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解析学B演習問題 (No. 7)

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Academic year: 2024

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(1)

解析学 B 演習問題 (No. 7)

8/June/2005

1

(1) z 6= 0 とするとき、ew =z をみたす w をすべて求めよ。

(2) z 6= 0に対して、(1)で求めたew =z をみたすwを logz と表す。(従って、elogz =z が成り立っている。) logez の値を求めよ。

2

<z >0,<w >0ならば、logzw= logz+ logwが成り立つことを示せ。但し、logz, logw, logzw は主値とする。

板書用問題

33.

z,w,zw∈C\(−∞,0],z 6=wとする。log(zw)の任意の分枝に対して、logz, logw の適当な分枝を選べば、log(zw) = logz+ logw が成立することを示せ。

34.

z, z2 C\(−∞,0]とする。logz2 の任意の分枝に対して、logz の適当な分枝を選 べば、logz2 = 2 logz が成立するかどうか確かめよ。

35.

ii を求めよ。但し、logi は主値とする。

36.

次の推論は、どこがおかしいのだろうか。

任意の m, n Z をとる。e2mπi =e2nπi = 1 だから、−i 乗して e2 =e2 を 得る。両辺の対数をとると 2 = 2となり、結局 m=n となる。

37.

c∈C, c6= 0 およびδ > 0を任意にとる。このとき、ez =cかつ |argz−π/2|< δ

ez =cかつ |argz+π/2|< δ でもよい)を満たす z が無限個存在することを示せ。

38.

α C とする。z 6= 0 に対して zα :=eαlogz とおく。ただし、logz は主値とする。

このとき、zαD={z C|z 6= 0, |argz|< π} において正則であることを示し、導関 数を求めよ。

39.

a,b, c∈C, a6= 0 とする。(ab)c =abc が成立つかどうか調べよ。

(2)

解析学 B 演習問題 (No. 7) 解答

8/June/2005

1

(1) z 6= 0より、z =|z|eiArgz と極表示できる(Arg z は主値)。w=u+iv とおく と、ew =eueiv とかけるので、ew =z より、eu =|z|, eiv =eiArgz をうる。eiv が周期 2π の周期関数であることに注意すると、u = log|z|, v = Arg z+ 2 (n Z). よって、

求める w は、log|z|+i(Arg z+ 2) (n Z). (あるいは、2 を argz に吸収して、

log|z|+iargz でもよい。)

(2) logezの値のひとつをwとおくと、定義よりew =ezが成り立つ。これより、ew−z = 1 だから、w=z+ 2nπi (n Z).

2

<z >0, <w >0より、|θ|,|ϕ|< π/2 をみたすθ, ϕ を用いて、z =|z|e,w=|w|e と極表示できる。よって、対数の主値はlogz = log|z|+, logw= log|w|+ となる。

一方、zw=|z|e|w|e =|zw|ei(θ+ϕ) およびθ+ϕ (−π, π) となることから、対数の主 値はlogzw= log|zw|+i(θ+ϕ) となる。以上のことから、

logzw= log|zw|+i(θ+ϕ) = log|z|++ log|w|+= logz+ logw.

感想.

1

(1) logz = log|z|+iargz を使って解答している答案もあったが、この問 題はlogz を定義しようという問題だったので、解答するのに logz の定義を使ってはま ずい。また、z = x+iy とおいて argz = arctan(y/x) を使った解答もあったが、この

arctanを使った表現は少々注意が必要である。tan は周期π の周期関数であるため、tan

の逆関数である arctan は多価関数となる。そのため、値域に制限を加えたもの(分枝)

を考えるのだが、特に(−π/2, π/2)に制限したものをarctanの主値と呼んで、Arctanで 表すことにすると、arctanx= Arctan x+ (n∈Z) と書ける。従って、

argz = arctan(y/x) = Arctan(y/x) + (n∈Z) (1) が成立つかというとそうはいかない。実際、z1 = 1, z2 = 1 の場合、arg 1 = 2, arg(1) = (2m−1)π (m Z) であるが、Arctan(0/1) = Arctan(0/(1)) = 0 なので、

n が偶数の場合のみ z1 に対して(1)式が成立するし、n が奇数の場合のみ z2 に対して (1)式が成立することが判る。このように、argz = arctan(y/x) という式は、y/x の値だ けではなく、x,yの符号に応じて適切な分枝を選ぶという操作をしないと成立しない。こ のことに十分注意してほしい。

(2)は問題文中にも書いたlog の定義から成立する式elogz =z を利用して、elogez =ez が成立つことと、ez が周期 2πiの周期関数であることに注意すれば正解に至るのである

(3)

が、「elogez =ez からlogez =z」といったような答案が多かった。また、logez =zloge = z のようなことを使った答案もあったが、log の定義より、loge = 1 + 2nπi. 従って、

zloge=z+ 2nzπiとなってしまうので、すべて主値をとらないと成立しないことが解る

だろう。

2

logz の主値の定義から、Arg (zw) = Arg z+ Argw が成立つことを示せばよ いのであるが、 演習問題No.2

2

にもあるように、(mod 2π ではない本当の等号は)無 条件では成立しない。このことを忘れている答案が多かった。

解説. 複素関数の log は、実関数のlog を使って、

logz := log|z|+iargz

と定義される。argzは2πの整数倍の不定性があるので、logzは無限個の値を取る多価関数 となる。多価関数のままでは扱いづらいこともあるので、通常=(logz) = argz を2πの幅 で区切った範囲に制限して一価関数としたもの(分枝)を考える。特に、=(logz)(−π, π]

をみたす分枝をlogz の主値と呼ぶ。主値をLogz で表すこともある。板書用問題 [11]で みたように、Arg z は (−∞,0] において不連続なので、Logz も (−∞,0] においては不 連続である。しかしながら、Log z{z C:z 6= 0, −π < argz < π}においては正則 である(板書用問題[27] 参照)。では、logzz =1で正則ではないのか、というとそ うではない。別の分枝、logz = log|z|+iargz (0<argz <2π)を考えれば、[27] と同 様にしてこの logz が正則であることが示せる。従って、適切な分枝を選ぶことにより、

logz は C\ {0} において正則であることが解る。

今回の板書用問題にあるように、多価関数の場合は適切な分枝を考えないと、一価の 実関数のような公式は成立しない。多価関数を扱う場合は、どの分枝を考えているのかを 意識しなければならない。

参照

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