シ ー ル ド 工 事 用 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 開 発 と そ の 実 用 化 に 関 す る 研 究
Research on Development and Utilization of Segments Combined with Secondary Lining for
Shield-driven Tunneling
2013 年 2 月
松 浦 將 行
Masayuki MATSUURA
シ ー ル ド 工 事 用 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 開 発 と そ の 実 用 化 に 関 す る 研 究
Research on Development and Utilization of Segments Combined with Secondary Lining for
Shield-driven Tunneling
2013 年 2 月
早 稲 田 大 学 大 学 院 創 造 理 工 学 研 究 科
松 浦 將 行
Masayuki MATSUURA
1 目 次
第 1 章 序 論
1 - 1 研 究 の 背 景 と 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 - 2 論 文 の 構 成 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2 1 - 3 用 語 の 定 義 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 5 [ 参 考 文 献 ]・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 7
第 2 章 下 水 道 の 現 状 と 課 題
2 - 1 は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 9 2 - 2 東 京 に お け る 下 水 道 の 変 遷 と 新 た な 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 9 2 - 2 - 1 戦 前 の 下 水 道 整 備 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 9 2 - 2 - 2 戦 後 の 下 水 道 整 備 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 0 2 - 2 - 3 1 0 0 % の 普 及 を 達 成 し た 後 の 新 た な 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 2 2 - 3 下 水 道 管 渠 の 老 朽 化 の 現 状 と 再 構 築 事 業 へ の 取 組 み ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 2 2 - 3 - 1 下 水 道 管 渠 の 老 朽 化 の 現 状 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 2 2 - 3 - 2 再 構 築 事 業 の 必 要 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 4 1 ) 能 力 お よ び 機 能 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 4 2 ) 構 造 耐 力 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 4 3 ) 老 朽 化 に と も な う 影 響 の 予 測 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 6 2 - 4 再 構 築 事 業 に お け る シ ー ル ド ト ン ネ ル の 効 率 的 か つ 効 果 的 な 活 用 ・ ・ ・ ・ 2 7 2 - 4 - 1 日 本 に お け る シ ー ル ド ト ン ネ ル の 導 入 ・ 発 展 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 7 2 - 4 - 2 シ ー ル ド 工 法 の 発 展 に 貢 献 し て き た 下 水 道 事 業 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 8 2 - 4 - 3 二 次 覆 工 省 略 の 提 案 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 9 2 - 4 - 4 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 検 討 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 0 2 - 5 ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 0 [ 参 考 文 献 ]・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 1
第 3 章 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 開 発
3 - 1 は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 2
2
3 - 2 二 次 覆 工 を 代 替 す る 機 能 の 確 保 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 3 3 - 2 - 1 基 本 構 造 と 適 用 範 囲 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 3 3 - 2 - 2 腐 食 性 環 境 に お け る 防 食 機 能 の 確 保 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 3 3 - 2 - 3 ト ン ネ ル 内 面 の 平 滑 性 の 確 保 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 4 1 ) ト ン ネ ル 内 面 の 平 滑 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 4 2 ) コ ー キ ン グ 溝 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 5 3 ) 止 水 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 5 3 - 3 構 造 解 析 手 法 の 確 立 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 5 3 - 3 - 1 断 面 力 お よ び 応 力 度 の 計 算 手 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 5 3 - 3 - 2 セ グ メ ン ト リ ン グ の 構 造 解 析 手 法 を 選 定 す る た め の 試 設 計 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 8 1 ) 試 設 計 の 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 8 2 ) 試 設 計 の 条 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 8 3 ) 試 設 計 の 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 1 3 - 3 - 3 試 設 計 結 果 に も と づ く 構 造 解 析 手 法 の 選 定 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 7 1 ) 試 設 計 ケ ー ス に お け る 慣 用 計 算 法 の 適 用 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 7 2 ) 試 設 計 の ケ ー ス と 慣 用 計 算 法 の 適 用 範 囲 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 7 3 ) 試 設 計 に も と づ く 構 造 解 析 手 法 の 選 定 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 8 3 - 4 施 工 性 お よ び 耐 久 性 の 検 討 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 9 3 - 4 - 1 セ グ メ ン ト の 組 立 て の 検 討 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 9 3 - 4 - 2 セ グ メ ン ト の 分 割 数 の 検 討 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 4 3 - 4 - 3 曲 げ ひ び 割 れ の 照 査 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 1 3 - 5 ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 1 [ 参 考 文 献 ]・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 3
第 4 章 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 実 用 化
4 - 1 は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 4 4 - 2 腐 食 性 環 境 に お け る 耐 久 性 試 験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 4 4 - 2 - 1 防 食 層 の 検 証 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 4 4 - 2 - 2 腐 食 性 環 境 に お け る 耐 久 性 の 実 験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 5 4 - 3 セ グ メ ン ト の 単 体 曲 げ 試 験 に よ る ひ び 割 れ 幅 の 検 討 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 7
3
4 - 3 - 1 セ グ メ ン ト の 単 体 曲 げ 試 験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 7 4 - 3 - 2 実 験 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 8 4 - 3 - 3 実 験 結 果 お よ び 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 9 4 - 4 推 力 試 験 に よ る 耐 荷 力 の 検 討 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 1 4 - 4 - 1 推 力 試 験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 1 4 - 4 - 2 実 験 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 2 4 - 4 - 3 実 験 結 果 お よ び 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 3 4 - 4 - 4 F E M 解 析 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 5 4 - 5 内 面 平 滑 性 継 手 の 耐 荷 試 験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 7 4 - 5 - 1 内 面 平 滑 型 継 手 の 開 発 と 実 験 的 検 証 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 7 4 - 5 - 2 セ グ メ ン ト 継 手 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 7 1 ) 実 験 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 8 2 ) 実 験 結 果 お よ び 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 8 4 - 5 - 3 リ ン グ 継 手 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 3 1 ) 実 験 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 3 2 ) 実 験 結 果 お よ び 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 4 4 - 6 貼 り 付 け 型 コ ー キ ン グ 材 と そ の 性 能 の 検 証 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 7 4 - 6 - 1 貼 り 付 け 型 コ ー キ ン グ 材 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 7 4 - 6 - 2 耐 久 性 の 確 認 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 8 4 - 6 - 3 施 工 性 の 確 認 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 9 1 ) 軸 力 に 対 す る 止 水 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 9 2 ) 変 形 の 追 従 性 と 引 抜 き 抵 抗 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 9 4 - 6 - 4 止 水 材 の 反 発 力 と の 整 合 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 0 4 - 6 - 5 実 験 結 果 お よ び 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 1 4 - 7 ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 2 [ 参 考 文 献 ]・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 3
