアを目指す理由とは?」

本書は著者の山田氏が「はじめに」で書いているように、「新興アジア圏全 体に対する入門書」である。したがって本書からは、アジアに関する深い洞察 を読み取ることはできない。また本書にはアジアに関する常識的な通念を前提 とした論述が多く、旧華人と大陸新華僑との相違と相克、民主化が経済急成長 のブレーキとなる可能性、中国外貨準備高の急減の可能性などについて、まっ たく度外視している。

しかし参考になる点もあるので、以下に記す。

・中所得の罠から抜け出すためには、政治的な大転換が必要とされる。強権 的な政府、独裁的な政権では、これはできないとされている。より自由で民主 的な政府になり、そのうえで人材と技術の集積が必要とされる。

・引退後の海外移住、長期滞在(ロングステイ)は、最近では当たり前にな った。自分のこれまでの人生を振り返り、無理せずビザが取得でき、無理せず 暮らせる国を選ぶことが基本だ。現在、リタイアメントビザは、世界40カ国 以上で採用されており、基本的に「働かなくても十分に暮らしていける外国人」

を対象に発給される。またリタイアメント(退職者)向けのため、年齢制限が あり、50歳以上が基本だ。

(11)

11

・マレーシアはここ数年で様変わりして、日本の一般的な年金所得世帯では マレーシアのロングステイは無理になりつつある。それは、マレーシア経済が 発展して物価が上がったこと、それにロングステイ用の10年定住ビザの取得 のハードルが高くなったからだ。

・アジアでもっとも女性差別がなく、女性の社会進出が盛んな国、それはフ ィリピンである。「世界男女平等ランキング」は、なんとフィリピンは世界第 5位なのだ。

・ミャンマーはいまだに現金社会で、銀行口座を持っている個人は少ない。

会社も同じで、銀行に会社口座はなく、出入金は会社の幹部が持っている個人 口座を通して行われているという。スーチーさんは、改革というより、まず裏 経済を押さえ込み、透明性のある経済にして、国の税収を多くしないとやって いけないでしょう。

3.「燃える森に生きる」 内田道雄著 新泉社

2016

5

255日

帯の言葉 : 「紙のための森、森を消す油」

私は今まで幾度も、東南・南西アジア短信で、インドネシアの煙害について 伝えてきたが、その実情についてはよくわからなかった。なによりも、焼き畑 農業という古くからの手法が、なぜ最近になって、急に害を及ぼすようになっ たのかが、よく理解できなかった。本書は、そのあたりの事情を詳しく解明し ている。内田氏は、「最初に商業的な価値のある樹木を企業が伐採する。しか し熱帯林には利益になる木は多くないので、それだけで森が消えることはない。

しかし商業伐採のために企業は道路を作るので、その後、地元民らがその道路 を使って残木の盗伐が行う。すると大きな木はほとんどなくなるので、すべて の灌木を切り払い、農地を拓くのも難しくはなくなる。そこで農地を持たない 農民たちが、焼き畑を開いてしまう」と書いている。もともとインドネシアの 森林地帯は泥炭湿地であり、火入れをして農地を開拓する場合は1ヘクタール 当たり

200

万ルピアであり、その他の手法を使えば、3~4000万ルピアだ という。これでは農民が焼き畑を行うはずである。つまり内田氏は、インドネ シアの森林地帯の消滅と煙害は、企業による木材の伐採、地元民による盗伐、

農民による焼き畑との複合的な原因によって起きていると述べている。

しかも企業や農民たちは、その地に油ヤシを植え、パーム油を搾り取ってい る。内田氏は、「インドネシアにおいて、今や森林破壊の最大の原因は油ヤシ 農園だろう」と書いている。パーム油は値段が安く、菜種油や大豆油の半値ほ どであり、日本にも多く輸入されているが、その大半はインドネシア国内で消

(12)

12

費されている。内田氏は、「インドネシア政府は、企業や農民たちが、油ヤシを 植林することによって、森林を再生させていると言っているが、油ヤシが泥炭 湿地で繰り返し、再生可能かどうかは、まだ分かっていない。もともと油ヤシ の原産地はアフリカであり、インドネシア原産ではなく、その適性がさだかで はない。そうなると現在の油ヤシ畑は、荒涼たる草原と化してしまう」と言う。

しかも「パーム油からは軽油の代替となるバイオディーセル燃料が作られる。

インドネシア政府は、2025年には燃料使用量全体の25%をバイオ燃料で まかなうことを目指しており、その多くをパーム油でまかなおうとしている。

しかし泥炭地に植えられた油ヤシでバイオ燃料を作ったとしても、泥炭地は開 拓するときに大量の温室効果ガスを放出する。これは地球温暖化阻止のために は、逆効果である」と指摘している。

