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目次 第 1 章総論 1.1 リークテストの重要性 リーク量が及ぼす影響 許容リーク量 リークテストの色々な方法 気体 液体のリーク 孔に流れる漏れの姿 流れの条件を変えるもの ( 乱流 ) 気体のリーク ( 粘

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Academic year: 2022

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(1)目. 次. 第 1 章 総論 1.1 1.2 1.3 1.4 1.4.1 1.4.2 1.4.3 1.4.4 1.4.5 1.4.6. リークテストの重要性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ リーク量が及ぼす影響、許容リーク量 ・・・・・・・・・・・・ リークテストの色々な方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 気体・液体のリーク ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 孔に流れる漏れの姿 流れの条件を変えるもの (乱流)気体のリーク (粘性流)気体、液体のリーク 分子流について 十分薄い板に開けられた円形穴を通過する流量. 3 3 4 4. 第 2 章 リークテスト 2.1 2.1.1 2.1.2 2.1.3 2.1.4 2.1.5 2.2 2.2.1 2.2.2 2.2.3 2.3 2.3.1 2.3.2 2.3.3 2.3.4 2.4 2.4.1 2.4.2 2.4.3 2.4.4 2.5 2.5.1 2.5.2 2.5.3 2.5.4. 差圧式リークテスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 原理 基本動作 リーク(漏れ)量の計算式 応用測定方式 性能向上を望むには 直圧降下式リークテスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 原理 基本動作 リーク(漏れ)量の計算式 水素リークテスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 原理 基本動作 リーク(漏れ)量の計算式 応用測定方式 ヘリウム式リークテスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 原理 基本動作 リーク(漏れ)量の計算式 応用測定方式 流量式リークテスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 原理 基本動作 リーク(漏れ)量の計算式 応用測定方式. 11. 20. 21. 25. 29. 第 3 章 周辺機器 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5. 排気バイパスユニット ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 加圧・排気バイパスユニット ・・・・・・・・・・・・・・・・ フロースタンダード ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 較正器 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ スーパー電空レギュレーター ・・・・・・・・・・・・・・・・. 33 33 34 34 35. 第 4 章 設備上にて 4.1 4.2 4.3 4.3.1 4.3.2 4.4. 水・油・異物の管理 元圧・流量の管理 クランプ・シール治具 クランプ シール治具 温度変化に対して. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 37 38 39. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 41.

(2) 各種圧力単位と単位換算 Pa 1Pa=1N/m2= 1atm=1ata= 1Torr=1mmHg *6= 1kg/cm2=1at *7 1bar *3 1mmH 2 O=1mmAq *4 1lb/in2=1psia *5 1inchHg=. 1 1.013 25 ×105 1.333 22 2. atm. Torr. kg/cm2. bar. mmH 2O *1. lb/in2. inchHg. 9.869 23. 7.500 62. 1.019 72. 1. 1.019 72. 1.450 38. 2.953 00. ×10-6. ×10-3. ×10-5. ×10-5. ×10-1. ×10-4. ×10-4. 7.6. 1.033 23. 1.013 25. 1.033 23. 1.469 60. 2.992 13. ―. ×104. ×101 *2. ×101. 1.359 51. 1.933 68. 3.937 01. 1. ×102. 1.315 79 -3. 1. ×10. ×10. 9.806 65. 9.678 41. 7.355 59. ×104. ×10-1. ×102. ― *2 1.359 51 -3. ×10 1. 1.333 22 -3. 1. -2. ×10. ×10. ×10. ×10-2. 9.806 65. 1. 1.422 34. 2.895 90. ×10-1. ×104. ×101. ×101. 1.019 72. 1.450 38. 2.953 00. ×104. ×101. ×101. 1.422 34. 2.895 90. ×10-3. ×10-3. 1. 9.869 23. 7.500 62. 1.019 72. ×105. ×10-1. ×102. ―. 9.806 65. 9.678 41. 7.355 59. 1. 9.806 65. ―. ×10-5. ×10-2. ×104. ×10-5. 6.894 76. 8.804 60. 5.171 50. 7.030 69. 6.894 76. 7.030 72. ×103. ×10-2. ×101. ×10-2. ×10-2. ×102. 3.386 39. 3.342 10. 2.54. 3.453 15. 3.386 39. 3.453 15. 4.911 55. ×103. ×10-2. ×101. ×10-2. ×10-2. ×102. ×10-1. 〔注意〕. 1. 1. 1. 2.036 02 ― 1. 備考 SI単位 ゲージ気圧(atg)と区別すること. atはあまり使われていない SI単位として使っても良い. psigと区別すること マイナスで使われることが多い. *1:水の密度を(約 4℃において)1000kg/m3 とした。 15℃の水(密度 0.9991)とすれば 1atm=1.03416×104mmH2O *2:ミスプリントを防ぐため、×1 は-で表し、×10 は×101 で表している。 *3:1bar= 106dyne/cm2 = 0.1MPa ≒ 1atm *4:1mH2O = 1mAq = 103mmH2O もよく使われる *5:pound per square inch, absolute の頭文字 *6:1μHg = 10-3mmHg = 10-3Torr 1Torr = 1mmHg = 1000μHg *7:この kg はキログラム重(kg forces = kgf, kgw). 計測機器と判別可能漏れ量の関係. 1.

(3) 第 1 章. 総 論. 2.

(4) 1.1 リークテストの重要性 本書においてリークとは気体、液体の漏れをいい、リーク(漏れ)が製品の品質に影響を及ぼす場合に限定し本書 に記載する。 リーク(漏れ)の問題は各分野によってかなり内容が異なり、例えば火災、爆発、暴走などの危険を招く場合や、性能低 下、経済的損失、食品・薬品では変質、変色、腐敗の原因になる場合がある。小さなリーク(漏れ)でも将来大きな問題 に発展し、企業に致命的影響を及ぼす結果となる場合もある。. 1.2 リーク量が及ぼす影響、許容リーク量 例として自動車部品の冷房用クーラー、ガソリンフィルター、消音用マフラーを比較する。 クーラーには定量の冷媒が注入されおり、このガス循環により車内の冷房を行っている。従って、リークが冷媒ガスの 減少に繋がり、冷房効果が低下するので、長期間冷房効果に影響を与えない範囲が許容リーク量となる。 ガソリンは引火点の低い危険な液体であり、ガソリンフィルターは加熱したエンジンの近くに取り付けられている。ガソリ ンの漏れは、発火・爆発を招き、極めて危険である。しかし、微量な漏れでは自然に拡散してしまうので、危険を誘発 しない範囲が許容リーク量となる。 消音用マフラーは、排気音を少なくすることが主たる役割であり、燃焼を終えた排気ガスがエンジンより送られ、大気 に放出される。マフラーは排気ガスを大気に放出する途中の管である。消音性能や排気ガス規制値に影響しないリー クが、許容リーク量となる。 この様に、リーク対象物毎に、性能上・安全上問題にならないリーク量が許容リーク量となる。. 3.

