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肝虚血障害に対する低流量完全門脈動脈化肝灌流の肝保護効果 -- カルシウム拮抗剤投与群と比較して --

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Academic year: 2021

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Title

肝虚血障害に対する低流量完全門脈動脈化肝灌流の肝保護

効果 -- カルシウム拮抗剤投与群と比較して --( 内容の要旨

(Summary) )

Author(s)

角, 泰広

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1329号

Issue Date

2003-01-15

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/14944

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 角 泰 廣(岐阜県) 博 士(医学) 乙第 1329 号 平成15 年 1 月15 日 学位規則第4条第2項該当 肝虚血障害に対する低流t完全門脈動脈化肝潅流の肝保護効果 一カルシウム括抗剤投与群と比較して-(主査)教授 鹿 瀬 (副査)教授

澤 修 教授 出 口 隆 論文内容の要旨 背兼と目的 門脈動脈化は肝障害を避ける目的で行われてきた.肝切除時に行われるPringle法に代表される肝門部一括遮 断は術後肝不全の一因である.肝門部一括遮断にともなう肝虚血を避ける目的で完全門脈動脈化肝港流を行い, その血流量が総肝血流量の25%では肝エネルギー代謝の面で良好な保護効果があることを示した.さらに湾流動

脈血中の二酸化炭素分圧を門脈血と同等に高めることで,肝循環動態が改善することを報告した.

しかしながら総肝血流量の25%の流量で門脈内に動脈血を潜流するためには,太い港流用チューブを用いる必 要があり,手技が煩雑となるばかりでなく,肝切離に際して出血量が増加するという問題点があった. その手技を簡便にし,肝切離時の出血制御を容易にする目的で,総肝血流量の15%の低流量門脈動脈化肝雇流 を行った.しかし,肝エネルギー代謝を良好に維持するためには,その流量は総肝血流量の25∼50%は必要であ ると報告されている.したがって,総肝血流量の15%の低流量門脈動脈化肝連流では肝保護効果の減弱が予想さ れた. 一方,カルシウム括抗剤は肝虚血再連流障害に有用であると報告されている.低流量門脈動脈化肝港流により 低下すると予想される肝保護効果がかけウム括抗剤を併用することで補うことができるか否かを検討した. 対象と方法 体重8.0∼18.Okg(平均12.6kg),18頑の雑種成犬を対象とした.門脈動脈化は,上腸間膜静脈の枝から門脈本 幹内に1.2mmの細径チューブを挿入し,右大腿動脈からro11er pumpを用いて,流量を一定に調整し,チューブ 内に送血することで行った.その際,肝動脈は結集し,門脈本幹は相子で速断した.また門脈血の鬱血をさける ために門脈一下大静脈シャントを行った.門脈動脈化肝雇流は120分間行い,カルシウム括抗剤は門脈動脈化開始 30分前から肝潜流中,門脈内に持続投与した. カルシウム括抗剤はdiltiazemとnicardipineの2剤を用い,それぞれをD群,N群とし,非投与群をC群とした. 平均動脈圧,平均門脈圧,門脈血管抵抗,肝酸素摂取,肝ATP量,AKBRを経時的に測定した.終了後の組織 変化をへマトキシリン・エオジン(HE)染色とトロンボモデュリン(TM)染色を行い,比較検討した. 結果 (1)全身循環,肝循環動態 a.平均動脈庄 3群とも門脈動脈化開始後有意に低下した.その後さらにC群,N群は徐々に低下し,D群は一 定に保たれた.開始60,90,120分後N群はD群より有意に低下した.同様に120分後C群はD群より有意に低下 した. b.平均門脈圧 3群とも有意な変化はなかった.

(3)

c.門脈血管抵抗 C群は開始後,前値より有意に大きくなった.D群は30分までは有意な上昇はなかった.N群 は60,90分のみ有意な上昇を認めた.開始120分後でN群はC群より有意に低かった. (2)肝酸素摂取 C群とN群は開始後,前値より有意に減少した.D群では有意な減少はなかった.3群間に有 意差はなかった. (3)肝エネルギー代謝 a.肝ATP量

3群とも開始後,徐々に減少したが,その傾向はC群で著明であり,60分後から前値より有意に

低下した.3群間に有意差はなかった. b.AKBR

C群とN群は開始後,前値より有意に低下した.D癖では90分のみ有意な低下を認めた.開始120分

後でC群はD群より有意に低下し,C群の120分値はすべて0.4以下となり,平均値は0.32であった. (4)組織学的変化 a.HE染色 C群では小葉中心性の壊死,類洞の関大,門脈の拡張がみられ,D群,N群ではその変化は軽度で あった. b.TM染色 C群では類洞内皮細胞のトロンボモデュリンは陰性で,D群,N群では陽性であった. 考蕪 肝虚血による障害を避けるために門脈動脈イヒ肝潜流が行われ,良好な肝保護効果を得るためには,その流量は 総肝血流量の25∼50%以上が必要であると報告されている.しかしながらその流量で門脈内港流を行うためには 門脈内に太いチュ⊥ブを挿入する必要があり,手技が煩雑となる.本研究では,その手技を簡便化し,さらには 肝切離時の出血制御を容易にするために低流量門脈動脈化肝潜流を行った.予想される肝保護効果の低下を,肝 虚血障害に有用であると報告されているカルシウム括抗剤を併用した.循環動態では平均動脈圧は3群とも低下 し,低流量門脈動脈化による影響が大であった.平均門脈圧では変化なく,門脈血管抵抗はカルシウム括抗剤の 血管平滑筋への直接作用,類洞内皮細胞保護作用により上昇が抑えられた.肝酸素動態ではD群のみ有意な低下 なく,良好な肝酸素代謝が営まれた..肝エネルギー代謝ではATPでは有意差こそなかったが,カルシウム括抗 剤投与群で多い傾向があり,肝のviabilityが比較的良好に保たれた.AKBRもD群で良好に保たれ,C群では著 明に低下し,肝細胞の代謝失調が生じたと考えられた.組織学的変化も明らかであり,虚血による肝実質細胞障 害および類洞内皮細胞障害ともにカルシウム括抗剤投与群で比較的抑えられた. 結論 低流量門脈動脈化肝潜流単独では肝障害をきたすが,カルシウム括抗剤の併用により障害を比較的軽微に抑え ることが可能であった.しかしながらカルシウム括抗剤により,その保護効果に違いがあり,diltiazemがより 有用であると考えられた. 論文審査の結果の要旨 申請者 角 泰廣は,肝虚血障害に対する低流量門脈動脈化肝港流の効果を検討した.単独では十分な肝保護 効果が得られなかったが,加レ沖ム括抗剤の併用により,効果を高めることが可能であることを明らかにした. 本研究が肝切除後の肝不全予防に少なからず寄与するものと認める. [主論文公表誌] 肝虚血障害に対する低流量完全門脈動脈化肝港流の肝保護効果 -カルシウム括抗剤投与群と比較して一 日本消化器外科学会雑誌 35:121∼129 2002

参照

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