し, ∩
i∈I Eic =∅ ⇔族{Eλc}λ∈Λ が有限交叉性をもたない.
X の部分集合E が開集合であることとEc が閉集合であることは同値であることに注 意すればよい.
Example 3.5.5. 密着位相空間はコンパクトである. 開集合はX と∅だけだから. Example 3.5.6. X を離散位相空間とすると, Xがコンパクト⇔ X が有限集合. Example 3.5.7. n次元ユークリッド空間Rnはコンパクトではない. 実際,{Un(0)}n∈N
はRnの開被覆であるが有限部分被覆をもたない. ただし0∈Rnは原点. 同様にして次がわかる.
Proposition 3.5.8. 距離空間のコンパクト部分集合は有界閉集合である. Proof. Xを距離空間, A ⊂Xをコンパクトとする.
まずAが有界であることを示す. x∈X をひとつとる. A⊂∪
n∈NUn(x)だから, ある N ∈Nが存在してA ⊂UN(x)となりAは有界.
Aが閉集合,すなわち,Acが開集合であることを示そう. x ∈Ac, つまりx̸∈Aとする.
∪
r>0
Er(x) = ∪
r>0
{y∈X d(x, y)> r}=X − {x} ⊃A
だから{Er(x)}r>0はAの開被覆. Aはコンパクトだから有限個のEri(x), i= 1, . . . nで 覆われる. ε= minriとおけばε >0で
A ⊂
∪n i=1
Eri(x) = Eε(x) となり
Uε(x)⊂Eε(x)c ⊂Ac.
より一般にHausdorff空間のコンパクト部分集合は閉集合であることを後で示す. ユークリッド空間では逆も成り立つ. まず1次元の場合を示そう. 後でコンパクト空間 の性質を用いてn次元の場合を示す.
Theorem 3.5.9 (Heine-Borel). 1次元ユークリッド空間Rの有界閉集合はコンパクト である. とくに有界閉区間はコンパクトである.
Proof. A ⊂ R を有界閉集合とし, A の閉集合族 {Fλ}λ∈Λ が有限交叉性をもつとする
(Λ̸=∅のときを考えればよい)と, a:= inf
{
max∩
i∈I
Fi ∅ ̸=I ⊂Λ, ♯I <∞ }
とおけば, 任意のλ∈Λに対し a = inf
{
max∩
i∈I
Fi λ ∈I ⊂Λ, ♯I < ∞ }
∈Fλ
ゆえ∩
λ∈ΛFλ ̸=∅となり, Aはコンパクトである.
もう少し丁寧に書いてみよう. Rの空でない有界閉集合は最大元, 最小元をもつことに 注意する(Cor. 2.8.7).
P ={I ⊂Λ I ̸=∅, ♯I <∞}とおき, λ∈Λに対しPλ={I ∈P λ∈I}とおく. またI ∈P に対し
FI = ∩
i∈I
Fi, aI = maxFI ∈FI
とおく. (A がRの有界閉集合なのでFI もRの有界閉集合で, 仮定より I が有限集合 のときはFI ̸= ∅であるからFI には最大元が存在する.)I ⊂ J のとき FI ⊃ FJ だから aI ≥aJ であることに注意する. さらに
a= inf
I∈PaI, aλ= inf
I∈Pλ
aI
とおく. (Λ̸=∅だからP ̸=∅であり, aI ∈AでAは有界だからこの下限は存在する.) I ∈Pλのとき, λ ∈IだからFI ⊂FλゆえaI ∈Fλである. よって
aλ= inf{aI I ∈Pλ} ∈ {aI I ∈Pλ}a⊂Fλa =Fλ. したがって, 任意の λ ∈ Λ に対し, a = aλであることを示せば, a ∈ ∩
λ∈ΛFλ ̸= ∅が分 かる.
Pλ ⊂P だからaλ≥aである.
一方, 任意のI ∈P に対し, I ⊂I ∪ {λ} ∈Pλであるから, aλ ≤aI∪{λ} ≤ aI となり, aλ≤ inf
I∈PaI =a.