第 5 章 二 次 覆 工 一 体 型 4 分 割 3 ヒ ン ジ セ グ メ ン ト の 開 発 と 設 計 手 法 の 提 案
5 - 1 は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 5 5 - 2 コ ン パ ク ト シ ー ル ド 工 法 の 開 発 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 6
4
5 - 2 - 1 建 設 費 の 縮 減 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 6 1 ) 掘 削 断 面 の 縮 小 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 6 2 ) セ グ メ ン ト の 構 造 の 見 直 し ( 4 分 割 3 ヒ ン ジ の 静 定 構 造 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 7 3 ) シ ー ル ド の 転 用 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 9 4 ) 施 工 性 の 向 上 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 9 5 - 2 - 2 環 境 へ の 影 響 の 低 減 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 9 5 - 2 - 3 維 持 管 理 へ の 配 慮 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 0 5 - 2 - 4 新 し い シ ー ル ド 工 法 の 提 案 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 0 5 - 3 4 分 割 3 ヒ ン ジ セ グ メ ン ト の 設 計 手 法 の 提 案 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 1 5 - 3 - 1 セ グ メ ン ト の 構 造 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 1 1 ) 本 体 構 造 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 1 2 ) 覆 工 厚 さ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 1 3 ) セ グ メ ン ト 継 手 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 1 4 ) リ ン グ 継 手 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 3 5 - 3 - 2 セ グ メ ン ト リ ン グ の 組 立 て 形 態 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 5 5 - 3 - 3 設 計 手 法 の 検 討 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 5 1 ) セ グ メ ン ト リ ン グ を 曲 げ 剛 性 一 様 な リ ン グ と 考 え る 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 6 2 ) セ グ メ ン ト リ ン グ を 多 ヒ ン ジ 系 リ ン グ と 考 え る 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 6 3 ) セ グ メ ン ト リ ン グ を 回 転 ば ね を 持 つ リ ン グ と 考 え , 千 鳥 組 に よ る
添 接 効 果 を せ ん 断 ば ね で 評 価 す る 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 6 5 - 3 - 4 設 計 手 法 の 提 案 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 7 5 - 4 セ グ メ ン ト リ ン グ の 実 物 大 実 験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 7 5 - 4 - 1 リ ン グ 継 手 の 剛 性 お よ び セ グ メ ン ト リ ン グ の 挙 動 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 8 1 ) リ ン グ 継 手 の せ ん 断 剛 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 8 2 ) B - K 間 の セ グ メ ン ト 継 手 の 曲 げ 剛 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 0 3 ) セ グ メ ン ト リ ン グ の 挙 動 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 1 5 - 4 - 2 設 計 法 の 検 証 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 5 1 ) ヒ ン ジ 部 の 回 転 ば ね の 影 響 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 5 2 ) B - K 間 の 継 手 の 曲 げ 剛 性 の 影 響 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 7 3 ) リ ン グ 継 手 の せ ん 断 剛 性 の 影 響 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 8
5
5 - 5 内 水 圧 が 作 用 し た 場 合 の セ グ メ ン ト リ ン グ の 挙 動 実 験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2 1 5 - 6 C 形 嵌 合 継 手 の 設 計 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2 5 5 - 7 適 用 範 囲 の 検 討 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2 8 5 - 7 - 1 セ グ メ ン ト の 仕 様 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2 8 5 - 7 - 2 検 討 条 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2 9 5 - 7 - 3 検 討 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 0 5 - 7 - 4 検 討 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 1 5 - 8 ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 2 [ 参 考 文 献 ]・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 3
第 6 章 結 論
6 - 1 本 研 究 の 結 論 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 5 6 - 2 今 後 の 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 7
謝 辞 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 8 研 究 業 績 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 4 0
1 第 1 章 序 論
1 - 1 研 究 の 背 景 と 目 的
東 京 の 下 水 道 は , 明 治 1 7 年 に 我 が 国 初 の 近 代 下 水 道 が 神 田 に 建 設 さ れ た の が 始 ま り で , そ れ か ら 1 0 0 年 余 の 歳 月 を か け て , 平 成 6 年 度 末 に 東 京 都 区 部 の 下 水 道 普 及 率 1 0 0 % が ほ ぼ 達 成 さ れ た 1 ).長 い 年 月 を 費 や し て 整 備 し て き た 下 水 道 管 渠 は ,現 在 で は , 地 盤 沈 下 の 進 行 や 急 激 な モ ー タ リ ゼ ー シ ョ ン な ど の 外 的 な 影 響 を 受 け , 物 理 的 な 劣 化 や 機 能 の 低 下 を き た し て き て い る . こ の よ う な 状 況 を 踏 ま え , 東 京 都 で は , 古 く な っ た 下 水 道 管 渠 を 新 し く 造 り 替 え る と と も に , 既 存 施 設 の 能 力 不 足 の 解 消 を 図 る 再 構 築 事 業 を 計 画 的 に 行 っ て い る と こ ろ で あ る 2 ) 3 ).
平 成 2 2 年 度 末 現 在 , 区 部 の 下 水 道 管 渠 の 延 長 は 約 1 6 , 0 0 0 k m に 達 し て お り , そ の 1 割 に 相 当 す る 約 1 , 5 0 0 k m の 下 水 道 管 渠 が ,法 定 耐 用 年 数 5 0 年 を 超 過 し ,老 朽 化 に と も な う 下 水 道 管 渠 の 破 損 に よ る 道 路 の 陥 没 な ど の 事 態 が 発 生 し て い る . 東 京 都 で は , 普 及 率 が 1 0 0 % を 達 成 し た 後 の 1 9 9 5 年 度 か ら 老 朽 化 対 策 と 機 能 の 向 上 を 同 時 に 目 指 し た 下 水 道 の 再 構 築 事 業 に 取 り 組 ん で き た .整 備 年 度 の 古 い 都 心 の 4 処 理 区 ,約 1 6 , 0 0 0 h a を 対 象 に , こ れ ま で 約 4 , 0 0 0 h a の 再 構 築 を 完 了 し た 4 ). こ れ に よ り , 道 路 の 陥 没 の 年
図 1 年 度 別 管 渠 布 設 延 長 の 推 移
0 2 , 0 0 0 4 , 0 0 0 6 , 0 0 0 8 , 0 0 0 1 0 , 0 0 0 1 2 , 0 0 0 1 4 , 0 0 0 1 6 , 0 0 0
0 100 200 300 400 500 600
大正元年 大正4年 大正7年 大正10年 大正13年 昭和2年 昭和5年 昭和8年 昭和11年 昭和14年 昭和17年 昭和20年 昭和23年 昭和26年 昭和29年 昭和32年 昭和35年 昭和38年 昭和41年 昭和44年 昭和47年 昭和50年 昭和53年 昭和56年 昭和59年 昭和62年 平成2年 平成5年 平成8年 平成11年 平成14年 平成17年 平成20年 平成23年
累 計 ( k m )
年 度 別 ( k m ) 東 京 都 ( 区 部 ) 管 渠 延 長
単 年 度 延 長 累計延長
東 京 都( 区 部 ) 下 水 道 管 渠 延 長
2
間 発 生 件 数 は ,ピ ー ク 時 の 1 , 5 0 0 件 以 上 か ら 現 在 で は 約 1 , 0 0 0 件 へ と 約 3 割 減 少 し た . し か し ,図 1 に 示 す よ う に,昭 和 4 0 年 代 以 降 に 下 水 道 管 渠 の 全 延 長 の 約 5 割 以 上 が 建 設 さ れ て お り , す で に 耐 用 年 数 を 超 過 し た 約 の 1 , 5 0 0 k m 下 水 道 管 渠 に 加 え , 今 後 , 約 1 4 , 0 0 0 k m の 下 水 道 管 渠 が こ れ ま で に な い ペ ー ス で 更 新 期 を 迎 え る 1 ).
下 水 道 は , 都 民 の 生 活 や 都 市 機 能 を 地 下 で 支 え る 重 要 な 施 設 で あ り , そ の 機 能 を 低 下 さ せ る こ と は 許 さ れ な い . そ の た め , 東 京 都 で は 老 朽 管 渠 を 造 り 替 え る 再 構 築 事 業 を 主 要 な 事 業 と し て 推 進 し て い る が , 事 業 の 推 進 に は 膨 大 な 費 用 と 多 く の 時 間 が 必 要 と な る . 再 構 築 事 業 で 必 要 と さ れ る 幹 線 や 主 要 枝 線 の 建 設 は , 土 地 の 高 度 利 用 化 , 地 下 埋 設 物 の 輻 輳 化 な ど か ら , 周 辺 地 盤 や 環 境 な ど へ の 影 響 が 少 な い シ ー ル ド 工 法 で 施 工 さ れ る 傾 向 に あ る . こ の た め , シ ー ル ド 工 法 に 用 い ら れ る セ グ メ ン ト の 改 良 や 作 業 工 程 の 改 善 な ど に よ る 下 水 道 管 渠 の 建 設 コ ス ト の 縮 減 と 工 期 の 短 縮 へ の 取 り 組 み は , 再 構 築 事 業 が 円 滑 に 進 め ら れ る か ど う か の 鍵 を 握 っ て い る と 言 っ て も 過 言 で は な い . シ ー ル ド 工 法 は , フ ラ ン ス 人 技 師 ブ ル ネ ル ( S i r M a r c I s a m b a r d B r u n e l ) が 軟 弱 な 地 盤 に ト ン ネ ル を 構 築 す る 工 法 と し て 考 案 し ,1 8 1 8 年 に イ ギ リ ス に お い て 特 許 を 取 得 し た 工 法 で あ る . 日 本 で は , ブ ル ネ ル が 特 許 を 取 得 し て か ら 約 1 0 0 年 後 の 1 9 1 7 年 に , 羽 越 線 の 折 渡 ト ン ネ ル に お い て , 切 羽 の 安 定 が 保 て な い 区 間 の 特 殊 工 法 と し て 導 入 さ れ た . そ の 後 は 日 本 の 地 盤 条 件 や 環 境 条 件 か ら 日 本 独 自 の 発 展 を 遂 げ , そ の 技 術 水 準 は 世 界 一 を 自 負 す る ま で に な っ た .
