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膵β細胞機能における小胞体ストレスの役割の検討 : XBP-1および関連分子の解析

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Academic year: 2021

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[課程― 2 ] 審査の結果の要旨 氏名 寺井 愛 本研究は、糖尿病におけるインスリン分泌低下のメカニズムを解明するため、spliced formのXBP-1(XBP-1s)を過剰発現させたMIN6細胞および、膵β細胞特異的XBP-1s過 剰発現マウスを用いて、膵β細胞のインスリン分泌低下における小胞体ストレスの役割の 検討を試みたものであり、下記の結果を得ている。 1. アデノウイルスを用いてXBP-1sを過剰発現させたMIN6細胞を用いて解析を行った。 XBP-1s過剰発現MIN6細胞ではインスリン遺伝子の発現低下を認め、グルコース応答 性のインスリン分泌を検討したこところ、1wellあたりのインスリン分泌量およびイン スリン含量が低下していた。 2. XBP-1s過剰発現MIN6細胞の遺伝子プロファイルを網羅的に探索するため、マイクロ アレイ解析を行った。XBP-1s過剰発現MIN6細胞では、Pdx1、MafAの低下を始め、 インスリンの発現、プロセシング、開口放出など様々な経路にかかわる遺伝子の発現 低下を認めた。 3. 膵β細胞特異的XBP-1s過剰発現マウスを作製し解析した。膵β細胞特異的XBP-1s過 剰発現マウスは野生型マウスと比較して、体重とインスリン感受性に差を認めなかっ たが、随時血糖が高く、経口ブドウ糖負荷試験においてインスリン分泌低下を伴う耐 糖能異常を認めた。 4. 膵β細胞特異的XBP-1s過剰発現マウスの単離膵島におけるグルコース応答性のイン スリン分泌を検討したところ、膵島1個あたりのインスリン分泌量低下とインスリン含 量低下を認めた。インスリン分泌率の低下は認めなかった。 5. 膵β細胞特異的XBP-1s過剰発現細胞の単離膵島では、Pdx1、MafAおよび下流の因子 の発現が低下している可能性が示唆された。

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以上、本論文は膵β細胞においてspliced formのXBP-1を過剰発現させることによりイン スリン分泌が低下することを生体モデルで初めて明らかにした。XBP-1s過剰発現MIN6細 胞および膵β細胞特異的XBP-1s過剰発現マウスの単離膵島において、MafAやPdx1の発現 低下を認め、本モデルのインスリン分泌低下の原因となっている可能性が示唆された。本 研究は糖尿病におけるインスリン分泌低下のメカニズム解明に重要な貢献をなすと考えら れ、学位の授与に値するものと考えられる。

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