金澤馨科犬學病理學教室
(主任中村教授)
肺臓ノ異物(動物實験)
其ノー 石松子注入ニコル肺臓ノ愛化
研究科學生華岡陽之助
(昭和6年12月12日受附)
目 緒 諭
第一章 實験材料及研究方法.
第二車検育所見 第三章所見概括 第四章 考 接
第一節眉極子テ食麗水二浮游セシメ肺内 二注入セシ際ミ於少ル英ノ分布状 態
次
第二節肺内侵入異物ノ運命 第三飾 異物ミ…1ル腕組織ノ饗化 第四節所謂格子朕繊維ノ異物昌野スル態 度反英ノ本態
結 論 附 義 文 蹴 附 圃
繕 論
肺ト異物トノ關係二就テハ古クヨリ幾多ノ研究業績アリ.Pe・rs㎝(18工3)(暑。i及Laさmec
(1806−18〃):50〕ノ両氏ガ各自獺立二肺及氣管枝淋巴腺二塵挨特二炭末ノ沈着ラ認メ,之テ 生観ノ生産物ナリト考ベテ以來,幾多ノ論筆ラ経,實験的研究及病理解剖學的研究ノ結果ヨ
リ,吸氣中ノ微粒鵠ハ疾ト共二喀出セラレザル限リ,組織内二侵入スル事ハ明白ナル事費ト
ナレリ.
.新ク氣道ヲ経テ肺二侵入シタル異物二対スル肪組織ノ態度特二遊走細胞ノ種類及其ノ本 態,或ハ氣管枝淋巴腺ノ態度,或ハ異物ノ運命等二關シテハ既二先輩諸氏二戸リ幾多ノ研究 蓬グラレ,漸ク開明ノ域二達セリト離㍉英ノ實駿ノ多クハ短時日ノモノニ就テ行ハレ愉幾 多ノ疑問ノ布スルアリ.
1890年ヨリ1891年二夏リ0pPeI㈹mガ肝臓及脾鱒二就キ,所謂格子状繊維ノ検索ヲ行 ヒ,英ノ後1905年M・・osch(60)ガ肺15chow・ky氏櫛経繊維染色法テ該繊維研究二膝用シテ 以來,所謂格子状織維ノ研究ハ學者ノ注目スル所トナリ,英ノ本態二就キナK㎝㈹,Rδssk
{舳η,Rδssle u.Yos出da㈱i,Russakoff側〕,松井㈹二直4〕等ハ膠塞繊維トハ金ク別種ナリト 言ヒ,之二反シテ赤座U,ωハ金ク同一物ナリト論ジ,松田舳,小山〔44〕ノ爾氏モ亦所謂格 子状繊維ハ膠基繊維ノ前階級ニシテ組織ノ構造二騰ジテ,形態的二英ノ版テ現ハスモノトナ
セリ.
而シテ肺ノ所謂格子状織維二開シ,英ノ氣道ヨリセル異物二勤スル態度二就キナ報告セラ 【161】
レタルモノハ産ダ少シ.余ハ比ノ駐テ講細二瞼索スルト共二,所謂格子状繊維ノ本態ヲ究 メ,他方異物〉肺内二於ケル分布状態及運命チ長期二夏リテ観察セントシ本實験テ企圖セ
リ.載二足チ報告セントス.
第・章 費験材料及研究方法
賢騒動物 トシテ滋瞑チ用b川.耐シテ.ヒ谷(35〕,本岡(釦),井手(洲等ノ言^〃年齢二目ル差異チ 顧慮シ,成〃可ク麗重(450瓦一730苅)チー定スル事二発メタリ,異物トシテハ石松子チ選ビ,嚴重ナル無 菌的操作ノ下二石松子10買チ100焼ノ生理的食麗水二混和シ,之テO・5蝿宛気管ヨリ注入セリ・耐シテ食 麗水ニョル石松子ノ聖化チ考慮シ。製作後2日テ経過セル毛ノバ用ヒザリキ.
賢験方法 灘瞑チ背位二固定シ,前頭部二於テ長サレ2鰹ノ維切開チカロヘ,気管テ露出シ,次二豫メ 用意セル注射針チ嵐管内二挿ン,後徐キニ右松子浮薄液O・5蝿テ注入セリ,而シテ地ノ際注射針ノ孔ノ方 向ハ清二一定スル事二発メタリ,注入後皮膚縫合チ行b寛験テ了ル.
比ノ實験チ施シタル直後二於クル動物ノ状態チ観ルニ何レ剰軽度ノ呼吸困難二階リ,時昌ハ咳漱頻嚢シ 動作甚ダ不活薇テルモ,多グハ数時間後皇回復セ、〕.
比ノ實験二際シ注入シタル石松子ハ咳歎ニョリー音陥出セラ1ハラ・以テ,各頭皇正確二〇・5轄宛肺内:
注入シダリトハ確言シ程ズ.皮膚切開ハ成〃可ク下方二於テ施行スル方氣管ノ露曲容易ニシテ艦チノ操作 ハ行ヒ易シ.
而シテ動物ハ貿強直後及一定ノ時日テ割シ・腕血死二重ラシメ・直テニ剖瞼y気管ノ内容物ハ塗抹標本 ヂ作リ,英ノ肺ハ直テニ5%ノ「フォルマリン水二固定シ,「チニロイヂン切片トナス、染色法トシデハ
「^マトキシリy」一「エナジン染色va口Gieson氏染色法,We1g舳氏弾力繊維染色法及淺井氏ノ格子股 鐵維染色法(6〕チ施シ,簡時ニハ細菌瞼萱チ腱シ率ルモノアリ・
向分布験態二就キ,英ノ筑管枝ノ大小ハ次ノ標準二擦川.師チ大ナル氣管枝トハ壁二軟骨チ翻メシム
{州ノ,中等大ノ気管枝トハ壁二軟骨ヂ臭^ズ・筋暦ノ明カニ認メラル・モノ・小ナル氣管枝トハ軟骨及 著明ナル筋暦テ鉄キ,健二其ノ圃柱上皮細胞テ調メシムルモノナリ.
而シテ各葉二於ケル分布献態ハIκit里顕微鏡接眼鏡I,接眼鏡3、テ用ビデ藪個ノ視野二就キ検ヲ,前説 気管枝ノ分類二目リ英ノ腔内二布松子(藪ノ多少二關セズ)ノ存在スル手ノチ敷へ 之テー視野二換算シ クリ.而シテ肺胞二就テハ,数個ノ肺胞二亘可テ群集シテ多数ノ石砥子ノ存在スル場合モ,1個ノ肺胞二 1個ノ石松子ノ存在スル場合モ之テIトシテ算シクリ.青蔵管枝が縦断セラソ大ナル気管枝ヨリ小ナル筑 管枝,夏ミ肺胞適二夏リテ石松平ノ存在スル場合ニハ之チ夫々ノ場所二於テ計算セリ、
分布状態テ比較スルニ當リ,興ノ組織片ハ各瀧漢二於テ各葉同一場所目リ探吹シクリ,
第二車検 査 所 見
注入直後 第如號,第42號.
肉眼的所見気管ハ其ノ内面慶汎ナル範園二五リ,微細ナル瓢粒ノ集合セル塊状ノ物買ニテ被ハル.肺 ハーハミ淡親色皇シテ外面平滑,著鍵ナシ.
顯識鏡餉検査所見
石松子ハ両者共二氣管内二於テ多数二翻メラル・毛,細胞ニテ包園セラル・モノナシ.肺内二於テハ瓶 【162】
肺臓ノ 異物
管枝及肺胞内二度ク分布セラレ,特二中等大ノ筑笹枝ニシテ殆ド閉塞セラレタル毛ノアリ.呼吸性系臓管 枝,肺胞遺及肺胞内ニモ多数認メラル・モ,肺胞嚢ニハ甚ダ少藪ナリ.石松子ノ形態ニハ整地認メラレ
ズ.
肺胞一興ノ壁ニハ賭ド著墜ナキ㍉所々肺胞壁毛細血管充盈シ,一部肺胞内二出血セルアリテ,英ノ附 近ノ肺胞内二石樫予ヂ認メシム.肺胞内ノ石松千八腔内二遊離ノ状態ニテ,或ハ肺胞壁二接シデ存在ス〃
モ,英ノ周園二細胞浸出ハ認メラレズ.曲石松千ノ周園ニテ紅染繊維(冊n Gi制n氏染色法ニテ;紅染スル モノ)或ハ墨色繊維(淺井氏格子状繊維染色法ニテ黒色ヂ呈スル手ノ)ノ増殖シタル毛ノチ認メス.
気管枝上皮細胞ノ1−2曇晦セルモノアリテ石松子ト共二睦チ充タス、該鐘化月比蟹約大ナ〃氣管枝 二於テ着明ニシテ,小ナル気管枝ニテハ輕度ナリ.
注入後2時間 テ経過シタル毛ノ 第53號,第36號.
肉眼的所見 氣管ハ第35號ニテー部微細ナル顧粒ノ集合シタル塊状ノ物質テ附ス.肺ニハ2頭共二養饗
ナシ.
顕職醐峨睦所見
石松子ハ鼠管内ニテ河ナ,多敬二認メラレ,一部ハ多藪ノ多核自1血球ニヂ包園セラル・モ,一部ハ注入 直後ト回シク英ノ周園二細胞認メラレズ.肺内二於テ石松子が大ナル嵐管枝及中等大ノ氣管枝内二見ラル ルコトバ直後ノ{ノヨリハ少ク,健二内面二接シテ存在セサ之二・反シデ小ナル鼠瞥枝,肺胞蓮及肺胞内
二於テハ直後ノモノト大差ナシ.石松千自個二変化ナシ・
肺胞 壁ハー般二簿シ.肺胞内^ノ軽度ノ出血モ認メラレ,ソバ直後ノ毛ノ目リ健二輕皮ニシテ,之等 ノ竈チ繍査スルニ数個ノ石極子チ見其ノ周園ニハ可ナリノ籔二多核自血球及少藪ノ淋巴球ヂ認メシム ルモ,組織球ハ未ダ認メラレズ,紅染繊維或ハ黒色繊維ノ増殖チ認メス.
気管枝大ナル氣管枝或ハ中等大ノ気管枝ハ英ノ上皮細胞ノー部剥離シ,内面二接シテ石松千チ調ムル
モ,一?E一部ノ氣管枝ニテハ石松子群ノ間二多核自血球及赤血球チ認メシム.小ナル氣管枝ニテハ直後ノモ ノ二相似タル毛多核白血球ノ曲現アリ.而シテ氣管枝ノ鐘化ハ石粉予ノ少キ第35號二於テー般二輕度ニシ テ,殊二大ナル氣管枝二・シテ殆ド蟹化チ認メジメザ〃モノアリ。
混入後7時間 テ経過シタルモノ 第30鶴第34號,第50號.
