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図2 簡易孔内カメラによる孔内観察実施状況の例

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Academic year: 2022

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簡易な孔内カメラを用いたノンコア削孔切羽前方探査の高精度化

大林組 技術研究所 正会員 ○藤岡大輔

大林組 技術研究所 正会員 畑浩二

1.はじめに

トンネル切羽前方のノンコア削孔探査は,ドリルジャンボの削孔速度や削孔エネルギーに基づき,地山の硬軟の 判定や脆弱区間の検出が可能である.しかし,削孔速度や削孔エネルギーは,風化変質や割れ目の状況といった複 数の要因を含んだ形で出力されるため,脆弱性の原因を判別するには,ボーリング孔内の直接観察が効果的である.

そこで筆者らは,簡易かつ短時間に孔内観察を行うことが可能な孔内カメラを開発した.本報告では,簡易孔内カ メラの概要,孔内観察とノンコア削孔探査を組み合わせることの利点,および適用事例を示す.

2.簡易孔内カメラの概要

図1に簡易孔内カメラの全景,図2に孔内観察実施状況の例を示す.また,以下に簡易孔内カメラの特徴を列挙する.

 カメラを内蔵する先端部は1m.

 カメラの挿入距離は,継足したロッドの本数により計測.

 挿入距離100mまでの実績有り.

 排泥とオフセット防止を目的とした突起と弓型のセントラライザーを設置.

 外径は突起を含めて65mmであり,ノンコア削孔径に合わせている.

 観察映像は切羽においてリアルタイムで確認・録画が可能.

 カメラ先端にはLED照明を装備,フルカラーの映像が取得可能.

 カメラはケーブルを含めて完全防水.

図1 簡易孔内カメラの全景

図2 簡易孔内カメラによる孔内観察実施状況の例

3.ノンコア削孔切羽前方探査の高精度化

表1にそれぞれの前方探査手法で評価できる地山評価項目を示 す.ノンコア削孔探査は,地山の硬軟から地山等級や最適支保規 模を予測するとともに圧縮強度や地山強度比も推定できる特徴を 有する.しかし,風化変質や割れ目の頻度,割れ目の状態は複合 して削孔速度や削孔エネルギーに反映されるため,各項目の状態 を判別することは難しい.湧水箇所と湧水量はボーリング孔口か ら流出する水量を計測することで大まかに同定可能である.一方,

簡易孔内カメラは,孔壁の状態から風化変質や割れ目の頻度,割れ目の状態,地山の自立性を直接目視確認するこ 外径:突起を含めて65mm

全長:130m

突起

カメラ

継足し用ロッド

1m

セントラライザー

継足し用 ロッド

ボーリング孔

1

地山評価項目と前方探査手法

キーワード:孔内観察,切羽前方探査,ノンコア削孔,水平ボーリング

連絡先:〒204-8558 東京都清瀬市下清戸4-640 大林組技術研究所 Tel:042-495-1015 評価項目 ノンコア

削孔探査

簡易

孔内カメラ 組合わせ

地山の硬軟 ○ × ○

風化変質 △ ○ ○

割れ目の頻度 △ ○ ○

割れ目の状態 △ ○ ○

割れ目の形態 × △ △

地山の自立性 × ○ ○

湧水箇所と量 △ ○ ○

水による劣化 × ○ ○

不連続面の方向 × ○ ○

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑1367‑

Ⅵ‑684

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とができる.また,湧水箇所や湧水量の確認および水による劣化も直接観察可能である.さらに,不連続面による 開口が孔壁に現れている場合には,不連続面の方向も特定することができる.割れ目の形態(ランダムや層状)に関 しては,複数孔の観察データから推定は可能となる.このように,ノンコア削孔探査の力学的な地山評価に,簡易 孔内カメラによる幾何学的な地山評価を組み合わせることで,切羽前方探査の高精度化につなげることができる.

4.ノンコア削孔探査における簡易孔内カメラの適用事例

某トンネルにおいて,ノンコア削孔探査を実施後に,簡易孔内カメラによってボーリング孔内の観察を行った.

削孔長はL=45.6mである.孔内観察は30分以内に終了できたため,掘削サイクルへの影響は小さかった.ノンコ

ア削孔探査では,「正規化削孔速度比」1)と定義したパラメータで地山の硬軟を評価する.図3にノンコア削孔探査 の結果(平滑化した正規化削孔速度比)と孔内観察の結果を示す.総じてCII相当の地山と評価された.

孔内観察の結果,5m地点では破砕質な砂岩が強風化かつ破砕的な状況であることを確認した.17m地点では砂 岩が茶褐色に風化変質している状況を確認した.27m地点では粘土と思われる茶褐色部がき裂に介在する頁岩が確 認された.いずれの地点においても正規化削孔速度比は呼応するように大きく上昇しており,直接観察によりその 原因を判別することができた.38m地点からは均質かつ自立した孔壁が確認できており,軟質である一方,き裂が 少なく自立性のある地山であると判断することができた.このように,同程度の地山等級であっても,その特徴は 大きく異なり,施工時における注意点も変わってくる.したがって,ノンコア削孔探査と孔内観察の結果から,地 山の硬軟に加えて地質の違いを把握することによって,より高精度な切羽前方探査が可能になると考えられる.

図3 ノンコア削孔探査の結果と孔内観察画像 5.おわりに

簡易孔内カメラにより,切羽前方の地質構造を直接確認することができる.ノンコア削孔探査と併用する事で,

切羽前方探査の高精度化につなげることが可能と判断できた.今後は,さらに現場適用を進めていきたいと考えて いる.また,き裂幅の定量化といった孔内観察画像の高度利用の推進や,CIMへの展開も視野に入れたい.

6.参考文献

1) 桑原,畑,赤澤:ノンコア削孔調査による山岳トンネル切羽前方探査精度の検討,土木学会トンネル工学委員 会,トンネル工学報告集第23巻,pp.1-9,2013

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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参照

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