日 本 で シ ー ル ド 工 法 が , 短 期 間 に 目 覚 ま し い 発 展 を 遂 げ た 要 因 は い く つ か あ る が , 第 一 に , 大 都 市 の ほ と ん ど が 軟 弱 な 沖 積 地 盤 上 に 立 地 し て お り , 地 下 水 位 も 高 く , ト ン ネ ル 工 事 が 技 術 的 に 極 め て 厳 し い 条 件 下 に あ っ た こ と , 第 二 に , 都 市 化 の 進 展 と と も に 社 会 基 盤 整 備 が 急 務 と な り , 道 路 , 鉄 道 , 上 下 水 道 , 電 気 通 信 な ど , 都 市 イ ン フ ラ と し て の ト ン ネ ル 需 要 が 増 大 し た こ と , 第 三 に , 都 市 の 過 密 化 が 急 速 に 進 み , 地 下 埋 設 物 の 輻 輳 , 道 路 渋 滞 , 環 境 へ の 配 慮 な ど か ら , 開 削 工 法 に よ る 施 工 が 困 難 と な っ た こ と , 第 四 に , 時 代 の ニ ー ズ に 応 え る た め の 技 術 開 発 を 果 敢 に 進 め , シ ー ル ド 工 法 の 適 用 範 囲 を 拡 大 し て い っ た こ と , 最 後 に , シ ー ル ド 工 法 の 技 術 開 発 を 果 敢 に 進 め ら れ る だ け の 経 済 成 長 期 に あ っ た な ど に よ る . こ れ ら の 要 因 に よ り , シ ー ル ド 工 法 が 日 本 の 都 市 ト ン ネ ル 構 築 工 法 の 主 た る 地 位 を 占 め る に 至 っ た 5 ).
図 2 は シ ー ル ド 工 法 の 発 展 と 下 水 道 事 業 の 関 わ り を 示 し た も の で あ る . こ の 図 を み る と , シ ー ル ド 工 事 全 体 に 占 め る 下 水 道 事 業 の 割 合 が 圧 倒 的 に 多 く , シ ー ル ド 工 法 の
3
発 展 に 下 水 道 事 業 が 大 き く 貢 献 し て い る こ と が わ か る . シ ー ル ド 工 法 の 基 本 概 念 の 一 つ が 「 切 羽 の 安 定 」 で あ る が , こ れ に つ い て は 開 放 型 シ ー ル ド か ら 密 閉 型 シ ー ル ド に 変 化 し , 現 在 で は 泥 水 式 と 土 圧 式 に 大 き く 分 け ら れ る . 近 年 で は , 1 9 9 5 ~ 2 0 0 5 年 の 施 工 実 績 の 7 0 % が 下 水 道 事 業 に お い て 開 発 さ れ 発 展 し た 泥 土 圧 シ ー ル ド 工 法 に よ る .ま た , シ ー ル ド 工 法 の 実 施 に と も な う 地 盤 変 状 や 家 屋 被 害 な ど の 環 境 問 題 に 対 し て , 下 水 道 事 業 者 や そ れ に 携 わ る 技 術 者 が 適 切 な 対 応 を 検 討 す る こ と に よ り , 技 術 力 の 向 上 に 大 い に 寄 与 し た . 結 果 と し て , 下 水 道 事 業 が , 現 在 の シ ー ル ド 工 法 に 不 可 欠 な カ ッ タ ー ヘ ッ ド の 形 状 や 材 質 , 中 折 れ 機 構 , テ ー ル シ ー ル の 技 術 , 裏 込 め 注 入 な ど の 技 術 や 地 盤 変 状 予 測 手 法 を 確 立 し , ま た , 応 用 技 術 と し て 急 曲 線 施 工 技 術 , 地 中 接 合 お よ び 分 岐 の 技 術 , 円 形 断 面 以 外 の 断 面 を 掘 削 す る シ ー ル ド 技 術 , 大 土 被 り 条 件 下 や 小 土 被 り 条 件 下 の 掘 削 技 術 な ど を 開 発 し , さ ら に ト ン ネ ル 覆 工 の 主 部 材 で あ る セ グ メ ン ト に 関 し て も , そ の 改 良 や 新 た な 開 発 , 実 用 化 に 寄 与 し て き た 5 ).
下 水 道 用 シ ー ル ド ト ン ネ ル で は , 一 般 的 に 現 場 打 ち コ ン ク リ ー ト な ど に よ る 二 次 覆 工 を 巻 き 立 て る 場 合 が 多 い . 二 次 覆 工 を 行 う シ ー ル ド ト ン ネ ル で は , 一 次 覆 工 で あ る セ グ メ ン ト は 土 圧 や 水 圧 な ど の 外 荷 重 を 受 け 持 つ ト ン ネ ル の 主 体 構 造 と し て の 役 割 を 持 つ が ,二 次 覆 工 の 使 用 目 的 は ,蛇 行 修 正 ,内 面 の 平 滑 化 ,防 水 ,防 食 ,防 振 ・ 防 音 , 耐 火 , 用 途 に 応 じ た 内 部 施 設 の 設 置 な ど 一 次 覆 工 と は 異 な る 役 割 を 持 た せ て 設 計 し , 構 造 部 材 と し て の 評 価 は し な い の が 一 般 的 で あ る . 二 次 覆 工 の 使 用 目 的 の う ち , 蛇 行
図 2 シ ー ル ド 工 事 件 数 実 績 ( シ ー ル ド メ ー カ ー 7 社 )
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修 正 , 内 面 の 平 滑 化 , 防 水 , 防 食 は , ど の よ う な ト ン ネ ル で も 必 要 と さ れ る 機 能 で あ る が , ト ン ネ ル の 使 用 目 的 に 応 じ て , 特 別 な 役 割 が 要 求 さ れ る 場 合 も 多 い .
鉄 道 ト ン ネ ル で 振 動 や 騒 音 が 問 題 と な る 場 合 に は , 軌 道 に 防 振 ・ 防 音 対 策 を 行 う ほ か , 二 次 覆 工 を 施 工 す る こ と に よ っ て , ト ン ネ ル の 重 量 を 増 加 さ せ て 振 動 や 騒 音 の 低 減 を 図 る こ と が あ る . 道 路 ト ン ネ ル で は , ト ン ネ ル 内 で 火 災 が 発 生 し た 場 合 に , 主 構 造 で あ る セ グ メ ン ト の 劣 化 や 損 傷 を 防 ぐ こ と が 重 要 で あ り , 二 次 覆 工 に 耐 火 板 の 役 割 を 担 わ せ る 目 的 で 施 工 す る .電 力 ,通 信 ,ガ ス ,水 道 な ど で は ,ケ ー ブ ル や ガ ス 導 管 , 水 道 管 な ど の 設 置 の た め の 架 台 と し て , あ る い は 換 気 設 備 , 照 明 設 備 , 安 全 設 備 な ど を 固 定 す る 目 的 で , 二 次 覆 工 を 施 工 す る 6 ). 共 同 溝 で は , 収 容 す る イ ン フ ラ を 区 分 す る た め に 二 次 覆 工 が 施 工 さ れ る こ と が 多 い .
二 次 覆 工 は , そ れ ぞ れ の ト ン ネ ル の 使 用 目 的 に 応 じ て , 要 求 さ れ る 機 能 を 付 与 す る 目 的 で 施 工 さ れ る が , 下 水 道 ト ン ネ ル で は , こ れ ら の 二 次 覆 工 の 目 的 の う ち , 防 振 ・ 防 音 , 耐 火 , 内 部 施 設 の 設 置 な ど の 機 能 は と く に 必 要 で は な く , 二 次 覆 工 の 使 用 目 的 は , 主 に 「 蛇 行 修 正 」,「 内 面 の 平 滑 化 」,「 防 水 」,「 防 食 」 な ど に 限 ら れ る . 下 水 道 の ト ン ネ ル で は , 下 水 は 一 般 に 自 然 勾 配 を 利 用 し て 流 下 さ せ る こ と か ら , 施 工 さ れ た ト ン ネ ル が と く に 鉛 直 方 向 に 蛇 行 し て い る と , 滞 留 水 が 生 じ 流 下 機 能 が 低 下 す る . こ の た め , 二 次 覆 工 に よ り 流 下 勾 配 を 修 正 す る こ と は と く に 重 要 で あ っ た . ま た , ト ン ネ ル の 内 面 が 平 滑 で あ れ ば ,粗 度 係 数 を 低 減 で き る た め 下 水 の 流 速 を 早 め る こ と が で き , 滞 留 水 を 防 ぎ 流 量 を 確 保 で き る . ト ン ネ ル 内 へ の 地 下 水 の 流 入 , す な わ ち 漏 水 は , 下 水 を 希 釈 す る 一 方 で , 下 水 の 処 理 量 を 増 や す 結 果 に な る た め , ト ン ネ ル 内 へ の 漏 水 防 止 も 二 次 覆 工 に 要 求 さ れ る 大 き な 目 的 に な っ て い た . さ ら に , 下 水 道 に は ど の よ う な 性 質 を 持 つ 汚 水 が 混 入 す る か わ か ら な い . 酸 性 の 強 い 薬 品 な ど が 流 さ れ る 可 能 性 が あ る ほ か , 下 水 道 に 流 入 す る 有 機 物 な ど は 腐 食 し て 硫 化 水 素 を 発 生 さ せ , コ ン ク リ ー ト を 中 性 化 さ せ た り , 鉄 筋 を 腐 食 さ せ た り す る . こ の 観 点 か ら ト ン ネ ル の 防 食 も 二 次 覆 工 の 大 き な 目 的 と な っ て い た .