(5) 1.3 リークテストの色々な方法 表 1.1 リークテスト法 方法. 水没法. 石けん液法 差圧式法 直圧降下法 水素式法. 原理. 必要機器. 漏洩箇所指摘. 加圧して水槽に沈めて、発生する泡を見る。. コンプレッサ、圧力計、水槽. 可 (ただし、発泡 箇所を見られる 場合). 漏洩箇所から発泡する。. コンプレッサ、石けん水. 可. 密閉し、基準物と比較し、圧力降下を確認。. コンプレッサ、 エアリークテスター. 不可. 計測可能リーク. 備考. (Pa・m3/s) 10-4. 放置法と併用。 できれば脱気した水。 計測以外で、水に泡が出ると困る。 泡をためれば もっと良くなる。. 101. 最も普通に使われている。 泡の確認が難しい。. 熟練すると向 上。. 内容積により、計測可能リークが変化。. 100~10-4. 密閉し、圧力降下を確認。. コンプレッサ、圧力計. 不可. 10 ~10. 内容積により、計測可能リークが変化。. 水素5%+窒素95%トレーサガスを加圧する。 漏れてきたガスを確認。. トレーサガス、 水素リークディテクター. 方法により可. 10-3~10-7. 一般工業用ガスとして入手可能。 非可燃性で安全なガス。. -1. 1. 表現. 通常表示されている感度。. 分圧感度. 1×10-7 Pa ~ 1×10-9 Pa 2~10ppm. 濃度感度 ヘリウム加圧法. ヘリウムまたは混合ガスで加圧。 ヘリウムリークディテクターで検出。. ヘリウムガス、コンプレッサ、 可 ヘリウムリークディテクター. 10-4~10-10. 1×10-8 Pa・m3/s. 各種バリエー ション有り。. -10. 3. ~ 1×10 Pa・m /s 検出可能 微小漏洩量 1×10-5 Pa・ml/s ~ 1×10-7 Pa・ml/s 電流感度. ガス化学変化法. ガス(例:アンモニア)で加圧、容器の外にその ガスボンベ、コンプレッサ、 ガスで変色する試験紙を置く。 試験紙. 1×10-3 A/Pa. -1. 可. 試験紙法 10 白煙法. 100. 化学薬品であるから使用注意。. 1Pa・m3 /s≒10ml/s. 1.4 気体・液体のリーク 1.4.1 孔に流れる漏れの姿 リークが発生している孔に気体が流れている状況を考えると、管径や管路(ワークの肉厚)、圧力などの様々な条件 により流れの状態が異なる。これをあえて分類するならば下記のようになり、それぞれの領域で適したリーク測定方法 がある。. 大きな流れ. 小さな流れ. 乱流 ・ ・ ・. 流量での測定、直圧式で の測定. 粘性流 ・ ・ ・ 分子流. 差圧式での測定 水素式での測定 ヘリウム式での測定. 図 1.1 領域毎のリーク測定方法. 4.

(6) 1.4.2 流れの条件を変えるもの 太い管の中での流れを考えると、管の壁面では流体の粘性の為、流れは壁面に付着して速度がゼロになる。 壁面から離れるに従い、粘性の影響が薄れ、流速が大きくなり、慣性が支配する流れになる。 粘性と慣性が影響し合っている層は境界層といわれ、この層は、流体の流速が速くなるほど流体の粘性が小さいほど 薄くなる。この慣性が支配している流れの状態が乱流である。 逆に管路が細く、粘性の為に管路壁面で発達した境界層が管の中央部でぶつかり、放物線上の流速分布を持った 流れが粘性流(層流)で、流れは粘性が支配している。 この2つの流れの境を示すものにレイノルズ数(Re)がある。 Re=u・D/ν u :管内の平均流速 (m/s) D :管の内径 (m) ν :動粘性係数 (m2/s) このレイノルズ数が Re>2200 で乱流、Re<1200 で粘性流、その間は粘性と慣性が互いに影響し合う中間流となる。 粘性は流体の分子同士がぶつかり合い、影響し合っている状態であるが、分子がぶつかり合う距離(平均自由行程)よ り管路が細くなると管内の流れは粘性に支配されなくなる。 この状態が分子流で、この性質を分けるものにクヌーセン数(Kn)という無次元数がある。 Kn=λ/D 表 1.2 平均自由行程 λ :気体の平均自由行程 (m) 空気圧力(20℃) 平均自由行程 D :管内径 (m) 10 atm(7600 Torr) 6.4×10 -6 mm (6.4nm ) このクヌーセン数が 1 atm(760 Torr) 6.4×10 -5mm Kn>1 分子流 100 Torr 5×10 -4mm Kn<0.01(Re<1200) 粘性流 10 Torr 5×10 -3mm (5μ m) 0.01<Kn<1 中間流 1 Torr 5×10 -2mm 本資料では、漏れを考えているので管路の状態の違いをみ 10 -1 Torr 5×10 -1mm たが、減圧していくと動粘性係数が小さくなったり平均自由行 -2 5×10 0mm (5mm) 程が長くなったりするため太い管でも層流や分子流の状態とな 10 Torr 10 -3 Torr 5×10 1mm (5cm) る。. 10 -4 Torr. 1.4.3 (乱流)気体のリーク リーク(漏れ)量の計算式 P2+0.1 P1+0.1. ≦0.5 の時、チョーク流れ. Q=120×S(P1+0.1) P2+0.1 P1+0.1. 293 273+t. >0.5 の時、亜音速流れ. Q=240×S. (P2+0.1) (P1-P2) Q S P1 P2 t. 293 273+t. :空気流量 (L/min) :有効断面積 (mm2) :上流圧力 (MPa) :下流圧力 (MPa) :温度 (℃). 5. 5×10 2mm (50mm).

(7) 1.4.4 (粘性流)気体、液体のリーク リークとは、小さな孔などを通ってエアー、水、油等の流体が通過する現象であり、そのリーク量はその孔の両側の 圧力差に関係があり、また孔自身の流体の通りやすさ、即ちコンダクタンスに関係する。 リーク量を Q、圧力差を P1-P2、コンダクタンスを C とすると Q=C(P1-P2) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1.1) となる。 リークを問題とする時、この流体の流れやすさ C は、リーク孔の形状、長さ等様々な要因を持つため、1 つの計算式 で表すことが困難である。従って、通常用いられる計算式により説明を行う。. リーク量の理論式 非常に狭い間隔を通して流体が流れる時に用いられる代表的な式に、ハーゲンポアズイユの法則がある。この法則 によれば、流れの状態が粘性流(層流)の範囲内のリークで、孔の直径に比して孔の長さが十分長いものとした時、次 の様になる。 エアー等の圧縮性流体について出口側圧力(大気圧)に換算した体積流量 Qa は. πR 4 (P1  P2 ) 16ηa P2 2. Qa . 2. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1.2). 但し、P1 が負圧の場合は大気圧状態でのリーク量で示すので、式(1.2)中の分母の P2 は P1 となる。 水、油等の非圧縮性流体での体積流量 Qw は. QW . πR 4 (P1  P2 ) 8η W . ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1.3). Qa :圧力 P2 での圧縮性流体の体積流量(ml/s) QW :非圧縮性流体の体積流量(ml/s) P1 :一次側(試験圧)圧力(負圧の場合は大気圧) (Pa) P2 :二次側(試験圧)圧力(負圧の場合は試験圧) (Pa) R :管路の半径(cm) ηa :圧縮性流体の粘性係数(Pa・s) ℓ :管路の長さ(cm) ηw :非圧縮流体の粘性係数(Pa・s) 同一の被検物において、気体と液体の差、圧力差等による体積流量の関係は 式(1.1)(1.2)より表 1.3 になる。 但し、. 表 1.3 気体、液体の圧力、粘性に対するリーク量の関係. 6. 半径 R の孔 P1. P2 管路の半径. ℓ 図 1.2 リークの理論式.

(8) 粘度 (粘性係数・粘性率) η 粘度は、流体を取扱う際重要な要素となり、使用される単位も各分野により異なる。各単位は次に示す通り である。 表 1.4 気体、液体の粘性の一例 流体 条件 粘度 1Pa・s=1N・s・m-2=1.02×10-5kgf・s・cm-2=10P 0℃ 1.71×10-5Pa・s 20℃ 1.81×10-5Pa・s P:ポアズ 空気 50℃ 1.95×10-5Pa・s N:ニュートン 70℃ 2.04×10-5Pa・s kgf・s・cm-2:工学単位 0℃ 1.79×10-3Pa・s (重量キログラム秒毎平方センチメートル) 20℃ 1.00×10-3Pa・s Pa:パスカル 水 50℃ 0.55×10-3Pa・s また、流体を動粘度νで表している場合は ν=η/ρ となる。但し、ρは流体の密度である。. ブレーキ オイル. 流体の粘性係数の一例として、空気、水、ブレーキオイル、ガソリ ンは表 1.4 に示す。. ガソリン. 70℃. 0.40×10-3Pa・s. 20℃. 2.6×10-2Pa・s. 50℃. 1.0×10-2Pa・s. 70℃. 0.7×10-2Pa・s. 20℃. 6.0×10-4Pa・s. 各粘性単位を使用した時のリーク量の計算(圧力は絶対圧) (1)圧縮性流体のリーク量の計算 各計算単位による圧縮性流体の体積流量を式(1.2)より、表 1.5 にまとめた。 表 1.5 圧縮性流体のリーク量計算 a. b. c. R: (m). ℓ: (m). ηa: (Pa・s) P1, P2: (Pa) R 4 P1  P2 P1  P2 Q (m3 / s)  3.927  101   ηa 2 P2. R: (cm). ℓ: (cm). ηa: (Pa・s) P1, P2: (Pa) R 4 P1  P2 P1  P2 Q (ml/ s)  3.927  101   ηa 2 P2. ηa: (kg・s/ cm2 ) P1, P2: (kg/ cm2) R 4 P1  P2 P1  P2 Q (ml/ s)  3.927  101   ηa 2 P2. R: (cm). ℓ: (cm). R: (cm). ℓ: (cm). ηa: (P . d Q (ml/ s)  3.851  105. R:管の半径. 1 kg ・s/cm 2 ) 9.80665  105. P1, P2: (kg/ cm2). R 4 P1  P2 P1  P2   ηa 2 P2. ℓ:管の長さ. ηa:流体の粘性. P1, P2:1 次側、2 次側の絶対圧力. 7.

