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引張軸力を受けるコンクリート充填鋼管部材の復元力特性に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)引張軸力を受けるコンクリート充填鋼管部材の復元力特性に関する研究. 井本 晋太郎 1 . 序. 張軸力を負担することとなる構造物では、静的増分解. コンクリート充填鋼管(C FT)部材が引張軸力を受け. 析や地震応答解析を行う際、CFT 部材に対しても適切. る場合、充填コンクリートが鋼管の横方向の収縮を拘. な復元力特性モデルを用いる必要がある。そこで本研. 束するため、中空鋼管に比べ降伏軸耐力および軸方向. 究では、中心引張実験の実験結果より、軸耐力や軸方. 剛性が増大することが考えられる。しかし、日本建築. 向剛性の増大を考慮した引張軸力を受ける C F T 部材. 学会編「コンクリート充填鋼管構造設計施工指針」. の復元力特性モデルの提案を行う。. (2008)(以後 CFT 指針と呼ぶ。 )に示される引張軸力を受. 2 . 実験概要および結果. ける CFT 部材の復元力特性モデルにおいては、降伏軸. 試験体一覧を表 1 に、試験体形状・寸法および測定. 耐力の増大を円形断面のみ考慮するだけで、軸方向剛. 装置を図 1 に示す。実験変数は、断面形状( 角形・円. 性の増大についての言及はない。一方、CFT 部材をブ. 形) 、幅・径厚比、コンクリート充填の有無、載荷パ. レースに用いた構造物や柱に用いた超高層建築物など. ターンである。鋼種は STKR400 および STK400 で、すべ. のように、水平荷重時には CFT 部材が比較的大きな引. ての試験体は鉄骨製作後に残留応力除去焼鈍( 約 6 2 0. 表 1 . 試験体一覧. ℃で約 1 時間保持した後に徐冷) を施した。充填コン. 鋼管 コンクリート 歪み1%時 断面 載荷 耐力 (kN) 試験体名 幅,径 板厚t B/t,D/t 充填の 圧縮強度c s B cE c 形状 ( パターン [ξ ] (N/mm²) (N/mm²) mm) (mm ) (公称値) 有無 RV39 1041 無 単調 1093 [1.05] RC39 4.52 39 4 有 70.5 3.66×10 繰返し 1099 [1.06] RC39-R B= RV29 角形 175 1194 無 単調 RC29 1315 [1.10] 5.58 29 4 有 55.6 3.40×10 繰返し 1342 [1.12] RC29-R CV48 1013 無 単調 CC48 1103 [1.09] 4.31 48 4 有 70.2 3.68×10 繰返し 1110 [1.10] D= CC48-R 円形 CV31 1527 無 216.3 単調 CC31 1642 [1.08] 6.60 31 4 有 55.6 3.40×10 繰返し 1658 [1.09] CC31-R ※圧縮に対するヤング係数c E c は、原点と1/3c s B の応力度の点のセカントモジュラスである。 ※コンクリートのスランプフローは、B/t=39,D/t=48のCFTで63cm、B/t=29, D/t=31のCFTで50cmである。. クリートは高強度コンクリートで、粗骨材の最大粒径. 216.3. は 13mm である。その機械的性質を表 1 に示す。載荷 装置を図 2 に示し、繰返し載荷のプログラムを図 3 に 示す。材軸方向の変形は、図 1 に示すように角形、円 形試験体ともに測定リングを試験体に取り付け、変位 計でリング間の距離(検長 400mm)の変化量を 4 箇所に おいて測定した。また、図 1 に示すように検長 60mm の 歪みゲージを貼付し、歪みを測定した。 図 4 にすべての試験体の引張軸力 N と軸方向歪み . 175 リニアモーション ベアリング. 865. 捩れ止め. ※寸法単位はmm。 寸法の括弧内の数字は 円形試験体の場合を示す。. 寸法単位:mm. ひずみ(%). 図 1 . 試験体形状・寸法および測定装置 5 4 3 2 1 0. 1678(1513). 角形 試験体. 0.1% 0.25% 1 2 3. 5000. 4 5 6 7 8 9 10 11 12 サイクル数. 図 3 . 繰返し載荷プログラム. 図 2 . 載荷装置 52-1. 750. 2450. 750. ストローク±150. 700(865). 加力梁. ロードセル(1000kN) 串型油圧ジャッキ(1000kN). 360. 串型油圧ジャッキ(1000kN). 360. ※エンド プレート の形状は 角形試験体と 円形試験体で 共通. 3500. ユニバーサル ジョイント. ロードセル(1000kN). 400. 700. 90. B/t=39 D/t=48. 変位計. 90. B/t=29 D/t=31. 90. 90. ロ形フレーム ひずみ ゲージ.