近 年 , シ ー ル ド 工 法 の 技 術 は 著 し く 向 上 し た . 施 工 精 度 の 向 上 は 大 規 模 な 蛇 行 修 正 を 必 要 と し な く な り , ま た , 水 膨 張 性 の シ ー ル 材 が 日 本 に お い て 開 発 さ れ た 結 果 と し て , 漏 水 は ほ と ん ど 見 ら れ な い ほ ど に 止 水 性 が 向 上 し た . 一 方 , シ ー ル ド ト ン ネ ル の 主 構 造 部 材 で あ る セ グ メ ン ト に も 改 良 が 重 ね ら れ , と く に ト ン ネ ル の 内 面 が 平 滑 に な る よ う な 継 手 が 開 発 さ れ た 結 果 ,粗 度 の 問 題 も な く な っ た .し か し ,「 防 食 」の 問 題 は
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一 般 の 下 水 道 ト ン ネ ル で は い ま だ 解 決 を 見 な い 問 題 と し て 残 っ た .
シ ー ル ド ト ン ネ ル の 構 築 コ ス ト の 縮 減 や 工 期 の 短 縮 な ど の 観 点 か ら , 防 食 が 大 き な 問 題 と な る 下 水 道 ト ン ネ ル を 除 け ば , 上 述 し た よ う な シ ー ル ド 技 術 の 向 上 に と も な い 二 次 覆 工 を 省 略 す る ケ ー ス が 増 加 し て き た . こ の た め , 1 9 9 8 年 4 月 に は , 土 木 学 会 に
「 ト ン ネ ル 工 学 委 員 会 ・ 示 方 書 小 員 会 ・ シ ー ル ド 工 事 用 標 準 セ グ メ ン ト 研 究 部 会 」 が 設 置 さ れ , 日 本 下 水 道 協 会 の 「 下 水 道 用 資 器 材 規 格 調 査 専 門 委 員 会 」 と 連 携 を 図 り な が ら 審 議 が 進 め ら れ た . そ の 結 果 , 2 0 0 1 年 7 月 に は 「 シ ー ル ド 工 事 用 標 準 セ グ メ ン ト
7 )」 が 改 正 さ れ た . こ の 過 程 で は , と く に コ ン ク リ ー ト 系 セ グ メ ン ト を 対 象 と し て , ト ン ネ ル の 用 途 別 に 二 次 覆 工 が 省 略 で き る 場 合 に つ い て の 慎 重 な 検 討 が な さ れ た . 下 水 道 用 シ ー ル ド ト ン ネ ル で は , 二 次 覆 工 を 省 略 で き る ケ ー ス を 雨 水 管 渠 の み に 限 り , 汚 水 管 渠 や 汚 水 が 流 入 す る 合 流 管 渠 で は 二 次 覆 工 を 省 略 で き な い も の と 規 定 さ れ た . ま た , 東 京 都 に お い て も 1 9 9 5 年 度 か ら 1 9 9 8 年 度 に か け て , 二 次 覆 工 の 省 略 に 関 す る 技 術 検 討 が 実 施 さ れ た . 下 水 道 管 渠 を 機 能 別 に 雨 水 管 渠 , 合 流 管 渠 , 汚 水 管 渠 に 分 け て そ れ ら の 実 態 調 査 を 行 っ た 結 果 , 雨 水 管 渠 に つ い て は 顕 著 な コ ン ク リ ー ト の 腐 食 が 確 認 さ れ な か っ た こ と か ら ,「 腐 食 性 環 境 」 で は な く 「 一 般 の 環 境 」 と 位 置 づ け ら れ , 二 次 覆 工 の 省 略 が 可 能 で あ る と い う 結 論 を 得 た . こ の 技 術 検 討 を 踏 ま え , 東 京 都 は 二 次 覆 工 の 省 略 に 関 す る 必 要 事 項 を 定 め た 「 二 次 覆 工 省 略 の 設 計 の 手 引 き 8 )」( 平 成 1 2 年 7 月 ) を 策 定 し た .
こ れ ら の 結 果 を 受 け て , 東 京 都 の 下 水 道 の う ち , 雨 水 管 渠 工 事 に お い て は 二 次 覆 工 を 省 略 す る こ と が 提 案 さ れ た . 基 本 的 に 雨 水 の み が 流 入 す る 雨 水 管 渠 は , 汚 水 管 渠 や 合 流 管 渠 と 異 な り , 下 水 中 に 含 ま れ る 硫 化 水 素 な ど の 影 響 を 比 較 的 受 け に く い た め , 二 次 覆 工 の 機 能 の 一 つ で あ る 防 食 機 能 を 省 略 す る こ と が で き る . 一 方 , 二 次 覆 工 を 省 略 す る こ と で 内 空 断 面 が 大 き く な る た め , 雨 水 の 貯 留 能 力 を 増 強 す る こ と が で き , こ の こ と に よ り 建 設 費 の コ ス ト 縮 減 に も 貢 献 す る こ と が で き る 8 ).
本 論 文 は ,「 シ ー ル ド 工 事 用 標 準 セ グ メ ン ト 7 )」の 改 定 や「 二 次 覆 工 省 略 の 設 計 の 手 引 き 8 )」の 策 定 を 受 け て ,二 次 覆 工 を 省 略 す る 場 合 の セ グ メ ン ト ,「 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 」に 関 す る 開 発 と 実 用 化 に つ い て 述 べ た も の で あ る .「 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 」 は , 下 水 道 管 渠 の 大 部 分 を 占 め る 合 流 管 渠 や 汚 水 管 渠 が 「 腐 食 性 環 境 」 に あ る こ と か ら 生 じ る 下 水 道 用 シ ー ル ド ト ン ネ ル に 特 有 の 技 術 で あ る .
本 研 究 は , 二 次 覆 工 の も つ 機 能 , と く に 防 食 機 能 を セ グ メ ン ト に ど の よ う に 代 替 さ
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せ る か , セ グ メ ン ト の 構 造 特 性 を ど の よ う に 評 価 す る か , ま た , 各 種 の 地 盤 条 件 に 適 応 し た 構 造 解 析 手 法 は ど の よ う な も の が よ い か , セ グ メ ン ト に 作 用 す る 主 荷 重 や 施 工 時 荷 重 で あ る 推 力 に 対 す る 耐 荷 性 能 を ど の よ う に し て 確 認 す る か な ど , 設 計 上 や 施 工 上 の 多 く の 課 題 に 対 し て ,「 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 」を 開 発 し ,そ の 実 物 大 の 載 荷 試 験 な ど を 実 施 し て , 設 計 法 な ど に も 検 討 を 加 え た も の で あ る .
一 方 ,「 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 」 の 導 入 を 円 滑 に す る た め , 東 京 都 下 水 道 局 に は 「 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 検 討 委 員 会 」 が 設 置 さ れ , 設 計 ・ 施 工 に 関 す る 指 針 策 定 の た め の 検 討 が 行 わ れ た . こ の 検 討 委 員 会 で は , ① 二 次 覆 工 の 代 替 機 能 と し て の 防 食 層 の 形 状 や 品 質 , ② セ グ メ ン ト の 継 手 な ど の 基 本 構 造 , ③ モ デ ル ケ ー ス の 調 査 解 析 と 標 準 化 の た め の 構 造 解 析 手 法 , ④ 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 設 計 ・ 施 工 指 針 の 策 定 方 針 , な ど に つ い て の 調 査 検 討 が 行 わ れ , 2 0 0 2 年 5 月 に 「 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 設 計 ・ 施 工 指 針 ( 案 )9 )」 が 制 定 さ れ た .
下 水 道 用 シ ー ル ド ト ン ネ ル に は , 一 般 に 「 シ ー ル ド 工 事 用 標 準 セ グ メ ン ト 」 が 適 用 さ れ る が ,「 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 」の 基 本 構 造 は ,そ の 標 準 セ グ メ ン ト の 内 面 に 5 0 m m の 無 筋 コ ン ク リ ー ト 層 を 防 食 層 と し て 付 加 さ せ た も の で あ る .表 1 に 示 す 経 年 5 0 年 を 想 定 し た コ ン ク リ ー ト の 中 性 化 深 さ の 推 定 値 ( 1 5 m m 以 下 ) と ,図 3 に 示 す 建 設 後 5 0 年 以 上 を 経 過 し た 東 京 都 の 合 流 管 渠 の 中 性 化 深 さ の 実 態 調 査 結 果( 3 0 m m 以 下 が 7 5 % 以 上 ) を 基 本 と し て , 施 工 上 か ら の 必 要 厚 さ を 考 慮 し て , 防 食 層 の 厚 さ と し て 5 0 m m を 確 保 す る こ と と し て い る .
