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斜面計測監視 ICT システム「ハモニス」によるトンネル坑口部の施工

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Academic year: 2022

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(1)

斜面計測監視 ICT システム「ハモニス」によるトンネル坑口部の施工

ハザマ 土木事業本部 正会員 ○山口 雄大,河邉 信之 ハザマ 九州支店 山田 弘,小原 正幸

1.

起点側坑口部の施工上の問題点

(1)

地質状況

トンネルの起点側坑口付近の地質状況は,地表部に厚く崖錐堆積物が分布し,下位には基岩である凝灰角礫 岩が存在している.この崖錐堆積物は基盤岩類の風化岩屑や溶結凝灰岩の転石・岩塊を主とする礫質土砂で構 成されており,その基質の土砂層は

N

値が

10

程度で非常にルーズであった.また,坑口から約

30m

付近と坑 口から約

70m

付近の

2

箇所で農道がトンネル直上を横断しており,それぞれの土被りは

6m

11m

で,いず れも

1D

以下(D: トンネル径≒12m)となっていた.

(2)

当初設計における補助工法

当初設計における補助工法は,天端安定対策として坑口付け部より

33.2m

までの区間(DⅢ-3)では土被り が

6m

で農道が横断していることからパイプルーフ工が,それ以降の

43m

区間(DⅢ-2)では土被り

11m

で農 道が横断していることから注入式長尺先受工が計画されていた.また,上半脚部の地山は,基岩である凝灰角 礫岩であるため地耐力は十分あると判断されており,脚部安定対策としての補助工法は採用されていなかった.

(3)

地層境界の見直しと坑口施工時の問題点

工事着手後,上半盤までの切土掘削を行ったところ,1mを超える巨礫を含むルーズな崖錐堆積物が上半盤 まで分布しており,想定以上の湧水を伴っていたことから,切土のり面の小崩落が発生した.切土掘削状況や 既往のボーリング調査の結果を基に地層境界の見直しを行ったところ,坑口から

33m

区間においてはトンネ ル上半盤の脚部に切土のり面と同様のルーズな崖錐堆積物が分布しており,大きな脚部沈下が起こる懸念があ った.起点側坑口付近において地層境界を見直した結果を図-1に示す.

2.

斜面計測監視

ICT

システム「ハモニス」による地表面挙動の自動計測

農道と土被り

6m

で交差する

DⅢ-3

区間においては,脚部安定対策として上半ウイングリブ付き鋼製支保工 を採用した.図-2 に

DⅢ-3

区間で採用した支保パターン図を示す.トンネル掘削時は農道などの地表面沈下 により一般通行車両の走行に影響を及ぼすことがないように,三段階のレベルに分けた基準値を設けて地表面 挙動を計測管理することとした.地表面沈下量の管理レベルおよび対策を表-1に示す.

キーワード トンネル,坑口部,脚部安定対策,補助工法,早期閉合,斜面計測

連絡先

105-8479

東京都港区虎ノ門

2-2-5

ハザマ 土木事業本部 技術第三部

TEL: 03-3588-5771

図-2

DⅢ-3

区間で採用した 支保パターン

(上半ウイングリブ付き 鋼製支保工)

SL CJ

図-1 起点側坑口付近における地層境界の見直し

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑67‑

Ⅵ‑034

(2)

表-1 地表面沈下量の管理レベルおよび対策

管理レベル 管理基準値 施工体制 対策工

・支保工の安全性は確保されており,引き続き 観測施工を行う.

・計測の頻度を増やし,慎重に施工する.

・計測項目毎のデータの関連性と変位の発 生状況を詳細に把握する.

(上半ウイングリブ 付き鋼製支保工)*

・計測間隔を縮小するとともに計測頻度を 増加させる.

インバート吹付け による早期閉合

・切羽の進行を止めて収束状況を確認する. 支保構造の 抜本的な見直し

*

地表面沈下の計測値に関係なく実施した.

