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第9回国際人類学・民族学会(シカゴ)に出席して

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

第9回国際人類学・民族学会(シカゴ)に出席して

綾部, 恒雄

九州大学

https://doi.org/10.15017/2231518

出版情報:九州人類学会報. 2, pp.25-28, 1974-10-01. 九州人類学研究会 バージョン:

権利関係:

(2)

第 9 回 国 際 人 類 学 ・ 民 族 学 会 ( シ カ ゴ ) に 出 席 し て

九 州 大 学 綾 部 恒 雄

1. は じ め K

2.  クイスコンシン州、|オシュコシュ市Kぉ、ける人口問題予備会議その他 3.  シカゴの本会議K訟ける分科会の若干について

a  人類学と女性研究 b 映像人類学

1 .   はじめに

l 9 7 3年の8月28日から9月8日まで、米国のシカゴ市で、第9四国際人類学・民篠学会が 開かれ、筆者も、オシュコシュ市で関かれた「人口と社会組織j~ついての予備会議と、シカゴの 本会議 ~j,,ける「東南アジア f'C 訟ける ethnic  identitie s」「極東K訟ける人類学」「儀礼 とシャマニズム」;なよび「女性の地位jその他Kついての分科会を中心

κ

出席した。

ζの国際人類学・民膝学会議は、 l9 3 4年Kロン ドンではじめて開催されている。乙の時の参 加 者Kは、 H. ハッドン、マルセノレ・モース、セリグマン、ピルケソト・スミス b よび日本の何正 雄教授等の名がみえる。次いで翌l9 3 5 益手t亡、コベンハーグンで第2回会議が関かれたが、ζれ 以後第2次大戦の勃発で中断し、戦後の19 4 5年Kブラ:ソセルで、第3回会議が再開された。第 4回目は19 5 2年I'(ウィーンで聞かれ、次いで、第 5回、第6回、第7図、第8図が夫々、フィ ラデルフィア、パリ、モスクワ、東京・京都で関かれている。シカゴのコンラヅ ド・ヒルトン・ホ テルで闘かれた今度の第9回会議

κ

は、 lO 0余ヶ国から約4,00 0人の出席者がるったという ζ

とである。 次の第10回会議はインドで、第 11図はイ Fリアで訟となわれるとと

t

てなっている。

ところで、シカゴでの第 9回会裁は、ゾノレ・タックスを会長、マーガレット・ミードを義室長とす る名コンビで、すぐれた企画も多くみられたが、他方、組織・逮営の上では不手際が目立っていた ようである。特色のひとつとして取りあげられるのは、 9月18からシカゴではじまった本会議の 前『亡、8月28 8から31日までの4日間、シカゴ近郊で8つ、シカゴを取りまく中西部の都市、

たとえばミルクォーキー、デトロイト、オシュコシュなどで13の予備会議がもたれ、 ζ Lで本会 議Kかける多くの分科会での討論のたたき台がつくられたζとであろう。私は、ウイスコンシン州 オシュコシュ市での「人口と社会組織

J

の予備会議K招かれて出席したので、先づζの予備会議Vて ついて少しふれてみたい。

‑25 ‑

(3)

2. 

ウ イ ス コ ン シ ン 州 オ シ ュ コ シ ュ 市 に お け る 人 口 問 題 予 備 会 議 そ の 他

美しいウイネパゴ湖畔にあるオシュコシュ市での「人口と社会組織 j

t

てついての予備会議は、シカ ゴでの本会議への準備というよりは、 19 7 4年8月19 Bから、ルーマニアのブカレストで関かれ る国連主催の世界人口会議K対する、人類学からの発言を準備する会議と考えた方がよいだろう。 。

第2次大戦後、世界の人口の爆発的地方日

r e

伴い、 70年 代K入ってからは特に、人口問題が危機と して捉えられ始めているζとは周知の事実である。国連は19 7 4年を「世界人口年」と名付け、イ デオロギーや国家的利容をζえて、乙の人類共通の大問題

r e

取りくむζとを決定している。

オシュコシュ会議は、米国のスミスゾエアン研究所の「人間研究センター jが主催し、同センFー

s .

スタンレー縛土が世話人となり、コロンピア大学の「人類再生産に関する国際研究所」のモニ

・ナγグ博士 (人類学)、ノース・カロライナ大学の「カロ ライナ人口問題センター

J

のスティーブ

ン・ポノレガー博士(人類学)がオーガナイザーとなって運営された。会議への出席者は、米国をのぞ いては、人口圧力のきびしい、いわゆる発展途上国から招待された学者が多〈、延50人に途した。

顧問としては、ペンシルベニア大学のグッドイナフ教授の顔もみられた。日本人の出席者は私1人で、

私は九州の

U

ターン現象を中心

κ

、「人口変化V(.t,,ける親族的要因

J

という報告をした。

オシュコシュでの48間とシカゴでの1週間の討話を過して、人口問題は今や、医学者や統計学者 あるいは経済学者だけの問題ではなく、宗教と人口、コミュニティと人口、文化の伝統や価値観と人 口など、文化人類学者の得意とする分野をも含めて、あらゆる角度からの分析を必要としているζと が明らかKされた。そして、との分科会の討議結果は、 シカゴ会議の員長終日Y亡、第9包囲際人類学・