肉眼的所見氣管ハ第30號ノ毛ノニー部顧粒ノ集合セル塊状ノ物質ヂ附ス.肺ハー般二淡紅色ニシテ,
外面平滑テルモ,所々暗赤色ノ斑ヂ翻メシム.特二下葉二著シ・
鰯微鏡酌瞼番所見
石粉予ハ寂管二於テ第30號ノモノニ於テ極少敬二存在セリ.大ナル窺管枝ノ内二石楓子テ詔ムル毛ノ バ,直後及2時間ノモノニ比シ僅少テルモ,中等大ノ気管枝ニハ2時間ノモノ二相似タリ・耐シテー般二 気管枝内二於ケル石松子ノ数ハ歩グナレリ.之二反シテ肺胞追及肺胞内二於テハ直後及2時間ノモノニ比
シ,多少廣ク分布セラレタルチ認メシム.石松千自偶二鐘化ナシ.
肺胞 肺胞内出血^可ナリ廣汎ナル範園二夏リ,特二第34號二於テ著明ナ田.窩肺胞壁ノ細胞成分二笛 ミ含氣性少キモノアリ.之等ハ特二氣管枝ノ周圃二歩ク語メヲル、カ・ル騒チ精査スルニ数個ノ石松子テ 見 ソノ周園ニハ多核自血球存シ,曲少数ノ淋巴球,組織球テ認ム.石粉予ノ周圏=紅染繊維或ハ黒色繊 維ノ増殖ナシ.
氣管枝 所見一般二2時間ノ毛ノニ相似タルモ.腔内ノ多核自血球ハ薬ノ数チ増加シ,特二小ナル嵐管 【163】
枝ニテハ石松子ト共㍉ ソノ膣ヲ」閉塞シタルモノアリ.背石樫千チ見ズシテ歩数ノ多核自血球チ容ル・モ ノチ認メシム・氣管枝垂二多核自血球ノ浸出ヂ認メシムルモノアリ.
注入後1目 ヂ経過シタルモノ 第26號,第40號(死),第47鋸,
肉眼餉閉見氣管ニハ3頭共二審鐘ナシ.肺ハ第26號及第47鏡ニテ警鐘ナキ聖,第40號二於テハ左右繭 肺共二暗赤色チ星シ,硬度繋,一片テ取リ水中二投ズルニ沈降ス.
鰯鰯餉検査所見
石松子ハ嵐管内二於テ第4繊ニテ少鞍翻メラ〃.肺内二於ケル分布状態チ瀕ルニ気管枝内ノ雫ノバ英ノ 藪盆々少クナリ,中等大ノ氣管枝内ニテ=E、英ノ存在セル手ノバ甚ダ少藪トナリ,主トシテ肺胞内二存在
ス.耐シテ肺胞ト嵐管枝トチ比較スルニ7時間ノ毛ノド大差ナシ.石粉予負個二鐘化ナシ.
肺胞肺組織ハー般皇血液二宮ミ,肺胞内出血モ可ナリ廣汎ナル㍉7賠問ノモノニ比シ輕崖ナリ。筑 管枝ノ周回二於テ肺胞ハ細胞成分二宮…含嵐性少キモノア1レテ調ム.右極子ノ周園ニハ7晴間ノモノ目リ 毛更昌多藪ノ多核自血球チ認メ,禽組織球及淋巴球チ認メシムル毛多核自血球二兆シ基ダ少藪ナリ.而シ テ多核自血球ノー都ハ跣二核ノ樹壌二徴ケルモノアザ倫一郡二於テ腔内二塵埃細胞及多核自血球ヂ客 1ノ,少敷ノ石松子チ蟹見セシムルモノアリ.紅染繊維或ハ黒色繊維ニハ絢用厚増殖チ認メジメズ.街細菌 染色チ行ヒシモ細菌ハ蟹見セラレズ.第40號二於テハ肺胞壁毛細血管ハ強ク充盈シ強内二出血シ。或ハ多 核自血球,塵挨細胞,淋巴球テ容レ含扇ノ甚ダ少キモノチ翻メシム.i而シテ肺胞内二石松千チ容ル・竜ノ バ,特二英ノ周園二多核自血球集積著明ナリ.翁第40號二於テ鍍銀標本ニテー部ノ肺胞壁ノ不規則ミ魍厚 セ1レモノアリテ・分岐少キ黒色ノ繊維テ認メシムル㍉一一郡ハ裕頼粒状チ星セルニEノアリ.・気管枝ハー般 二腔内二剥離上皮細胞,多核自血球及粘液様物質皇混ジテ少藪ノ石松子テ認メ,共ノ或〃竜ノバ内亙二接 シテ存スルモ,或ル毛ノバ多核自血球ニテ包園セラレテ腱内二遊離シテ存ス.氣管枝垂ニハ著明ナル多核 自血球浸出テ認メシム.
注入後2日 テ纏過シタルモノ 第31號,第32號.
肉眼的所見舞管 第31號ニテハ英ノ上部二寓リ塊状ノ物質チ僅皇附ス.肺ニハ2頭共二著轡ナシ.
顯微鏡的捻査助見
石粉予ハ気管内ニテハ多核自血球ニテ包園セラル・モノ少数二認メラル.肺内二於デハ大ナル氣管枝或 ハ中等大ノ氣管枝ニテ英ノ内画二接シテ存スル他,浸出自血球ニテ包国士ヲル・毛ノチ鰍メシム.最毛多 ク見ラル・ハ肺胞内ナリ.石松千自個ニハ鐘化ナシ.
肺胞気管枝ノ周園皇テ含気甚シク少ク壁ノ厚キアリ.可ナリノ出血テ認メシムル毛1ロノモノニ比シ テハ少シ1所与ノ肺胞内二石樫千存在シ,多核自血球,組織球及淋巴球ノ出現テ認メシムルモ,多核自血 球ハ1日ノモノヨリ毛ソノ薮減歩シ,鰯鍍泰ハ之二反シテ増加シ,且石松子二接近シ來リ,或ルモノハ五
二集合シ巨態細胞ノ地キ像ヂ黒セル毛ノアリ.淋巴球モ亦英ノ藪増加セリ.細菌染色テ施セル司細菌ハ存 在チ讃セズ.石松千ノ周園二1紅染繊維或ハ黒色繊維ノ増殖チ認メジメズ,氣管枝ハー般二1日ノモノ二相 似タルモ,ソノ壁ニハ多核自血球浸出ナシ.
注入後7日 チ経過シタルモノ 第38號(死),第43號.
肉眼的所見.第43號ハ氣管及肺共二著鐙ナキモ,第38號ニテハ腕ハ左右共二一般二暗赤色チ呈シ,健二 墾二燭レ,右肺下葉ノー片ハ水中二淡降セリ.
顯徹錆的検査所見
【164】
肺麟1ノ 異物
石松子ハ第38號ニテハ氣管内二於テ細胞二色園セラい毛ノ少歎二謹見セヲル.肺内二於ケル分布状態 ハ海ネ2日ノモノト相似タルモ,範樹枝内二存在スルモノハ内面二機セスシテ粘液様物質二混ジテ存在 ス.石松千自個二鐘化ヂ認メジメズ.
肺胞一都ニハ憧二出血竈ヂ認メシムルモ基ダ輕漢ナリ。術氣費枝ノ周園二於ケル無無性ノ部分モ認メ ラソズ、石松千ノ周園二於テ葉レル細胞ハ甚シク英ノ状ヂ異ニシ,組織球が英ノ大部チ占メ,石松千二接 スル細胞二於テ間接核分割像チ見ルモノアリ.筒石松千ヂ包圃シ少数ノ組織球二相似タル核ガ細胞内二編 セスシテー様二集リテ存セル巨態細胞チ翻メシム.ヵ・ル巨態細胞二国鏡セラル・モノニハ繊維ノ園纏セ ルモノチ見ズ.比ノ他淋巴球二E赤2日ノモノニ比シ増加シ,長キ緒締織母細胞ニテ包園セラレタル石松子 モ少籔二認メフル.而シテ多核自血球ハ2日ノモノヨリ少ク健二崩壊シタルモノヂ認メシム.但シ第38鏡 ニチハ壁毛細血管充盈シ,腔内塵填系醐包淋巴球及多核自血球ニテ充サレ全ク台無性チ失ヘルモノアリ.石 松千ノ周園二於ケル細胞集積ノ状ハ第43號二相似タリ・石松千ノ周園ニテ繊細ナル黒色ノ繊維増殖シ石松 千チ包園セルチ認メシメ,耐シテ地ノ部分ハ前記石極子ノ周園二緒締織母細胞チ認メシ都ニシテ,細胞ノ π松子二接スル側二於デ繊維ノ形成セヲル・テ認ム.該繊維ハ壁ノ柑太キ繊維}柚聯絡セリ.v㎜Gie昌㎝
氏染色法ニテ繊細ナルモノ・粒染セルモノヂ見ズ.
氣管枝剥離上皮紙胞及粘液様物質二混ジテ浸出納胞ニテ包園セラレタル石樫千チ認メシムルも腔内 二多核自血球チ調ムル事少シ.
注入後10目 テ経過シタルモノ 第37號,第39號.
肉理的所見 氣管及肺ニハ著饗ナシ.
顯微鏡的検査所見
右松子ハ第37號ニテハ気管内室於テ演岡細胞ニテ包園セラレ・シモノ敷個チ認メシム.肺内二於歩ル分布 状態ハ7日ノモノト大差ナグ,気管枝内ノモノハ浸出細胞ニテ包園セラ1ノタリ.石粉予自個ニハ警鐘ナ
シ.
肺胞所々二小出血竈テ認メシムルモ7日ノモノト大差ナシ.石松千ノ周園二於テハ組織球ハ英ノ歎テ 増加スルト共二盆毫石松千二接近シ來リ之チ包園シ,巨態細胞モ亦ソノ数チ増シ,石粉予二接セリ.淋巴 球,緒締織母細胞及多核自血球ノ所見ハ7日ノモノ二相似タリ.石粉干ノ多数群集セル部分二於テソノ周 園テ国ミテ網状チナシテ黒色繊維ノ増殖セルチ認ム.該繊維ニテ大キ毛ノバv㎜Gie言。竈民法ニテ粗染セ
リ.
嵐管枝ハ7日ノモノ二相似タル㍉多核白血球ハ減少セリ.
注入後15目 チ纏過シタルモノ第21號(死),第29號.
肉眼的所見氣管ニハ2頭共二著墜ナシ.肺ハ第21號ニテー般ミ健二暗赤色ヂ呈セリ.第29號ニテハ警
鐘ナシ。
顯微鏡酌掬速所見
石極子ハ第29鉄ニテハ気管内二於テ1個テ見ラレタルノミ.肺内ノ分布状態ハ1O日ノモノト大差ナキ モ,1頭二於テ肺胞内ノモノ檎減少シ.呼吸性細寂管桟及航砲遣ニテ稿多ク認メラル・ガ如シ.窩鼠管枝 内ノ石松子ハ組織球ニテ包園セブハ毛,石松子自個二裂化チ認メジメズ.
