学 位 論 文 審 査 要 旨 公開審査日 2017 年 11 月 22 日(水)
報告番号:
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甲 ・乙 第 1738 号 氏名: 原田 レオポルド大世論文審査
担当者 主査 教授 糸井 隆夫 印
副査 教授 伊藤 正裕 印
副査 教授 河合 隆 印 審査論文の題目: Prediction of high-stage liver fibrosis using ADC Value on diffusion-weighted imaging and quantitative enhancement ratio at the hepatobiliary phase of Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI at 1.5 T
(1.5 テスラ MRI において Gd-EOB DTPA 造影 MRI での ADC 値、肝細胞造影相を用いた高度な肝線維化の 定量的評価)
著 者:Taiyo L Harada, Kazuhiro Saito, Yoichi Araki, Jun Matsubayashi, Toshitaka Nagao, Soichi Akata, Koichi Tokuue
掲載誌:Acta Radiologica(in press, 2017) 論文要旨:
肝臓の線維化の程度を診断することは肝疾患の治療方針決定に極めて有用である。現在の肝線維化診断 のスタンダードは肝生検であるが、ある一定の割合で重大な偶発症やサンプリングエラーを引き起こす ため、診断のための低侵襲な代替方法が望まれている。MRI を用いた肝線維化診断には MRI エラストグ ラフィーがあるが、費用対効果は議論の余地がある。本論文は多くの施設で用いている 1.5 テスラの通 常 MRI による肝線維化診断を検討した報告である。外科的に切除され組織学的診断がなされた 83 患者 99 肝結節が後ろ向きに抽出された。幹細胞造影相(HBP)での肝臓と筋肉の信号比(LMR)、肝臓と脾臓の信 号比(LSR)、造影前後の信号比(CEI)について低線維化群(F0,F1,F2)と高線維化群(F3,F4)とを比較した。
LMR、CEI は高線維化群と比較して低線維化群で有意に低値であったが LSR に有意差はなかった。特に LMR については 2.80 以上であれば感度 82.4%、特異度 75.6%で低線維化群と診断可能であった。
審査過程:
1. 研究の背景・目的および最新のエビデンスに基づく肝線維化診断の現状について適切に説明できた。
2. 現在の肝線維化診断のスタンダードとされている肝生検の長所及び短所について説明できた。
3. 肝線維化診断における MRI の役割について正しく説明できた。
4. 研究方法における妥当性と客観性について正しく説明できた。
5. 統計学的な検討について正しい見識を有していた。
6. 本研究の問題点(限られた症例数、後方視的検討など)について適切に認識していた。
価値判定:
本研究は肝線維化診断において 1.5 テスラの通常 MRI を用いて肝細胞造影相での肝臓と筋肉の信号比と 造影前後の信号比が高線維化群と低線維化群とを鑑別できることを報告した初めての論文であり、本研 究が MRI を有する通常の施設でも低侵襲線維化診断が行える可能性を示唆した点で今後の肝疾患診療に 貢献するものと考えられ、学位論文としての価値を認める。