表 1 中 性 化 深 さ の 推 定 値
図 3 中 性 化 深 さ 実 態 調 査 結 果
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二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト は , 現 場 打 ち に よ る 二 次 覆 工 を 施 工 し な い . こ の た め , 下 水 道 用 シ ー ル ド 管 渠 に 求 め ら れ る 流 下 能 力 を 確 保 す る た め , セ グ メ ン ト そ の も の の 内 面 平 滑 性 が 要 求 さ れ る . こ れ に つ い て は , 内 面 平 滑 型 の 継 手 が 有 利 と な る 場 合 が 多 い が , ボ ル ト ボ ッ ク ス の 穴 埋 め や 鋼 製 セ グ メ ン ト な ど で は , コ ン ク リ ー ト な ど に よ る 中 詰 め な ど に よ っ て セ グ メ ン ト 内 面 の 平 滑 性 を 確 保 す る .
「 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 設 計 ・ 施 工 指 針 ( 案 )9 )」 は , 使 用 環 境 が 腐 食 性 環 境 と 考 え ら れ る 合 流 管 渠 お よ び 汚 水 管 渠 に つ い て , 二 次 覆 工 の 考 え 方 を 整 理 し た も の で あ る . こ の 指 針 ( 案 )9 )で は ,「 シ ー ル ド 工 事 用 標 準 セ グ メ ン ト 7 )」 を 基 本 構 造 と し た セ グ メ ン ト に 防 食 層 を 施 す こ と に よ っ て , 耐 用 年 限 に 適 応 で き る 「 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 」 の 設 計 ・ 施 工 の 基 本 的 な 考 え 方 を 示 し た . ま た , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト を 採 用 す る に あ た っ て の 検 討 手 順 や セ グ メ ン ト に 要 求 さ れ る 性 能 な ど , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト を 採 用 す る 場 合 に 必 要 な 事 項 な ど を 明 確 に し た . こ れ ら の 検 討 に 加 え , 硫 化 水 素 な ど に 対 す る 防 食 層 コ ン ク リ ー ト の 耐 久 性 や , セ グ メ ン ト 単 体 の 耐 荷 性 能 , 施 工 時 の ジ ャ ッ キ 推 力 に 対 す る 耐 荷 性 能 , ま た , 内 面 平 滑 型 継 手 の 開 発 と 性 能 確 認 実 験 な ど を 行 い 実 用 化 に 至 っ た も の で あ る .
防 食 層 の 耐 久 性 を 検 証 す る た め , 平 均 硫 化 水 素 ガ ス 濃 度 が 1 0 0 p p m と い う 厳 し い 条 件 下 に あ る 東 京 都 下 水 道 局 の 水 再 生 セ ン タ ー 濃 縮 槽 内 で 1 年 間 の 暴 露 試 験 を 行 っ た . こ の 暴 露 試 験 結 果 か ら , 防 食 層 コ ン ク リ ー ト の 腐 食 量 は 二 次 覆 工 コ ン ク リ ー ト の 約 半 分 程 度 で あ り ,長 期 の 腐 食 量 を 推 定 す る 式 か ら ,平 均 硫 化 水 素 ガ ス 濃 度 が 1 0 0 p p m の 環 境 下 で , 約 5 0 年 の 耐 久 性 の 確 保 に 必 要 な 厚 さ は 約 5 0 m m で あ る こ と が 確 認 で き た . な お , 下 水 道 管 渠 内 の 硫 化 水 素 ガ ス 濃 度 は , こ れ よ り 低 い 濃 度 で あ り , こ の 指 針 ( 案 )
9 )で 設 定 し た 防 食 層 の 厚 さ 5 0 m m は 適 切 な 値 と 判 断 で き る .
二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 耐 荷 性 能 を 確 認 す る た め , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト と 標 準 セ グ メ ン ト の 2 種 類 を 用 い , 単 体 曲 げ 載 荷 試 験 を 行 っ た . 各 供 試 体 の 初 期 ひ び 割 れ 荷 重 , 許 容 ひ び 割 れ 幅 に 達 す る 荷 重 , 鉄 筋 の 許 容 応 力 度 に 達 し た 荷 重 は , い ず れ も 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 方 が 大 き い . 一 体 成 形 さ れ た 防 食 層 は , か ぶ り 部 の 引 張 抵 抗 力 が 影 響 し ,施 工 時 の 荷 重 に 対 す る ひ び 割 れ お よ び 変 位 の 抑 制 に 寄 与 す る た め , 標 準 セ グ メ ン ト よ り 耐 荷 性 能 の 面 で 有 利 と な る こ と を 確 認 し た (図 4 参 照 ).
施 工 時 の ジ ャ ッ キ 推 力 に 対 す る 耐 荷 性 能 に つ い て は , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト と 標 準 セ グ メ ン ト の 2 種 類 を 用 い , 実 施 工 時 の 目 違 い な ど を 想 定 し た 推 力 試 験 を 実 施 し
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た . セ グ メ ン ト の ひ び 割 れ は , 過 去 の 施 工 実 績 か ら 組 立 精 度 に よ る 影 響 が 大 き い こ と が 判 明 し て い る の で , セ グ メ ン ト の 様 々 な 組 立 を 想 定 し て 5 パ タ ー ン の 試 験 ケ ー ス を 設 定 し た . ひ び 割 れ 発 生 荷 重 は , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 方 が 標 準 セ グ メ ン ト よ り 大 き く な っ て お り , 防 食 層 に は ジ ャ ッ キ 推 力 に 対 す る 補 強 効 果 が あ る こ と を 確 認 で き た .
さ ら に , ジ ャ ッ キ 推 力 に よ る 載 荷 試 験 結 果 が , 防 食 層 に よ る ひ び 割 れ 発 生 防 止 効 果 や 応 力 分 布 に 与 え る 影 響 の 相 関 関 係 を 確 認 す る た め ,3 次 元 F E M 解 析 を 行 っ た .こ の 3 次 元 F E M 解 析 に よ り 得 ら れ た ひ び 割 れ 発 生 箇 所 は , 載 荷 試 験 の ひ び 割 れ 箇 所 と ほ ぼ 一 致 し た . ま た , 3 次 元 F E M 解 析 に よ る ひ び 割 れ 発 生 荷 重 は , 試 験 結 果 の そ れ と 同 様 , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 方 が 標 準 セ グ メ ン ト に 比 べ 耐 久 性 の 面 で も 有 利 で あ る こ と が 確 認 で き た .
内 面 平 滑 型 継 手 は , 内 面 の 平 滑 性 な ど の 要 求 性 能 を 確 保 で き る シ ン プ ル な 構 造 で , か つ , 低 コ ス ト で あ る こ と を 目 指 し て 開 発 を 行 っ た .写 真 1 お よ び写 真 2 は , そ の 結 果 得 ら れ た セ グ メ ン ト 継 手 お よ び リ ン グ 継 手 で あ り , そ の 性 能 は 実 験 に よ っ て 検 証 し た .
セ グ メ ン ト 継 手 の 基 本 構 造 は , 同 一 形 状 の 継 手 金 物 が 菱 形 の 金 物 を 介 し て 嵌 合 す る 図 4 荷 重 と ひ び 割 れ 幅 の 関 係
3 0 . 0 5 0 . 0 7 0 . 0 9 0 . 0 1 1 0 . 0 1 3 0 . 0 1 5 0 . 0
0 . 0 0 0 0 . 0 5 0 0 . 1 0 0 0 . 1 5 0 0 . 2 0 0 0 . 2 5 0 0 . 3 0 0
一 体 型 @75mm 一 体 型 @150mm 一 体 型 @300mm 標準@75mm 標 準 @150mm 標 準 @300mm
荷重( kN )
ひ び 割 れ 幅 ( mm )
0 . 0 7 m m程 度 0 . 0 8 m m程 度 20(kN)程度の余裕
5(kN)程度の余裕 一体型セグメント
標準セグメント
9 構 造 と し た . 載 荷 試 験 の 結 果 , 本 継
手 を 用 い た セ グ メ ン ト の 設 計 法 お よ び 適 用 性 の 範 囲 は ,「 シ ー ル ド 工 事 用 標 準 セ グ メ ン ト 」 と 同 様 と 判 断 で き た .た だ し ,曲 げ 剛 性 が 小 さ い た め , 土 質 条 件 に よ っ て は ,「 は り - ば ね モ デ ル に よ る 解 析 」 を 用 い た 検 証 が 必 要 で あ る こ と を 示 し た .
