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RTK 測位で得られる測位解

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅵ‑122. 電波遮蔽環境における RTK 測位の GLONASS 利用条件に関する研究. 1.はじめに. 日本大学. 学生会員. ○池田. 隆博. 日本大学. 正会員. 佐田. 達典. 表-1. 現在,衛星を利用した公共測量では,GPS を利用し. RTK 測位で得られる測位解. 測位解. た干渉測位が主流となっている.中でも,実時間で高 精 度 ( 5mm~20mm ) な 測 位 結 果 が 得 ら れ る RTK (Real-time Kinematic)測位では,測量作業に加えて移. 内容. Fix解. バイアスが整数値として確定した解. 5mm~20mm. Float解. バイアスが実数値のままの解. 10cm~数m. 単独測位解. 単独測位による解. 10m. 100m. 動体を主とした機械制御等への適用も期待される.し かし,RTK 測位は常に利用可能な手法ではなく,電波. 概略精度. 走行コース. 基準点. 南北方向遮蔽. 遮蔽物なし. 遮蔽物となる建物や樹木等が周辺にある環境では安定. し. した利用が困難であるという側面がある. RTK 測位の安定した利用には,電波遮蔽環境におけ る利用条件の改善が課題となり,方策の一つとしてロ 南方向遮蔽. シアが運用する GLONASS(Global Navigation Satellite. (樹木). 西方向遮蔽. System)の併用が考えられる.GPS 以外の衛星系を併 用することで利用可能な衛星が増加し,上空視界の悪. 図-1. 実験位置図. い環境でも衛星測位を利用できる可能性がある.しか しながら,遮蔽物の位置関係に応じて利用可能な衛星 は異なり,一定の併用効果が得られるとは限らない. 本研究では,電波遮蔽物と観測衛星の位置関係から GLONASS を併用した RTK 測位が効果的に利用できる 条件を検討したのでその結果について報告する.. 図-2. 2.RTK 測位と初期化. 実験状況(左:基準局 右:移動局). び基準局からの通信リンクの途絶により得られる測位. RTK 測位では 2 台の受信機を必要とし,基準点上に. 解の種類が異なる.表-1に RTK 測位で得られる測位. 受信機を固定し,もう一方の受信機は実時間で未知点. 解の内容と概略精度を示す.. 位置を求めることができる.このとき,基準局の座標. 3.GLONASS の利用条件に関する検討. データおよび衛星観測データを通信リンクにより移動 局へ送信する必要がある.. GLONASS を併用した RTK 測位を効果的に利用でき る条件を検討するため, 「GP」 , 「GP+GL」について RTK. 未知点位置は,衛星から受信機までの距離により算. 測位を実施し,図-1に示す日本大学船橋キャンパス. 出され,波数に波長を乗じることで求められる.しか. 内の各観測区間で得られた測位解の割合を比較した.. し,衛星から受信機までの連続波のうち波数の小数部. 実験は,2010 年 11 月 28 日 13:00~14:00 に実施し,図. はわかるが,整数部の波数は不明である.この未知の. -2に示すように基準局を 7 号館屋上の基準点に設置. 整数を整数値バイアスと呼び,これを確定するには. し,移動局を電動式パーソナルトランスポーターであ. GPS 単独(以下 GP)の場合は 5 機以上,GPS+GLONASS. るセグウェイに固定して,事前に定めたコースを一定. (以下 GP+GL)の場合は GLONASS 衛星を 2 機以上含. 速度で移動しながら測位を実施した.実験で使用した. んだ計 6 機以上の衛星観測が必要となる.. 受信機はトプコン社製 LEGACY-E+であり,通信リンク. なお,RTK 測位では整数値バイアス確定の有無およ. は特定小電力無線を使用した.. キーワード GPS,GLONASS,RTK,電波遮蔽物,測位解 連絡先. 〒274-8501 千葉県船橋市習志野台 7-24-1 日本大学理工学部 空間情報研究室 TEL047-469-8147. ‑243‑.