肺胞壁ハー般二薄キモ,所々健二細胞成分二宮ミテ肥厚テ示セリ.出血竈姶ド認メラレズ.石松千ノ 周園ノ浸出細胞ノ各相互間ノ籔的及位置的關係ハlo日ノモノニ略相似タル㍉淋巴球ハ袷減φセリ.碕鐘 【165】
銀標本ニテハ黒色繊維ノ増殖ハ盆々著明ニシテ石松千テ個々二色固セルチ認メ,該繊維ニテ大キモノハ van Gie彗㎝。民法ニテ粒染セリ.耐シテ地ノ繊維ハ壁ノ粗剛ナル繊維二相違ソリ.曲呼吸性綱氣管枝腔内 二存在セル石極子群ノ間隙皇・E黒色繊維ノ圃続セルチ調ム.該繊維ハ壁繊維ト相連ソリ.
窺管枝 腔内二剥離上皮紐曲及組織球ニテ包固セラレタル少数ノ石楓予チ容1ノ,多核自血球ハ糟減少セ ルモ,第21號ニテハ多核自血球及石粉予ニテ金ク閉塞セラレタル毛ノアザ
注入後20日 チ経過シタルモノ 第5號(死),第28號.
肉眼餉所見第5號二於テハ気管ノ内亙二反自色ノ粘欄ナル物質テ附シ,肺ハ暗赤色テ呈シ,英ノー片 チ取リ水二投中ズルニ沈降ス.第28號ニテハ氣管及肺共二著鍵ナシ、
顯麺鏡醐壼査所見
石松子ハ2頭共二氣管内ニハ存在セズ.肺内二於テハ15日ノ毛ノド相似タリ.石松子自個二変化ナシ.
肺胞 壁ハ細胞成分二宮ミ所々出血寵テ認メシム、第5號ニテハ壁毛細血管充盈シ,肺胞内二出血シ含 氣性ヂ失ヘル毛ノアリ.浸閏細胞ハ機ネ15日ノモノト略相似タル㍉組織球ハ曲一層多藪トナリ,多核自 血球ハ只数個認メシムルノミ.淋巴球ハソノ激減少セル㍉.緒締織母細胞刈5日ノモノ目リ多数二認メラ
レ,石極子ノ周園二於ケル悪名ノ繊維ノ塘殖モ盆々著明トナリ,一部健二胴厚セルモノアリ.該培殖セル 繊維ハ壁ノ黒色或ハ褐色ノ繊維ト相聯絡ゼルテ認メシメ,英ノ大キモノハva口Gies㎝民法ニテ紅染ス.
窩呼吸性系瞭管枝二於テ緒締織 国細胞二接シ英ノ細胞ノ石松τ側=繊細ナル黒色ノ繊維存シテ,石値千テ 包園セルモノァルチ翻メシム.
気管枝ノ所見ハ15日ノモノ二相似タリ.
注入後25日 チ経過シタルモノ 第8號(死),第23號,第24號.
〔.肉眼的所見第8號二於テ英ノ氣管ハ内面二暗赤色ノ粘液様物質チ附シ,肺ハ表面二暗赤色ノ斑チ翻メ シムル他ハ著蟻ナシ.第23號及第2{號ハ気管及肺共二著墾ナシ.
顯微鏡的捻査所見
石樫手八窺管内ニハ存在セズ.肺内二於ケル分布状態ハ15日及20日ノモノト相似タリ.石松千向個二磐 化ナシ.
肺胞 一般ニツノ壁ハ細胞成分二宮㍉所々毛細血管充盈シ・肺胞内ミ健二出血セルモノアルテ翻メシ メ,特二第8號二於デハ肺胞ハ血液ニテ充サレ,全ク含気性テ炎ヒダルモノモ存ス.石樫千ノ周圃二於ケ ル細胞ハソノ鐵テ増加シ,信二組織球ハ20日ノ毛ノヨリ更二歩敷出現シ,石松千チ個々二色圃シ,他方総 締織母細胞屋巨態細胞モ亦多クシテ淋巴球ハ少ク,殊二多核白血球ハ強ド金ク認メラレズ.但シ第8號ニ
テハ組織球ハ楠少ク,少数ノ多核自血球及淋巴球ノ存在テ翻メシム.鑑銀標本ニテハ結舗撤珂細胞テ多ク 認メシ場所二於テ黒色繊維ノ壇殖甚ダ著明ニシテ,一部健二褐チ帯ビ鯛厚ゼルテ翻メ。筒数個ノ石松千チ 容レタル呼吸性細気管枝二於テッノ壁二運レル繊細ナル黒色ノ繊維ガ石松子テ包園ゼルテ認メシム.柵n Gie50皿民法昌テ之等ノ石粉予テ包園セル繊維ノー部バ紅染セルチ認メ,20日ノモノヨリ繊維ノ数ハ増加 シ・且染色度モ鮮明トナレ可.第8號ニテ肺胞壁ノ黒色繊維ハー部類粒状チ呈セリ.
気管枝 膣内二剥離上皮郷胞及粘液檬物質二混ジテ少数ノ石極子チ認メ,ソノ周園ハ多核自血球ノ存在 セルアリ.呼吸性細氣管枝ニテソノ壁二接シテ数個ノ石極子存在シ,ソノ周園二組織球集積シ來リ,壁二 固着セル毛ノアリ.
注入後言O目 チ鰹過シタルモノ 第g號(郊)・第22銑第33號・
【166】
肺臓 ノ 異物
肉忍的所見第g號二於テ英ノ氣管ニハ鐘化ナキ毛,肺ハー般二≡暗赤色チ暴シ,英ノー片テ取リ水中二 投ズレ・嚇降ス.第22號及第33號ハ蔵管及肺二著鍵テ認メジメズ.
顯微鋼的瞼養所見
逓松下ハ気管内ニハ認メラレズ、肋内二於ケル分布状態チ瀕ルニ,大ナル気管枝内二於テ見ルコトハ甚 タ聯ニシテ,圭トシテ肺胞遺及肺胞二於テ認メラル.背石松子ノ内二多核自血球ノ侵入セルモノテ見〃
そ…,大部分ハソノ形態二鐘化翻メジメズ.
肺胞 壁ハ軽隻二肥厚シ細胞成分二宮メルアリ.浸出細胞ハ略25日ノモノト相似タリ.即チ組幟球ハ石 松千=接シテ毒シ,巨態紬抱,縞綿織母紙砲毛亦可ナリ畠翻メラレ,淋巴球ハ石松子葉團ノ外園二健二存 在セリ・鍍銀標本ニテ黒色繊維ノ措殖チ見ルコ下25日ノモノト相似タル毛,繊維ノ壁ト聯絡セル手ノ多キ バ特二本例二於テ著明ナリ.耐シテ比ノ増殖セ〃繊維ハー般二7日或ハ10日ノ毛ノニ比シ肥厚シ,且一部 褐チ帯ビ,石粉予ノ多激群在セル個所ハ増殖ノ犀盆々強クシテ,van GiesOn民法ミテ紅染セ1レ冠ノアル
チ認メシム、衛第9號ニテ肺胞壁ノ黒色繊維ハ頼粒献チ呈セルアリ.
氣管段ノ所見ハ25日ノモノト相似タノレモ,鍍銀標本皇テ繊細ナル黒色繊維ニテ包園セラレシ数個ノ石松 子群チ認ム.碕本醐二於テ淋巴濾胞二於テ石松子ノ見ラレタルモノアレド,臓萱γテ気管枝雑嚢ニアルモ
ノナル事テ確メタリ.
注入後40目 チ経過シタル毛ノ 第19號,1筆48號.
螂貼蜥見氣管及肺著墜ナシ.
顯脳的検査所見
石松子ハ魚管内ニハ存在セズ.肺内二於テハソノ籔ハー般二歩数ニシテ,分布状態テ観ルニ気管枝,呼 吸准細颪管枝或ハ肺胞蓮二於テハ航抱二比シ30日ノモノヲリ僅少ドナ川.石松子自個室磐化ナシ.
肺胞一堂ハー般二紬抱成分二宮ミ石松子周園二集マレル細胞中組織球ハ量モ多数ニシテ石粉予三接シ,
此ノ他巨態細胞,淋巴球及縞綿織母細胞チ認メ…/ムルモ,巨態細胞ノ認オラ〃・藪ハ椅少シ.石松子ノ周 園ニテ黒色繊維ノ増殖チ見ルコト前ト同様ニシテ,繊維ハ壁繊維ト相連レリ.而シテ該綾縫ノー部ハv姻 Gieson民法ニテ紅染セル繊維トシテ翻メラル.
氣管枝 腔内二粘液僕物質二浪ジ少数ノ劇離上皮紙胞及浸出綱抱ニテ包園セヲレシ石松子テ容ル、
注入後55目 チ鯉過シタル手ノ 第15號,第16號.
肉眼的所見気管及肺共{著塑ナシ.
顯磁鏡的癒査所見
石松子ハ筑管内ニハ存在セズ.肺内二於テハソノ数基ダ少数ナリ、英ノ分布牒態八大ナル氣管枝或ハ中 等大ノ氣管枝内ニテ見ラ〃・事愈々稀ニシテ,主トシテ肺胞内二於テ認メラル.石松子膚個二鐘化ナシ.
肺胞 壁ハ糟英ノ厚艦チ墳セ〃アリ.石松子ハ組織琉 緒締織母紙胞及巨態細胞等ニテ包園セヲレ,巨 態紙抱ハ40日ノ毛ノド略所見テ岡ジグシ,30日ノモノ目リ僅少ナリ.鍍銀標本及・乱皿Gie・㎝氏染色標本 二於ケル所見ハ40日ノ毛ノド相似タリ.
氣管枝大ナル鎮管枝内ニハ剥離上皮細胞及粘液様物質テ客レ,石松千八稀テルモ,小ナル氣管枝ニテ ハ少数ノ浸出細胞或ハ巨態細胞ニテ包圃セラレタル市松予チ調ム.第15強ニテ腺懸ノ像チ認メシムル毛,
ソノ周圃或ハ腺腫内二石軽子チ褒見シ僧ズ.
潅入後658 チ経過シタル王ノ 第12號,第13號.
【167】
肉眼的所見筑管及肺共二着鐘チ翻メジメズ.
顯微鏡的検査所見
石松子ハ氣管内ニテハ見ラレズ.肺内ノ分布状態ハ55日ノモノト相似タリ.石松子ノ内二組織球ノ侵入 セルモノヂ見ル.
肺胞壁ハー部ハ捨ド尋常テルモ,一部鰹二肥厚セリ.石松千ノ周園二於ケル組抱ハ少数トナリ,巨態 紙砲ハ漸ク1−2個愛見セラル.石松子ノ周園二黒色繊維,紅染織確チ見ルコト及氣管陵ノ状態毛55日ノ
手ノ三相似タリ,
注入後75目 チ経過シタルモノ 第11號,第18號.