リ ン グ 継 手 の 基 本 構 造 は , 異 形 鉄 筋 を 加 工 し 先 端 を 頭 部 , 縮 径 部 お よ び 軸 受 部 に 加 工 し た 継 手 金 物 を , シ リ ン ダ ー 内 に 正 三 角 形 の 板 ば ね と 二 分 割 の リ ン グ 座 金 を 組 み 込 ん だ 継 手
金 物 に 嵌 合 す る メ カ ニ ズ ム と し た . 引 張 強 度 お よ び せ ん 断 強 度 は , 適 切 な 補 強 鉄 筋 を 配 置 す る こ と で , 継 手 金 物 の 縮 径 部 の 照 査 に よ っ て 行 う こ と が 可 能 で あ る こ と を 確 認 し た .
頭部 軸受部
縮径部 リング座金
板ばね シリンダー
写 真 2 リ ン グ 継 手
嵌合完了時 菱型金物
タイプⅠ タ イプⅡ 金物本体
写 真 1 セ グ メ ン ト 継 手
図 5 従 来 型 下 水 道 シ ー ル ド と コ ン パ ク ト シ ー ル ド の 断 面( 仕 上 り 内 径 φ 2 , 0 0 0 m m )
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以 上 の よ う に , 載 荷 試 験 や 性 能 確 認 試 験 を 実 施 す る こ と に よ り , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト に 関 す る 耐 久 性 や 耐 荷 性 能 な ど を 確 認 す る こ と が で き た .
厳 し い 財 政 状 況 下 に お い て 下 水 道 再 構 築 事 業 を 進 め る に あ た り , 建 設 費 の 縮 減 , 環 境 へ の 負 荷 の 低 減 , 維 持 管 理 の 効 率 化 と い う 視 点 か ら ,図 5 に 示 す よ う な 「 4 分 割 3 ヒ ン ジ 構 造 の イ ン バ ー ト 溝 付 き 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 」 を 開 発 し た . 新 し い 構 造 系 に 適 し た 設 計 法 に つ い て , 実 物 大 の 供 試 体 を 用 い た 載 荷 試 験 を 実 施 し , 提 案 す る 設 計 法 の 妥 当 性 を 検 証 し た .
セ グ メ ン ト の 構 造 に は ,図 6 に 示 す よ う に , ト ン ネ ル の 構 造 的 な 安 定 性 と コ ス ト の 縮 減 を 図 る た め ,安 定 で 静 的 な「 3 ヒ ン ジ の 静 定 構 造 」を 導 入 す る こ と と し た .3 ヒ ン ジ 構 造 と す る 場 合 , セ グ メ ン ト の 分 割 数 は 3 が 理 想 的 で あ る が , シ ー ル ド テ ー ル 内 で リ ン グ を 閉 合 す る 施 工 上 の 問 題 に 対 処 す る た め に 4 分 割 と し , 剛 結 部 を 1 か 所 設 け る こ と と し た . セ グ メ ン ト の 各 継 手 が リ ン グ 挙 動 に 与 え る 影 響 に つ い て 確 認 す る た め , 千 鳥 組 さ れ た 2 リ ン グ 載 荷 試 験 を 実 施 し た . そ の 結 果 , セ グ メ ン ト 本 体 部 の 曲 げ モ ー メ ン ト は 鉛 直 荷 重 の 増 加 に と も な っ て 大 き く な っ て い る の に 対 し , ヒ ン ジ 部 の ナ ッ ク ル 継 手 は ほ ぼ ゼ ロ の ま ま 一 定 で あ り , ナ ッ ク ル 継 手 は 曲 げ 荷 重 に 対 し て 正 常 に 回 転 作 動 し て い る こ と が 確 認 で き た . ま た , 剛 結 部 に 着 目 す る と , 継 手 の 曲 げ 剛 性 が 曲 げ モ ー メ ン ト に 与 え る 影 響 は 小 さ い こ と か ら , 剛 結 部 の 継 手 の 曲 げ 剛 性 は 無 限 大 と し て 取 り 扱 え る も の と 判 断 で き る . こ の こ と か ら , 3 つ の 継 手 は ヒ ン ジ と み な し て 回 転 ば ね 定 数 は ゼ ロ と し , 剛 結 合 と し た 継 手 は 本 体 と 同 等 の 剛 性 を 持 つ も の と 評 価 し て 回 転 ば ね 定 数 は 無 限 大 と し た う え で , 構 造 モ デ
ル と し て 「 は り - ば ね モ デ ル に よ る 計 算 法 」 の 適 用 を 提 案 し た .
ま た , シ ー ル ド を 一 現 場 ご と に 償 却 す る 従 来 の 考 え 方 を 見 直 し , 複 数 ( 2 ~ 3 ) の 現 場 で 転 用 す る こ と に よ り 建 設 費 の 低 減 を 図 る と と も に ,写 真 3 お よ び図 7 に 示 す よ う に , シ ー ル ド の 後 続 設 備 を シ ー ル ド 機 内 に 内 包 し て シ ー ル ド 後 方 の 作 業 空 間 を 確 保 し , ま た タ イ ヤ 式 の 搬 送 シ ス
テ ム を 採 用 す る こ と に よ り , 施 工 性 の 向 図 6 4 分 割 3 ヒ ン ジ の 構 造 ( 千 鳥 組 )
11 上 を 図 っ た . さ ら に , 環 境 問 題 に 配 慮 し て , 覆 工 厚 の 削 減 , 掘 削 断 面 の 縮 小 に よ る 建 設 発 生 土 量 の 低 減 の ほ か , シ ー ル ド の 転 用 な ど に よ り 資 機 材 の 製 造 お よ び 運 搬 の 工 程 の 縮 減 に よ る C O2 の 発 生 量 の 抑 制 を 行 っ た . 新 設 の 下 水 道 管 渠 は , 劣 化 が 進 行 し た 場 合 に は 防 食 層 を 削 り 取 っ て 補 修 で き る よ う に 配 慮 す る と と も に , 維 持 お よ び 点 検 作 業 を 安 全 か つ 容 易 に 行 え る よ う に , 仕 上 げ 面 に 平 坦 な イ ン バ ー ト 部 を 設 置 し た .
従 来 の シ ー ル ド 施 工 シ ス テ ム を 根 本 か ら 見 直 し た 工 法 ,「 コ ン パ ク ト シ ー ル ド 工 法 」 は ,こ の よ う な 開 発 経 緯 を 踏 ま え ,平 成 1 5 年 5 月 ,土 木 学 会 の 技 術 開 発 賞 に 選 ば れ た . コ ン パ ク ト シ ー ル ド 工 法 は , 省 資 源 か つ 省 エ ネ ル ギ ー 型 の 環 境 に や さ し い 工 法 で あ る と と も に , コ ス ト の 縮 減 を 図 れ る な ど , 今 後 の 下 水 道 の 再 構 築 事 業 を 効 率 的 か つ 効 果 的 に 進 め る こ と が で き る 画 期 的 な 技 術 で あ る と 評 価 さ れ た .
そ の 後 , コ ン パ ク ト 工 法 用 の セ グ メ ン ト は , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 一 部 と 位 置 づ け ら れ ,「 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 設 計 ・ 施 工 指 針 ( 案 )9 )」( 平 成 1 4 年 5 月 ) を 充 実 す る 改 定 が 行 わ れ ,「 下 水 道 用 シ ー ル ド 工 事 用 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 設 計 施 工 指 針 1 0 )」( 平 成 1 7 年 6 月 ) が 策 定 さ れ た . 本 指 針 の 構 成 は ,「 Ⅰ . 二 次 覆 工 一 体 型 写 真 3 後 方 設 備 内 包 型 3 分 割 シ ー ル ド ( 前 面 )
図 7 後 方 設 備 内 包 型 3 分 割 シ ー ル ド ( 側 面 )
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セ グ メ ン ト 設 計 ・ 施 工 指 針 」,「 Ⅱ . コ ン パ ク ト シ ー ル ド 工 法 設 計 ・ 施 工 指 針 」 か ら 構 成 さ れ , 各 種 の 試 行 工 事 や 検 証 実 験 を 踏 ま え , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト を 用 い た シ ー ル ド 工 法 と コ ン パ ク ト シ ー ル ド 工 法 が 下 水 道 工 事 に お い て 本 格 的 に 採 用 さ れ る よ う に な っ た .
1 - 2 論 文 の 構 成
本 論 文 は 6 章 か ら 構 成 さ れ て お り , そ の 概 要 は 以 下 の と お り で あ る .
第 1 章 で は , 研 究 の 背 景 と 目 的 , 論 文 の 構 成 , お よ び 用 語 の 定 義 を 述 べ た . 第 2 章 は , 東 京 都 に お け る 下 水 道 の 変 遷 と そ の 1 0 0 % の 普 及 が 達 成 さ れ た 後 の 新 た な 課 題 で あ る 再 構 築 事 業 へ の 取 組 み に つ い て 述 べ た 章 で あ る .