(9) (2)非圧縮性流体のリーク量の計算 各計算単位による非圧縮性流体の体積流量の式(1.3)により、表 1.6 にまとめた。 表 1.6 非圧縮性流体のリーク量計算 a. b. c. R: (m). ℓ: (m). ηw: (Pa・s) P1, P2: (Pa) R4 Q (m3 / s)  3.927  101  (P1  P2 ) ηw. R: (cm). ℓ: (cm). ηw: (Pa・s) P1, P2: (Pa) R4 Q(ml/s)  3.927  101  (P1  P2 ) ηw ηw: (kg・s/cm2 ) P1, P2: (kg/cm2) R4 Q(ml/s)  3.927  101  (P1  P2 ) ηw. R: (cm). ℓ: (cm). R: (cm). ℓ: (cm). ηw: (P . d Q(ml/s)  3.851  105. R:管の半径. 1 kg ・s/cm 2 ) 9.80665  105. P1, P2: (kg/cm2). R4  (P1  P2 ) ηw. ℓ:管の長さ. ηw:流体の粘性. P1, P2:1 次側、2 次側の絶対圧力. 空気と液体のリーク量の比 表 1.3、表 1.4 より、同じ被検物からのリーク量を空気の場合を基準として、水、ガソリン、ブレーキオイルのリーク量 を計算で求めると図 1.3 の如くなる。但し流体の温度を 20℃一定とし、且つテスト圧も同一条件とする。 (条件:温度 20℃一定). ガソリン. 体 積 流 量 比. 水. ブレーキオイル. 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0. 一次圧力. MPa. 図 1.3 空気を基準とした流体の体積流量比. 8.

(10) 1.4.5 分子流について 気体の平均自由行程λが管内径 D よりも充分大きい場合、気体分子は管の内壁に衝突するばかりで、他の気体 分子とはほとんど衝突しない状態になる。. ○. ○. ○ ○. λ. ○. ○ ○. λ. D ○. ○ ○. ○. ○. ○. D. ○. ○. ○. ○. 図 1.4 管内の様子(管径が大きい). 図 1.5 管内の様子(管径が小さい). 流れの中で他の気体分子と衝突することが多い. 流れの中で他の気体分子と衝突することが少ない. このような状態では、分子間の相互作用(粘性)は少なく、分子が壁と衝突する分子流となる。これをまとめて、クヌーセ ン数 Kn という無次元数を Kn=λ/D と定義すると ・Kn<0.01 Re<1200 粘性流 ・Kn>1 分子流 と表される。 常温の気体が円形直管で分子流となった場合 3 Q = 0.523a ×(P1-P2) 1/2 M ・L Q a L M P1 P2. :流量 (Pa・m3/s) :管の半径 (cm) :管の長さ (cm) :気体の分子量 :入口圧 (Pa) :出口圧 (Pa). 1.4.6 十分薄い板に開けられた円形穴を通過する流量 1.4.4 でのリーク量の理論式は、長い直管での粘性流における計算式であったが、十分薄い板に開けられた 穴を通過する分子流・音速流の体積流量を求める式を下に示す。 (20℃,1 気圧の空気) P1. ・音速流 (図 1.6) Q=0.016×d2(P1-P2). d P2. (ただし、P2/P1<0.1). 図 1.6 音速流. ・分子流 (図 1.7) Q=0.00912×d2(P1-P2) Q d P1 P2. :流量(Pa・m3/s) :管径(cm) :入口圧 (Pa) :出口圧 (Pa). P1. d P2 図 1.7 分子流. 9.

(11) 第 2 章 Kenn. リークテスト. 10.

(12) 2.1 差圧式リークテスト 2.1.1 原理 計測方法で、より微小な測定を正確に行う例として、薬を天秤計りで計ることが知られている。(図 2.1)天秤計りは、 分銅の重さ(基準値)に近い値を拡大して、精密に測る計測器である。 フクダエアリークテスターも同じ原理であり、マスターとワークに同じ空気圧を封入し一定時間内のバランス状態の変 化を見てリークの有無を調べる。リークがないと、封入した圧力は変化しないため、いつまでもバランスがとれた状態を 保つ(図 2.2)。しかしリークがあると、被検物内の圧力が時間と共に降下し、バランス状態が崩れる(図 2.3)。バランスの 崩れる速さはリーク量(ml/s)によって決まる。. 図 2.1 薬を天秤計りで 精密に計る. 図 2.2 同じ空気圧を加え 圧力バランスを見る. フクダエアリークテスターの基本回路は、図 2.4 により、圧力源よりバルブ(A)、(B)を経由して、ワー クとマスターに圧力を加える。その後、バルブ(A)、 (B)を閉じ、マスターの圧力を基準としてワークの 圧力を差圧センサーにて計測する。. 図 2.3 リークがあると 圧力のバランスが崩れて行く. リークなし な. リークあり (針動く) な. マスター. ワーク. な. な バルブ(A). バルブ(B) 圧力源 (コンプレッサー あるいは真空ポンプ). ※マスターはワークと同じ ものでリークのない物. 図 2.4 差圧式リークテストの基本回路 図 2.5 は実際に組込まれている基本空圧回路である。動作は電磁弁 SV1、SV2、SV3 を開きワーク、マスター内に圧 力を加える。SV2、SV3 を閉じる。ワークにリークがあれば内部の圧力はリーク量に従って徐々に下がり、マスターとの 間に差圧を生じる。この圧力差は差圧センサーで検出され電気信号に変換し、表示される。フクダエアリークテスター は、設定時間経過後の差圧値で良品・不良品を自動的に判定する。. 3 方弁 SV1. 電磁弁 SV2. 較正器 フィルター な ワーク な バルブ V1 な 差圧センサー な な バルブ V2. 圧力計 な 空圧源 な フィルター. 電磁弁 SV3. な スタート OK NG な な な. な. コントローラ. フィルターな. ー. な. な. 増幅器 な. 図 2.5 差圧式エアリークテスターの基本的な空圧回路. 11. マスター.

(13) 2.1.2 基本動作 フクダエアリークテスターは、下記の 4 工程を順次行い、リークの有無を判定する。 1) 加圧工程(図 2.6) テスト圧力に調整されたエアーは電磁弁 SV1、SV2、SV3 を通ってワークとマスターに加圧される。 2) 平衡工程(図 2.7) 電磁弁 SV2、SV3 によって、ワークとマスターに供給されたエアーを封じ、安定するのを待つ。ただし、大きなリーク があった場合は、「不良」と判定し、排気工程に移る。 圧力計. 圧力計. ワーク 電磁弁 SV2. ワーク 電磁弁 SV2. メーター. メーター. *** Pa 減圧弁. 電磁弁 SV1. 電磁弁 SV3. *** Pa. 差圧センサー. 減圧弁. 電磁弁 SV1. 電磁弁 SV3. マスター. 差圧センサー マスター. 図 2.6 加圧動作. 図 2.7 平衡動作. 3) 検出工程(図 2.8) この動作中に微小リークの有無を検出する。リークを検出した場合「不良」と判定し、排気工程に移る。 4) 排気工程(図 2.9) 「良品」 「不良品」を判定し、ワーク・マスター内の圧力を排気する。 リーク. 圧力計 電磁弁 SV2. 減圧弁. 圧力計. ワーク. 電磁弁 SV1. 電磁弁 SV3. ワーク 電磁弁 SV2. メーター. 500 Pa 減圧弁. 差圧センサー. 電磁弁 SV1. 電磁弁 SV3. マスター. メーター. *** Pa 差圧センサー マスター. 図 2.8 検出動作. 図 2.9 排気動作. 圧力を電気に変換する差圧センサーは、フクダエアリークテスターの心臓部である。そのため他に依存せずフクダ 独自で開発し、生産している。. 12.