(2) 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). 100% 80% 60% 40% 20% 0%. 測位解の割合 (南北方向遮蔽). 測位解の割合 (遮蔽物なし) 測位解の割合 (西方向遮蔽). 測位不能 100% 80% 60% 40% 20% 0% 100% 80% 60% 40% 20% 0% 100% 80% 60% 40% 20% 0%. 測位解の割合 (南方向遮蔽:樹木). Ⅵ‑122. 単独測位解. Float解. Fix解. 表-2 観測区間. Float 解取得時の平均観測衛星数 5km/h GP. 南北方向遮蔽 西方向遮蔽 南方向遮蔽(樹木). 表-3 観測区間 南北方向遮蔽 西方向遮蔽 南方向遮蔽(樹木). 10km/h GP+GL. 4.5 4.9 4.6. GP 6.0 7.3 5.7. GP+GL 4.2 4.9 4.3. 5.4 6.6 5.6. Float 解取得時の平均 PDOP 5km/h GP 7.14 5.39 6.41. 10km/h GP+GL 6.76 4.28 7.23. GP 8.49 4.31 10.21. GP+GL 8.89 3.69 6.99. 次に,測位解と観測環境の関係を調べるため,観測 区間毎に Fix 解取得手前である Float 解取得時の平均観 測衛星数(表-2)と平均 PDOP(表-3)を求めた. PDOP とは衛星配置による 3 次元方向の精度劣化度を示 す指標であり,値が小さいほど精度に対する衛星配置 が良好となる.観測区間毎に①平均観測衛星数,②平 均 PDOP の傾向を比較し,以下の結果が得られた. ① GP. GP+GL (5km/h). 図-3. GP. 測位条件. 南北方向遮蔽と南方向遮蔽(樹木)では,GLONASS を併用しても 6 機以下となり初期化に必要な衛星数. GP+GL (10km/h). に満たないが,西方向遮蔽では 6 機以上となる.. 観測区間毎の測位解の割合. ②. 南北方向遮蔽と南方向遮蔽(樹木)では,「GP」. 実験方法としては,データの出力間隔を 1Hz に設定. 「GP+GL」ともに PDOP が 6 以上となり Fix しない. し,走行コースを 1 周する毎に「GP」→「GP+GL」の. 傾向にある.一方,西方向遮蔽では, 「GP」 「GP+GL」. 順に測位条件を切り替えた.また,移動速度の影響を. ともに PDOP が 6 以下となる傾向が見られた.. 考慮するため,セッション毎に移動速度を「5km/h」→. これらの結果は,西方向遮蔽時の観測条件がその他. 「10km/h」に変更し,このサイクルを 2 回実施した.. の観測区間における条件と比較して良好であることを. 4.実験結果. 示しており,GLONASS の併用効果が得られる条件とし. 観測区間毎で得られた測位条件別の測位解の割合を. て,衛星数が 6 機以上に増加し,PDOP が 6 以下の場合. 図-3に示す.①「GP」と「GP+GL」,②移動速度,. であると推察される.. ③電波遮蔽物の方向について測位解の傾向を比較し,. 5.結論. 以下の結果が得られた. ①. 本研究では,電波遮蔽物と観測衛星の位置関係から. 遮蔽がある場合, 「GP+GL」の方が Fix 解は増加す る傾向にある.. GLONASS を併用した RTK 測位を効果的に利用できる 条件を検討した.その結果,GLONASS 併用により Fix. ② 「GP」 , 「GP+GL」に関わらず「10km/h」の方が「5km/h」. 解が増加する条件として,①GPS 単独では初期化に必. より Fix 解の割合が少なくなる,または Fix 解が取得. 要な衛星数が僅かに不足している場合,②衛星の幾何. できない.. 学的配置が改善する場合であり,上記の条件以外では. ③. 西方向遮蔽の Fix 解は「GP」 , 「GP+GL」に関わら. 併用効果が得られない傾向にあることがわかった.ま. ず多くなる傾向が見られ,取得した解の 80%以上が. た,GLONASS 併用に関わらず低速移動の方が Fix 解は. Float 解または Fix 解となる.一方,南北方向遮蔽お. 増加する傾向が見られた.. よび南方向遮蔽(樹木)では,取得した解の 80%以. 今後は,各衛星系の軌道から日時に応じた電波遮蔽. 上が単独測位解と Float 解となる.. 物と観測衛星の位置関係を明らかにし,観測時間帯に. これらの結果は,取得できる測位解の種類は初期化. 応じた GLONASS の利用条件を検討する予定である.. により左右されるため,観測区間毎の衛星数および衛. 謝辞: 本研究は平成 22 年度科学研究費補助金基盤研究. 星配置等の環境の違いが影響していると推察される.. C(20560495)の助成を受けた.ここに記して謝意を申し上げる.. ‑244‑.

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