東 京 の 下 水 道 は , 度 重 な る コ レ ラ の 流 行 と 衛 生 思 想 の 発 達 に よ り , 明 治 1 7 年 に 神 田 地 区 に 建 設 さ れ た の が 始 ま り で あ る . し か し , 財 政 事 情 な ど に よ り , 事 業 の 展 開 は 思 う よ う に 進 ま ず ,本 格 的 な 取 組 が 行 わ れ る よ う に な っ た の は ,明 治 4 1 年 に 現 在 の 下 水 道 計 画 の 原 型 で あ る「 東 京 市 下 水 道 設 計 」が 策 定 さ れ て か ら の こ と で あ る .そ し て , 戦 後 の 経 済 復 興 と 高 度 経 済 成 長 な ど に よ り , 東 京 に は 人 口 や 産 業 が 集 中 し 河 川 な ど の 水 質 汚 濁 が 深 刻 化 し た た め , 水 質 汚 濁 防 止 対 策 と し て も 下 水 道 の 整 備 が 強 く 求 め ら れ た .特 に ,昭 和 4 0 年 代 か ら 1 0 0 % 普 及 を 果 た し た 平 成 6 年 度 ま で の 間 は ,年 間 約 4 0 0 k m の 下 水 道 管 渠 を 整 備 し て き た . こ の よ う に 長 い 年 月 を 費 や し て 整 備 し て き た 結 果 , 生 活 様 式 の 変 化 や 都 市 化 の 進 展 に よ る 都 市 構 造 の 変 化 な ど に と も な う 汚 水 量 や 雨 水 量 の 変 化 に , 下 水 道 施 設 の 能 力 が 対 応 で き て い な い 実 態 が あ る . ま た , 経 年 化 や 老 朽 化 に よ り , 構 造 耐 力 不 足 に 起 因 し た 道 路 陥 没 も 顕 著 に な っ て い る . こ の よ う な 状 況 を 踏 ま え , 東 京 都 で は , 古 く な っ た 下 水 道 管 渠 を 新 し く 造 り 替 え る と と も に , 既 存 施 設 の 能 力 不 足 の 解 消 を 図 る 再 構 築 事 業 を 計 画 的 に 行 っ て い る . 東 京 の よ う な 大 都 市 の 地 下 空 間 に は , 電 力 や ガ ス , 水 道 な ど の 都 市 施 設 が 輻 輳 し て お り , 下 水 道 幹 線 管 渠 な ど の 構 築 を 開 削 工 法 に よ っ て 施 工 す る こ と は 困 難 で あ る . こ の た め , 比 較 的 規 模 の 大 き な 下 水 道 管 渠 の 構 築 工 事 に は , 周 辺 地 盤 や 道 路 交 通 な ど へ の 影 響 が 少 な い シ ー ル ド 工 法 が 多 く 採 用 さ れ て い る . 今 日 の 厳 し い 経 済 社 会 情 勢 の 中 で , 再 構 築 事 業 を 効 率 的 か つ 効 果 的 に 進 め る た め に は , シ ー ル ド 工 法 に よ る 下 水 道 管 渠 構 築 の コ ス ト 縮 減 と 工 期 短 縮 へ の 取 組 が 重 要 な 課 題 と な っ て い る . 下 水 道 用 の シ ー ル ド ト ン ネ ル で は , 一 般 的 に 現 場 打 ち コ ン ク リ ー ト な ど に よ る 二 次 覆 工 を 巻 き 立 て る 場 合 が 多 い . 二 次 覆 工 施 工 の 目
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的 の う ち ,「 蛇 行 修 正 」,「 内 面 平 滑 化 」に 関 し て は ,施 工 精 度 の 向 上 お よ び 内 面 が 平 滑 な セ グ メ ン ト ( 以 降 , 内 面 平 滑 型 セ グ メ ン ト と 呼 ぶ ) の 開 発 に よ っ て , 一 次 覆 工 の み で 下 水 道 の 使 用 目 的 に 対 し 満 足 で き る 状 況 が 得 ら れ る よ う に な っ た . ま た , 止 水 効 果 が 高 い シ ー ル 材 が 開 発 さ れ た こ と に よ り , 二 次 覆 工 の 省 略 が 可 能 と な り , 一 次 覆 工 の み で 実 用 上 の 問 題 は 生 じ な い . し た が っ て , 下 水 道 用 シ ー ル ド ト ン ネ ル に お け る 二 次 覆 工 の 主 目 的 は , 防 食 機 能 の 確 保 に し ぼ ら れ た . こ の よ う な 経 緯 か ら , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 開 発 が 進 め ら れ る こ と に な っ た . 第 2 章 で は , そ れ ま で の シ ー ル ド 技 術 の 開 発 や 施 工 実 績 , 経 済 的 合 理 性 な ど を 踏 ま え , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 実 用 化 を 進 め る た め の 考 え 方 や 目 的 を 明 確 に し た .
第 3 章 で は , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 開 発 に あ た り , ま ず , 二 次 覆 工 を 代 替 す る 機 能 と し て の 防 食 層 の 確 保 に つ い て 述 べ , つ ぎ に , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 構 造 解 析 手 法 を 確 立 す る た め の 試 設 計 を 行 い ,そ の 施 工 性 お よ び 耐 久 性 の 検 討 を 行 っ た . 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 基 本 構 造 に つ い て は , 構 造 体 に ト ン ネ ル の 力 学 的 挙 動 に 実 績 の あ る 「 シ ー ル ド 工 事 用 標 準 セ グ メ ン ト 」 を 用 い る こ と を 基 本 と し て , こ の 標 準 セ グ メ ン ト の 内 面 に 防 食 層 を あ ら か じ め 一 体 的 に 成 形 さ せ る こ と と し た . 従 来 の 現 場 打 ち コ ン ク リ ー ト で 施 工 さ れ た 二 次 覆 工 の 品 質 , 役 割 や 必 要 厚 さ な ど を 調 査 す る と と も に , 経 年 5 0 年 を 想 定 し た コ ン ク リ ー ト の 中 性 化 深 さ の 推 定 値 お よ び 建 設 後 5 0 年 以 上 を 経 過 し た 合 流 管 渠 を 対 象 に 実 施 し た 中 性 化 深 さ の 実 態 調 査 結 果 , さ ら に 施 工 上 か ら の 必 要 厚 さ を 考 慮 し , 防 食 層 の 厚 さ と し て 5 0 m m を 確 保 す る こ と と し た .
下 水 道 用 シ ー ル ド に 用 い る セ グ メ ン ト は , 従 来 , 主 に 「 慣 用 計 算 法 」 に よ り 設 計 さ れ て き た が , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト は , 地 盤 条 件 に 応 じ て , セ グ メ ン ト の 構 造 特 性 , す な わ ち , セ グ メ ン ト 継 手 の 曲 げ 剛 性 を 考 慮 し て 設 計 す る こ と と し た . な お , セ グ メ ン ト 継 手 の 曲 げ 剛 性 は 無 次 元 化 し た 回 転 ば ね 定 数 で 評 価 す る . 良 質 地 盤 で は , セ グ メ ン ト の 継 手 曲 げ 剛 性 に よ ら な い で 「 慣 用 計 算 法 」 が 適 用 で き る も の と し , 良 質 地 盤 以 外 の 地 盤 条 件 で は ,セ グ メ ン ト 継 手 の 曲 げ 剛 性 が 小 さ い 場 合 に は ,「 は り - ば ね モ デ ル 計 算 法 」 を 用 い る 必 要 性 が あ る こ と を 明 ら か に し た .
一 方 , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 施 工 性 に つ い て は , 施 工 時 に セ グ メ ン ト に 作 用 す る ジ ャ ッ キ 推 力 の 影 響 に よ る セ グ メ ン ト の 損 傷 を 防 止 す る 対 策 の 一 つ と し て , セ グ メ ン ト 継 手 が ト ン ネ ル 縦 断 方 向 に 連 続 す る 組 立 て 方 , い わ ゆ る 「 い も 継 ぎ 」 と す る 場 合 の 検 討 を 行 っ た . セ グ メ ン ト 分 割 数 の 決 定 に あ た っ て は , 構 造 計 算 の み な ら ず , 施
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工 面 に つ い て も 検 討 し , 切 羽 で の セ グ メ ン ト の 旋 回 , セ グ メ ン ト の 運 搬 中 に , そ れ が 後 続 台 車 の 側 方 を 通 過 す る 場 合 , セ グ メ ン ト 台 車 か ら の 吊 り 降 ろ し な ど に つ い て の 具 体 的 な 検 討 を 行 っ た . ま た , コ ン ク リ ー ト 系 セ グ メ ン ト で は , 耐 久 性 の 観 点 か ら 曲 げ ひ び 割 れ の 照 査 を 行 う 必 要 が あ る . 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 許 容 ひ び 割 れ 幅 は ,
「 コ ン ク リ ー ト 標 準 示 方 書 1 1 )」 を 参 考 に , 下 水 道 用 で あ る こ と を 考 慮 し て ,と く に 厳 し い 腐 食 性 環 境 で あ る 0 . 0 0 3 5 c( c は か ぶ り )と し た .許 容 ひ び 割 れ 幅 を 算 定 す る 際 の か ぶ り は , 5 0 m m の 防 食 層 と 本 体 構 造 部 の 境 界 位 置 ま で の 距 離 を 基 本 と し た .
