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コンパクト空間

ドキュメント内 幾何学序論講義ノート (ページ 194-200)

し, ∩

iI Eic =∅ ⇔{Eλc}λ∈Λ が有限交叉性をもたない.

X の部分集合E が開集合であることとEc が閉集合であることは同値であることに注 意すればよい.

Example 3.5.5. 密着位相空間はコンパクトである. 開集合はXだけだから. Example 3.5.6. X を離散位相空間とすると, Xがコンパクト X が有限集合. Example 3.5.7. n次元ユークリッド空間Rnはコンパクトではない. 実際,{Un(0)}nN

はRnの開被覆であるが有限部分被覆をもたない. ただし0Rnは原点. 同様にして次がわかる.

Proposition 3.5.8. 距離空間のコンパクト部分集合は有界閉集合である. Proof. Xを距離空間, A ⊂Xをコンパクトとする.

まずAが有界であることを示す. x∈X をひとつとる. A⊂

nNUn(x)だから, ある N Nが存在してA UN(x)となりAは有界.

Aが閉集合,すなわち,Acが開集合であることを示そう. x ∈Ac, つまりx̸∈Aとする.

r>0

Er(x) = ∪

r>0

{y∈X d(x, y)> r}=X − {x} ⊃A

だから{Er(x)}r>0Aの開被覆. Aはコンパクトだから有限個のEri(x), i= 1, . . . nで 覆われる. ε= minriとおけばε >0で

A

n i=1

Eri(x) = Eε(x) となり

Uε(x)Eε(x)c ⊂Ac.

より一般にHausdorff空間のコンパクト部分集合は閉集合であることを後で示す. ユークリッド空間では逆も成り立つ. まず1次元の場合を示そう. 後でコンパクト空間 の性質を用いてn次元の場合を示す.

Theorem 3.5.9 (Heine-Borel). 1次元ユークリッド空間Rの有界閉集合はコンパクト である. とくに有界閉区間はコンパクトである.

Proof. A R を有界閉集合とし, A の閉集合族 {Fλ}λΛ が有限交叉性をもつとする

(Λ̸=のときを考えればよい)と, a:= inf

{

max∩

iI

Fi ∅ ̸=I Λ, ♯I <∞ }

とおけば, 任意のλ∈Λに対し a = inf

{

max∩

iI

Fi λ ∈I Λ, ♯I < }

∈Fλ

ゆえ∩

λ∈ΛFλ ̸=となり, Aはコンパクトである.

もう少し丁寧に書いてみよう. Rの空でない有界閉集合は最大元, 最小元をもつことに 注意する(Cor. 2.8.7).

P ={I Λ I ̸=∅, ♯I <∞}とおき, λ∈Λに対しPλ={I ∈P λ∈I}とおく. またI ∈P に対し

FI = ∩

iI

Fi, aI = maxFI ∈FI

とおく. (A がRの有界閉集合なのでFI もRの有界閉集合で, 仮定より I が有限集合 のときはFI ̸= であるからFI には最大元が存在する.)I J のとき FI FJ だから aI ≥aJ であることに注意する. さらに

a= inf

I∈PaI, aλ= inf

I∈Pλ

aI

とおく. (Λ̸=だからP ̸=であり, aI ∈AAは有界だからこの下限は存在する.) I ∈Pλのとき, λ ∈IだからFI ⊂FλゆえaI ∈Fλである. よって

aλ= inf{aI I ∈Pλ} ∈ {aI I ∈Pλ}a⊂Fλa =Fλ. したがって, 任意の λ Λ に対し, a = aλであることを示せば, a

λΛFλ ̸= が分 かる.

Pλ ⊂P だからaλ≥aである.

一方, 任意のI ∈P に対し, I ⊂I ∪ {λ} ∈Pλであるから, aλ ≤aI∪{λ} aI となり, aλ inf

IPaI =a.

本質的には上の議論と同じであるが, a ∈Fλを示すのは以下のようにしてもよい. (2 012年度の講義では以下の議論を用いた.

任意の ε > 0 に対し, [a, a +ε) Fλ ̸= であることを示せばよい. (このとき a Fλa = Fλ となるから.)a は下限だから, ある有限部分集合 I Λ が存在し,

aI < a+εとなる. I∪ {λ}は有限集合でI を含むので a ≤aI∪{λ} ≤aI < a+ε となりaI∪{λ} [a, a+ε). また

aI∪{λ} ∈FIλ ⊂Fλ

ゆえaI∪{λ} [a, a+ε)∩Fλ̸=.

Remark . 一般の距離空間では有界閉ならコンパクトなんてことはない. (0,1)とか離散

距離空間とか...

exercise 174. Z をRZariski位相をいれた位相空間とする. 1. Z はコンパクトであることを示せ.

2. Z のコンパクト部分集合はどのようなものか?

コンパクト空間の性質を調べよう.

Proposition 3.5.10. A1, A2 ⊂X がコンパクトならばA1∪A2 もコンパクトである. Proof. {Oλ}λ∈Λを部分集合A1∪A2の開被覆,すなわち,OλXの開集合で,A1∪A2

Oλであるとする. あきらかに{Oλ}Aiの開被覆であり, 仮定よりAiはコンパクト なのである有限部分集合Ji Λが存在してAi

jJiOj となる. J =J1∪J2 Λ 有限集合でありA1∪A2

jJOj となる, つまり, {Oj}jJ{Oλ}λΛの有限部分被 覆である. よってA1∪A2はコンパクトである.

Theorem 3.5.11. コンパクト空間の閉部分集合はコンパクトである.