(14) 2.1.3 リーク(漏れ)量の計算式 ① リークテスト計算式 ⊿P. VL =. T・Po. VL T ⊿P Po Vw Vs P ⊿V. {. Vw +. ⊿V ⊿P. (1+. Vw Vs. ) (P +Po). }. :リーク量(ml/s) :検出時間(s) :発生差圧(Pa) :大気圧(101325Pa) :ワーク内容積(ml){リークテスターと配管の内容積含む} :マスター内容積(ml){リークテスターと配管の内容積含む} :テスト圧(Pa) :センサー係数(0.4×10-5 ml/Pa). ⊿P. 上記計算用の計算シートはフクダホームページでダウンロード出来ます。. ② ワーク内容積算出式 Vw. = Vw ⊿VL Po ⊿P 定数. ⊿VL×Po ⊿P. - 定数. :算出したい容積(ml) :較正器の容積変化量(ml) :大気圧(101325Pa) :発生差圧(Pa) :0.4(センサー係数より算出した数値). 13.

(15) 2.1.4 応用測定方式 ① 漏れ側測定 ワーク内部に存在する物質により測定が不安定になる場合. チャンバー. 元圧力. 差圧センサ. リークテスタ. 図 2.10 漏れ側測定の基本回路. ② 密封品測定・タンク加圧 ワーク内部に加圧出来ない場合 タンク ワークポート. 直圧 センサ テスト圧力 調圧弁 元圧力. 差圧センサ. 加圧弁. マスターポート. タンク弁. 排気弁. 図 2.11 密封品測定・タンク加圧の基本回路. 14.

(16) 2.1.5 性能向上を望むには ① マスタリング測定 ・ フィッティング測定 リークテストでは、ワークに加圧することで、ワーク内部の大気圧が圧縮され断熱圧縮により発熱し、ワーク内部の気 体の温度が瞬間的に上昇する。ワーク内部気体と外気温の間に温度差が発生し、その後長い時間をかけて内部気 体の熱がワークの内壁を通じて放熱される。放熱は、ワーク内部の温度と周囲温度が同じ温度になるまで続く。放熱 の時間はワークの材質や形状、クランプ、シールしている設備などにより異なる。 例えば、ワークの形状が同じで、材質がアルミの場合と鉄の場合では、熱伝導率はアルミの方が高いため、アルミ材 質のワークの方が速く放熱する。 また、金属の熱伝導率は空気などより高いため、内部に構造物を持ち内部の表面積が大きいワークの方が速く放 熱する。 しかし、ワーク内部の構造物がワークの外部と繋がっていない場合、例えば、焼結金属のフィルターなどは、ケースと 焼結金属の金属接触部が少なく、熱が内部にこもり放熱が遅くなる。このように放熱のスピードはワークにより異なる。 リークテスターでの漏れ検査では、ワークにテスト圧を封入し、ワーク内部の圧力変化で漏れを検出しているため、ワ ーク内部気体が放熱により変動することで、正確な漏れ検出が困難になる。 弊社リークテスターの測定方法のマスターレス方式、フィッティング方式により、この熱による影響を補正した測定が可 能になる。. 中空. 構造物の接触が多いワーク. 15. 構造物の接触が少ないワーク.

(17) ①-1 マスタリング測定 (特許番号:3461973,3502687) マスタリング測定時 安定領域(直線性) 同じ角度. 発 生 差 圧. リーク (漏れ量相当分). 2sec 実際の 測定データ. Pa. θ. 時間 sec. DET. (. マスタリングデータ(ノイズ). 角. リークを測定データ(の面積)から 引き、マスタリングデータとし、記 憶する。. 度 ). M.DET. 図 2.12 マスタリング測定. マスタリングを行ったワークで通常測定した場合. 発 生 差 圧. リーク. 実際の 測定データ. Pa. θ マスタリングデータ. ( 角. DET. 時間 sec. 度 ). 図 2.13 通常測定. 特徴 ・ 従来のリークテストより、加圧・検出時間が短縮される。(検出時間は 5sec 以下で設定できる。) ・ 繰り返し再現性は、マスタリングデータにより決まる。. 量産ワークにてリークがあった場合. 発 生 差 圧. リーク. 実際の 測定データ. Pa. θ′ マスタリングデータ. DET. 時間 sec 図 2.14 リーク有りのワークでの測定. 16.

(18) ①-2 フィッティング測定について(特許番号:4056818) ワークの漏れ a. ワーク内部の圧力 b1. ワーク 差圧センサ. マスター. マスター内部の圧力 b2. 図 2.15 フィッティング測定 リーク. 図 2.15 で、ワークとマスタにテスト圧を加圧することで、両者 の内部温度が高くなる。その後加圧弁を遮断し、ワーク内部の 圧力変化を差圧センサーで検出する。その後ワークとマスタの 熱伝導率で決められる放熱スピードで、ワークとマスタの内部温 度が周囲温度に近づき、長い時間をかけて同じ温度になる。. リークありの波形 差 圧 リークなしの波形. c 放熱により発生する差圧の収束点の圧力bは、b = |b1 – b2| と なる。実使用環境でこのbの値が変動する場合、放熱波形は図 2.17 のようになる。 また、熱伝導率が変動する場合は図 2.18 のようになる。. b. 検出工程時間. 図 2.16 リークの特性カーブ. 差 圧. 差 圧. 検出工程時間. 検出工程時間. 図 2.17 放熱により発生差圧が変動する場合. 図 2.18 熱伝導率が変動する場合. フィッティング測定では、この2種類の圧力変動を同時に補正することが出来る。 放熱特性の数式にフィッティングさせ、各 a、b、c を求める演算方法により補正する。 y = ax + b( 1–ecx ) ・・・・・・・・・・・・・・(2.2) 実機では、用途に合せて柔軟に対応できるよう下記のような測定方式が用意されている。 ・FittingSet0:c のみを固定する方式。環境変動への追従性が高くなる。 ・FittingSet1:c,b を固定する方式。長い時間をかけて c,b を測定し、このデータを固定値として使用する。 この場合は、マスターレス測定とほぼ同じ補正機能となる。 ・FittingSet2:c,b,a を固定する方式。実測データと近似式との差から漏れ量を算出する。 ・FittingSet3:フィッティング測定無効。 ・FittingSet4:定数記憶なしの方式。検出工程の 0.1 秒おきの差圧データから、式(2.2)に最も近似する a,b,c を算出し、a(漏れ)の値を表示する。 17.