肉目朗蜥見気管及肺ニハ著鐘ナシ.
顯微鏡的綾査所見
石松子ハ魚管内ニハ存在セズ.肺内二於テハ嵐管度内ニテ蟹見セラル・コト稀ニシテ,主トシテ肺胞内 二存在ス.石松子自個二窒化ナシ.
肺胞一般ニソノ壁厚カラズ.石粉予周園二於ケル細胞ハ65日ノモノト相似テ,ソノ数ハ25日或ハ30日 ノモノヨリ著シク減少セリ.師チ石粉予二接シテ存セル組織球ハ少数トナリ,巨態細胞モ亦稀二認メブル ルノミ・石松子ハ「エオジン」ニテ淡染セル同質惟ノ物質(巨態細胞ノ細胞誰)ニテ直接ソノ周国テ包。国セラ
レ,窩緒締繊母細胞ニテ包園セラレタル石粉予毛可ナリニ認メラル.鍍銀標本ニテ石松子ノ周園ニハ黒色 繊維ハ強ク堵殖シ,一音吐僅二肥厚シ鶴チ帯ビ,v㎝Gio・⑪n氏染色法ニテ紺染織雑トシテ認メラル.
氣管枝 上皮紬泡ノ剥離ハ軽度ナリ.膣内二浸出紙泡ニテ包園セラレシ石松千チ少数二容ル.
注入後90目 ヂ経過シタルモノ 第3號,第7號(死).
剛異的所見第7號ニテソノ肺ハー般二暗赤色ヂ暴セルモ,一片テ取リテ水中二投ズレバ浮游ス.第3 號ノ氣管及肺二著饗ナシ.
ゼ顯微鏡的捻査所見
石松下ハ嵐管内ニテハ見ラレ尤肺内二於ケル分布状態チ観ルニ,氣管枝特二大ナル氣管枝ニテハ殆ド 存在セスシテ,健二小ナル嵐管伎ニテ数個見ラル・ノミニテ,圭トシテ肺胞道或ハ肺胞内二存在ス.耐シ テソノ敷ハ甚ダ少数テリー石松千ハー般二鐘化ナキ毛,ソノ内二数個ノ組織球ノ侵入セルモノテ認メシム.
肺胞壁ハー般二厚カラズ.第7號ニテハ肺胞壁毛細血管充盈シ,所々ノ肺胞内二赤血球及劉離上皮細 胞チ客レ,含無性チ失ヘリ、肺胞或ハ肺胞道ニハ1−2個或ハ鐵個群集セル石松子存在シ,ソノ周園ニハ 組織球ヂ主トシテ詔メ,巨態細胞ハ極少敬二語メラレ,英ノ細胞麗ハ「一エナジノ」ニテ淡染セル同質性ノ物 質トシテ石松子テ組㍉叉鰭綿織母細胞ニテ直接包園セフル・石松子毛布セリ.鍍銀標本ニテ黒色ニシテ 健二軒厚セル繊維ノ石粉予ノ周園ニテ強ク墳殖セルチ認メ,繊維ノー部ハ褐チ帯ペリ.菰シテ比ノ増殖セ ル繊維ハ附近ノ気管枝垂ノ褐色繊維ト明カニ相聯絡セリ.van Gi郎㎝氏染色標本ニテ紅染繊維が石松子 ノ周回ニテヨク増殖シ,石松千テ個々二色園ゼルテ認メシム.
気管枝ハ腔内二割離上皮綱抱,粘液様物質及浸出細胞ニテ包固セラレタル少数ノ石松千チ容ル.而シテ 腔内二石松子テ容レソノ上皮細胞多少増殖セルモノモアリ.
第…章所 見 概 播
1.石松子ノ分布状態
【168】
肺臓 ノ 異物
筑管ニテハ注入直後二於チ2顕共二百川多藪二万樫子テ見ル毛,英ノ石松子ハ何レ毛流入時英ノ儘ノ 状態ニシテ,浸出紙胞等二色園セラレタル毛ノテ認メジメズ.雨シテ2時間後ノモノニテハー都ハ注入直 後ノ毛ノド同様ナル毛・一部ハ多敷ノ多核白血球ニテ包園セラ〃・テ認メ・ソノ数バ2頭ノ中1頭昌ハ可 ナリ多キ毛,1頭ニハ直後ノ毛ノニ比シ甚ダ少数ナリ.7時間及1日ノモノニテハ石松子ノ見ラル・藪ハ 念二減歩シ,何レ亜3頭ノ中殊二其ノ1頭二於テ甚ダ少数二認メラレ,2日ニテ2頭共二多核自血球畠テ 包園セヲレタルテ翻メ,7日ニテハ愈々少数ニシテ,2頭ノ中1頭ノ如キニハ精費シテ初メテ細胞ニテ包 固セラル・モノ2個チ見出セルノミ.1O日及15日ニテハ各2頭ノ中1頭骨於テ浸出細胞ニテ包園セラレタ
ル毛ノチ少数二翻メシム、注入後20日反英ノ後ノ例ニテハ認メラ1ノス.要スルニ流入直後及2時間ニテハ 多数ノ石極子テ注入時ノ状態畠テ調ムル毛,流入後7時間ニシテ既自ソノ見ヲル・鐵ハ急二減少シ,2日 及15日ノモノニデハ明カニ渥蝸同胞畠テ包囲セラル・モノナ認メ㌣メタリ・
次二肺内二於ケル分布状態テ観1レニ・注入直後二於テハ大ナル気管枝ヨリ肺胞呈亘リテ廣グ分布セラ レ,特二比較的大ナル氣管枝ニテ殆ドソノ腱!閉塞セラル・毛ノアリ。筒肺胞蓮及肺胞内二電多数二見ラ ル・毛,肺胞嚢二於テハ甚ダ坐激ナリ.2時間ノ毛ノニテハソノ分布駅態ハ直後ノ型ノド大差ナキモ,比 較的大ナル窺管枝ニハソノ内面皇接シテ健二存在シ,大部分ノ毛ノバ認ノラレズ.7時間ノモノニテ八大 ナル気管枝ニテソノ腔内二石松千チ認メラル・数ハ甚ダ変クナレルニE,中等大及小ナμ筑管枝二於ケル分 布状態ハ2時間ノモノト大差ナシ.耐シテ肺胞ニテハ2時間ノモノヨリ健二度グ分布セラル・ヂ制ム.1
日ニテハ中等大ノ気管枝ニテモソノ膣内二石粉予チ見ルコト甚ダ少ク,ソノ内面二接シテ存在スルモノ・
他二,多核自血球ニテ包圃セラル・モノアリ.2日,7日,1O日ノモノニテハ1日ノモノト階ソノ分布状 態チ等シクスル・E,7日ノモノニテハ氣管枝ノ内面二接スルモノハ殆ドナク,粘液檬物質二混ジテ浸出葉 含セル細胞ニテ包園セラレテ存在セリ.]5日,20日及25日ニテハ10日ノ毛ノ昌此シ,呼吸性細嵐替枝及肺胞 通,ニテ粉廣ク分布シ,氣管枝内ノ石極子ハ組織球ヂ主トセル集合細胞畠テ包園セラソタリ・30日理0日
テ石松千ノ減歩ハ著明トナリ,40日及其ノ後ノ例ニテハ30日ノ手ノド比較シテ呼吸性紬氣管枝或ハ肺胞道 昌ハ肺胞二地シ少数二認メラルモノアリ・而シテ40日ノモノハ55日,65日,75日及g0日ノ毛ノド略分布状 態チ等シグシ,気管枝或ハ肺胞内ノ石松子ハ形態二於テ殆ド不鐘ノ状二認メラ〃.
2.腕組織ノ顯微鏡的所見
先ヅ石松子用圃二於ケル浸蝸腕二就キ述ペソ.注入直後昌於テハ細胞浸出ハ認メラ1ノザル㍉2時間 ニシテ多核自血球先ヅ浸出シ來リテ石松子テ包園シ,青少数ノ淋巴球毛翻メラ〃・モ,未ダ組織球ハ認メ ラレズ、7時間ニシテ多核自血球ハ盆々増加シ,衙少数ノ組鐡球及淋巴球ノ出現アリ.注入後1日昌テハ 多核自血球ハ7時間ノモノ引モ更二歩数トナリ,北ノ他組織球,淋巴球モ増加セルモ,多核自血球二比 シテハ甚ダ少数ナリ.2日ニテ多核白血球ハ1日ノモノ目リ・E少キ如ク,淋巳球及組織球ハ漸次増加スル 毛,曲多核自血球二及バズ.7日ニテハ組織球ハ集積セル細胞ノ大部分テ占メ,石松子二接近シ,多核自 血球ハ基ダ少数トナリ,2日ノ毛ノド金クソノ位置テ異ニス.簡淋巴球ハ前諸例目リ壇加セリ.1O日,15
日,20日ト漸次日数ノ経過ト共二,組織球ハ盆々増加シ,25ロニテ全経過中ニテ最多数畠達シ,多核自血 球ハ殆ド金ク認メフレサルニ至ル.淋巴球モ亦多核自血球ト略同様ノ運命ヂ取出,7日,10日ニテ最多数
昌シテ後漸次減少シ,25日ニテ甚ダ少数ドナ1川・
巨態細胞ハ泣入後7時間ニシテ出現ヤル組織球ガ2日ニシテ亙ニホ目集合シ巨態細胞ノ畑キ像テ曇セルニ 始マリ,7日ニテ組織球二類似ノ核テ育シ,細胞畠於ケル核ノ酉巴列ハー側二偏セズ略一穣ナ〃巨態繍胞ト 【169】
シテ認メラル.後漸次英ノ数チ増加シ。25日,30Elニテ最多敬二達ス、40日ノモノニハソノ藪ハ麓二減少
ミ/,55日,65日,75日,90日ト日襲迂ノ捷竃画ト…!キニ盆≡々{戚少セ可.
荷流入後7日ニシテ糟綿織母細胞ニテ包園セラル・石極子テ数個見ル㍉後日数ノ経過ト共二期タノ畑 キ石松子ハ増加シ,20日,25日ニテ多籔トナリ,75日,90日ニテハ石松子ハソノ外周ハ直接結締織母細胞 二目ルカ或ハ巨態細胞艘ガ延ヒテ「エオジン」ニテ淡染セル同質性ノ物質トシテ之テ包園セリ.