Proof. X をコンパクト空間とし, A ⊂X を閉部分集合とする. {Oλ}λ∈ΛAの開被覆, すなわちOλX の開集合で,A

Oλであるとする. このとき{Oλ} ∪ {Ac}X の 開被覆である. X はコンパクトなので, ある有限部分集合I Λ で, X = ∪

i∈I Oi∪Ac となるものがある. あきらかにA

iIOi である.

Theorem 3.5.12. コンパクト空間の連続写像による像はコンパクトである.

Proof. X, Y を位相空間, f: X Y を連続写像とし, X はコンパクトであるとする. f(X) がコンパクトであることを示そう. {Oλ}λΛf(X)の開被覆, すなわちOλY の開集合で, f(X)

λΛOλ であるとする. X の部分集合族 {f1(Oλ)}λΛ を 考える. f は連続だから f1(Oλ) はX の開集合である. また, f(X)

Oλ だから X f1(∪

Oλ) = ∪

f1(Oλ). よって {f1(Oλ)} X の開被覆である. X はコ

ンパクトだから, ある有限部分集合 I Λ で, X = ∪

iIf1(Oi) となるものがある. f(X) =f(∪

iIf1(Oi))

iI Oi.

Remark . コンパクト集合の連続写像による逆像はコンパクトとは限らない. 例えばR

の定数関数を考えてみよ.

Corollary 3.5.13. コンパクト性は位相的性質である.

Corollary 3.5.14. コンパクト空間上の実数値連続関数は最大値と最小値をとる.

Proof. X をコンパクト, f: X Rを連続関数とすると, 像f(X)はRのコンパクト集 合だから有界閉集合. よってf(X)には最大元, 最小元が存在する.

Corollary 3.5.15. 有界閉区間上の連続関数は最大値と最小値をとる. Theorem 3.5.16. X, Y ともにコンパクトならX×Y もコンパクト. Proof. {Oλ}λΛX ×Y の開被覆とする.

U ={U ×V U ∈ OX, V ∈ OY,∃λ∈Λ : U ×V ⊂Oλ}

とすると U X ×Y の開被覆である. (X ×Y の開集合は, X の開集合とY の開 集合の直積の和集合として表されるのであった.)U が有限部分被覆をもつことを示そ う. x X をひとつとる. {x} × YY と同相だからコンパクト. よって U の有 限個の元 Ux1 × Vx1, . . . , Uxnx ×Vxnx が存在し, {x} × Y nx

i=1Uxi × Vxi となる. {x} ×Y ∩Uxi×Vxi ̸=としてよい. Wx =∩nx

i=1Uxi とおくと(有限個の開集合の共通 部分なので)WxX の開集合でありx∈Wxである. また

Y =p2({x} ×Y)⊂p2 (n

x

i=1

Uxi×Vxi )

=

nx

i=1

p2(Uxi×Vxi) =

nx

i=1

Vxi だから

Wx×Y =Wx×

nx

i=1

Vxi =

nx

i=1

Wx×Vxi

nx

i=1

Uxi×Vxi

である(絵を描いてみよ). 各x X に対しこのようにして Wx をとればX の開被覆 {Wx}xX がえられる. X はコンパクトだからある有限個の点x1, . . . , xm Xが存在し, X =∪m

i=1Wxi となる. よって X×Y =

m i=1

Wxi×Y

m i=1

nxi

j=1

Uxij×Vxij

となり U の有限部分被覆がえられた. 各i, j に対しUxij ×Vxij Oλij となるλij Λ を選べばX×Y

ijOλij となり{Oλ}の有限部分被覆がえられる.

Remark . 上の証明では選択公理をこっそり使っているが, うまく工夫すれば選択公

理を使わないように出来る. 無限個の直積の場合も同様なことが成り立つ(チコノフ

(Tikhonov)の定理)が,こちらは選択公理が必要(選択公理と同値)であり証明はもう少

し面倒.

exercise 175. X ̸=, Y ̸=, X×Y コンパクトとする. このとき,X,Y ともにコンパ クトであることを示せ.

これから次が示せる.

Theorem 3.5.17 (Heine-Borel). ユークリッド空間Rn の部分集合がコンパクトである ための必要十分条件は有界閉集合であること.

Proof. コンパクトなら有界閉集合であることは既に示した.

A Rn が有界閉集合であるとする. 有界であるからある K R が存在して, A [−K, K]nとなる. Thm. 3.5.9より[−K, K]はコンパクトであるから, Thm. 3.5.16 より[−K, K]nもコンパクトである. (RnR× · · · ×Rは同相,問題集196参照.)Aは コンパクト空間[−K, K]nの閉集合であるからThm.3.5.11よりコンパクトである. Example 3.5.18 (cf. exe 140). S1 から[0,1)への連続な全射は存在しない. とくにS1 と[0,1)は同相ではない. S1 R2 の有界閉集合だからコンパクトであり, [0,1)R 閉集合ではないのでコンパクトではないから.

コンパクトHausdorff空間について調べよう.

Theorem 3.5.19. Hausdorff空間のコンパクト集合は閉集合である.

Proof. X をHausdorff空間, A ⊂X をコンパクト部分集合, x ∈Ac とする. xAc の 内点であることを示そう.

a A とすると, x ̸= aであり, X がHausdorffなので, x の開近傍Uaaの開近傍 VaUa∩Va =となるものが存在する. 各a∈Aに対しこのような組Ua, Vaをひとつ 選ぶ. (あるいはこのような組全てを考える等すれば選択公理はいらない, 例えば

Λ = {(a, V) a∈A, V: open, a∈V, x∈Ve}

{Va}aAAの開被覆であり, A はコンパクトなので, あるa1, . . . an Aが存在し, A n

i=1Vai となる. U := ∩n

i=1Uai とおけば, Ux の開近傍であり, U ∩Vai

ドキュメント内 幾何学序論講義ノート (ページ 194-200)