再生医療の実現化プロジェクト
東京大学拠点における進捗と取り組み
研究代表者:中内 啓光
基本研究体制
再生医療の実現化加速
再生医療の実現化加速
基盤技術研究
基盤技術研究
1.
臨床応用の実現化の加速
① 血液細胞を標的とする臨床応用 ② 膵臓再生 ③ 骨・軟骨再生2.
疾患特異的iPS細胞の樹立・保存
1. 樹立法の標準化
2. 培養法の標準化
3. 安全性評価法の標準化
4. 安全性強化技術の開発
5. 分化誘導制御法の開発
6. iPS細胞技術の啓発
• 幹細胞を用いた次世代遺伝子細胞治療法の開発
•
iPS細胞技術の標準化と普及
• 医学・創薬研究の材料として利用
東大拠点の目指すところ
無血清・無フィーダー環境でのiPS細胞を樹立
ESF9
TeSR2
TeSR2
ESF9
ESF9、P5
ゲノム解析による iPS 細胞株の評価系の確立
各研究室で樹立されたiPS細胞をSNIPア
レイを用いて解析。
42株のiPS細胞かのうち12株でゲノムの
変異を認め、長期の培養がiPS細胞のゲ
ノムに変異を導入することが確認された。
60継代するとほぼ全てのiPS細胞のゲノ
ムに変異が見つかった!
長期培養がゲノムに与える影響を解析
する必要がある
passage 7 passage 39プロスペクティブスタディの必要性
東京大学拠点ヒト iPS 細胞における
安全性評価のためのプロスペクティブスタディ
•東京大学ステムセルバンク •高山・江藤 ヒトiPS細胞クローンの樹立低酸素培養
• •東京大学ステムセルバンク東京大学ステムセルバンク • •高山・江藤高山・江藤 ヒト ヒトiPSiPS細胞クローンの樹立細胞クローンの樹立低酸素培養
低酸素培養
•東京大学医学部がんゲノミクス •小川高密度 SNP アレイに
よる変異の検出
• •東京大学医学部がんゲノミクス東京大学医学部がんゲノミクス • •小川小川高密度
高密度
SNP
SNP
アレイに
アレイに
よる変異の検出
よる変異の検出
•東京大学総合文化研究科 •道上無血清培養
• •東京大学総合文化研究科東京大学総合文化研究科 • •道上道上無血清培養
無血清培養
•東京大学医学部附属病院 •菱川合成ハイドロゲル
• •東京大学医学部附属病院東京大学医学部附属病院 • •菱川菱川合成ハイドロゲル
合成ハイドロゲル
•成育医療センター •阿久津ヒトフィーダー
• •成育医療センター成育医療センター • •阿久津阿久津ヒトフィーダー
ヒトフィーダー
クローンの配布
検体の提出
ゲノムへの変異が最も入り難い培養法は?
ゲノム安定性のプロスペクティブスタディ
現時点でのまとめ
• 樹立過程から早期 passage の間に変異が検出され、後期
培養まで維持された。
• クローン間ならびに培養操作によっても変異導入頻度に違
いが見られた。
• 既報の hot spot 変異である 20q11 gain が高率に認められ
た。
造血幹細胞 前駆細胞
iPS
iPS
細胞から血液を作る
細胞から血液を作る
iPS細胞
試験管内での増殖には限界
試験管内で無限に増殖
赤血球、血小板: 献血に代わる安定した輸 血のソースとして 赤血球、血小板: 献血に代わる安定した輸 血のソースとして リンパ球、NK細胞: 感染症、抗がん治療 リンパ球、NK細胞: 感染症、抗がん治療 肥満細胞: アレルギー薬のスク リーニングに 肥満細胞: アレルギー薬のスク リーニングに 文科省再生医療の実現化プロジェクトhiPS/AGMS‐3 coculture Total cell harvest and re‐culture in low FBS (0~3%) condition +SCF+IL6 +FL(+TPO+IL3) 4~6 weeks Mature Mast Cells (purity:95%) 2 weeks
Tuluidine Blue
Alcian Blue
May‐Geimsa
tryptase chymase mergedヒトiPS細胞からの肥満細胞への分化誘導
c‐kit IgE‐R (CRA‐1) Cathepsin‐G CD203c Cathepsin‐G Carboxypeptidase‐Aアレルギー疾患を対象とした創薬研究
への応用が始まっている
ヒトiPS細胞からの赤血球への分化誘導
標準化を考慮し、ヒトiPS細胞と自家ストローマ細胞との共培養系を開発
マラリアの研究にも貢献
患者さんの血清を用いて 自己のiPS細胞分化を 支持するストローマ細胞 を作る 患者さんの体細胞から iPS細胞を作る 自家ストローマ細胞を使って 自己のiPS細胞から造血細胞 を作る 自己血清を使って 造血細胞から赤血球を 作る 輸血 患者さんがん・ウイルスとの長期戦で
がん・ウイルスとの長期戦で
有用な
有用な
T
T
細胞は老化・疲弊している
細胞は老化・疲弊している
抗原反応性
増殖・分化能
長期生存能
強力な細胞障害性
短期生存
ナイーブT細胞 ナイーブT細胞 エフェクター メモリーT細胞 エフェクター メモリーT細胞 エフェクター T細胞 エフェクター T細胞 セントラル メモリーT細胞 セントラル メモリーT細胞 疲弊T細胞 疲弊T細胞最大
最小
ヒト
ヒト
T
T
-
-
iPS
iPS
細胞を利用した
細胞を利用した
抗原特異的免疫再生療法を開発
抗原特異的免疫再生療法を開発
がん・慢性ウイルス感染症
患者
疲弊した
抗原特異的T細胞
T-iPS細胞
同一の 同一の TCR TCR再構成情報再構成情報免疫再生
免疫再生
療法
療法
成熟T細胞への
再分化誘導
無限の増殖能を生かした
拡大培養
リフレッシュした大量の
抗原特異的再分化T細胞
Takayama et al., JEM 2010
iPS-plts
In vivo thrombus formation
ヒト
高効率産生のための不死化巨核球細胞株の開発