本質的には上の議論と同じであるが, a ∈Fλを示すのは以下のようにしてもよい. (2 012年度の講義では以下の議論を用いた.)
任意の ε > 0 に対し, [a, a +ε)∩ Fλ ̸= ∅ であることを示せばよい. (このとき a ∈ Fλa = Fλ となるから.)a は下限だから, ある有限部分集合 I ⊂ Λ が存在し,
aI < a+εとなる. I∪ {λ}は有限集合でI を含むので a ≤aI∪{λ} ≤aI < a+ε となりaI∪{λ} ∈[a, a+ε). また
aI∪{λ} ∈FI∪λ ⊂Fλ
ゆえaI∪{λ} ∈[a, a+ε)∩Fλ̸=∅.
Remark . 一般の距離空間では有界閉ならコンパクトなんてことはない. (0,1)とか離散
距離空間とか...
exercise 174. Z をRにZariski位相をいれた位相空間とする. 1. Z はコンパクトであることを示せ.
2. Z のコンパクト部分集合はどのようなものか?
コンパクト空間の性質を調べよう.
Proposition 3.5.10. A1, A2 ⊂X がコンパクトならばA1∪A2 もコンパクトである. Proof. {Oλ}λ∈Λを部分集合A1∪A2の開被覆,すなわち,OλはXの開集合で,A1∪A2 ⊂
∪Oλであるとする. あきらかに{Oλ}はAiの開被覆であり, 仮定よりAiはコンパクト なのである有限部分集合Ji ⊂Λが存在してAi ⊂∪
j∈JiOj となる. J =J1∪J2 ⊂Λは 有限集合でありA1∪A2 ⊂∪
j∈JOj となる, つまり, {Oj}j∈J は{Oλ}λ∈Λの有限部分被 覆である. よってA1∪A2はコンパクトである.
Theorem 3.5.11. コンパクト空間の閉部分集合はコンパクトである.
Proof. X をコンパクト空間とし, A ⊂X を閉部分集合とする. {Oλ}λ∈ΛをAの開被覆, すなわちOλはX の開集合で,A ⊂∪
Oλであるとする. このとき{Oλ} ∪ {Ac}はX の 開被覆である. X はコンパクトなので, ある有限部分集合I ⊂ Λ で, X = ∪
i∈I Oi∪Ac となるものがある. あきらかにA ⊂∪
i∈IOi である.
Theorem 3.5.12. コンパクト空間の連続写像による像はコンパクトである.
Proof. X, Y を位相空間, f: X → Y を連続写像とし, X はコンパクトであるとする. f(X) がコンパクトであることを示そう. {Oλ}λ∈Λ をf(X)の開被覆, すなわちOλ は Y の開集合で, f(X) ⊂ ∪
λ∈ΛOλ であるとする. X の部分集合族 {f−1(Oλ)}λ∈Λ を 考える. f は連続だから f−1(Oλ) はX の開集合である. また, f(X) ⊂ ∪
Oλ だから X ⊂ f−1(∪
Oλ) = ∪
f−1(Oλ). よって {f−1(Oλ)} は X の開被覆である. X はコ
ンパクトだから, ある有限部分集合 I ⊂ Λ で, X = ∪
i∈If−1(Oi) となるものがある. f(X) =f(∪
i∈If−1(Oi))
⊂∪
i∈I Oi.
Remark . コンパクト集合の連続写像による逆像はコンパクトとは限らない. 例えばR上
の定数関数を考えてみよ.
Corollary 3.5.13. コンパクト性は位相的性質である.
Corollary 3.5.14. コンパクト空間上の実数値連続関数は最大値と最小値をとる.
Proof. X をコンパクト, f: X → Rを連続関数とすると, 像f(X)はRのコンパクト集 合だから有界閉集合. よってf(X)には最大元, 最小元が存在する.
Corollary 3.5.15. 有界閉区間上の連続関数は最大値と最小値をとる. Theorem 3.5.16. X, Y ともにコンパクトならX×Y もコンパクト. Proof. {Oλ}λ∈ΛをX ×Y の開被覆とする.