(2) の関係を示す。 は、CFT では 4 本の変位計の測定値の. cft. 平均値を検長で除した値とした。また、中空鋼管では. の収縮を拘束することで生じる鋼管の軸方向剛性の増. 実験途中に測定リングが移動した可能性があるため、. 大や、テンション・スチフニングを考慮したひび割れ. 材軸中央部に貼付した 8 枚の軸方向歪みゲージの測定. 後の軸方向剛性 cftK による cftNcr 時の歪みまで増える。そ. 値の平均値とした。CFT の降伏軸耐力は中空鋼管に比. の後、c f t K によって鋼管の軸耐力の増大を考慮した最. べ高くなっており、これは、充填コンクリートの鋼管. 大軸耐力 cft N tu に達する。モデル B は、モデル A と同様. の拘束によって鋼管が二軸引張状態となることで、鋼. にひび割れ発生点に達した後、ひび割れが徐々に生じ. 管の降伏軸耐力が増大したためだと考えられる。. ることで接線剛性は一定のまま割線剛性は低下してい. 3 . 引張軸力を受ける C F T 部材の復元力特性. く。そして、最大軸耐力に達する時にひび割れがすべ. 3 . 1 復元力特性モデル. て生じ終え、モデル A と同じ最大耐力発生点の cft  u と. 図 5 に一例として RC39 と RV39 の  =0.25% までの N-. なる。なお、これらのモデルでは歪み硬化は無視す. 関係を示す。 は CFT も中空鋼管も 4 本の変位計の測. る。また、降伏してから最大耐力に至るまでの歪み. 定値の平均値を検長で除した値である。CFT では軸力. は、軸力の増分に対して線形的に増えるものとしてい. が 200kN を過ぎた時から、充填コンクリートのひび割. る。参考のために C FT 指針のモデルを図 7 に示す。. れの影響と思われる不規則な変形の増大が見られる。. 3.2 初期の軸方向剛性 cftK i. その後、中空鋼管より大きな軸方向剛性を示しつつ、. 初期の軸方向剛性にも、鋼管のポアソン比がコンク. 歪み硬化を無視した最大軸耐力に達する。モデルを作. リートのそれよりも大きいため、拘束効果によって軸. 成するにあたり、C F T 部材のこのような特性を踏ま. 方向剛性が増大することが考えられるが、モデルでは. え、図 6 に示す四折れ線( モデル A ) と三折れ線( モデ. それを無視して、CFT の初期の軸方向剛性 cft K i を、cft K i. ル B ) の二つの復元力特性モデルを考える。モデル A. = sE・sA + cEt ・cA (sE:中空鋼管のヤング係数,sA:中. はひび割れ発生点に達したときにコンクリートにひび. 空鋼管の断面積,c E t :コンクリートの引張に対するヤ. 割れがすべて生じることを想定したモデルで、モデル. ング係数,c A:コンクリートの断面積)として定める。. B はひび割れ発生点に達した後に徐々にひび割れが生. c. じることを想定したモデルである。モデル A は、鋼管. 果と比較するにあたって、c E t について圧縮に対するヤ. とコンクリートが合成された C F T としての初期の軸. ング係数 c E c との関係に着目して調査した。研究例文献. 方向剛性 cf t K i によって、充填コンクリートにひび割れ. 1)~ 7). が発生するひび割れ軸耐力 cft N cr に達する。そのときコ. お、材齢が 2 8 日未満のものは除外した。平均値で示. ンクリートにひび割れがすべて生じるとし、軸力は 2000. 2000. 1200 800 400 0. 0. 1. 2 3 4 軸方向歪み (%). CFT単調 CFT繰返 中空鋼管. 1600. 800 400 0. 0. 1. 2 3 4 軸方向歪み (%). 2000. 900. Ntu 600 CFT 中空鋼管. 300 0. 5. sE・sA. 0. 引張軸力N (kN). 1600. 1200 800 400 0. 0. 1. 2 3 4 軸方向歪み (%). 5. 発生点. 発生点. cftNtu. 1200. cftNtu ひび割れ 終了点. 800 400 0. ΔL. 0.1 0.2 軸方向歪み (%). 図 7.CFT 指針の 図 5.N -  関係 復元力特性モデル ( =0 ~ 0.25%) N N 最大耐力 最大耐力. D/t=31. D/t=48 引張軸力N (kN). CFT単調 CFT繰返 中空鋼管. 1600. N. B/t=39. (a) 角形試験体 2000. の実験による cEt の cEc に対する比を図 8 に示す。