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博 士 ( 農 学 ) 遠 藤

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 農 学 ) 遠 藤    展

     学 位 論 文 題 名 木 質 粉 砕 機 に 関 す る 研 究

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  北海道における木材利用の約7割は粉砕物としての利用である。その中で一番大きな割 合を占めるのがパルプチップである。しかし、円高の進行に伴う輸入パルプチップ価格の 急激な下落は、道内のチップ製造業にとって大きな脅威となっており、パルプチップに替 わる新しい粉砕物の用途開拓が緊急課題である。

  一方、都市における木質住宅の解体廃材や木質コンクリートパネルなどは利用されるこ となく焼却処理されている。これら木質廃材は重要な資源であり、粉体化して再利用され る事が環境保全上望ましい。

  このように、パルプチップに替わる新しい粉砕物の用途の開拓、あるいな廃材の粉体化

・リサイクルなどを検討するためには、従来の粉体化技術を見直すとともにその技術に共 通の基盤を与えることが必要となる。

  本論文は、衝撃型・摩砕型・切削型の各種粉砕機について、最大処理能カや適正原動機 出カを実験的に求めるとともに、操作条件や原料の物性の粉砕機の処理能カに与える影響、

目的に合った粉砕機の設計・選定、操作方法、効率的な運転方法、および実際の木質材料 の粉体化への応用等の諸点について研究したものである。

  研究内容は次のように要約される。

  1)粉砕機の最大処理能カの算定方法の確立

  これまで、粉砕機における最大処理能カについての明確な定義はなく経験的に諭じられ るにすぎなかった。

  連続粉砕下における粉砕機内の原料滞留量の実測定を行い、滞留量がゼロとなる供給速 度毒実験的に求め、これをもって粉砕機の最大処理能カと定義した。この事によって、粉 砕機相互の能力比較が可能となった。

  また粉砕物の体積から球相当径を求めこれを粉砕物の平均の大きさ(代表粒径)と定義 した。これによって、他の材料との比較が可能となった。

  2)各種粉砕機における最大処理能力

  目皿付き衝撃型粉砕機(ロートプレックス、ユニバーサルクラッシヤー(ハンマーミル)

、ノボロータミル、ユニバーサルクラッシヤー、ウルトラプレックス)をもちいて、粉砕 機の操作条件と原料の粉砕機内滞留時間に関係する要因について検討した。原料の粉砕機 内滞留時間は、粉砕機のハンマーの回転数、使用する目皿の大きさ・形状、原料の被粉砕 性などに大きく依存していることを明らかにした。

    I  ,

  原料の粉砕機内最大滞留量は、ハンマーの大きさ・数などの粉砕機の形状と原料のかさ 密度などに支配されていることを明らかにした。

(2)

  上記で求めた原料の粉砕機内滞留時間、および原料の粉砕機内最大滞留量との関係とか ら 、 目 皿 付 き 衝 撃 型 粉 砕 機 の 最 大 処 理 能 カ を 求 め る 推 定 式 を 提 示 し た 。   原料の粉砕機内滞留時間、粉砕機内最大滞留量の実際の測定は難しく、難粉砕性の木質 原料において初めて定量化に成功した。また、石炭、砂、木炭、ゴムなど木材以外の粉砕 原料についても検討し、原料の物性をも加味した、いずれの原料にも適用できる最大処理 能カの推定式を提示した。

  次いで、上記の衝撃型粉砕機での成果を、摩砕型粉砕機(ダブルディスクリファイナー)

や切削型粉砕機(パールマンチッパー)などにも応用、それぞれの最大処理能カの推定式 を提示し、粉砕機設計のための基礎的知見を与えた。

  3)各種粉砕機の適正原動機出カの推定

  各種粉砕機を用いた実験により、単位量の乾物を粉砕するのに必要な積算動カと滞留時 間との関係、を実験的にもとめた。

  目皿付き衝撃型粉砕機と摩砕型粉砕機とは積算動カと滞留時間との関係に一義的相関が 見られた。一方、切削型粉砕機で倣、粉砕物の比表面積の増加料との積算動カとの関係に 一義的相関が見られた。