(19) ①-3 リニアフィッティング測定について(特許出願中:特開 2012-255687) リニアフィッティングは、図 2.16 のような差圧変化曲線を時間で小分割した区間の傾きをフィッティングデータとして 記憶し、このデータと実測データの傾きとを比較する方式である。. ② スーパー電空レギュレーター(フクダ型式 APU) (特許番号:2618368) APU は入力電圧を変化させることで空気圧力と流量を制御する電空レギュレーターである。 精密電空比例弁に差動型ノズル・フラッパ機構を用い±0.1%の制御再現性を実現している。従来難しいとされてい た大流量を伴う微圧や負圧を安定に供給ができ、負圧から正圧にわたる連成圧の制御も可能である。 フィードバックセンサーは外付けで任意の場所の圧力制御が可能で、差圧センサーを用いることでワークの両端の差 圧を一定にする事が可能である。また、一定流量制御をすることもできる。 ・任意設定の安定した圧力制御が可能 ・エアリークテスターのリード圧・テスト圧の設定値を入力することで圧力が自動で切り替わり、安定した加圧により測定 ができる。(FL-610、FL-611、FM-1061 のみ対応) ・フィードバックセンサーを用いているため、急速加圧が可能である。. ③ (ターボ式)エアリークテスター (特許番号:1732024) 急速安定式エアリークテスターは、ワーク内に設定されたエアーを封入した後、内部圧力を急速に安定化し、これ により加圧時間を大幅に短縮することを目的としたエアリークテスターである。 本器はテスト圧源とは別にテスト圧よりも高い圧源(リード圧)を設定し、加圧動作時にリード圧でワークに加圧し、次に テスト圧に切換えエアーの加圧時に発生する温度を急速に安定させるもので、1 つのテスト圧で加圧エアーを送り込 んだ場合と比べ、加圧時間が短くなるばかりでなく、断熱圧縮によるエアー温度の影響や加圧による被検物内容積変 化を加圧、減圧の加圧動作により互いに打消し合い、その結果急速に加圧エアーは安定し加圧安定時間を通常の 1/2~1/3 に短縮することが出来る。但しワークの条件によりリード圧の圧力設定値と加圧時間設定は、予め調査し決 定する必要がある。(FL-3XXX シリーズ). リード圧 内部温度による圧力の変動 安定領域 内部温度. 圧 力 ・ 温 度. 安定領域. テスト圧. 安定領域 密閉. テスト圧. 圧 力 ・ 温 度. の変動. 内部温度は急激に安定する 安定領域 密閉. 加圧時間. 図 2.19 標準型リークテスターの圧力・温度の安定経過. 18. 加圧時間. 図 2.20 ターボ式リークテスターの圧力・温度の安定経過.

(20) ④ 排気バイパス 排気バイパスユニットは、ワーク内部に水、油、切粉などの異物が付着・混入している場合に用いる。排 気時ワークに加圧した空気がエアリークテスター内を通るため、これらがエアリークテスター内部に入り込 む場合がある。エアリークテスター内部に異物が混入すると、内部の電磁弁の誤動作や、差圧センサーの故 障の原因となる。したがって排気バイパスを使用することで、ワークに加圧された空気が排気工程でエアリ ークテスター内部を通ることなく排気されるようにし、トラブルを防止する。 ・ワークに異物等が付着・混入している場合は、排気バイパスを使用することを推奨。 ・排気バイパスユニットを使用することで、エアリークテスターの故障となる原因を低減し、安定した測定 が得られる。. ⑤ 加圧・排気バイパス 加圧排気バイパスユニットは、排気バイパス機能に加圧用のバイパス機能が追加された製品である。 加圧バイパスが追加されるため加圧流量が増加し、内容積 1000ml 以上の大容量ワークに対して加圧工程時 間の短縮や、測定の安定性向上などの効果が期待できる。 ・加圧排気バイパスユニットを使用することにより、大容積ワークの検査時間の短縮・安定した測定が得ら れる。 ・排気バイパスユニット機能により、ワークに付着した異物等によるエアリークテスターの故障の原因を低 減できる(排気バイパスの項参照) 。. ⑥ LPU-300 小容量ワーク(30ml 以下)に対する専用リークテスターである。リークテスターの容量が 0.7ml と非常に 小さいため検出感度の向上となる。. 19.

(21) 2.2 直圧降下式リークテスト 2.2.1 原理 この方式は、ワークのみにテスト圧を封入した状態で、一定時間後にこの圧力が減少(増加)したかを測定し、漏れを 検出する方法である。温度、変形等の影響がそのまま圧力変化として現れるので、微小な漏れの測定には不向きで あり、比較的大きなリークの測定には適している。. 2.2.2 基本動作 ①加圧:テスト圧が SV1、SV2 を通ってワークに供給される。 ②平衡:SV2 が閉じ、ワークに供給されたテスト圧が安定するのを待つ。 ③検出:ワークの漏れを検出する。検出開始時は自動的にゼロ補正回路が作動し、検出は常にゼロから行われる。 SV1. SV2. Work ワーク. スタート start OK NG. 図 2.21 直圧方式回路図. 2.2.3 リーク(漏れ)量の計算式 VL=. ⊿P Vw T・Po VL T ⊿P Po Vw. :大気圧中にリークした量(ml/s) :検出時間(s) :検出時間中の圧力降下 (Pa) :大気圧(101325 Pa) :ワーク側内容積(ml). 20.

(22) 2.3 水素リークテスト 2.3.1 原理 半導体式濃度センサーを使用し、セラミック製のフィルターを通して侵入する水素分子を感知する。水素分子は濃 度の高いところから低いところへ拡散する性質がある。この性質を利用し漏れ出たガス分子がセンサー内に拡散する ことを利用して計測する。 水素を利用するメリット ・ ガスのコストが安い ・ 粘性が小さいため漏れやすい ・ 最も軽い分子 ・ 環境に優しい(無公害) ・ 水素 5%+窒素 95%の混合ガスを使用するため、非可燃性で安全である。 ・ 非腐食性不活性ガス(人体に無害) ・ 大気中のバックグラウンドが低い(0.5ppm) 水素を利用することにより、多くのメリットがある。. 2.3.2 基本動作 ① 5%水素ガスを置換充填 ② リークテスト ③ 排気、洗浄. 2.3.3 リーク(漏れ)量の計算式 チャンバーに漏れたガスが浸入すると、チャンバー内の水素の濃度はコンスタントに増加する。これは堆積法で感 度を増す際に用いられる。チャンバー内の水素平均濃度は、次の式で記述される。. C  C tracer.  Leak Vchamber. C Ctracer ΦLeak tAce Vchamber. ・t Ace. :チャンバー内の水素濃度 (ppm) :トレーサガスの水素濃度 (ppm) (5%=50,000ppm) :ワークからのトレーサガスの漏れ量 (atm ml/s) :堆積時間 (s) :チャンバー内容積 (ml). 堆積時間は2つの方法で減少することができる。検査圧力を上げるか、チャンバー内容積を小さくする。例えば充 填する圧力を3倍にすると堆積時間は 1/10 に減少する。これは圧縮性流体の漏れには有効である。サンプルガスの 水素濃度が 5ppm になる堆積時間を表 2.1 に示す。警報レベルを 2.5ppm にするのであれば、堆積時間は表の数字 の半分になる。 表 2.1 堆積時間 漏れ量. ワ ー ク 容 積. 10-2 atm ml/s. 10-3 atm ml/s. 10-4 atm ml/s. 10-5 atm ml/s. 10-6 atm ml/s. 1ml. 0sec. 0.1sec. 1sec. 10sec. 100sec. 10ml. 0.1sec. 1sec. 10sec. 100sec. 16min. 100ml. 1sec. 10sec. 100sec. 16min. 2.8h. 1L. 10sec. 100sec. 16min. 2.8h. 28h. 10L. 100sec. 16min. 2.8h. 28h. 278h. 21.

(23) 2.3.4 応用測定方式 ①拡散方式 漏れ箇所に多孔質プラスチック又は布状の物を付け、漏れ出したガスを滞留させ、センサーを沿わせていくことに より、リークを検出する方法。 水素分子は、濃度の高いところから低いところへ拡散する性質がある。この性質を利用し漏れ出たガス分子がセン サー内に拡散することを利用して計測する。 ②スニファー(吸引)方式 ディテクター自体に吸引機能を持ち一定の流量で空気又はガスを吸引する。 吸引量と漏れ量、検知ガス濃度により漏れ箇所から出る漏れ量を計算する事ができる。 漏れ箇所を狭く(10ml 前後)することにより漏れ出るガスに対する検知能力を向上させることができる。. センサーに漏れ出てきたもの (Φsample) トレーサガスが、カバー 内のスニファーチャンネ ルに漏れる (Φleak). トレーサガスが入った管 エアー供給口. C =C tracer. 図 2.22 スニファー方式. Φ. leak. Φ. sample. C :サンプルの水素濃度 (ppm) Ctracer :トレーサガスの水素濃度 (ppm) Φleak :ワークからのトレーサガスの漏れ量 (atm ml/s) Φsample :吸引のサンプル量 (atm ml/s). 22.