石樫予周園二於ケル黒色繊維或ハ組染繊維 流入直後・リ注入後2日ノモノニテハ石松子ノ周圃二於テ 表ダ黒色繊維ノ増殖チ翻メサルモ・7日ニデハ之チ認メシム.而シデ巨態細胞二色剛ハモノニハ之チ翻 メスシテ,結締織母細胞ガ石松千二接スル側二於テ繊細ナル黒色ノ繊細ノ細作ヲレ石松子チ包圃ゼルテ見 ル.地ノ繊維ノ繊細ナルモノハvan Gic昌㎝凪染色法ニテ紅染セルモノナシ.15日ニテハ黒色繊維ノ増殖 ハ盆々著明トナリ,呼吸一性細冠管伎内二存スル芯松子群ノ間ニモ,ソノ壁二於ケル繊維ト連リテ鍍銀標本 ニテ黒色セル繊維二包マル・モノチ見ル.英ノ繊維ノ大キモノハva藺G三s㎝氏染色ニテ紅染ス.20日ニ テ該繊維ノー郡ハ魍原シ,25日二於テハ繊維ノー郡ハ肥厚ス〃ト共二縄テ帯ブルニ歪川.之テva掘 Gi舶㎝氏染色標本ニテ観〃二,紅染繊維ハ肥厚スルト共ニソノ染色ハ鮮明トナレルヂ翻メシム.30日ニ テハ黒色繊維ノ増殖ハ特二著明ニシテ,之等ノ増殖セル繊維ハー般二7日或ハ1O日ノ毛ノニ比シ肥厚セ
リ.40日反英ノ後ノ例皇テハ肥厚シ且謁チ帯ビダル繊維ノ増加チ認メ・他方van Gi・s㎝氏染色法昌テ粒 染セル繊維ハ肥厚スル}共二盆々鮮明ナ レヂ認メシム.
第四車考 按
第■節石松子テ食盤水二浮漉1セシメ肺内二注λセル際二於ケル葉ノ分布状態 氣蓮ヨリセル異物ノ肋内二於クル分布状態ハ共ノ種類,大キサ,量及氣造進入時ノ状態,
或ハ動物ノ駿位,英ノ主ナル呼吸型,胸廓形等ノ諸要約二ョリ左右セラル・モノニシテ,
Amo!d㈹ハ短時間少量ノ煤煙吸入ノ場合ニハ上葉二,長時聞多量テ吸入セル場合ニハ下葉 二歩ク認メラレ,一般二右腕ハ左肺ヨリモ多シト述べ,G・…㈹ハ炭末吸入質験二於テー 走ノ法則二從7毛ノニアラザルヲ認メタリ.先ヅ各葉ハー淳二表末沈着ヲ見ルモ,長期二瓦 ル時ハ上薬ヨリモ下葉二歩シト言ヒ,更二人騒例二於テハAmoIdωハ金魔性塵壊ハ左右爾 柿間二差異ナキモ,上薬ハ下葉ヨリモ多シト報告シ,瑠。e・(ηハ表末テ上葉二於テ多量二認
メタリ.T㎝de1oo(τ03ユバ「肺沈着ハ塵挨ノ比重,吸氣ノ塵挨含有量及肺内環流時間二比例 シ,肺内ノ氣流ノ速度二反比例スルモノナリ」ト遊ベダリー
余㈹ハ先二各種ノ異物テ吸引シタル人騒別二就キ逆ブル所アリ.愉松井 62〕,K㎜tze㈹
ノ人騒例二於ケル報告,及Lub㎝2u㈹,La㎎e u.Nowose1skyエ高1〕,員島(5了},若圃(1舳07〕,
本田舳,平田ω等ノ動物實験ヨリ稚シテ,肋二達シタル異物ハ左肺二進人シ易ク,特三 下葉二吸引セラレ易シト解セラル.
余ノ本質験二於ケル直後ノモノヲ観ルニ,大髄二於テ何レモ右腕ハ左肺ヨリモ,左肺ニテ ハ下葉二,右腕ニテハ上葉二分布ノ廣キナ認メタリ.L乱uchc㈹八家兎及海猿ニテハ右側気 管枝ハ左側ヨリモ梢水平二分岐シ,且短ク,直テニ右上葉二大キ校(epa.terieue・Br㎝chus)
テ出スト記載セリI此等ノ事蟹ヨリシテ異物ノ肺内分布ハ異物ノ種類ト全氣管枝ノ構成トニ 【170】
ヨリ左右セラル・モノニシテ,気管枝ノ樫ノ大小ガ輿ルコト多幸ヲ思ハシム.
次二余ノ威綾テ初期(直後ヨリ25日)ト後期(30日ヨリ90日)トニ分チテ考察スノレニ,初期ニ ハーハ二右肺ニテ分布ノ廣キナ認メシムルモ,後期ニハ左右腕略相等シキカ,者クハ寧日左 肺ニテ分布ノ魔大ナルテ認メタリ.向各葉間二於テハ,左肺二就テハー般二下葉二慶大テル モ,後柳二於クル各葉間ノ塞ハ僅少トナリ,力肪二就テハ初期ニハ上薬ハ下葉ヨリモ慶大ナ リシ㍉後期ニハー般二下葉二慶大ナルテ認メタリ.郎チ注入後ノ日数経過ニョリ,分布状 態二鐘化テ球スモノニシテ,上述ノ所見ヨリ推察スノレニ,注入時浸入シ易寺部位ハ同時二喀 出セラレ易手部位ナルテ認メシムルモノナリ.
最後二氣道テ経テ肺二達シタル異物ノ最初二沈着スル部位二就キ遊ベントス.抑モ肺結核 ハ共ノ嚢塗上気管枝ト密接ナル闘係ニアルモノニシテ,特二氣管枝ハ共ノ肪内偉播上最犬ナ ル意義アルコトハ堀地(31)ノ讃明スル所ニシテ,氣道ヲ経タル異物ノ最初ノ沈着難テ考究ス ルコトモ亦無意義ニアラザルコト・信ズ.此ノ間題二麓テハ先ヅ肺臓ノ組織構造テ明カニセ ザル可カラ尤之二關シテハNico1{醜〕,Hust㎝㈹,Loeschke㈱等ノ業績アリ.NicoI及 Hust㎝ハ呼吸憧紬索管枝ヲ,L㏄彗。hkeハ終末気管枝ラ皿テ細葉ノ起幹トナシ,此等組織 解剖學的根擦二立脚シNico1,Hust㎝,Ribb6・t㈹,Loeschke等ハ夫々結核菌ノ索道感染
ニコル原襲竈二就キ論ズル所アリ.而シテ異物ノ沈着部位二開シテハ異物ノ種類反共ノ気道 侵入時ノ状態ニョルコトバ若園 l07),千田㈹ノ言巳載ニョリテモ明白ナル事費ニシテ,Gross U的ハ塵埃(炭末)ノ沈着部位ハ呼吸性紬気管枝ノ第二枝及第三枝二於クル肺胞部ニシテ,英
ノ血管ノ存スル倒二來ルト述べ,千田㈹パ鋸腐ハ細小氣管枝内迄附着スト青ヒ,炎末ハ自 燃吸入二於テ呼吸性細索管枝ガ肺胞道二分岐スル場月散各肺胞道ガ狗小ナル肺胞道二分岐ス ル場所二於クル中隔壁ノ尖端ナリト述べ,而シテ氏ハ炭末吸入ノ直後二於テ肺胞嚢ノ内壁二 多数二附着ゼルテ認メタリト.
余ノ本賛1験ニアリテハ薬ノ注入直後二於テ跣二呼吸性紬氣管枝,肺胞適ハ勿論肺胞内二於 デモ多藪二進入セルニ開ラズ,肺胞嚢ニハ甚ダ少数ナルテ認メタリ.余ハ液髄ト共二氣道チ 経クル石松子ハ容易二肺胞内二達シ得ルモノナルテ確言セントスルモノニシテ,予田(2日〕ノ 實験ハ余ノ行ヒシトハ異物チ異ニシ,且其ノ進入状態デモ異ニスル爲カ,氏ガ肺胞嚢二歩ク 沈着スルラ認メタルトハ蓬ダ相違スル所ナリ.
第二節肺内侵入異物ノ運命
異物ノ呼吸器内二進入セントスルヤ先ヅ鼻腔二於テ英ノー部ハ沈着シ,一部ハ索道二達ス ルモ直テニ咳嚇ニョリテ再ビ外界二排出セラレ,新クテー部ノモノノミガ肺二達シ得ルモノ ナリ.期クシテ肺二到達セル異物ハ如何ナル運命チ辿ルモノテリヤ.之ラ文戯二徴スルニ此 ノ方面テ研究セル學者ハ甚ダ多数テルモ,之テ翼スルニ,一部ハ遊離ノ状態ニテ・或ハ導出 細胞ノ媒介二下二気道1チ経テ外界二排出セラレ,一都ハ淋巴道テ纏テ淋巴腺二沈着シ,残饒 ノ小部分ガ腕組織内二侵入スルモノナリ.
今先輩諸家ノ業績ヲ観ルニ英ノ實験ニハ多クハ短期目ノモノニ於クル観察ニシテ,且誹出 【171】
ノ状態テ精査シタルモノナシ.今石松子二開スルモノ:チ饗ゲンニ,若園(10川mハ注入試験 二於テ氣管枝腔内二於ケル排出ノ状態ハエ日後迄多量二認ムルモ,2日後頭二減少シ5日及 10日後ニモ衡少数存在スト青ヒ,吸入試験二於テハ20日ニテ氣管枝粘膜擁壁,気管枝周園ノ 淋巴濾胞内二少数認メラル・モ,25目,30日,35日ニテハ護見シ得スト言ヒ,千田㈹ハ吸 入後時間ノ経過ト共二先ヅ索管及大ナル気管枝内ノモノヨリ漸禾喀出セラレ,次イデ内径小 ナル気管枝二及ヒテ金ク清掃セラレ,深部(肺胞)二到達セルモノモ10日ニシテ金ク気道ヨリ 退去スルト述べ,上谷㈹ハ氣管枝ヨリ肺胞二窪セシ石松子ハ時ト共二多核自血球及軍核細 胞二句園セラレ,小ナル気管枝ヨリ大ナル気管枝二出テ,遼二外界二喀出セラル.而シテー 都ハ永ク肺胞内二留ルモノナル河シト論ジ,眞島帆ハ石松子ハ組織球二貧食セラル・事ハ 先ヅ不可能ナリ.然ル二日数ノ経過ト共二漸次減少セルバ,号外部二喀出セラル・モノニシ
テ,一部ハ永ク肺胞内二留リ,憲二肺胞壁ヨリ増殖セル緒綿織ニヨリ包園セラル・二至ルモ ノナリト推論セリ.