  破砕機の最大処理能カに適合した原動機の出カは、積算動カに最大処理能カの値を掛け たものとして求めることが出来る事を示した。

4)木質粉砕物の用途と粉砕技術の応用

・ 粉 砕 機 の 仕 様 と 処 理 能 力 ・ 粉 砕 動 カ に 及 ば す 諸 因 子 を 検 証 し た 。

・粉砕特性の異なる材料の混合粉砕を行い、樹皮串58$の混合原料から、最高樹皮串95%   の 粉 砕 物 を 得 、 粉 砕 性 の 差 異 に 基 づ く 分 離 が 可 能 で あ る こ と を 示 し た 。

・木質飼料用の蒸煮チップの粉砕を行い、適性粉砕条件を提示した。また、粉砕蒸煮チ   ップを用いて肉牛・乳牛を飼育し、木質材料の飼料としての有効性を認定した。

・木炭粉砕の諸条件を明らかにし、菜豆栽培への粉砕木炭の施用効果を確認した。

・連続蒸煮摩砕型粉砕機による油吸着材のための粉砕の諸条件を明らかにし、炭化処理   により効果的な油吸着材の製造に寄与した。

・家 畜敷 料用 の粉 体化 木質 材料 の襲 造の ため、各種粉砕機の性能比較を行った。

  粉砕技術は、穀物の粉砕によルパンや麺類を造るための基本的技術であるが、粉砕の科 学的研究は100年ほどの歴史しかない。はじめ粉砕動カの研究から始まり、約30年前から粉 砕速度の研究が行われている。しかし、これらの研究成果が粉砕機の合理的設計に結び付 いておらず、メーカーの経験的蓄積によるところが大きい。その原因は、これまで研究の 対象とされた原料が易粉砕性の材料であったことによる。木質材料を用いることによって はじ めて滞留時間の実測定が可能となり、粉砕機内の滞留量の測定が可能となった。

  本研究は、木質の粉砕に関して、これまで経験的にしか取り扱われなかった各種粉砕機 の最大処理能カとその適正原動機出カとの算出に実験的根拠を与えるとともに、原料の種 類・粉砕機の仕様と処理能力・粉砕動カとの関係を明らかにする事によって、目的に合っ た粉砕機の合理的設計に必要な諸条件を提示したものである。

  また、本研究における粉体化木質材料の新しい利用法に関する具体的提示は、木質資源 の 有 効 利 用 ・ リ サ イ ク ル に つ い て 重 要 な 指 針 を 与 え る も の で あ る 。

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

木質粉砕機に関する研究

  本 論文 は、7章か らな り、 図61、表19、 写真19、引用 文献95を含む総頁数149の和 文 論文 であ る。 男IJに参 考論 文75編 が添 えら れて いる 。

  本論 文 は、 衝撃 型・ 摩砕 型・ 切削 型の 各種 粉砕 機について、最大処理能カや適正原 動 機出 カ を実 験的 に求 める とと もに 、操 作条 件や 原料の物性の粉砕機の処理能カに与 え る影 響 、目 的に 合っ た粉 砕機 の設 計・ 選定 、操 作方法、効率的な運転方法、および 実 際 の 木 質 材 料 の 粉 体 化 へ の 応 用 等 の 諸 点 に つ い て 研 究 し た も の で あ る 。   研究 内 容な 次の よう に要 約゛ され る。

  1)粉 砕機 の 最大 処理 能カ の算 定方 法の 確立

  こ れま で、 粉砕 機に おけ る最 大処 理能 カ につ いての明確な定義はなく経験的に諭じ られ るに すぎ なか った 。本 論に おい ては 、 連続 粉砕下における粉砕機内の原料滞留量 の実 測定 から 滞留 量が ゼロ とな る供 給速 度 を求 め、これをもって粉砕機の最大処理能 カと 定義 レ、 また 粉砕 物の 体積 から 球相 当 径を 求めこれを粉砕物の平均の大きさ(代 表 粒 径 ) と 定 義 し た 。 こ の こ と に よ っ て 、 他 の 材 料 と の 比 較 が 可 能 と な っ た 。

