解析 I ・演習問題ヒント
(2020
年度版)
はじめに
この資料はホームページ掲載の演習問題
http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/%7Eshinkato/kaiseki1 2020.pdf
のヒント集です。
この演習問題は長年にわたって出題して来たレポートまたは試
験問題のほとんど全てを集めたものなので、かなりたくさん類題
が並んでいます。この問題を利用して学習したい人は、全ての問
題に解答する必要は全くありません。どれとどれが同じタイプ
で、どれとどれが違うタイプか、見極めながら問題を選んで解答
してみて下さい。 ( ただし、式が似ているからと言って同じタイプ
とは限りません。そこは注意が必要です。 )
この演習問題の中で、特に重要もしくは典型的と思われる問題 については、講義ノートでも取り上げ、その解き方や解答につい て解説しますが、残りの問題にについては、解答例は公開しない 方針をとっています。
実際、皆さんがこれから大学で取り組む研究課題や、世の中に 出て直面する問題には解答例はありません。そう言った課題に直 面した時、自分の出した解答がその過程も含めて正しいと言える かどうか、問題を様々な角度から眺めて自ら検証して行く工夫を する必要があります。
その練習台として、講義のオプションであるこれらの演習問題 を活用してほしいと言うのが、解答例を公開しない理由です。
( たとえば、一旦解けたら、次に他の解法を考えてみるとか…。
その方が、類題をたくさんこなすより、余程効果的です。 )
と言っても、ほとんどの問題は、教科書 ( 今回指定のものとは限
りません ) またはインターネット上の解説頁に出ているような例 題の類題なので、それらを参考にすれば解答できると思います。
また、難しめの問題には既にヒントをつけてありますが、今回は
WebClass による遠隔講義と言うことで、通常の講義の際やその後
の休憩時間、或いはオフィスアワーなどでの皆さんからのご質問 に対応する代わりとして、もう少しだけ、解答のヒントをあらか じめご提供しておこうと思います。
なお、講義ノートの方にも書きましたように、演習問題に関す
る質問も、掲示板で受け付けます。
教科書との対応
演習問題の項目 教科書 関数の極限と連続性 § 2, § 3
1変数関数の微分 § 4- § 8
不定積分 § 9, § 11
定積分 § 10, § 11
関数の極限と連続性
1 関数 y = f (x) の逆関数を求めるとは、 x に関する方程式と
思って解く。つまり x を y の式で表すと言うことです。
最初の 3 問に登場する関数
tanh x, sinh x, cosh x
は三角関数とよく似た性質を持つ双曲線関数 ( 教科書 41 頁参照 )
と呼ばれる関数たちです。左から順に、ハイパボリックタンジェ ント、ハイパボリックサイン、ハイパボリックコサインと読み ます。
tan hx, sin hx, cos hx
とは別物ですから、手書きの際は特に注意しましょう。
これらの逆関数を求めるのは、まず e x = X ( 従って
e − x = 1/X ) とおいて、 X について解いた後に x = log X に代入
すればよいでしょう。
2 関数の極限値を求める問題ですが、一般に分数式において微 妙なのは分母・分子が 0 に収束するか、または ±∞ に発散する
場合です。そこで基本方針としては、分母分子を同じもので割る ことにより、少なくとも一方は 0 でない有限な値に収束するよう、
極限をとる前の関数を変形しておくことです。例えば
(1a) (x + 2)(3x − 4)
5x 2 + 6x − 7 = (1 + x 2 )(3 − x 4 ) 5 + x 6 − x 7
2(2a) e x+2 + 3
4e x+5 + 6 = e 2 + 3e − x 4e 5 + 6e − x (3a) a log 2x + b
c log x + d = a(log x + log 2) + b
c log x + d = a + a log 2+b log x
c + log d x
三角関数がらみの問題は
x lim → 0
sin x
x = 1
が基本です。これから、
tan x
x = sin x
x × 1
cos x → 1 × 1
1 = 1 (x → 0)
も使えます。なお、 a, b ̸ = 0 に対して
sin ax
bx = sin ax
ax × a
b → 1 × a
b = a
b (x → 0)
が成り立つことに注意しましょう。極限を取る前に ax = X と置
き換えておけば、 x → 0 のとき X → 0 のため、上の結果が導け
ます。ちなみに、ここで sin が連続であることが効いています。
自然対数の底 ( ネピアの数 ) e がらみの問題は、教科書 16 頁の
公式
x → lim + ∞
1 + 1 x
x
= e
が基本です。ここでも置き換えが重要です。例えば (6a) なら x/a = X と置き換えれば
(
1 + a x
)
bx
=
1 + 1 X
abX
=
1 + 1 X
X