余ハ共ノ排出状態テ時間的二精査シタルニ,注入後2時間ニシテ跣二氣管内ノ大部分及大 ナル氣管枝或川中等大ノ索管枝内ノー都ハ喀出セラ1ノ,7時間干シテ氣管内二於テ,工日ニ
シテ比較的大ナル氣管枝内二於テ石松子テ誌ムル事甚ダ編トナリ,注入時氣管或ハ比較的犬 ナル気管椥勺二沈着セシモノハ7日ニシテ金ク喀出セラレタルヲ認メタリ.之二反シテ肺胞 二於テハク時間ニテ直後或ハ2時間ノモノヨリモ廣ク分布セラル・モ,後時間ノ経過ト共二 漸次喀出セラレテ減少シ,氣管枝内二於テハ集レル細胞ニテ包園セラ1ノタル石松子テ認メ,
30日ニテ螂11八大凡一段落テ告グルモノノ如シ.此ノ闘二於テ20日,25日ニテー時的二呼吸 性綱氣管枝及肺胞道二比較的多数二認メラレタルハ,此ノ時機ハ細胞集合ノ最モ盛ンナル時 期ニシテ,該細胞二色園セラレ外方二冊閉セラノハ事多キ故ナル可ク,餅0日後二於テ呼吸 性細索管枝及肺胞道二比較的少キバ肺胞内ノモノハ駆二黒色織維ニヨリ包園セラル・二反
シ,前記ノ部位二存在セルモノハ荷其ノー部落囲セラレ得ル状態ニアル故ナル可シ.新ク異 物排出ハ淺部ヨリ漸次深部二及ブモ,注入後7時間ニテ肺胞内ノ分布稿撞大セラ1・タルテ認
メタリ.之ト同様ノ所見ハ牟田㈹モ炭末成ハ鋸周及石松子混合麗挨吸入試験二於テ認メタ ル所ニシテ,異物ハ浸出細胞或八分泌物ト混ジー部ハ外部二喀出セラλ一・モ,一部八反射二 深部二吸引移動スルモノト認ムベシ.
以上ノ事費ニヨリ観ル時ハ石松子ノ排出ハ注入後早期ヨリ超ルモノニシテ.若園{107〕ノ読 クル所.g略一致シ,堅挨ハ初メ2−3日後二於テ葉ノ消失量特二著明ナリト青ヘル高梨,大 井(l02リ読クル所司リモ向早期二喀出セラル・モノナリ.
氣道ノ離毛運動ガ索道内異物ノ排出二重キテナスハ吉田川帥ノ記セシ所ニシテ,L・mme1
㈹ニョレバ排出速度ハ1秒約O−3−0.4橋ニシテ,1O分間ニシテ殆ド清掃セラル・ト.而シ テ気道ノ排出作用ハ諸種ノ理化學的愛化ニヨリ促進叉ハ障害セラル・ハ長谷ω〕ノ誼セル所
ナリ.
期ク肺胞,肺胞適式ハ気管枝内二残留セル石松子ハ結締織二包園セラレ,永ク肺内二止ル 【172】
モ,一部ノモノハ組織球等ノ侵入ニヨリ憲二破壊セラル・モノニシテ(後二詳論スル所ア リ),若馴107〕ハ25日ニシテ,千田{29〕ハ1O日ニシテ腕組織内二石松子テ講シ得スト言ヘリ.
彼我ノ試験方法ハ之ヲ異ニスト離モ,一旦肺胞内二侵入セル石粉予ハ斯カル飯時日ノ間二金 ク喀出セラル・モノニアラカレ事ハ余ノ實験二於テ認メラレタル所ナリ.
倫若園{m〕ハ石松子吸入後15日ノ例二於テ淋巴濾胞内二数個ヲL認メタリト離モ,千田ハ石 松子ハ淋巴腺内二護見セスト言ヒ,余ハ30日ノ例二於テ淋巴濾胞内二石松子ハ存セルガ如キ
モノテ見劣ルモ,之テ精査スレバ氣管枝餓壁二存セルモノガ薇片中二テハ濾胞内ノ如キ観ラ 星セルモノナルテ知リ得タリ.印チ員二濾胞内二存スルモノテ認ムル能ハザリキ.是炭末共 ノ他微細ナル塵壕ノ吸入賞験ト異ル研ニシテ,塵挨ヲ淋巴腺内二党タルニ,石松子ノ観ラ㌣
ザルハ畢寛異物ガ粗大ニシテ淋巴系統二入ル機曾テ得ザノレモノナル可ク,千田{2目)ノ記セル 所トー致スルモノテリー
異物ノ運命二關シテ越ル次ノ間題ハ肺内ニテ如何ナル愛化ヲ受クルモノナリャノ馳ニア
.リ.Peipe・【宮1〕及S・h・w・1d{9冒〕ノ貿駿ニョリ肺ハ異常ナル吸牧能カラ有スルモノナル事ハ 明白ニシテ,液性異物ハ遮二吸牧セラル・モノナリ.愉若園㈹ハ「インダンスレン青染色 綿織維ハ「ラッテ肺内二於才酸化セラレ脱色シ動物化シ,肺胞ノ呼吸運動ニヨリ繊維ハ縦軸 二分裂セラル・モノナルヲ報告セリ。総ラバ比較的粗大ナル石松子ハ如何ナル蟹化デ受クル モノテリヤ.若園㈹〕ハ石松子ハ各期テ通ジテ形態等二鐘化テ受クズト言ヒ,上谷㈹ハ石 松子ノ崩壊スルガ如キ像二接セズ ト述べ,員島{5丁〕ハ前述ノ如ク葉ノ大キサヨリ考へ先ヅ組 織球二貧食サル・コトバ不可能ナリト報告シクリ.千田工29〕ハ直後二於テ鮮紅色二染ル微細 固形ノ穎粒テ多数二有シ,英ノ表面ハ淡褐黄色テ星セル外皮テ以テ被ハレタルモ,3日ニシ テ赤染セル穎粒減少シ,又ハ染色不良ドナ リ金ク穎樺ノ消失シ腔胞トナルモノアリト述べ,
平田テ除ヰ他ノ三氏ハ石松子ハ肺内二於テ何等蟹化ヲ受クストセリ.余ハ注入直後二於テ英 ノ穎粒ノ消失或ハ染色不良ナルモノク見タルモ,此等ハ注入前ヨリ英ノ朕ラ取リシモノト思 惟スルモノテルモ,30日ノ例二於テ石松子ノ内部二多核白血球ノ侵入セシモノ,65日及g0日 ノ例二於テ組織球ノ侵入セル;Eノテ認メタリ.自日干石松子ハ前言巳ノ如クー郡ハ氣道ヨリ喀出 セラル・モ,一部八機械的二生ぜル裂隙へ組織球等ノ侵入ヲ來スモノナル1チ見タリー之ニョ
リテ憲二破壊セラレ形テ失フニ重ルモノナル可キラ擶摩セシムルモノアリ.
第ミ謝 異物ニコル腕組織ノ愛化
異物ニョリテ趨ル腕組織ノ愛化ハ異物ノ種類ニョリテ葉ノ趣テ異ニスルモノニシテ,
P6{ssachowitsch u.Gott1ieb{暑2〕ハ腰抜ノ組織二輿7ル影響ハ塵挨ノ種類ニヨリ異ルモノナ リト言ヘリ.荷L・b㎝・・㈹,lBo・・ch・・dt(9〕,Pink・rt㎝㈹等ノ實験モ之テ講シ得ルモノナ
リ。
余八本資験二基ヰ之ヲ肺胞ト氣管枝トニ分チテ考察スベシ.
先ヅ肺胞二就テハ注入直後二於テ肺胞壁毛細血管充盈シ,腔内ヘノ出血テ認メ,7時間ノ モノニテハ可ナリ廣ク狩スルチ認メタリ.期カル出血ハ異物注入二基クモノテルハ考ヘラル 【胴】
ル財ニシテ,一部直接ノ刺較ニコルモノアランモ,主トシテ呼吸困難二件ヒ超レル血管ノ破 綻ニコルモノト認ム可キモノニシテ,肺胞内二最モ廣ク分布セラル・7時間 ニテ最高ラ示
シ,爾後漸次吸収セラル・モノナル可ヰテ認メタリ.両シテ注入後1日ノ例二於テ氣管枝周 園ノ肺胞二於テ含氣性少ク数個ノ石松子ヲ織ツチ多数ノ多核自血球ノ遊出ヲ認メタリ.細菌 染色テ施スニ該竈二於テ陰性ニシテ,石松子ノ存在ニコル愛化ナリト看倣シ得ルモノナリ.
而シテ該変化ハ注入後2日ニテハエ目ト略同様テルモ7目ニテハ白血球ノ見ラル・数著シク 減少スルモノナリ.
次二気管枝ノ剣ビニ就テ述ベン.直後二於テハ気管枝上皮細胞ニハ軍二少数ノ剥離アルテ 見ルノミニーシテ,炎性劉ヒアルヲ見ザルモ,2時間ニテ腔内二石松子,剥離脱落セル上皮細
胞ノ他二多核自血球及赤一血球テ認メシメ,ク時間ニシテ石松子ハ減少スルモ,多核白血減ハ 増一加シ,且石松子ノ存在テ見ザル氣管枝内ニモ多少ノ多核白血球テ認メシムルモノアリ.是 注入直後ニテハ未ダ氣管枝二炎症テ超ス可キ饒硲ナキモ,2時間ニシテ駆二索管枝二炎憧浸 出テ球スモノナリ.該氣管枝炎ハ1日ニシテ最高二達シ,後漸次減退シ,気管枝腔内ニハ浸 出細胞ニテ包園セラレタル石松子ヂ見ルニ至ル.街90日ノ例ニテ上皮細胞ノ増殖テ認メジメ タリ.氣管枝周園炎ノ像ハ7時間ニシテ之チ認メ,1日ノモノ手著明ニシテ,2日以後ノモ ノニハ稀二認メラル・ノモ.
腰抜吸入ト肺ノ炎性疾患トノ開係二就テハ古來幾多學者ノ研究セシ研ニシテ,麗挨吸入時 二炎末吸入ガ肺結核ノ褒企及其ノ蔓延ノ上二密接ナル開係アル事ハー般二認メラル・所ニシ テ,平田㈱〕ハ此ノ開係ラ明カニスル所アリ、Hayms工24〕ハ珪酸騒塵埃ハ結核菌ノ増殖テ助 長スルモノナリト論ジ,Ender1en(i4)ハThomasmeh1staubハ器械的二或ハ化學的二肺組織
テ書シ,以テ肺炎球菌ノ繁殖二通スル基礎ヲ形成スルモノナリト述ベダリー余ハ此ノ方面ノ 問題テ解決スベキ充分ナル研究テナサ ルモ,前言巳所見ヨリH・y・e・及End・H㎝ノ唱7 ル如ク,塵挨吸入八種々細菌ノ壇殖ラ助クルモノナル可キバ考へ得ラル・研ナリ.愉肺壌疸
ガ異物吸引ト離ル百カラザル開係ニアルコトバ余伽ノ先二述ベシ所ナリ.