4.「仏教の息づくセレンディップなスリランカ」 鈴木康夫著 星雲社

2016

4

10

日 帯の言葉 : 「観光では出会えない ほっこりするスリランカのエピソード」

本書は、

2006

年に「コスモス奨学金(優れた才能を持ちながらも、経済的な 理由で勉学に苦労しているスリランカの子どもたちへの教育や生活支援など の活動)」を立ち上げ、今も活動中の鈴木康夫氏がスリランカ人の美しいエピ ソードを書き綴ったものである。鈴木氏は本書で、最初から最後まで、スリラ ンカの子どもたちを褒めちぎっている。また、他国ならば通例、手紙などでの 両親への呼びかけは、父が先で母が後であるが、スリランカでは逆であるとし て、「スリランカでは、習慣上父親を立てているが、心の中では母親を父親以 上の仏のような存在として敬愛しているのではないかと思う。だから“お母様 お父様”なのだと」と書いている。

ただしスリランカ人の大人については、「スリランカ人の不法滞在は多い、

日本で稼いだ人の話を伝え聞いて、自分の稼ぎたいとだまされて来日している 人もいる」と嘆いている。

またスリランカでは寺院の参拝の仕方にもルールがあるといい、「最初に拝 むのはパゴダである。パゴダには仏様に縁のある品が納められている。次に菩 提樹を参拝する。菩提樹はお釈迦さまが悟りを開かれたゆかりの樹だ。最期に 仏様を拝む。スリランカでは、この順序を守って参拝しよう。きっと御利益が あるはずだ」と書いている。

5.「ぶらり歩きメコンの国々」 ウイリアムス・春美著 芙蓉書房出版

2016

5

15

日 副題:「カンボジア・ラオス・ベトナムひとり旅」

(13)

13

帯の言葉:「メコン川流域の3カ国を“何でも見てやろう”の心意気で歩き回る!」

著者のウイリアム氏は77歳の女性であるが、今まで、プータン、チベット、

ビルマ、インドなどを一人でぶらりと歩き、その感想を書き、出版している。

以前、彼女のビルマに関する本を読んだが、記憶に鮮明に残るほどのものでは なかった。このような本を出版しても、採算は取れないだろうと思うのだが、

いかがなものだろうか。本書に書かれている様子からは、ウイリアム氏が富豪 で、自己満足のための自費出版ができるようにはとても思えないが。

今回は、カンボジア・ベトナム・ラオスのインドシナ3か国であり、それら は今までの訪問先とは違い、フランスの植民地であったため、その匂いを色濃 く残しているはずだ。またベトナム民族解放戦線、クメール・ルージュ、パテ ト・ラオとして、連帯して米国と激しく戦ったこともあり、その影響やその後 の変化もおもしろい。私は、この本から、それらが読み取れるかもしれないと 期待して読んでみた。しかし残念ながら、書かれていたのは、旅行ガイドブッ クを少し掘り下げたようなもので、たしかに穴場のようなところの紹介はあっ たが、それ以上のものではなかった。それでも、「何でも見てやろう」という好 奇心で、東南アジアの僻地にまで、単身乗り込んで行く、77歳のウイリアム 氏の行動力には驚嘆し、私も負けてはいられないと思った。

なお、ウイリアム氏は本書で、「ベトナムは完全に中国に支配されている。

政府は中国のいいなりですからね」(ベトナム人談)、「ラオスのモン族の信じ ている仏教は日本と同じ上座部仏教である」などと書いているが、これは明ら かな誤りである。

以上

(14)

14

【中国経済最新統計】

① 実 質 GDP 増加率 (%)

② 工 業 付 加 価 値 増 加 率 (%)

③ 消費財 小売総 額 増 加 率(%)

④ 消費者 物価指 数 上 昇 率(%)

⑤ 都 市 固 定 資 産 投 資 増 加 率 (%)

⑥ 貿 易 収 支 (億㌦)

⑦ 輸 出 増 加 率 (%)

⑧ 輸 入 増 加 率 (%)

⑨ 外国直 接投資 件 数 の 増加率 (%)

⑩ 外 国 直 接 投 資 金 額 増 加率 (%)

⑪ 貨 幣 供 給 量 増 加 率 M2(%)

⑫ 人 民 元 貸 出 残 高 増 加 率(%)

2005年 10.4 12.9 1.8 27.2 1020 28.4 17.6 0.8 0.5 17.6 9.3

2006年 11.6 13.7 1.5 24.3 1775 27.2 19.9 ▲5.7 4.5 15.7 15.7

2007年 13.0 18.5 16.8 4.8 25.8 2618 25.7 20.8 ▲8.7 18.7 16.7 16.1 2008年 9.0 12.9 21.6 5.9 26.1 2955 17.2 18.5 ▲27.4 23.6 17.8 15.9 2009年 9.1 11.0 15.5 0.7 31.0 1961 ▲15.9 ▲11.3 ▲14.9 ▲16.9 27.6 31.7 2010年 10.3 15.7 18.4 3.3 24.5 1831 31.3 38.7 16.9 17.4 19.7 19.8