な. されている実験結果は、評価の際に試験体数に応じて. B/t=29. 1200. 5. E t については現状では資料が少ない。そこで実験結. 1200. 引張軸力N (kN). 引張軸力N (kN). 1600. B/t=39 引張軸力N (kN). CFT単調 CFT繰返 中空鋼管. N cr のまま歪みが、充填コンクリートが鋼管の横方向. 0. CFT単調 CFT繰返 中空鋼管 1 2 3 4 5 軸方向歪み (%). cftNcr. (b) 円形試験体 図 4.N -  関係. cftK cftKi. ε. cft u. ひび割れ 発生点 cftNcr. ε. cftK cftKi. ひび割れ 発生点. ε. cft u. (a)モデル A (b)モデル B 図 6 . 提案する復元力特性モデル 52-2. ε.

(3) 重み付けを行った。養生方法、ヤング係数の決定方. 同一として、充填コンクリートにひび割れが発生する. 法、セメントの種類、材齢について、cEt の cEc に対する. ときの軸耐力である CFT のひび割れ軸耐力 cftNcr を、cftNcr. 比への影響を検討したが、これらの結果の範囲では影. =(sE・sA + cEt・cA)・c σ t / cEt (c σ t:コンクリートの直. 響の有無を特定することはできなかった。すべての実. 接引張強度) として定める。c σ t には本来直接引張強. 験結果における cEt の cEc に対する比の平均値は 1.06、標. 度を用いるべきであるが、文献 1 1 ) より直接引張強度. 準偏差は 0.16 であり、c Et は c Ec に比べて大きい。一方、. と割裂引張強度を同一と見なし、野口らの c σ B を用い. 文献 8)には cEt は cEc より多少小さいとの記述がある。ま. た推定式による割裂引張強度 c σ t = 0.291c σ B0.637. た、文献 9 ) では両者を同一と見なしている。研究例の. で実験結果と比較することとした。図 1 0 に単調載荷. 評価や文献 8 ) 、9 ) を踏まえ、cEt と c Ec の大小関係につ. の試験体の  =0.25% までの N- 関係を示す。 の値は図. いては明確なことは分からないため、c E t に c E c をその. 5 と同様である。図中に、表 1 に示す c σ B と 3 .2 で述. まま代用することとした。. べた sE・sA を用い、cEt に cEc を代用して上述の方法で求. 図 9 に単調載荷の角形は B/t=39、円形は D/t=31 の試. めた cft N cr の計算値を示しているが、どの CFT でも cft N cr. 験体の初期載荷時の  =0.02% までの N- 関係を示す。こ. を超えた軸力時から明確な剛性低下が見られる。. こでの  は、材軸中央の 8 枚の歪みゲージの測定値の. 3 . 4 ひび割れ後の軸方向剛性 cft K. 平均値である。本実験で得られた cftKi と sE・sA は、ここ. CFT のひび割れ後の軸方向剛性 cft K は、cft K =ψ・sE・. では図中の太線部分で示す原点と  =1% 時の軸耐力の. s. 1/20 の耐力時の測定点の割線剛性とした。本実験で得. 効果やテンション・スチフニングによって生じる鋼管. られた sE・sA を用い、cEt に表 1 に示す cEc を代用して求. の軸方向剛性の増大を示す係数である。ψは cf t K に影. めた計算値は、実験により得られた cf t K i とほぼ一致し. 響を及ぼす因子を関数として定式化されるものである. ており、他の C F T でも同様の結果が得られている。. が、定式化するのに参考とできる実験はこれまでにな. ※図中の黒塗りは3体、白抜きは2体の試験体の実験結果の平均値である。 括弧内の数字は試験体数を示す。 ●. ■ . 1.1 1.0. ■. 0.9. 30. 標準水中 封かん 標準水中 (~材齢21日) 気中 (材齢22日~) 不明. 50 70 90 110 130 2 圧縮強度(N/mm ). (a)養生方法 1.3. (37) ■ (8) ▲ (18) ● . 1.2. 平均値 標準偏差 1.08 0.075 1.14 0.057 1.04 0.099. 