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∑ ∑ ∑ 電気泳動・拡散モデルの解析解による検証

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). Ⅶ-181. 電気泳動・拡散モデルの解析解による検証 九州大学大学院農学研究院 1.. 正会員. 中川啓. 和田信一郎. 式)を特性曲線法(籾井, 1991)により解いた.. はじめに. 地下水・土壌汚染の浄化技術の一つに,通電による 地下水・土壌の修復がある.これは,電極を土壌に. N. Tk = ∑ α ik C i. (4). i =1. 設置して通電により起こる電気泳動と電気浸透を利. ここに,αik はそれぞれの化学種 i の保存量 k に対す. 用して汚染物質をそれぞれが帯電している電荷とは. る寄与を表す.N は保存量の総数である.. 逆方向の電極に移動,濃縮させる技術である.本修. ∂Tk N ∂C i ∂   u ei C i − Di + ∑ α ik ∂t ∂y  ∂y i =1. 復技術の現場適用にあたっては,事前に操作条件や 最適な電極配置など数値計算によって十分に検討す.   = 0 . (5). べきである.著者らは,この電場土壌における汚染. 保存量的アプローチによる解法の詳細は Jacobs and. 物質の移動モデルを作成することを目標として,溶. Probstein(1996)を参照されたい.. 液中での電気泳動と拡散を考慮した通電溶液中の物 質輸送のモデル化を行い,化学種の挙動をシミュレ. 3.. 計算方法と計算条件. ーションした(中川ほか,2000).本研究では NaCl. 数値計算の手順は次のようにした.(1)濃度分布の初. 点源瞬間注入の数値計算を実施して解析解との比較. 期値を与える.(2)電位分布の算定.(3)電気泳動速度. を行い,そのモデルの検証を行った.. の算定.(4)特性曲線法による濃度の算定.新しい時 間ステップの濃度分布が分かれば(2)に戻って繰り. 2.. 返し,求める時間まで計算する.数値計算では,9.73. 数値計算モデル. 電気泳動と拡散のみを考慮した1次元電気泳動拡散. cm の領域に対し中心部に細かいメッシュを集める. 方程式は;. 不等間隔格子を適用して(中心部の差分格子間隔は. ∂C i ∂ (u ei C i ) ∂  ∂C i   + Ri + =  Di ∂t ∂y ∂y  ∂y . 両端の 1/20) ,図 図 1 のような変数変換を行い等間隔 (1). 領域に写像して解くように工夫した.両端の境界に ついては,濃度勾配の無いように設定して,初期条. ここに,Ci は濃度(mol/m3),Di は拡散係数(m2/s),Ri. 件ではデルタ関数による注入は厳しいと考え,点源. は化学反応項(mol/(m s)),uei は電気泳動速度(m/s). 瞬間注入で解析解により 3600 s まで計算して,それ. で,次式で定義される;. を初期の濃度分布として与えた.用いた解析解は次. 3. u ei = −vi z i F. ∂φ ∂y. (2). 式である(Kinzelbach, 1990).. ァラデー定数(C/mol),φは電位(V)である.なお添.  ( y − y 0 )2  Q C ( y, t ) = exp −  2 π D(t − t 0 )  4 D(t − t 0 ). え字 i は,各化学種を意味する.電流密度の式は;. ここに,Q:単位面積あたりの注入強度(0.001 mol),. ここに,vi は移動度(m mol/(Ns)),zi は電荷,F はフ. ∂C i  I = F ∑ z i  u ei C i − Di ∂y i =1  N.   . (6). ,y0:注入位置(4.735 cm), t0:注入時間(-3600 s) (3). ここに,N は化学種の総数である.実際の(1)式の解 析には,(4)式で示す保存量 k に対する輸送方程式((5). D:拡散係数である.なお解析解に対する拡散係数 D は Jacobs(1995)にならい,次式を適用した..  D − DCl D = DNa 1 − Na  DNa + DCl. キーワード:電気泳動,拡散電位,数値計算 〒812-8581 福岡市東区箱崎 6-10-1 Tel & Fax 092-642-2845.  2 DNa DCl  =  DNa + DCl. (7).

(2) 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). Ⅶ-181. 表1. Species H+ OHNa+ Cl-. 数値計算に用いた諸定数. Mobility (m mol/(Ns)) 3.756×10-12 2.127×10-12 5.379×10-13 8.197×10-13. migration velocity (cm/s). また,電位分布の解析解は拡散内部に対して次式で 示される(Jacobs, 1995) .. φ (y, t ) =. RT ( DNa − DCl )( y − y0 ) +K 4 FD( DNa + DCl )(t − t0 ). (8). ここに K は任意の定数で,K=0.0208 を与えた.Na+ と Cl-それぞれの保存量に対して輸送方程式である. Diffusion Coefficient (m2/s) 9.311×10-9 5.273×10-9 1.334×10-9 2.032×10-9. 0.00003 0.00002 0.00001 0 -0.00001 -0.00002 -0.00003 0. (5)式を特性曲線法で解き,電気的中性条件と水の解. 2. 4 6 Distance from left side boundary (cm). migration velocity (Na+). 離定数より H+, OH-を代数的に算定した.電位分布. 8. migration velocity (Cl-). 図 4 拡散電位による電気泳動速度. は,電流密度の式から荷電収支を考慮してガウスの 消去法により解いた.各化学種の移動度と拡散係数. real coordinates (cm). は表 表 1 に示す.. 4.. 結果. 図 2 および図 図 3 に t=500 s の数値計算結果と解析解. 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0. との比較を示す.濃度分布,電位分布ともに良好に 一致している.図 図 4 には t=500 s の電気泳動速度の 分布を示している.Cl-が拡散内部に向かい移動して いること,逆に Na+が拡散の外側に向かって移動し 1. 11. 21. 31. 41. 51. 61. 71. 81. 91. 拡散電位を形成する様子が明らかになった.. 101. c o n v e r t e d c o o r d in a t e s. Concentration (mol/L). 図 1 1 次元座標変換. おわりに. 本研究では,前報(中川ほか, 2000)で示したモデルの. 0.0012 0.001 0.0008. 検証を行うため,NaCl の点源瞬間注入の数値計算. 0.0006. を行い解析解と比較した.濃度分布,電位分布とも. 0.0004. に良好に再現できた.また拡散電位の形成メカニズ. 0.0002 0 2.5. 3.0. 3.5. numerical results (Na+). Potential (V). 5.. 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 Distance from left side boundary (cm) numerical results (Cl-). 6.5. 7.0. ムを明らかにした.今後は土壌まで含めたモデルを 完成し,室内実験との比較を行う予定である.. analytical solution (NaCl). 図 2 濃度分布の数値計算結果と解析解の比較. 参 考 文 献 ; Jacobs, R. A. (1995) PhD dissertation,. 0.025. Massachusetts Institute of Technology./ Jacobs, R. A. and. 0.02. numerical results. 0.015. analytical solution. Probstein R. F. (1996) AIChE Journal, Vol.42, No.6, pp.1685-1696./ Kinzelbach, W. [上田年比古監訳] (1990). 0.01 0.005. パソコンによる地下水解析, 森北出版./ 中川・和田・. 0. 龍(2000) 土 木 学 会西 部支部 研 究 発表 会 講演 概要集 ,. -0.005 0. 1. 2. 3 4 5 6 7 Distance from left side boundary (cm). 8. 図 3 拡散電位の数値計算結果と解析解の比較. 9. 10. pp.168-169./ 籾 井 和 朗 (1991) 地 下 水 学 会 誌 , 33(3), pp.177-184.. 10.

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