2011年 9.2 13.9 17.1 5.4 24.0 1549 20.3 24.9 1.1 9.7 13.6 14.3

2012年 7.7 10.0 14.3 2.7 20.7 2303 7.9 4.3 ▲10.1 ▲3.7 13.8 15.0

2013年 7.7 9.7 11.4 2.6 19.4 2590 7.8 7.2 ▲8.6 5.3 13.6 14.1

2014年 7.4 8.3 12.0 2.0 15.2 3824 6.1 0.4 4.41 14.2 12.2 13.6

2月 2.0 -230 -18.1 10.4 1.3 4.0 13.3 14.2

3月 7.4 8.8 12.2 2.4 17.3 77 -6.6 -11.3 6.1 -1.5 12.1 13.9

4月 8.7 11.9 1.8 16.6 185 0.8 0.7 0.5 3.4 13.2 13.7

5月 8.8 12.5 2.5 16.9 359 7.0 -1.7 8.4 -6.6 13.4 13.9

6月 7.5 9.2 12.4 2.3 17.9 316 7.2 5.5 10.3 0.2 14.7 14.0

7月 9.0 12.2 2.3 15.6 473 14.5 -1.5 14.0 -17.0 13.5 13.4

8月 6.9 11.9 2.0 13.3 498 9.4 -2.1 5.2 -14.0 12.8 13.3

9月 7.3 8.0 11.6 1.6 11.5 310 15.1 7.2 9.4 1.9 11.6 13.2

10月 7.7 11.5 1.6 13.9 454 11.6 4.6 8.7 1.3 12.1 13.2

11月 7.2 11.7 1.4 13.4 545 4.7 -6.7 -8.6 22.2 12.0 13.4

12月 7.3 7.9 11.9 1.5 12.6 496 9.5 -2.3 6.1 10.3 11.0 13.6

2015年 6.9 5.9 10.7 1.4 9.7 6024 -9.8 -14.4 11.0 0.8 11.9 15.0

1月 0.8 600 -3.3 -20.0 2.2 -1.1 10.6 14.3

2月 1.4 606 48.3 -20.8 49.8 0.1 11.1 14.7

3月 7.0 5.6 10.2 1.4 13.1 31 -15.0 -12.9 0.3 1.3 9.9 14.7

4月 5.9 10.0 1.5 9.6 341 -6.5 -16.4 2.9 10.2 9.6 14.4

5月 6.1 10.1 1.2 9.9 595 -2.4 -17.7 -14.0 8.1 10.6 14.3

6月 7.0 6.8 10.6 1.4 11.6 465 2.8 -6.3 4.6 1.1 10.2 14.4

7月 6.0 10.5 1.6 9.9 430 -8.4 -8.2 9.6 5.2 13.3 15.7

8月 6.1 10.8 2.0 9.1 602 -5.6 -13.9 23.9 20.9 13.3 15.7

9月 6.9 5.7 10.9 1.6 6.8 603 -3.8 -20.5 5.2 6.1 13.1 15.8

10月 5.6 11.0 1.3 9.3 616 -7.0 -19.0 2.5 2.9 13.5 15.6

11月 6.2 11.2 1.5 10.8 541 -7.2 -9.2 27.7 0.0 13.7 15.3

12月 6.8 5.9 11.1 1.6 6.8 594 -1.7 -7.6 17.2 -45.1 13.3 15.0

2016年

1月 10.3 1.8 18.0 633 -11.5 -18.8 14.1 -2.1 14.0 15.2

2月 10.2 2.3 326 -25.4 -13.8 -11.3 -1.3 13.3 14.7

3 6.7 6.8 10.5 2.3 11.2 299 11.2 -7.4 26.1 4.0 13.4 14.7

4 6.0 10.1 2.3 10.1 456 -2.0 -10.5 21.4 2.9 12.8 14.4

5 6.0 10.0 2.0 7.4 500 -4.7 -0.1 43.6 -4.8 11.8 14.4

注:1.①「実質 GDP 増加率」は前年同期(四半期)比、その他の増加率はいずれも前年同月比である。

2.中国では、旧正月休みは年によって月が変わるため、1 月と 2 月の前年同月比は比較できない場合があるので注意 されたい。また、( )内の数字は 1 月から当該月までの合計の前年同期に対する増加率を示している。

(15)

15

3. ③「消費財小売総額」は中国における「社会消費財小売総額」、④「消費者物価指数」は「住民消費価格指数」に

対応している。⑤「都市固定資産投資」は全国総投資額の 86%(2007 年)を占めている。⑥―⑧はいずれもモノの 貿易である。⑨と⑩は実施ベースである。

出所:①―⑤は国家統計局統計、⑥⑦⑧は海関統計、⑨⑩は商務部統計、⑪⑫は中国人民銀行統計による。

参照

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