(24) ③堆積方式 対象物の容積、表面面積が大きい場合、チャンバーやフードでワークを囲い内部に漏れ出たガスを堆積させて計 測する方法をいう。この方法により微小な漏れであっても時間をかけることにより、濃度を上げて計測することが出来 る。 堆積試験には、二種類の計測方法がある。 3-1 自然上昇堆積 漏れた水素は、拡散しながら上昇しチャンバー又はフードの上部に溜まる。同じ漏れ率でも、サンプリング位置によ り水素濃度は異なるが、早く漏れを検査したい場合に用いられる。チャンバーの形状が重要になるので、実験等で確 認が必要となる。. 漏れ出たガス. チャンバー 又はフード ト レ ー サガ ス が 入ったワーク. 図 2.23 自然上昇堆積法. 3-2 強制循環 チャンバー内空気と漏れガスを強制的に循環させる。同じ漏れが何処にあっても同じように検出したい時に用いる。 その為自然上昇堆積法に比べた堆積時間が長くなる。不充分な循環は、AC モータをもつダイヤフラムポンプやピスト ンポンプを推奨する。混合は循環ファンを取り付けることにより高めることができる。ファンは、通常大変小さな圧力しか 与えられない。もし流路が非常に小さい径で 30mm 以下であれば、代わりにポンプを用いる必要がある。循環システム は、堆積時間の間に少なくとも 10 回以上チャンバー内の空気が循環するように設計すべきである。混合の能力は、標 準漏れ器を検査体の異なる点において充分確認する必要がある。 チャンバー又はフード デッドボリューム(エアー)は、 最小限にする ト レ ー サガ ス が 入ったワーク. ディテクターへ. 空気循環用ファン又はポンプ. 図 2.24 強制循環. 23.

(25) 3-3 減圧チャンバー方式について 一般的な水素検知センサーは大気圧での測定が必要条件である。自動漏れ検査において、チャンバー内の空間 は、検出能力及びサイクルタイムに大きく影響し、現実的には適用できない部品もある。今回の方式は、チャンバー内 の圧力を 1kPa abs に下げ、外部より一定量の空気を入れ、その分を排出することにより見かけ上の空間を小さくし、又 自動プローブのサンプリング位置で大気圧にすることができる。その結果、検出能力を高めることも出来、又サイクルタ イムを短くすることも出来る。. チャンバー 減圧ポンプ. 排気 空気. ワーク. サンプリングポンプ サンプリングホース. 自動プローブ トレーサガス 注入・排気装置 排気 圧空 標準ガス 図 2.25 減圧チャンバー方式. 24. ディテクター.

(26) 2.4 ヘリウム式リークテスト 2.4.1 原理 判定ワークよりリークした微量のヘリウムガスを検出器(質量 分析管)に導き、検出する方法である。 ヘリウムガスは、分析管のイオンチャンバー内でフィラメントか らの電子ビームによりイオン化される。このイオンは、加速され、 スリットから飛び出し、分析部にかけられた磁場内を通過する とき、質量の違いにより異なった円軌道を描くので、ヘリウムイ オンだけをコレクターで集めるようにしている。 分析部にはいくつかの方法がある。代表的なものとして、磁場 偏向型(磁気セクター型)、オメガトロン、四重極型がある。. 軽いイオン 重い ヘリウムイオン コレクター スリット ○ 分子. 軽い 重いイオン. A. ×. イオンチャンバー. 分析部 (磁場をかける). 図 2.26 ヘリウムリークテストの原理. 2.4.2 基本動作 ①吸込み法(スニファー法) 1-1 ワーク内部にヘリウムガスを加圧する。(図 2.27) 1-2 ワークからリークしてきたヘリウムガスを、ヘリウムディテクターで検出する。(図 2.28) 1-3 バキュームポンプで排気する。(図 2.29) He ディテ クター. He ディテ クター. リーク ワーク Work. Work ワーク. He ボンベ. He ボンベ. V. V. P. 図 2.27 ヘリウムガス加圧. 図 2.28 ヘリウムディテクターで検出. He ディテ クター. Work ワーク. He ボンベ. V. P. P. 図 2.29 排気. 25.

(27) ②真空容器法(ベルジャー法) 2-1 ワークおよびチャンバー内減圧(図 2.30) 大気圧でヘリウムガスが薄まらない様にワーク内を減圧する。 2-2 ヘリウムガス加圧(図 2.31) ヘリウムガスをワーク内に加圧する。 2-3 リークテスト(図 2.32) ヘリウムディテクターにより検出・判定する。 2-4 窒素ガスでヘリウムガスを洗浄する。(図 2.33) バキュームポンプで排気を行う。 2-5 ワーク及びチャンバーを大気開にする。(図 2.34). N2 ボンベ. V. Work ワーク. N2 ボンベ. P. V. Work ワーク. He ディテ クター. He ボンベ. P. He ディテ クター. He ボンベ. V. V P. P. 図 2.30 ワーク内の減圧. N2 ボンベ. 図 2.31 ヘリウムガス加圧. V. Work ワーク. N2 ボンベ. P. V. Work ワーク. He ディテ クター. He ボンベ. He ボンベ. V. V. P. P. 図 2.32 リークテスト. N2 ボンベ. 図 2.33 ヘリウムガスの洗浄. V. Work ワーク. P. He ディテ クター. He ボンベ. V P. 図 2.34 排気. 26. P. He ディテ クター.

(28) 2.4.3 リーク(漏れ)量の計算式 検出感度の測定 (a) 校正リークのバルブを開いた状態で、時間経過とヘリウムリーク検出器のメーターの振れ値を記録し、指示が安 定した時の指示値を X2 とする。この場合、記録計のチャート又は時間-指示値記録のいずれから求めても良い。 (b) 校正リークのバルブを閉じ、安定した指示値を X1 とする。ただし、バックグラウンドが変化する場合、最大値(X1max) と最小値(X1min)を測定し、その平均値をバックグランド X1 とする。. (X1max+X1min ) 2. X1 =. (c) 検出感度(S)を、次の式によって求める。. S=. (X2-X1) [1/(Pa・m3/s)] Qc. Qc :使用時の温度に対して補正を行った校正リークからのリーク量(Pa・m3/s) X1 :バックグラウンドに対するヘリウムリークの検出器の指示値(出力) X2 :校正リークに対するヘリウムリーク検出器の指示値(出力) (d) 最小可検リーク量(L)は、次の式によって求める。. L=. 2 S. (X1max-X1min ) =. 2Qc(X1max-X1min ) X2-X1. (Pa・m3/s). (e) 時定数の測定. 出 力 値. X2-X1. τ. (X2-X1)の 37%. X2 X1 バックグラウンド 校正リークバルブ開. バックグラウンド. 時間. 校正リークバルブ閉. 図 2.35 時定数τの求め方 測定 (a) 試験体内部にヘリウムガスを封入する。この場合あらかじめ真空装置で減圧しヘリウムガスと置換するのが良い。 (b) バックグラウンドを測定し、記録する。 (c) ヘリウムガス導入の開始から、少なくとも時定数(τ)以上経過してからヘリウムガスリーク検出器の指示値を記録 する。 (d) リーク量(QT)は、次の式によって求める。. QT = Xp X1 開放 後処理 判定. (XP-X1) S. :テスト時のヘリウム漏れ検出器の指示値 :バックグラウンドに対するヘリウムリーク検出器の指示値(出力) S :検出感度 ワーク内のヘリウムガスを放出し、真空容器(ベルジャー)を大気に開放する。 必要な後処理を行う。 検査規格又は仕様に従って判定する。特に指示のない場合、1×10-7Pa・m3/s 27.

(29) 2.4.4 応用測定方法 ボンビング法(密封品測定) ワーク内部に加圧できない場合は、事前にヘリウムガスを充填しておき、その後ディテクターで測定する。. 不良品. 不良品は充填することで、ワークの内部 にヘリウムが入り込む。 その後、不良品の内部に入り込んでいた ヘリウムガスがチャンバー内に漏れ出てき た所を測定する。. 良品. Heガス. He. この方法の場合は、充填後、測定までの 放置時間が測定精度に影響を及ぼす。 そのため、放置時間を管理する必要があ る。. 不良品. He. He ディテ クター. 図 2.36 ボンビング法 差圧式リークテストとヘリウムリークテストを組み合わせる事により、理想的な測定環境を構成できる。. 28.