1.1 1.0 ■. 0.9 0.8 10. 30. cEtのcEcに対する比. 1.2. 0.8 10. cEtの cE cに対する比. 1.3. 普通 ポルトランドセメント 低熱 ポルトランドセメント 早強 ポルトランドセメント. 50 70 90 110 130 2 圧縮強度(N/mm ). 1.1 1.0 0.9 0.8 10. 平均値 標準偏差 ● (12) 1.13 0.047 ■ (18) 1.01 0.091 ▲ (9) 1.13 0.020 ◆ (24) - - 30 50 70 90 110 130 2 圧縮強度(N/mm ). 50. 1.3. B/t=39 0. ▲. 1.2 1.1 1.0. 平均値 標準偏差 (47) 1.11 0.053 ■ (9) 1.03 0.078 ▲ (4) 1.09 0.057 ◆ (3) 1.10 0 30 50 70 90 110 130 2 圧縮強度(N/mm ) ●. 0.9 0.8 10. 5. CFT単調 CFT繰返 中空鋼管. 0.01 軸方向歪み (%). 1200. cftK=7.19×10. sK=sEsA. =6.17×105. ψ=1.17. CFT 中空鋼管. 400. K:軸方向剛性(単位:kN) 0. K:軸方向剛性 (単位:kN). 6 cftK ini=2.18×10. 100. sK=sEsA=1.02×10. D/t=31 0. 6. CFT単調 CFT繰返 中空鋼管. 0.01 軸方向歪み (%). 1800. B/t=39 5. 800. 6 cftKini=2.13×10. 0. 0.02. 6 cftKini=sEsA+cEcA=2.12×10. 0.02. (a) 角形試験体 (b) 円形試験体 図 9 . 初期の N -  関係. 0. B/t=29. ψ=1.01. sK=s EsA. =7.51×105. 600. K:軸方向剛性 (単位:kN) cftNcr 0. 0.1 0.2 軸方向歪み (%). CFT 中空鋼管. 5 cftK=7.57×10. 1200. cftNcr. 0. 0.1 0.2 軸方向歪み (%). (a) 角形試験体 1200. 28(29)日 28~35日 約42日 550日. 6. sK=sEsA=6.51×10. ( b ) ヤング係数の決定方法. cEtのcEcに対する比. cEtの cEcに対する比. 1.2. 引張軸力N (kN). . cftK ini=1.63×10. 0. 引張軸力N (kN). (24) (12) ▲ (18) ◆ (9) ●. 平均値 標準偏差 1.11 0.053 1.13 0.047 1.01 0.091 - -. 圧縮: =50の点と1/3csBの点 引張: =10の点と1/3cstの点 圧縮:原点と1/2csBの点 引張:原点と1/2cstの点 圧縮:不明 引張:原点と1/2cstの点 圧縮:不明 引張:不明. K:軸方向剛性 (単位:kN). 引張軸力N (kN). コンクリートのひび割れ発生時の歪みと鋼管の歪みは. 6 cftKini=1.71×10. 100. 引張軸力N (kN). リートは引張軸力下において線形弾性体と仮定する。. 200. 6 cftKini=sEsA+cEcA=1.66×10. ( c) セメントの種類 (d)材齢 図 8 . 引張ヤング係数の圧縮ヤング係数に対する比 52-3. 1800. D/t=48. D/t=31 5. 800. cftK=7.10×10. ψ=1.22. sK=sEsA. =5.84×105 CFT単調 中空鋼管. 400. K:軸方向剛性(単位:kN). 引張軸力N (kN). 径方向の応力の存在は無視し、文献 1 0 ) によりコンク. 引張軸力N (kN). ここではコンクリートと鋼管のどちらも周方向、半. 1.3. A として定める。ψは、充填コンクリートによる拘束. 150. 3.3 ひび割れ軸耐力 cftNcr. 文献 1 2 ). cftK=9.10×10. 1200. 5. =9.11×105. ψ=1.00 CFT 中空鋼管. 600. K:軸方向剛性(単位:kN). cftNcr. 0. 0. 0.1 0.2 軸方向歪み (%). sK=sEsA. 0. cftNcr. 0. 0.1 0.2 軸方向歪み (%). (b) 円形試験体 図 10.N -  関係( =0 ~ 0.25%).