塵挨吸入ト肺腫瘍トノ開係 塵埃肺二於ケル腫瘍ノ嚢生二就チノ言巳載ハ古ク所謂S・h鵬一 berger L㎜9㎝kreb阜二關スルモノアリ.統計上近年肺臓癌腫ノ増加=チ示シ,之テ塵挨吸入 二蹄スルモノアリテ,腫瘍ト塵壌吸入トノ間亦關係無シトハ云7可カラズ.Wims u・趾u−
tsaert川。レ・1週2−3回,ユ8−31月二夏リ麗挨テ吸入セシメタル海猿80例ノ中7例二於テ 気管枝周園二腺腫檬組織テ認メ,氏ハ之ヲ塵壌吸入ニコルモノトセリ.余モ亦本質験二當
リ,英ノ1例(第15號)二於テ腺腫ノ像テ認メシモノアルモ,英ノ組織内反周園二石松子ヲ見 ザレパ,其レニヨルモノトハ看微シ得力殊二腺腫棒増殖ハ海猿ニハ自然状態二於テ往々槻 ラル・モノニシテ(Stembe・g(100〕,PageI㈹)余ノ例モ亦之二麗スルモノト認メラル.
石松子周園二於クル集合細胞 北ノ問題二鰯シテハ既二員島w,,上谷舳,大部伽等ノ 詳細ナル報告アリ.眞島ハ多核白一血球ハ24時間迄ハ急二糟加スルモ,其ノ後急二減少シ5日
ニテ著シク少数トナリ,15日ニテ金ク潰失シ,組織球ハ24時間迄ハ淋巴球ヨリモ名手モ,其 【174】
肺臓 ノ 異物
ノ後槍カ。スル圭急ナラズ,7日ニシテ最大数二達シ,英レヨリ徐々二減少シ,淋巴球ハ初メ ハ少数テルモ,.2斗時間後二於テ可ナリ多数二認メラレ,5日ニテ各種ノ細胞ノ中最モ多ク,
其ノ後減少スト述べ,上谷㈹ハ淋巴球ハ初メ少ク24時間後二健二歩数テルモ,荷多核自血 球二及バズ,多核自血球ハ24時間一48時間ヨリ次第二減少シ來ルモ,淋巴球ハ荷増加シ5日 ニテ最大二達シ,20日後八大軍核細胞二凌駕セラルト.余ノ戒鐘ヲ観ルニ多核自血球ハ注入 後2時間ニシテ既二歩勤1湖シ,24時間ニテ最大数二達シ,後急二減少シ7日ニテ遊ダ少数 トナリ,25日ニテ金ク滑朱シ,組織球ハ7時間ニシテ漸ク出現シ始メ,後徐々二増加シテ注 入後25日ニテ最大数二達シ英ノ後ハ徐々二減少シ姶ムルモ90日ニテモ掬少藪認メラレタリ.
淋巴球ハ注入後2時間ニテ翫二百ナリ褒見セラレ,後漸次増加シ7日一10日ニテ最大敷トナ リ,爾後多核白血球ト運命テ共ニシ25日ニテ甚ダ少数トナレリ.以上ノ威綾ハ織ネ員島,上 谷ノ報告トー致セルモ多少異ナル艶アルハ彼我ノ實騒動物テ異ニスルニコル;モノニシテ,
L・uche〔52)ハ塵壌吸人二対シ海浜ハ反騰軽度テルモ,家蒐ニハ強度ナリト言巳載スル所アリ.
肺ノ種々ノ炎症二於テ肺胞内二多野剛現シ,盛ンニ貧食作用テ螢ミ,英ノ病機二緊要ナル 影響テ奥7ル上皮細胞二似タル箪核細胞ノアル事ハ多数ノ研究者ニョリテ認メラレ,心臓辮 腺病細胞,或ハ塵挨細胞,或八本震験二於テ石松子ノ周園二歩靴1硯シ,余ノ組織球ト言巳載 セシ細胞モ亦此ノ種ノ細胞ナル可シ.而シテ期カル細胞ハ肺胞壁二存シ異物刺戟ニョリ分割 テ赤シ糟生スルモノテルハ余ノ上述所見二羽カナルモ,此ノ細胞ノ本態二就テハ盲來所識チ 異ニシ,Gross㈹,RupPert 宮9〕,Watanabe工10日、,H㏄ht{25〕,Haynesω及S㏄ma㎜岬)ハ 肺胞上皮細胞ナリト唱ヘシモ,清野エ州,;眞島(5n,吉田11il、ハ組織球ナリト論ジ,上谷㈹,
大高㈹,木村一藤森㈹ハー部ハ組織球ニシテー都ハ肺胞上皮細胞ナリト述べ,而シテ上谷 ハ組織球二重寺テ置キ,木村一藤森川上皮細胞二重キラ置キタリ.愉朴㈹ハ組織球威ハ上皮 細胞ニモアラズ,恐ラク中胚葉組織二曲來ス漿液腔被覆細胞ト相似ノモノナリト考へ,肺胞 被覆細胞ト穣ス可キナリト言ヘリ.余ハ比ノ細胞ノ本態二就キテハ深クテ論ズルコけ避ク
ンモ,該細胞ガ異物ノ周園二歩勤王搦シ,異物ノ排出印チ肺ノ溝掃作用二意味アル可キ鰯ノ ミニ鰯レントス。千田㈹ハ炭末吸入賞験二於テ此ノ種ノ細胞出現シ盛ンニ貧食作用テ護揮 シ,之テ騒外二排出スト遊べ,眞島ハ5日ニシテ氣管枝内二組織球二色團セラ1ノタル石松子 ヲ襲兄シ,是喀脇ノ途ニアルモノナリト論ジ,余モ亦気管枝内ニテ組織球二色園セラレタル 石松子テ認メシハ上述ノ如シー期ク此ノ種ノ細胞ハ或ハ異物テ舞取シ,或ハ異物ヲ包園シ,
他方異物ノ刺戦ニヨリ高メラレタル気管枝粘膜ノ精液分泌相侯ツチ肺内清浄作用テ盆々先進 セシム可キモノナリト信ズ.
異物亘態細胞 組織二異物アリテ之ヲ容易二吸牧シ能ハザル時1巨態細胞ノ出現シ來ルモノ ナルコトバ周知ノ事費ニシテ掘チ硬間ナル物鑓二眼ラズ,脂肪若クハ「リポイド」,寒天等ニ
ョリテ毛護士シ得ベキモノニシテ,Pinkerton㈹ハ動物性油或ハ鑛地チ氣管ヨリ注入ショ ク亘態細胞形成テ観タリト青ヒ,H・cht{25〕ハ硝酸銀液或ハ硫酸銅液等ニョリ亘態細胞テ形 成セシメ,DuEo丘s(12〕ハ魑尿病著ニテ弾力繊紙テ異物トシ起1レル亘態細胞テ件7慢性気管 【175】
枝炎ノ側テ報告セリ.石松子注人實験二於テ1巨態細胞ノ形成アルハ諸家相一致スル所見とシ テ,員島,若園ハ5日ニテ,.止谷ハク日ニテ之テ襲見セリト言ヒ,大高㈹ハ亘態細胞ノ護 現シ始ムル道程ハ漸ク3口俊二護見セラレ,比ノ時機二遊走セル組織球ノー都ハ石松子テ直 接包園セルラ認メ,5日後二於テ組織球バ完全二夏態細胞テ形成セリト云フ.Og・is(74}ハ魚 類二於テハ温血動物ヨリ兵ノ出現ハ遅シト報告セリ.余ハ先二述ベシ如ク住人後2日ニテ組 織球性細胞ノ集合セル像テ認メ,7日ニテ亘態細胞テ形成セルラ諸メ,前記諸氏ノ報告トー 致スル所ナリ.
然ラバ新カル亘態細胞ハ如何ニシテ成立スルモノテリヤ.英ノ成立機鱒二關シテハ古來飯 読多ク,英ノ論ズル所亦種々ナリ.印チ或ハ箪核細胞ノ融合ニョリテ生スト言ヒ(ArnoId(5},
清野㈹,眞島岬〕,吉馴U用,加藤(昌η)或ハ核ノミ分割シ原形質ハ之二件ハズシテ超ル(林
㈹)ト言ヒ,或八大都分ハ融合ニヨリ,一部ハ細胞鐙ノ分割俸ハザル核分割ニヨルト言ヒ
(犬高(7号〕,岡田㈹,Hechピ25〕,H鉗zogt2言〕),亦亘態細胞ヲ形成スル細胞二就ヰテハ滝野
(如1,員島157),上谷㈹,吉馴川4〕,林㈹等ハ組織球ナリト言ヒ,Hecht㈹,F・iedi細de・
エ15〕ハ肺胞上皮ナリト言ヒ,大高(了畠)ハー都ハ組織球ニシテー部ハ上皮細胞ナリト言ヒ,叉 漿液腔二於テ英ノ被覆細胞ヨリモ形成シ得ルモノナリ(M…hand(59 )ト.亘態細胞ノ運命 二就キテハ員島舳ハ末期二於テ退行性愛化二陥ルト青ヒ,林閉エバ細胞ノ萎小,原形質室 胞形成,細胞ノ染色不良ノ三鮎チ撃ゲ,非ノ消失方法ハ異物ノ種類ニヨリ異テルモノナリト 遊ベタリ.岡田(75〕ハ1−2{固ノ核ヂ帝スル細胞二團劃セラレントスルガ如キ像テ認メタリ
ト報害スル所アリ.
余ハ亘態細胞ノ成立機簿,本態,運命等二關シテハ論断テ遊ケントスルモノテルモ,組織 球ガ漸次石松子二接近シ來リ相集合シテ,細胞ノ接鰯線分明テ鉄ヰ,組織球ノ多クナルニ從
ヒ,亘態細胞モ亦共ノ数テ層シ,向亘態細胞ノ核ノ排列及形態ヨリ観テ少クモ肺二於テ異物 用團ニテハ組織球ノ融合ニヨリ成立スルモノ英ノ大部分ヂ占ムルモノト解シテ大過ナガル町
シト思惟ス.筒亘態細胞及亘態細胞テ形成セル細胞ハ繊維形成二奥ルモノニアラザル可キバ 上述所見ヨリ権セラル・財ナリ.
第四節 所謂格子状織維ノ異物二対スル態度反共ノ本態
諸種ノ生理的及病的組織二於ケル所謂格子状織維干鰯シテハ先二述ベシ如ク.Oppe1(1890
_189工)㈹{η),M趾e。。h(1905)〔30}以來筋二幾多學者ノ業綾二接ス。師チSchmidピ出,K㎝
( 3〕,RossIe㈹w,,Herxhe丘mer㈹,小林{42〕,西宮{72〕ハ肝臓二就辛,Rδssle−Yoshidaユ棚 ハ淋巴腺二就ヰ,H町ash1〔22一,松井㈹,西叶河北{了I一八月年臓二就キ,N㎝ber(6nハ心臓二 就キ,D・nt㎝訂(11)八大動脈二就キ,K・・uspe㈹ハ腎臓二就キ,Hδrm・m t3国〕八女側1生殖 器二就キ,山村U1τ〕ハ乳腺二就キ,吏二久留{舳 ,=菊池㈹,イ:膝㈹ハ所謂格子炊繊維ノ 悪性腫瘍二割スル態度二就キ,膝非Uε㌧黒澤〔47〕,敬尾U12〕ハ炎惟機鱒二釣スル態度・二就キ,
最近松田工引〕ハ腎臓二就キ,小山{44jハ卵巣二就キナ精細ナル報告テナセリ.