iPS cells (source) Mesoderm Hematopoietic progenitor cell Mature mega-karyocytes Self-replicating progenitor Proliferation DifferentiationiPS
Cell
(source)
未熟巨核球前駆体
を自己複製に
よって増幅
中胚葉
造血
前駆細胞
成熟
巨核球
血小板
製剤
巨核球細胞株由来血小板は生体内 で機能を有することを確認IC-iPS細胞から作製する
巨核球細胞株(iMKPC)の有
効性、安全性の確認
IC-iPS細胞から作製する
巨核球細胞株(iMKPC)の有
効性、安全性の確認
YES
NO
血小板放出
デバイス
血小板回収
デバイス
培養液
保存液
Phase II以降の課題
Phase II以降の課題
Phase I
ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ ((HSVHSV--TKTK)) + + ガンシクロビルガンシクロビル ((GCV: GCV: 抗ウイルス薬)の組み合わせは抗ウイルス薬)の組み合わせは
臨床において安全性・有用性が示されている唯一の細胞死誘導システム
臨床において安全性・有用性が示されている唯一の細胞死誘導システム
TK/GCV
TK/GCV
細胞死誘導システムによる
細胞死誘導システムによる
fail safe system
fail safe system
の開発
の開発
どんなに選別しても腫瘍化リスクをゼ
どんなに選別しても腫瘍化リスクをゼ
ロにはできない
ロにはできない
iPS iPS 細胞細胞 分化細胞 分化細胞移植片中の未分化
移植片中の未分化
iPS
iPS
細胞を
細胞を
選択的に
選択的に
排除する
排除する
fail safe
fail safe
システムを開発した
システムを開発した
腫瘍化
腫瘍化
First in Human study
First in Human study
における安全性
における安全性
を確保するシステムが必要
- 臨床応用における安全性強化技術の確立 –
分化培養用フィーダー細胞のマスターセルバンク化
厚労省指針「異種移植」に相当する
血球分化培養系にはストローマ細胞との共培養が必要
フィーダー細胞のマスターセルバンク化
感染微生物の持ち込みリスクを最小限に
H22年度までに C3H 10T1/2 細胞の
マスターセルバンク化を終了
疾患特異的 iPS 細胞の樹立と保存
先天性無巨核球性血小板減少症
Bernard‐Soulier 症候群
DiGeorge 症候群
ADA 欠損症
慢性肉芽腫症
ICF 症候群
花粉症
アトピー性皮膚炎
重症先天性好中球減少症
周期性好中球減少症
以上の疾患患者からiPS細胞を樹立
東大拠点では第II期において、幹細胞を用いた次世代遺伝子細胞治療法の開発拠点 として血液系細胞を中心とした分化誘導技術の開発、安全性確保のための技術開発、 治療法の開発研究等を行なってきた。 前記24年度の目標を横断的、かつ機能的に推進してゆくなかで、東大拠点としては 再生医療の実現に向けて以下の項目を重点課題として取り組んでゆく。
平成24年度の重点課題
平成24年度の重点課題
1) iPS細胞からの誘導血液細胞による次世代輸血療法
2) 抗原特異的Tリンパ球由来iPS細胞から誘導した
モノクローナルTリンパ球を用いた次世代免疫再生療法
3) iPS細胞から分化誘導した軟骨による関節の再生
4) 患者由来iPS細胞を利用した遺伝性疾患の遺伝子細胞治療
5) iPS細胞から分化誘導した膵臓細胞による糖尿病治療
6) iPS細胞の臨床応用の安全性を担保する評価技術開発
1) iPS細胞からの誘導血液細胞による次世代輸血療法
2) 抗原特異的Tリンパ球由来iPS細胞から誘導した
モノクローナルTリンパ球を用いた次世代免疫再生療法
3) iPS細胞から分化誘導した軟骨による関節の再生
4) 患者由来iPS細胞を利用した遺伝性疾患の遺伝子細胞治療
5) iPS細胞から分化誘導した膵臓細胞による糖尿病治療
6) iPS細胞の臨床応用の安全性を担保する評価技術開発
細胞維持・分化誘導等の技術講習会
培養トレーニングプログラムの実施
•
2011年 6月30日、7月1日
• 座学
: 78名
• 実技講習
: 17名参加
• テキストの新規作製と配布
•
2011年 6月30日、7月1日
• 座学
: 78名
• 実技講習
: 17名参加
• テキストの新規作製と配布
3 年間で 275 名の参加
3 年間で 275 名の参加
Funding Therapies
Fueling Hope
•
Proposition 71(the California Stem Cell Research and Cures Act), voted by
the people of California on November 2004
•
Authorizing to sell $ 3 billon in state bonds over period of 10 years to
fund stem cell research in California
•
CIRM: the world’s first agency dedicated to funding stem cell research
•
To date, funded more than 450 grants worth $1.2 Billion
•
Drawn the world’s leading experts in stem cell science, biotechnology
community and international collaboration
幹細胞、再生医療研究におけるカリフォルニア州の競争力を
高めようという戦略的な投資
CIRM Stem Cell Research Funding
485 Awards, $1.3 Billions