(4) 1.1 1.0 30. 35 40 幅厚比・径厚比. 45. 1.0. 50. 10. 図 11. cft K の sE ・ sA に対する比ψ と幅・径厚比の関係 1200. 焼鈍なし(B=100) 焼鈍あり(B=175) 20. 30 40 幅厚比. 0. 0. 0.1 軸方向歪み (%). 引張軸力N (kN). 引張軸力N (kN). 0.2. 500. 0. 60. 10. 20. 実験値 モデルA モデルB CFT指針 0. 30 40 径厚比. 50. 60. 1800. D/t=48. 1000. 実験値 モデルA モデルB CFT指針. 焼鈍なし(D=60.5) 焼鈍なし(D=101.6) 焼鈍あり(D=216.3). 1.0. 1200. B/t=29. 600. 50. 1.1. (a)角形 CFT (b)円形 CFT 図 1 2. cft N tu の s N y に対する比ξと幅・径厚比の関係. 1500. B/t=39 引張軸力N (kN). ξ. 1.1. 1.2. 0.1 軸方向歪み (%). D/t=31 引張軸力N (kN). 25. 1.2. cftNtuのsNyに対する比. ξ 角形CFT 円形CFT. 1.2. cftN tu のsN yに対する比. cftKのs E・sAに対する比. ψ. 1.3. 1200. 600 実験値 モデルA モデルB CFT指針 0. 0.2. 0. 0.1 軸方向歪み (%). (a) 角形試験体. 0.2. 600. 0. 実験値 モデルA モデルB CFT指針 0. 0.1 軸方向歪み (%). 0.2. (b) 円形試験体 図 1 3 . 実験結果と復元力特性モデル. く、したがって本実験の結果よりψを検討する。図 1 0. 3 . 6 本実験の結果のモデル化. 中に示すψと幅・径厚比の関係を単調載荷の CFT につ. 本研究で提案するモデルおよび C F T 指針のモデル. いて図 11 に示す。cft K と sE・sA は、ここでは図 10 中の. を用いて、本実験の結果をモデル化したものを図 1 3. 太線部分で示す  =1% 時の軸耐力の 3/5 と 3/4 の耐力時. に示す。CFT 指針によるモデル化では中空鋼管の実験. の測定点の割線剛性とした。ψは幅・径厚比が大きく. 結果を用いた。ひび割れ点以後の最大耐力発生点まで. なると大きくなる傾向があるが、幅・径厚比に対して. の直線は、B/t=29 の角形 CFT を除いては実験結果を概. ψに定量的な評価を与えるにはさらに多くの実験結果. ね捉えることができていると考えられる。B/t=29 の角. が必要だと考える。. 形 CFT で捉えることができていないのは、実験値の cft K. 3.5 最大軸耐力 cftNtu. の算出に用いた測定点までに、コンクリートにひび割. CFT の最大軸耐力 cftNtu は、cftNtu =ξ・sNy (sNy:中空鋼. れがすべて生じていなかったためだと思われ、c ft K の. 管の降伏軸耐力)として定める。ξは、充填コンクリー. 算出にはひび割れがすべて生じた後の測定点を用いる. トによる拘束効果によって生じる鋼管の降伏軸耐力の. 必要があると考えられる。. 増大を示す係数である。ξ も ψ と同様に定式化され. 4 . 結び. るものであるが、定式化するのに参考とできる実験は. 中心引張実験の軸耐力や軸方向剛性の結果を基に、. 少なく、本実験の結果と河野らによる既往の実験の結. 