翻ツチ肺臓二於ケル業績テ観ルニ,Russakoff㈹〕ガ所謂格子状織維ナル名構テ用ヒテ以 【176】
來,小柳州,西川(舳,E1i…h・wit・・h03〕ノ記載アルモ,蹄内異物持二氣管枝ヨリスル異 物ニコル所謂格子状繊維ノ態度二歳キテハ詳説セルモノナシ.
抑モ異物ト所謂格子状織維トノ關係二就キテハ,西宮 丁2〕八日本佳血吸盤病肝二於テ卵ノ 周園二格子状織維ノ増殖余忍メ,小林1411,西川㈹ハ炭粉沈着肺二於テ撲粉ノ周園二織維
ノ増殖ラ認メ,特二小柳舳ハ織維八相連リテ網状テ呈シ,各綱眼内二1一一2個ノ炭粉テ抱 擁スト言ヘリ.而シテRδssk u.Y・・h曲㈱1ハ淋巴腺二於テ麦粉沈着ニョリ織維ノ肥厚増 殖スルコトノ締ナルコトハ驚異二値スト言ヘリ.筒西川(70}ハ血流中二異物テ注入シ,所謂 格子状繊維ハ異物ノ刺戟ニョリ増殖テ來スモノナリト言ヘリ.余モ亦本實験二於テ石松子ノ 簡園二繊確ノ槍殖テ認メ,石昭子チ個々二色園セルバ,上述ノ炭粉沈着肺二於ケル小林{41〕
ノ所見ト茜ダヨクー教スル財ニシテ,織維ノ増殖ハ石松子ナル異物ノ刺較ニョルモノニシ テ,上記西宮エ伽,小林{伽,西川㈹ノ誠二責スルモノナリ.
両シテ所謂格子状繊維ノ襲主機簿二關シテハ上述ノ如ク所説多ク,或ハ緒締織母細胞ヨリ 生ズ}言ヒ,或ハ内被細胞ヨリ生スト言ヒ,叉所謂僑子状織維ハ膠基繊維ト同一ナリト言
ヒ,或ハ金ク別種ナリト言ヒ,甲諭乙駁未ダ全ク饒スル所ナ牛ガ如シ.余八本研究テ企ツル ニ當リ,特二所謂格子状織雄二注意テ向ケクリ.載二条ハ余ノ考按テ言巳スニ先立チ,護士二 關スル諸家ノ論擦ノ大略テ祭ゲントス.
K㎝(1908)㈹ハ肝臓ノ格子状繊維ハ兵ノ胎生朝二於テ毛細血管ノ星芒細胞原形質反共ノ 突起ノ鐘化ニョリテ嚢生シ,胎生末期二至リテ完成スルモ,時ニハ早期二完成スル事アリ.
更三氏ハ韓移憧Grawit。氏腫瘍二於テ,又肝臓ノ海綿腫二於テ格子献繊維ハ血液腔(別ut−
r揃me)ノ障壁二護士シ以テ格子状繊維ハ内被細胞ヨリ護生スルモノナリト論ぜリ.絢氏ハ増 殖憶病蟹二際シ格子株織維ハ膠基繊総二移行シ得ルモノニシテ,高度二肥厚シタル織擁ハー 都ハ黒色二,一部ハ褐色二染リ,van Gies㎝氏染色法ニテ紅染スル毛ノニシテ,格子状織 維ノ染色ノ愛化ハ軍ナル織維ノ厚脛槍加ニョル他,繊維自個ノ物理化學的愛化二四ルモノト セリ.事費肥厚ノ高度ナル格子状織維モvan Gieson氏染色法ニテ紅染セサル事アハ遊 ぺ,英ノ嚢主機樽ト併セ,格子赦繊維ハ特殊織維ト唱ヘタリ.Rdssl・(1908)㈹ハ跡Is・h−
owsky民法ニテ格子状織維ハ黒色テ,膠基織維ハ褐色テ星シ,v.n Gies㎝民法ニテ格子状 繊維ハ下染ナル事,及糖尿病肝二於テ格子炊織維ハ膠基織雄二移行スルチ以テ化生ト看倣
シ,是テ以テ糖尿病肝ノ特有テルモノナリト論ジ,雨音テ嚴二厚別シクリ.Russakoff(1909)
工9 ハ格子状繊維ハ板木的二膠基繊維トハ別種ナリト論ジ,其ノ根擦トシテ次ノ三項テ饗ゲ タリ,帥チ1,稽太ヰ繊維ガ多タノ紬繊維二分岐スル時,第二次織維ノ纏和ハ第一次繊維ノ 太サニー致セズ,2.眞性ノ吻合テナスコト,3.格子赦繊綴ハB1el・・howsky民法ニテ黒色
ヂ星スルモ膠基織維ハ褐色テ星スルコト.Rδs・1e u.Y・sbida(工909)㈹ハ威生セル淋巴腺 二就キ格子秋繊維ノ検索ヲ行ヒ,格子状繊維ハ嚴二膠墓織擁ヨリ厚別スベキナリトシ,格子 秋繊維テ膠基繊維ノ前階級トシ,膠基織雄二移行スルチ格子状織維ノPm・opl・・i・ト見タ リ.更二氏等ハ染色上格子微織維ハ黒色ヲ,膠基繊維ハ褐色ヲ呈スト言ヒ,英ノ護士二關之 【177】
テハ淋巴賓内被細胞モ網状織細胞ト共二格子状織維形成細胞二麗ストシ,松井(ユ?エ4)(舳軸 ハvan Gies㎝民法ニテ膠墓繊維ハ紅染スルモ,格子状繊総ハ全ク染着セズ,叉ハ健二染着 シ,1趾1sch・w・ky民法ニテ前者ハ褐色二,後者ハ黒色二現ルト書ピタリ.サレド時ニハ此 等ノ染色性ニノミ重キナ置キ難キ場合アリト離モ,英ノ形態的憧紙反共ノ護士學上前者ハ総 締織母細胞ヨリ襲生スルモ,後者ハ内被細胞或ハ網状織細胞ヨリ護士スルカノ如シト述べ,
此等ノ馳ヨリ両者ハ別種ナリト論ジタリ.撚シ膠基繊維モ兵ノ護士ノ初メ畠ロチP・邑。o1Iag㎝o Faserノ時期ニハ其ノ理化學的挫状二於テ格子状織維ト匿別シ難ク,且格子状繊維ハ共ノ生 理的及病的状態二於テ容易二膠基織雄二移行シ待ルモノナレバ,爾繊維ハ極メテ相近接シタ
ル關係ニアリト述ベタリ、菊池(1916)㈹ハ銀沈着法ノミニテハ爾繊維ノ匿別ハ不可能ナル 毛,格子状織維ハ抵抗張ク且美麗ナル網状吻合テ保持スル黙二於テ異ナレリト書ビクリ.
筒上言巳数氏ハ明カニ雨繊維ハ別種ナリト論ジタノレモ,比ノ他格子状織維ノ護士二闘シ,西 川一河北{7いハ緒締織母細胞ノ作用ニコラスシテ綱絡内被細胞二曲來スト青ヒ,西宮{ア2,ハ血 管内被細胞ガ重要ニシテ緊密ナル關係ニアリト述べ,黒澤岬〕ハ護謀腫及結核節二於ケル格 子状織維ノ態度二麓キ精細ナル検索テ行ヒ,英ノ護士二開シテハ血管二開係アルコト,從ツ チ内被細胞ガ重要ナル鰯係ニアル事テ論述シ,仁藤㈹ハ格子状繊維ハ内被細胞ヨリ護生ス ト言ヘリ・近年Maximow(E6〕八家兎胸腺ノ増餐テ施行シ。凝固セル血漿ノ織維素線二滑 ヒ,織紬ナル繊維ヲ認メ,該繊維ハ銀嗜好性テルモ,後漸次肥厚シ英ノ敷ヲ増加スルト共二 銀嗜好憧テ失ヒ,膠基繊維ノ如クvan Gies㎝民法ニテ紅染セラル・二至ルト遊ベタリ.
之二反シ西川(6帥ハ格子状織維ハ血管ノ周国及結締織母細胞ノ多ク存スル部分二最モヨク 増殖テ見劣リト言ヒ,Schumkow−Trub1n(96〕ハ格子状織維ガ何レヨリ嚢生スルカハ充分ナ ル記載ナキモ,内被細胞ト何等ノ結合ナク,葉間緒締織二直接連絡セリト言ヒ,G・I・win5ky n7〕ハ緒締織織維ハ胎生時結締織母細胞ノ原形質表面二於テ細胞自個ヨリ生スト言ヘリ.
松田t引〕ハ腎臓二就手精細ナル睨究テ遼ゲ,格子秋織維ハ総締織細胞ヨリ生ズルヲ穣鴬ナリ トスト遊べ,小山㈹〉・人卵巣二就キ未ダ血管テ見ザル幼若結締織細胞ノ存セル部二織紬ナ ル黒染織維ヲ認メ,以テ格子状織維ハ幼若緒締織成形細胞ヨリ生スト言ヒ,爾繊維ノ關係二 就キテハ共ノモノノ機能上ノ環境的差異ニヨリ英ノ状テ異ニセルモノノ如シト論ジタリ.赤 塵(1〕ハ撃者ノ所謂格子松織維テルモ.ノバ膠基織維束ノ分裂ニヨノり』・膠基東二他ナラスシテ 兵ノ終局ハ各器官二於ケル構造上ノ必要二準擦シテ英ノ細胞性組織二接スル部面二於テ至紬
ナル特殊ノ交織性網絡テ形成シ之テ包園シ,或ハ接合スルモノト読キ,所謂膠基織維東八所 謂格子状繊維二比シテ太ギガ敬二,試薬ノ濠透.ヒ難易アリテ還元作用完全二達セラレ難キダ メニ兵ノ色調ヲ異ニスト唱ヘタリ.上野t104〕ハRe1nb1・・及飽和pikrins麦ureノ混和液ヲ用 ヒテ瞼索セルニ,爾繊維ハ兵ノ色調.ヒ性状ノ類似ゼルテ思ハシムト言ヘリ.齋藤(日川92〕ハ共 ノ煮沸試験ニヨリ格子欣織維ハ膠基繊維二腐スルモノナルコト確實ニシテ,葉ノ前階級ト看 微ス可キナリト読1ケリ.
余ノ威綾テ観ルニ,注入後ク日ニシテ石松子ノ周園二夏態細胞ノ形成セラル・ト共二繊細 【178】