•
Facilities
12 Major Facilities
$ 270 M
•
Basic Research
More than 220 awards
$ 308 M
•
Therapy Development
More than 100 awards
$ 330 M
•
Facilities
12 Major Facilities
$ 270 M
•
Basic Research
More than 220 awards
$ 308 M
•
Therapy Development
More than 100 awards
$ 330 M
Projects Moving Toward Disease
Therapies
Early Translation generating proof of concept (POC) of a development candidate (DC) 29 projects, $ 143M
Disease Team to file IND with the FDA, 14 projects, $225M. Disease Team II will commence summer 2012 ($ 240 M projection)
Targeted Clinical Development Loan to Geron ($ 25M). However, Geron gave up the clinical trial . No
Fundamental Biology Early Translational Research Disease Team Research I Disease Team Research II Targeted Clinical Development File IND Candidate Discovery Research Phase 1 Clinical Research Phase 2 Clinical Research Basic Research Research Preclinical Research Preclinical Dev. Select Development Candidate (DC) Preclinical Proof of Concept (POC)
CIRM’s Translational Portfolio
Disease Area Disease GOAL
Cancer (Hematologic) Leukemia 2IND, 2DC Cancer (Solid tumor) Colon, Ovarian, Brain tumor 3IND, 1DC Neurologic Injury Spinal Cord Injury, Stroke, Trauma 1IND, 2POC
Neurodegenerative Disease ALS, Alzheimer, Parkinson (hESC & hiPSC) 1IND, 5DC, 1POC Pediatric Neurologic Canavan, Spinal Muscular Atrophy 1DC, 1POC
Neurologic Disorders Autism, Epilepsy 2POC
Eye Disease Macular degeneration (hESC & hiPSC) etc. 1IND 3DC, 1POC HIV/AIDS AIDS Lymphoma 2IND, 1DC
Diabetes Type I Diabetes, Diabetic Ulcers 1IND, 2DC Blood Disorders Sickle Cells, Fanconi Anemia, XSCID 1IND, 1DC Bone and Cartridge Spinal fusion, Osteoporosis, Arthritis etc. 3DC, 1POC Muscle and Skin Muscular Dystrophy, Epidermolysis Bullosa 1IND, 1POC
Organ Failure & others Heart Failure, Liver Failure etc. 2IND, 2DC, 1POC
Project Goals : IND‐file an approvable IND with the FDA, DC‐achieve a development candidate, POC‐ show feasibility of potential development candidate, by proof of concept
CIRM Funding Strategy: Toward Therapy
Development
Therapy Investment in
再生医療実現のためのCIRMの戦略
• 研究開発に立ちはだかるバリアを取り除く – 医学的および規制当局審査レベルでのハードルを把握し、研究者にアドバイスする – 幹細胞研究の促進するTool and Technologies(遺伝子組換え、体内イメージング)等への技術開 発への助成 • FDAとの対話 – 幹細胞に関する規制を理解して申請者がスムーズに規制をクリアできるようサポートする • 革新的な研究資金投資の戦略 – 基礎から臨床治験まで開発段階ごとにグラントを設定することによりすべてのステージでの幹細 胞研究を滞りなくサポートできる体制を整える • プロジェクトチームの促進 – 疾患チームには4年間で治験実現という大きな課題がある。達成の為 幹細胞開発、動物前臨 床実験、レギュレトリー、製造、疾患の専門医、そして治験実施などの各分野担当のエクスパート でチームを結成できるよう促進する • 国際共同研究開発 – 世界の幹細胞研究エクスパートとの共同開発を促進して幹細胞、再生医療研究におけるカリフォ ルニア州の競争力を高める28