(30) 2.5 流量式リークテスト 2.5.1 原理 空気(ガス)の流量計には、大きく分けて体積流量計と質量流量計がある。 体積流量計には、差圧式流量計(層流型流量計、オリフィス式等)、面積式流量計、容積式流量計等があり、質量流 量計には、熱式流量計、コリオリ式等がある。 体積流量は単位時間当たりの体積移動量(ℓ/min)によって表し、質量流量は単位時間当たりの質量移動量(g/min) で表される。しかし、最近では一般的流量計測に準じた形で、基準圧力・温度を決めた条件で体積流量単位によって 表記することが一般的である。 体積流量計の内、層流型流量計は、管路の流れを層流にしたとき圧力損失⊿P が流量 Q に比例する。 128ηL 32ηL Q= u ⊿P= 4 πd d2 L ⊿P :差圧 η :粘性係数 L :管路の長さ d :管路の直径 Q :体積流量 圧力差 ⊿P u :流体の平均速度 図 2.37 差圧式流量計の原理 層流素子は、毛細管を流路の断面に束ねた構造をしており、流体はこれらの毛細管に分かれている。dが小さいこ とから、レイノルズ数は極めて小さくなる。 実際の層流素子の圧力差⊿P(圧力降下)は、毛細管の全長に渡ってハーゲンポアズイユ流れであると仮定したときの 圧力降下⊿P1 と毛細管両端部の圧力降下⊿P2 との和で表される。 32ηL V2 ⊿P=⊿P1+⊿P2= u +K・γ d2 2g K :毛細管端部での損失係数 γ :流体の比重 差圧⊿P が流量に対しての直線性をもつためには、 ⊿P2 k d = Re・ ⊿P1 64 L の値が充分小さいことが必要である。 フクダ製ラミナーフローメーターでは、最大定格流量の約 1.2 倍の範囲にて、直線性が損なわれないように設計されて いる。 質量流量計・マスフローメーターに使用されている流量センサ ーは、熱式流量センサーが一般的である。 センサー部である毛細管には抵抗温度係数が大きい抵抗体を上 流側(Rus)、下流側(Rds)にそれぞれ配置し、これに電流を流すこ とにより、上・下の抵抗体は発熱する。この時、管路に流体が流 れない場合では、上・下流側ともに同一温度となる。そしてこの状 態で流体が流れ始めると、上流側が流体により熱を奪われ、逆に 下流側には上流側から奪われた熱が与えられることになる。この 結果上流と下流の間に温度差⊿T が発生し、この温度差⊿T が 流体の質量流量に対して関数関係をもつことから、この抵抗値の 変化を電気信号として取り出し、増幅補正して、質量流量として 計測する方法である。. 29. Rus. Rds. 流れ. 図 2.38 熱式流量計の原理.

(31) 2.5.2 基本動作 ①層流型流量計(大気圧下). 大気. 大気圧下方式は、ワークが空圧源側に設置され、 ラミナーが大気圧側に設置された状態をいう。 テスト圧力をワークに供給し、流れ出たエアーがラミ ナーを通過し、大気に流れる。 流量はラミナーに発生する差圧にラミナー係数をか けることで求められる。 テスト圧が変わってもラミナー係数は同じで良い。. 大気. ライン圧力方式は、ラミナーが空圧源側に設置さ れ、ワークが大気圧側に設置された状態をいう。 テスト圧力をラミナーに通過させた後、テスト圧力を ワークに供給し、大気に流す。その時、ラミナーに 発生した差圧にラミナー係数をかけて流量値に換 算する。テスト圧に応じてラミナー係数は変化する。 フクダでは原則としてラミナー係数を大気圧下に おける固定値としている。. 流量計. 図 2.39 大気圧下での体積流量計. ②層流型流量計(ライン圧力・圧力下) 流量計. 図 2.40 圧力下での層流型流量計 試験方法 ① テスト圧力を供給する ② 流量が安定するまで放置 ③ 流量判定 ④ 排気する. 2.5.3 リーク(漏れ)量の計算式 Q=⊿P×k Q ⊿P k. :流量 (ml/min) :差圧 (Pa) :ラミナー係数. 流量 Q (ml/min). ラミナー係数 k =. b a. b. a. 差圧 ⊿P (Pa). 図 2.41 ラミナー検査成績書イメージ. 30.

(32) 2.5.4 応用測定方式 ワークの内容積が大きい場合、ワーク内に流体が充満されるまで長い時間が必要になるため計測に要する時間が 延びることになる。 このため、タクトタイム短縮のために以下のような回路上の工夫が必要になる。 タクトタイム短縮のためには、ワーク内部の圧力を短時間で高める必要があるが、その方法に加圧バイパス方式があ る。加圧バイパス方式とは、流量計とは別に有効断面積の大きな配管を設け、この配管を通じてワークに流体を短時 間で充満させる方式である。 図 2.42 のように、ワークに加圧する際には加圧バイパスを開いてワークに大量の流体を流す。計測の際には加圧バイ パスを閉じて、流体が流量計のみを通じてワークに流れるようにする。これにより加圧時間を短縮し、素早く計測に移 ることができるためタクトタイムを短縮できる。. 流量計. 大気. 図 2.42 加圧バイパスを使用した流量測定 適性な計測のためには、ワークに供給する流体の圧力を一定にする必要があるが、ワークの漏れ量はそれぞれ異な るため、通常のレギュレーターでは安定した圧力を保持することができない。そこで、常時ワークに供給する圧力を監 視し、適正に維持する電空レギュレーター(フクダ型式:APU)を用いることにより、この問題を解消することができる。 (APU の動作原理は 3 章に記述する). 31.

(33) 第 3 章. 周 辺 機 器. 32.

(34) 3.1 排気バイパスユニット 概要 排気バイパスユニットは、ワーク内部に水、油、切粉などの異物が付着・混入している場合に用いる。排気時、ワー クに加圧した空気がエアリークテスター(以下 ALT)内を通るため、これらが ALT 内部に入り込む場合がある。ALT 内 部に異物が混入すると、内部の電磁弁の誤動作や、差圧センサーの故障の原因となる。従って排気バイパスを使用 することで、ワークに加圧された空気が排気工程で ALT 内部を通ることな く排気されるようにし、トラブルを防止する。 FE-20 ・ワークに異物等が付着・混入している場合は、排気バイパスを使用する ことを推奨。 ・排気バイパスユニットを使用することにより、ALT の故障となる原因を低 減し安定した測定が得られる。 排気バイパス機能に加圧バイパス機能を追加した加圧・排気バイパスユ ニットがある。. 3.2 加圧・排気バイパスユニット 概要 加圧排気バイパスユニットは、排気バイパス機能に加圧用のバイパス機 能が追加された製品である。 加圧バイパスが追加されるため加圧流量が増加し、内容積 1000ml 以上の 大容量ワークに対して加圧工程時間の短縮や、測定の安定性向上などの 効果が期待できる。 ・加圧排気バイパスユニットを使用することにより、大容積ワークの検査時 間の短縮・安定した測定が得られる。 ・排気バイパスユニット機能により、ワークに付着した異物等による ALT の 故障の原因を低減できる(排気バイパスの項参照)。. 33. CBU-600.

(35) 3.3 フロースタンダード 概要 フロースタンダードは規定された圧力を加えることで、一定の流量を 得ることのできる流量素子であり、内部にガラス毛細管を使用している。 ガラス毛細管の長さと径を調整することで、規定された圧力で一定の流 量を発生させる。 フロースタンダードを使用することで、実漏れによる ALT の日常の機能・ 精度確認が簡単に行える。またワークと組み合わせて、漏れマスターと することでリークテストの良・不良判別条件の設定が行える。差圧式 ALT と組み合わせてワーク内容積の測定もできる。. FFM-100. ・ トレーサビリティー証明書の発行ができます。. 3.4 較正器 概要 較正器はダイヤルを回転することにより目盛量に比例した容積を変化 させることができる。 差圧式 ALT と組み合わせて使用し、容積変化に対する発生差圧を調 べることで、ALT の感度確認や、ワーク容積測定を行うことができる。 ・ トレーサビリティー証明書の発行ができます。 ・ 0.1ml、1.0ml、5.0ml の3種類があります。. 34. CAL-0.1-A.