民自英学会議の TaskCommissionκ対して「人口にお・ける人類学的要因

J

研究の恒久的委員会を 設置ナべき ζとを決議している。

γュコシュ市ではこの他「青年期に関する国際研究

J

、 「アメリカ

r e

ぉ、ける民自長問題」、「教育

の人類学的研究」、「アメリカ・インディアYの経済開発

J

、「婦人運動K関する通文化的見通し 」 などの予備会議がもたれていた。

3 .   シ カ ゴ の 本 会 議 に お け る 分 科 会 の 若 干 に つ い て

シカゴ会議での特色の一つは、 ζれまでの学会のようK、分科会で各人が自分のベーパーをよむと いう方式を改め、ベーパーは前もってコピーを作って配布してなき、会場では討議

r e

差点をお、くとい う方法がとられたことであろう。しかし、コピーは規定以外の都数は有料であり、他人の論文を前も って充分

κ

よくよんでお・くというζとも、現実にはなかなか困難であるため、分科会の中心Kなる人 々を徐いては、一般の参加者Vては、討議されている内容が会然、理解できないという現象が、非常

κ

多 かったようである。アイディア倒れの感をまぬがれない。筆者は主として、東南アジプや極東、女性 問題や映像人類学に関する分科会K参加したが、前2者については特集すべき ζとは何もなかったよ

うK思、うので、次の2分科会の決議事項についてのみ若干紹介レてまfきたい。

‑26 ‑

(4)

a、女性問;翠Kついて

女性Vてついての分科会は、 女性の社会運動Hとか4社 会 的:頃匂HなどKつれて後っか訟ζな われていたが、 最終B K女性有志から次のような決議文が出された。

「人類学にないて、西欽の伝統主義者である男性の偏見が、人間社会とその変化の遁正念理解 をさまたげてきたが

t h .

k、また、人類生物学や人類進化 Kついての教授が、同じよう

κ

男性の翁 見I'(よってゆがめられてきたが

t h .

¥C、そしてまた、我々はもし茨々が人類学を女性と男性を解放 する科学として破立しようとするなら、歴史時代また先史時代Kぉ・ける女性の役割

κ

ついての より完会な知畿が不可欠であると考えるが:$v亡、 ζの会議は、女性の生物学的・社会的研究を、

人類学

κb

ける正統で重要な分野として認識しなければならぬ。また我々は、すべてのカレソジ、

総合大学、惇物館、研究所が、 ζの分野

κ

関するコースを提供し、問題を縄示し、調査をすLめ うるような資格のある人身

κ

、験場をつくるように呼びかけたい。

J

b、映像人類学について

シカゴ会議で着目すべきζ とのひとつは、映像人類学( v i s u a 1 ant hr op o 1 o gy ) ¥Cつい て、活発な論議がお・ζなわれたζとであろう。次Kその決議文を紹介する。

「フィルムや音やビデオテープの記録は、今日欠〈 ζとのできない科学的資産である。これら の資産は、入閣の行動についての信綴すべきデータを縫供し、個々の研究者は、 ζ うしたデータ Vてついて、新しい理論によって分析するζとができょう。 ζれらのデータは、まだ存在していな い理論や分析体系Kついての情報を含んでもいよう。データは言語とは独立した情報をもたらす。

また、 ζれらのデータは、子孫

κ

対して、我々の変化しっ、ある生活様式のユエークな様相を保 存する。現代は、単に変化のみでなく、単一性と大量の文化的喪失が広大しつkある時代である。

ζうした動きを阻止するのを援け、そうしたプロセスが惹き沿乙す人間の潜在力についての近視 眼的見解を正すため f亡、人類の財産は、すべてそのありのま Lの多緩さと豊かさのま、記録され

ζとが重要である。とうした目的のために、我々は次のようなととを提案する。

(1)  都市と袋村双方の伝統文化の組織的サンプルを用意するため、全世界規模の撮影企画を直ち 十て開始する。特K、その生活様式が絶滅¥C頻しているような狐立したユユークな諸文化K注意 しなければならぬ。

(2)  すでK消滅した文化K特K配慮して、現存する民族誌的フィルム記録のある場所を明らかに し、収集し、保存し、索引を作製する。

(3)生活を煉彩された人々が、その成果を完全

K

分ちあえることを、また、結果の記録が自由に 利用できるのを傑証するため、国際的配布組織をつくる。

(4)新らしい民族誌撮影の技術を訓練するとと、特に、野外調査の専門家や撮影される人々 Kつ いて訓練するζとを奨励する。

‑27 ‑

(5)

(5)  以上の事業のために、記録、調筆、製作、配布、訓練をかとなえるような、地域どとの資料セ ンターを、全世界K設立するための組織を準備する。特にこの場合発展途上国の必要性K注意す る。

(6)  世界的規模の記録計画と協同するための緊急撮影に関する国際的委員会を包含するため

κ

、また 索引作製や修正法を標準化し、科学的研究や教育のための狭像資料の国際的交換を容易ならしめ

るために、現在の CIFESを再編しなi,−すζと。とうして再編された組織の下で、全世界から の参加が積極的

κ

奨励され、呼びかけられるでるろう。

J

なまf、1974&:手の3月6臼 〜9Bf'Lかけて、ベンシルベニアのテンプル大学で、狭像人類学

f'L~ ずる会議がもたれた。テンフ・ル大学 κ ある「映像コミュニケーツョンの人類学協会」は、ア

メリカ人類学会の一委員会である「民族誌的フィルムKついての企画委員会 jから発展して、

1 9 7 2年の11月K組織されたものである。

28‑

参照

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