第 4 章 で は , 硫 化 水 素 な ど に 対 す る 防 食 層 コ ン ク リ ー ト の 耐 久 性 や , セ グ メ ン ト 単 体 の 耐 荷 性 能 , 施 工 時 の ジ ャ ッ キ 推 力 に 対 す る 耐 荷 性 能 , ま た , 内 面 平 滑 型 継 手 の 開 発 と 性 能 確 認 実 験 な ど を 行 っ た . 防 食 層 の 耐 久 性 の 検 証 に あ た っ て は , 平 均 硫 化 水 素 ガ ス 濃 度 が 1 0 0 p p m と い う 厳 し い 条 件 下 に あ る 水 再 生 セ ン タ ー 濃 縮 槽 内 で ,防 食 層 に 用 い る セ グ メ ン ト 用 配 合 と 現 場 打 ち 二 次 覆 工 用 コ ン ク リ ー ト の 2 種 類 の 供 試 体 を 作 成 し , 暴 露 試 験 に よ る 腐 食 度 の 相 違 を 確 認 し た . 暴 露 試 験 結 果 か ら , 防 食 層 コ ン ク リ ー ト の 腐 食 量 は 二 次 覆 工 コ ン ク リ ー ト の 約 半 分 程 度 で あ り ,長 期 の 腐 食 量 を 推 定 す る 式 か ら , 5 0 年 の 耐 久 性 の 確 保 に 必 要 な 厚 さ は 約 5 0 m m で あ る こ と が 確 認 で き た . セ グ メ ン ト の 耐 荷 性 能 に つ い て は , 単 体 曲 げ 載 荷 試 験 を 実 施 し , 防 食 層 に よ る ひ び 割 れ 発 生 の 影 響 を 調 査 し 確 認 し た . ひ び 割 れ の 発 生 は 配 力 筋 間 隔 の 差 に よ る 影 響 も 考 え ら れ る た め , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト と 標 準 セ グ メ ン ト の そ れ ぞ れ に つ い て 3 種 類 の 配 力 筋 間 隔 の 供 試 体 を 作 成 し た . 一 体 成 形 さ れ た 防 食 層 の コ ン ク リ ー ト は , か ぶ り 部 の 引 張 抵 抗 力 が あ る 程 度 期 待 で き る た め , ひ び 割 れ お よ び 変 位 の 抑 制 に 寄 与 で き , 標 準 セ グ メ ン ト よ り 耐 荷 性 能 の 面 で 有 利 で あ る こ と を 確 認 し た . ま た . 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト は , 無 筋 コ ン ク リ ー ト の 防 食 層 が 掘 進 施 工 時 の シ ー ル ド 推 力 に 対 し て 弱 点 と な る こ と が 考 え ら れ た た め , 実 施 工 時 の 目 違 い な ど を 想 定 し た 条 件 で 推 力 試 験 を 実 施 し , 防 食 層 部 の 安 全 性 を 確 認 し た . ひ び 割 れ 発 生 荷 重 は , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト の 方 が 標 準 セ グ メ ン ト よ り 大 き く な っ て お り , 防 食 層 の コ ン ク リ ー ト に は ジ ャ ッ キ 推 力 に 対 す る 補 強 効 果 が あ る こ と が 確 認 で き た . な お , 推 力 試 験 に 関 し て は , 3 次 元 F E M 解 析 に よ り , ひ び 割 れ 発 生 個 所 や ひ び 割 れ 発 生 荷 重 の 妥 当 性 を 確 認 し た . 解 析 結 果 か ら , 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト が 標 準 セ グ メ ン ト に 比 べ て , ジ ャ ッ キ 推 力 に 対 し て 有 利 で あ る と と も に , 耐 久 性 の 面 で も 優 れ て い る こ と が 確 認 で き た . 内 面 平 滑 型 継 手 に つ い て は , 内 面 の 平 滑 性 な ど の 要 求 性 能 を 確 保 で き る 簡 単 な 構 造 で , か つ , 低 コ ス ト で あ る
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こ と を 目 標 と し て そ の 開 発 を 行 っ た . 継 手 曲 げ 試 験 の 結 果 , 開 発 さ れ た 継 手 を 用 い た セ グ メ ン ト は ,「 シ ー ル ド 工 事 用 標 準 セ グ メ ン ト 」と 同 様 な 設 計 法 を 用 い る こ と が で き , そ の 適 用 範 囲 も 同 様 と 考 え て よ い こ と が 確 認 さ れ た . ま た , リ ン グ 継 手 の 引 張 強 度 お よ び せ ん 断 強 度 は , 適 切 な 補 強 鉄 筋 を 配 置 す る こ と で 十 分 に 確 保 で き , そ の 照 査 は 継 手 金 物 の 縮 径 部 に つ い て 行 え ば よ い こ と を 確 認 し た .
第 5 章 は , 厳 し い 財 政 状 況 下 に お い て 下 水 道 再 構 築 事 業 を 進 め る に あ た り , 建 設 費 の 縮 減 , 環 境 へ の 影 響 の 低 減 , 維 持 管 理 の 効 率 化 と い う 視 点 か ら 開 発 を 進 め た ,「 4 分 割 3 ヒ ン ジ 構 造 の イ ン バ ー ト 溝 付 き 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト 」 に つ い て 述 べ た 章 で あ る . こ こ で は , こ の セ グ メ ン ト に 適 し た 設 計 法 に つ い て 提 案 を 行 い , そ の 実 物 大 の 供 試 体 を 用 い た 載 荷 試 験 を 実 施 し て ,提 案 し た 設 計 法 の 妥 当 性 を 検 証 し た .す な わ ち , ト ン ネ ル の 構 造 的 な 安 定 性 と コ ス ト の 縮 減 を 図 る た め , セ グ メ ン ト リ ン グ の 構 造 系 を 静 的 に 安 定 と な る 「 3 ヒ ン ジ リ ン グ 構 造 」 と 評 価 す る こ と と し , シ ー ル ド テ ー ル 内 で リ ン グ を 閉 合 す る 際 の 施 工 上 の 問 題 に 対 処 す る た め に , セ グ メ ン ト リ ン グ 自 体 は 4 分 割 と し , 継 手 の 1 か 所 を 剛 結 合 に す る 構 造 に し た . こ の セ グ メ ン ト を 用 い た リ ン グ 載 荷 試 験 の 結 果 , セ グ メ ン ト リ ン グ は 「 3 ヒ ン ジ 構 造 」 と し て 挙 動 す る こ と が 確 認 で き た . ま た , 土 被 り の 1 . 5 倍 相 当 の 内 水 圧 が 作 用 し た 状 態 や 管 頂 部 の 軸 力 が ゼ ロ と な る よ う な 状 態 に お い て も , ヒ ン ジ 構 造 と み な し た 継 手 の 止 水 性 は 確 保 さ れ る こ と を 確 認 し た .提 案 し た 設 計 法 は ,ヒ ン ジ 構 造 と み な し た 継 手 は 完 全 な ヒ ン ジ と し て 評 価 し て , そ の 回 転 ば ね 定 数 は ゼ ロ と し , 剛 結 合 と し た 継 手 は 本 体 と 同 等 の 剛 性 を 持 つ も の と 評 価 し て ,回 転 ば ね 定 数 は 無 限 大 と し ,「 は り - ば ね モ デ ル に よ る 計 算 法 」を 適 用 す る も の で あ る .
第 6 章 は , 本 研 究 か ら 得 ら れ た 結 論 を ま と め た 章 で あ る . こ の 章 で は , 今 後 の 施 工 の 段 階 で 留 意 す べ き 事 項 , 施 工 実 績 の 増 加 に と も な う 改 良 の 必 要 性 な ど に つ い て も 言 及 し た .
1 - 3 用 語 の 定 義
本 論 文 で 用 い た 用 語 の う ち ,「 シ ー ル ド 工 法 」一 般 に 用 い ら れ る 用 語 以 外 の 用 語 を 以 下 の よ う に 定 義 す る .
・ 二 次 覆 工 一 体 型 セ グ メ ン ト