引張軸力を受ける C F T 部材の復元力特性モデルを提. 果. 文献 13 )~ 18 ). を併せてξを検討する。表 1 に示すξと幅・. 案し、復元力特性モデルと実験結果の比較を行った。. 径厚比の関係を図 12 に示す。cft N tu と sNy は、ここでは . 参考文献. = 1% 時の軸耐力とし、河野らの実験結果については、. 1)濱永 他:コンクリートの引張クリープに関する研究,AIJ 大会梗概集,2005 2)濱永 他:若材齢コンクリートの力学的特性と収縮ひぴ割れに関する研究 ,AIJ 九州支部報告,2004 3)萩原 他:高強度コンクリートの若材齢における 変動荷重下のクリープ挙動,AIJ 構造系論文集,2003 4)萩原 他:高強度コン クリートの若材齢における力学特性と圧縮および引張クリープ挙動に関する 実験的研究, コンクリート工学論文集,2000 5)池永 他:コンクリートの引張 性状に関する実験的研究,AIJ 大会梗概集,1986 6)山田 他:直接引張を受け るコンクリートの力学的特性に関する実験的研究,AIJ 大会梗概集,1979 7) 川瀬:高強度コンクリートの引張強度性状に関する実験,AIJ 大会梗概集,1968 8)竹村和夫 他編:建設材料, 森北出版 ,1998 9)日本建築学会編:鉄筋コン クリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針(案)・同解説,2006 10) 土木学会編:コンクリート標準示方書改訂資料2002 年版 11)金子 他:気乾お よび湿潤コンクリートの直接・割裂各引張疲労特性に関する研究,AIJ 構造系 論文報告集,1991 12)野口 他:高強度コンクリートの圧縮強度と各種力学特 性との関係,AIJ 構造系論文集,1995 13)高木潤一:繰返し軸方向力を受けるコ ンクリート充填鋼管部材の座屈挙動と耐震性能に関する研究,1995 年度 14) 中島隆裕:繰返し軸方向力下におけるコンクリート充填鋼管短柱の局部座屈挙 動に関する実験的研究,1993 年度 15)崎野良比呂:繰り返し荷重下におけるコ ンクリート充填鋼管部材の曲げ座屈荷重に関する実験的研究,1991 年度 16) 大串勝利:弦材にコンクリートを充填した鋼管トラスの曲げねじれ座屈に関す る研究,1987 年度 以上 , 九州大学修士論文 17)崎野良比呂:繰り返し水平力 を受けるコンクリート充填鋼管トラス柱の研究,1989 年度 18)石本健夫:繰り 返し軸方向力を受けるコンクリート充填鋼管ブレースの弾塑性性状に関する 研究,1987 年度 以上 , 九州大学卒業論文. 文献に記載されている軸力と変形の関係からその値を 読み取った。なお、河野らの実験では残留応力除去焼 鈍は施されておらず、径厚比が約 50 の試験体では鋼 管表面に切削加工が施されている。充填コンクリート の圧縮強度は、角形 CFTでは31.3 ~ 37.6N/mm2、円形CFT では 26.7 ~ 59.7N/mm2 である。すべての CFT は中空鋼管 に比べ軸耐力が高く、本実験の結果と河野らの実験結 果は約 1.1 と同程度の値を示している。ξは幅・径厚 比に対してやや相関があるようにも思えるが、幅・径 厚比に対してξに定量的な評価を与えるにはさらに多 くの実験結果が必要だと考える。. 52-4.

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