(36) 3.5 スーパー電空レギュレーター(フクダ型式:APU) 概要 スーパー電空レギュレーター(以下 APU)は入力電圧を変化させること で空気圧力と流量を制御する電空レギュレーターである。 HV 精密電空比例弁に差動型ノズル・フラッパ機構を用い、±0.1% の制御再現性を実現している。従来難しいとされていた大流量を伴う微 圧や負圧を安定供給でき、負圧から正圧にわたる連成圧の制御も可能 である。 フィードバックセンサーは外付けで任意の場所の圧力制御が可能で、 差圧センサーを用いることでワークの両端の差圧を管理し一定流量制 御をすることもできる。. APU-300 APU-120. ・ APU を使用することより、任意設定の安定した圧力制御が可能。 ・ ALT のリード圧・テスト圧の設定値を入力することで圧力が自動で切り替わり、安定した加圧による測定ができる。. 35.

(37) 第 4 章. 設備上にて. 36.

(38) 4.1 水・油・異物の管理 エアリークテスターを使用していく上で、使用するエアーに含まれる水・油・異物等の管理が最も重要になってくる。 これらがエアリークテスターに混入すると様々な弊害が起こり、故障の原因となるからである。. 修理品の故障原因. 更にその内容を分析すると 異物混入の詳細. リークテスターの修理原因 26%. 12%. 4%. 18%. 異物混入 顧客理由 経年変化 その他. 18%. 8%. 元圧(油) 元圧(その他) ワーク(油) ワーク(その他). 47%. 66%. 27%. 図 4.1 故障原因. 74%. 図 4.2 異物混入の詳細. 故障原因は、図 4.1 で図示しているように 66%が異物混入である。また、その詳細を調査すると図 4.2 で図示してい るように 74%が元圧からの混入、26%がワークからの混入となっている。元圧からの異物混入を防ぐ為、フィルターセット (エアフィルター、ミストセパレーター)を直前に設置することを推奨する。 エアフィルター 異物除去を行う. ミストセパレーター オイルミストを除去する. エアリーク テスター. 空圧源. 図 4.3 元圧部分のフィルター 搭載するフィルターセットの能力(処理流量は製品に応じて選定する) 表 4.1. フィルターの能力. ろ過度. 周囲および使用流体温度. 2 次側オイルミスト濃度. エアフィルター. 5 μm. ‐5 ~ 60 ℃. -. ミストセパレーター. 0.01μm. ‐5 ~ 60 ℃. 0.1 mg/m3 ※1. ※ 1 コンプレッサーオイルミスト吐出濃度 30 mg/m3 (ANR)時. 長期にわたり安定してご使用頂くための、お客様へのお願い フィルターを強化してもメンテナンスを怠れば、フィルターの性能は落ちエアリークテスターに異物が入ってし まいます。 「始業点検時のドレイン抜き」、「定期点検時のフィルタエレメントの交換」を必ず実施してください。 (正確なエレメント交換の時期は、ご使用のフィルターメーカーのカタログをご覧ください). 37.

(39) 修理品の故障原因として、排気時にワークからの異物の吸込みがある。異物吸込みを防止する為に排気バイパスユ ニットまたは(加圧排気バイパスユニット)の設置を推奨する。. リークテスター. ワーク. 排気バイパス ユニット. 図 4.4 排気バイパスユニットを使用した際の基本回路. 4.2 元圧・流量の管理 リークテストでは、ワークごとにテスト圧が異なり、元圧の管理が重要となる。元圧の変動及び、流量が足りなければ 検出精度の低下、タクトの延長へと繋がってしまう。 表 4.2 測定レンジごとの元圧管理(例 FL-611) 測定レンジ. 制御範囲. 元圧. VB. -90.0~-5.0 kPa. 真空ポンプより直管. LC. 5.0~20.0 kPa. LJ. 5.0~50.0 kPa. LD. 10.0~99.9 kPa. LE. 10~100 kPa. LF. 30~300 kPa. MC. 100~700 kPa. HC. 300~990 MPa. HD. 0.5~2.0 MPa. HE. 1.0~5.0 MPa. 設定圧力+100kPa. 設定圧力の 20%増し 設定圧力の 30%増し. 表 4.2 で示すように、元圧の管理は必要である。 また、大きなワークや流量測定では、レギュレーターの吐出量を十分確保する必要がある。 ※ 元圧と流量の管理は設備上の重要ポイントとなるので、弊社営業担当にご相談ください。. 38.

(40) 4.3 クランプ・シール治具 リークテストにおいて良好な測定結果を得るためにはクランプ・シールの設計が重要である。ワークごとに形状、テス ト圧が異なるので、そのワークに応じたクランプ圧、シール方法が必要である。. 4.3.1 クランプ クランプ圧とは{シリンダー径×エアー(油)圧=(シール面積×テスト圧+シールゴム潰し力)×安定させる為の係数} で表される。 クランプを安定させる為の係数は、面粗度、ゴム硬度等のシール条件により変化する。(通常で 2 倍). 4.3.2 シール治具 ①容積の変化を少なくする。 クランプの加圧などにより、力が加わった時、内容積が変化すると測定が不安定になる。 シール方法は、一般的に O リングシール、ウレタンゴムシールがある。エアリークテスターの特性上、弊社では出来る 限り O リングシールを推奨する。ウレタンゴムはワークの形状で O リングシールが出来ない場合のみに使用する。 中子を入れることにより、検出感度、検出精度の向上となり、ウレタンゴムシール時の容積減少に繋がる。 ワークに対してメタル タッチ構造となる為、 容積変化がほとんど ない。. O リングシール. ワーク. O リング. シール治具. ワーク. O リング. シール治具. ※アンクランプ時に O リングが外れる場合がありますのでアリミゾ等の対策をとるようにする。 図 4.5 シール方法(O リングシール). ワークに対してベタ あたりとなる為、容積 変化が起こりやすく 誤判定の原因となる。. ウレタンゴムシール. ワーク. ウレタンゴム. シール治具. ワーク. ウレタンゴム. シール治具. ※ゴムの周囲を囲うことで、シール時のゴムの変形を少なくすることが出来る。 図 4.6 シール方法(ウレタンゴムシール). 39.

(41) シールゴムの変形 が減少し、容積変化 が少なくなる為、測 定精度の向上とな る。. ウレタンゴムシールに中子を入れた時. ワーク. ウレタンゴム. シール治具. ワーク. ウレタンゴム. シール治具. 図 4.7 シール方法(ウレタンゴムシールに中子を入れた場合). 1) 加圧変形の少ない部品選定 ・圧力的に十分でも高圧用を用いるなど配管材は、硬いものを選定する。 ・ポリウレタンなど柔らかい材質は使用しない。 ・ダイヤフラムやばねが組込まれた機器を測定回路に含めない。 2) 変形しやすいワークに対して 樹脂などの柔らかい材質のワークに対して、膨らまない様な構造にする。. ②検出感度の向上 漏れは、容積が小さいと圧力の変化が大きくなる。容積を小さくすることで、高感度に漏れを検出する事ができる。 1) 中子の活用 中子の分だけ内 容積が減るため、 感度が高くなる。. 中子の活用. 中子. ワーク. ウレタンゴム. ワーク. ウレタンゴム. 図 4.8 中子の活用 2) 配管の選定 リークテストでは配管もワーク内容積として含まれる。出来るだけ短い配管で行い、検出感度を上げる。. 40.

(42) 4.4 温度変化に対して 密封されたワークが、温度変化すると圧力変化し、測定が不安定となる。 熱の発生元 ・電磁弁の熱 ・周囲の気温変化(冷暖房等) 対策 ・より安定した測定結果を得るためには、電磁弁の代わりに空気作動弁を採用した機種を使用する。(FL-611 使用) ・設備の周囲をアクリル板等で囲い、急激な温度変化を緩和する。 ・空気配管に断熱材を巻き、配管の急激な温度変化を緩和する。プラスチック製のスパイラルチューブは巻き付けが 容易で実用的である。. 41.

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