U ={U ×V U ∈ OX, V ∈ OY,∃λ∈Λ : U ×V ⊂Oλ}
とすると U も X ×Y の開被覆である. (X ×Y の開集合は, X の開集合とY の開 集合の直積の和集合として表されるのであった.)U が有限部分被覆をもつことを示そ う. x ∈ X をひとつとる. {x} × Y は Y と同相だからコンパクト. よって U の有 限個の元 Ux1 × Vx1, . . . , Uxnx ×Vxnx が存在し, {x} × Y ⊂ ∪nx
i=1Uxi × Vxi となる. {x} ×Y ∩Uxi×Vxi ̸=∅としてよい. Wx =∩nx
i=1Uxi とおくと(有限個の開集合の共通 部分なので)WxはX の開集合でありx∈Wxである. また
Y =p2({x} ×Y)⊂p2 (n
∪x
i=1
Uxi×Vxi )
=
nx
∪
i=1
p2(Uxi×Vxi) =
nx
∪
i=1
Vxi だから
Wx×Y =Wx×
nx
∪
i=1
Vxi =
nx
∪
i=1
Wx×Vxi ⊂
nx
∪
i=1
Uxi×Vxi
である(絵を描いてみよ). 各x ∈ X に対しこのようにして Wx をとればX の開被覆 {Wx}x∈X がえられる. X はコンパクトだからある有限個の点x1, . . . , xm∈ Xが存在し, X =∪m
i=1Wxi となる. よって X×Y =
∪m i=1
Wxi×Y ⊂
∪m i=1
n∪xi
j=1
Uxij×Vxij
となり U の有限部分被覆がえられた. 各i, j に対しUxij ×Vxij ⊂ Oλij となるλij ∈ Λ を選べばX×Y ⊂∪
ijOλij となり{Oλ}の有限部分被覆がえられる.
Remark . 上の証明では選択公理をこっそり使っているが, うまく工夫すれば選択公
理を使わないように出来る. 無限個の直積の場合も同様なことが成り立つ(チコノフ
(Tikhonov)の定理)が,こちらは選択公理が必要(選択公理と同値)であり証明はもう少
し面倒.
exercise 175. X ̸=∅, Y ̸=∅, X×Y コンパクトとする. このとき,X,Y ともにコンパ クトであることを示せ.
これから次が示せる.
Theorem 3.5.17 (Heine-Borel). ユークリッド空間Rn の部分集合がコンパクトである ための必要十分条件は有界閉集合であること.
Proof. コンパクトなら有界閉集合であることは既に示した.
A ⊂ Rn が有界閉集合であるとする. 有界であるからある K ∈ R が存在して, A ⊂[−K, K]nとなる. Thm. 3.5.9より[−K, K]はコンパクトであるから, Thm. 3.5.16 より[−K, K]nもコンパクトである. (RnとR× · · · ×Rは同相,問題集196参照.)Aは コンパクト空間[−K, K]nの閉集合であるからThm.3.5.11よりコンパクトである. Example 3.5.18 (cf. exe 140). S1 から[0,1)への連続な全射は存在しない. とくにS1 と[0,1)は同相ではない. S1 はR2 の有界閉集合だからコンパクトであり, [0,1)はRの 閉集合ではないのでコンパクトではないから.
コンパクトHausdorff空間について調べよう.
Theorem 3.5.19. Hausdorff空間のコンパクト集合は閉集合である.
Proof. X をHausdorff空間, A ⊂X をコンパクト部分集合, x ∈Ac とする. xがAc の 内点であることを示そう.
a ∈ A とすると, x ̸= aであり, X がHausdorffなので, x の開近傍Ua とaの開近傍 VaでUa∩Va =∅となるものが存在する. 各a∈Aに対しこのような組Ua, Vaをひとつ 選ぶ. (あるいはこのような組全てを考える等すれば選択公理はいらない, 例えば
Λ = {(a, V) a∈A, V: open, a∈V, x∈Ve}
){Va}a∈A はAの開被覆であり, A はコンパクトなので, あるa1, . . . an ∈ Aが存在し, A ⊂ ∪n
i=1Vai となる. U := ∩n
i=1Uai とおけば, U はx の開近傍であり, U ∩Vai ⊂