トンネル切羽の到達に伴い農道等における地表面沈下量が管理レベルⅡの

45mm

を超える場合には,脚部沈 下対策として最も効果があるインバート吹付けによる早期閉合を実施することとした.

起点側坑口区間のトンネルの安定性評価と上部農道の安全監視の目的から,リアルタイムに地表面の安定性 を判定できる斜面計測監視

ICT

システム「ハモニス」を導入した.以下に本現場で適用した「ハモニス」の システム概要を示す.

・本システムは

GPS

地表面沈下測定,パイプルーフ沈下測定,ボーリング孔内沈下測定,ボーリング孔内傾 斜測定をすべて自動計測し(図-3参照),計測データを現場事務所でリアルタイムに一元管理することがで きる.

・各種計測結果の変位量や変位ベクトルなどから,独自の判定フローを用いて地山の安定性を自動的に定量評 価し,「ハモニス」のシステム上でこれらの結果を自動的に表示することができる(図-4参照).

・各種計測結果は,ID とパスワードを供与する複数の関係者においてウエブ上でリアルタイムに確認でき,

トンネル安定性評価の情報共有ができる.

GPS

地表面沈下測定の計測データが管理レベルⅡを超えた場合,監視センターから現場担当者の携帯電話に 直接通報が入るため,異常時において速効性のある対応をとることができる.

3.

施工結果

DⅢ-3,DⅢ-2

区間掘削時の地表面沈下はいずれも管理レベルⅡの

45mm

以内で収束し,掘削を無事完了す

ることができた.これは,「ハモニス」により地表面挙動および地山挙動を迅速かつ詳細に把握できたことで,

上部に農道が横断する坑口区間について,施工性,経済性,安全性に優れた施工ができたものと評価できる.

このようにトンネル坑口部掘削により地表面沈下が特に懸念される場合においては,坑内からの沈下抑制対策 工に加え,本システムのようなリアルタイムの計測監視が有効であるといえる.

30mm

45mm

60mm

-4

「ハモニス」による変位ベクトル断面図 図-3 「ハモニス」の計測機器設置平面図

CD.71

CD.72

T.4

T.5 L=74.837

EC.1=BC.2 R=22 NO.4+14.

837 R=100 L=

98.979

L=20.000

NO.1 R= BC.1 R=22

L=74.837

210

210

215

+7.0 0

NO.

2

+10.00

NO.

3 N

. 4

NO.5

+14.190

NO

.6

S P

- 1

No.164+20.000 No.164+25.000 No.164+30.000 No.164+40.000 No.164+45.000 No.164+50.000 No.164+60.000 No.164+70.000 No.164+75.000 No.164+80.000 No.164+85.000 No.164+90.000 No.164+95.000 No.165

KE3-2

A=350.000(NO.164+33.335)

+10.0

NO.4

+10.0

+19.8 NO.4+17.609

R=50 L=1 7.303

EP

NO.4+19.8 R=50 L=17.303

NO.4+0.306 215.86

215.47 215.70

214.55

217.84

215.40

216.56 217.40

217.95

217.95

220.03 218.45 218.92 220.85 214.40

209.08

212.04

212.41 209.88

207.83

207.20 205.52 207.38

206.27 208.43

209.10

210.56

208.78 211.57

210.73 208.96

210.84

(As) (Co)

(土) (土)

(土)

(土) (土)

(G)

219.79

小屋 (休)

(As)

CD.57

215

205.95

205.05

.210.52 212.43 213.07.

214.10.

215.15.

216.36 216.54

217.78

217.68 219.31

218.38 219.56.

216.61 216.68.

・220.09 220.01・

No.164+35.000

207.6

▽207.850

▽199.525

▽199.525

208.50FH=

208.84FH=

208.37FH=

凡例パイプルーフ沈下計 ボーリング孔内傾斜計 ボーリング孔内沈下計

G-10

GPS

G-1

G-2

G-3 Y1 K1

K1 G-4

G-5 G-7 G-9

G-6

T7 T11 T15 T19 T23 T27 T31 T35

G-8

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑68‑

Ⅵ‑034

参照

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