2)各 種粉 砕 機に おけ る最 大処 理能 力

  目 皿付 き衝 撃型 粉砕 機を もち いて 、粉 砕 機の 操作 条件 と原 料の 粉砕機内滞留時間と の関 係、 およ び粉砕機の形状と原料の粉砕機内最大滞留 量との関係を実験的に求めた。

  上 記で 求め た原 料の 粉砕 機内 滞留 時間 、 およ び原 料の 粉砕 機内 最大滞留量との関係 と か ら 、 目 皿 付 き 衝 撃 型 粉 砕 機 の 最 大 処 理 能 カ を 求 め る 推 定 式 を 明 ら か に し た 。   原 料の 粉砕 機内 滞留 時間 、粉 砕機 内最 大 滞留 量の 実際 の測 定は は難しく、易粉砕性 の木 質に おい て初 めて 定量 化に 成功 した 。 また 、石 炭、 砂、 木炭 、ゴムなど木材以外 の粉 砕原 料に つい ても 検討 し、 原料 の物 性 をも 加味 した 、い ずれ の原料にも適用でき る最 大処 理能 カの 推定 式を 提示 した 。

  次 いで 、上 記の 衝撃 型粉 砕機 での 成果 を 、摩 砕型 粉砕 機や 切削 型粉砕機などにも応 用、 それ ぞれ の最 大処 理能 カの 推定 式を 提 示し 、粉 砕機 設計 のた めの基礎的知見を与 えた 。

523

貴志 三彦       宜和 和 澤 谷 澤 藤 寺笹 深伊 授授 授授 教教 教教      

『 査査 査査 主副 副副

(4)

  3)各種粉砕機の適正原動機出カの推定

  衝撃型粉砕機を用いた実験により、単位量の乾物を粉砕するのに必要な積算動カと 滞留時間との関係を実験的にもとめた。ついで供給速度を最大処理能カに置き換え原 動機の出カを求めることで、破砕機の最大処理能カに適合した原動機の出カを推定す ること が可能にな った。ま た、目皿径と粉砕物の粒土との関係を明らかにレた。

  切削型 粉砕機の最 大処理能カに適合した原動機の出カを同様に明らかにした。

  4)木質粉砕物の用途と粉砕技術の応用

  ・ 粉 砕 機 の 仕 様 と 処 理 能 力 ・ 粉 砕 動 カ に 及 ば す 諸 因 子 を 検 証 し た 。   ・粉砕特性の異なる材料の混合粉砕を行い、樹皮串58:Xの混合原料から、最高樹皮 串95篤の粉砕物を得た。

  ・木質飼料用の蒸煮チップの粉砕を行い、適性粉砕条件を提示した。また、粉砕蒸 煮チップを用いて肉牛・乳牛を飼育レ、木質材料の飼料とレての有効性を認定した。

  ・木炭粉砕の藷条件を明らかにし、菜豆栽培への粉砕木炭の施用効果を確認した。

  ・連続蒸煮摩砕型粉砕機による油吸着材のための粉砕の諸条件を明らかにし、炭化 処理により効果的な油吸着材の製造に寄与した。

  ・家畜教料用の粉体化木質材料の製造のため、各種粉砕機の性能比較を行った。

  本研究は、木質の粉砕に関して、これまで経験的にしか取り扱われなかった各種粉 砕機の最大処理能カとその適正原動機出カとの算出に実験的根拠を与えるとともに、

原料の種類、粉砕機の仕様と処理能力・粉砕動カとの関係を明らかにする事によって 目 的 に 合 っ た 粉 砕 機 の 合 理 的 設 計 に 必 要 な 諸 粂 件 を 提 示 し た 。   また、本研究における粉体化木質材料の新しい利用法に関する具体的提示は、木質 資 源 の 有 効 利 用 ・ リ サ イ ク ル に つ い て 重 要 な 指 針 を 与 え る も の で あ る 。

  よって、審査員一l亠同憾、別に実施した学力認定試験の結果とあわせて、本論文の提 出者遠藤展は博士(農学)の学位を受けるのに十分な資格があるものと認定した。

参照

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   一般的にはヒストン脱アセチル化による転写抑制にはヒストンH3K9

    

  

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