秋田大学鉱山学部研究報告,第11号,1990年10月
論 文
パ ソ コ ン に よ る 衛 星 リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タ 解 析 用 ソ フ ト の 開 発
西 田 員 * ・ 吉 村 昇 * ・ 鈴 木 久 雄 *
SoftwareDevelopmentforAnalysisofSatellite RemoteSensingDatabyPersonalComputer MakotoNIsHIDA*,NoboruYosHIMuRA*andHisaoSuzuKI*
Abstract
Asoftwaretoanalyzethesatelliteremotesensingdatawasdevelopedbythepersonal computer・Thesoftwaredevelopedconsistsoftheseveralutilityprogramsasfollows:
(1)FormatconversionofthesatellitedatafrombasictoMS−DOS.
(2)Imagedisplayduetocolorcomposite(pseudoorfalsecolor).
(3)Revisionforthegeometricaldistortionofsatellitedata.
(4)Clippingofstudyareaonimagedisplay.
(5)Enlargementdisplayofstudyarea.
(6)Integrationamongsatellitedataanddigitaldata(afforestationageandterrain).
(7)Multi‑windowdisplayofdataintegrated.
(8)Samplingofdataintegrated.
(9)Outputoftheoperationalresultsonthedisplayorprinter・
Theinvestigationofthereflectionluminanceontheafforestationareawerecarriedoutbyusing thesoftwaredeveloped、ThecedarsafforestedonsunnysitegavehigherreHectionluminance comparedwithonesonshadyplace・ItwasalsoobtainedthatthereHectionluminanceoftheyoung cedarsshowedhigherlevelthanthatofoldone・Theseresultsrecognizethedevelopedsoftwareto beabletoanalyzethesatellitedata.
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1 . ま え が き
現在稼動中のランドサットに搭載されているセン サとしては,MSS(Multi‑spectralScanner)とTM (ThematicMapper)の2種類がある.このうち MSSセンサはランドラットー1号から継続的に搭載 されているため,その利用に関しては多くの報告が ある(1).これに対して,TMセンサはランドサット‑
4号(1983年打ち上げ)に初めて搭載されたもので,
1990年6月30日受理
*秋田大学鉱山学部電気工学科.DepartmentofElectri‐
calEngineering,MiningCollege,AkitaUniveristy.
現 在 利 用 の 主 流 は こ の T M デ デ ー タ に 移 り つ つ あ る.これは,MSSのデータに比較し,TMデータの 測定バンド数が多いこと,地上分解能が向上してい ること,輝度レベルが高いこと等(2)に起因しており,
こ の た め T M デ ー タ の 利 用 範 囲 は 多 方 面 に 及 ぶ こ とが期待される.
T M セ ン サ は 可 視 光 線 か ら 遠 赤 外 線 ま で の 波 長 域を7バンドに分割して観測している.TMから得 られるデータは分解能の向上とバンド数の増加によ り,各バンドの情報量は6920ピクセル×5965ライ ン×1バイトとなっている(2).さらに,バンド6を除 き 歪 補 正 前 の 1 ピ ク セ ル の 大 き さ は 瞬 時 視 野 で 縦 30m×横30m(但し,バンド6の熱バンドでは120 m×120m)であり,輝度レベルは各バンドいづれも
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8ビット(256階調)である(2).この様に,TMの扱 う情報量は非常に多く,MSSに比較しても同一面積 で約4倍(バンド数を考慮するとほぼ8倍)となる.
このため,衛星リモートセンシングデータの解析に は,従来大型コンピュータと複雑なソフトウェア(以 下ソフトと記す)を必要とし,これが衛星データを 幅 広 い 分 野 に 渡 っ て 利 用 す る 上 で の 妨 げ の 一 つ と な っていた.
このため,普及の著しいパーソナルコンピュータ を 衛 星 リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タ の 解 析 ・ 処 理 に 利 用可能となれば衛星データの利用範囲の拡大に寄与 するとの思想から,パソコンによる解析システム並 びに解析用ソフトの開発が推進されている(3),(4).し かし,リモートセンシングデータの画像処理を行っ た他に,解析を実行する上で必要となる各種数値デ ータを自由に入出力可能な市販ソフトは少ないのが 現 状 で あ る . そ こ で 本 研 究 で は , パ ソ コ ン を 基 本 と
した小規模なシステムによる衛星リモートセンシン グ デ ー タ 解 析 用 ソ フ ト の 作 成 を 行 っ た . ま た , 数 値 デ ー タ の 例 と し て 標 高 及 び 杉 の 樹 齢 を 取 り 上 げ , 衛 星データとの関連についても検討を加えた.なお,
本 研 究 で は ラ ン ド サ ッ ト 衛 星 に よ っ て 得 ら れ る TMデータを解析の主な対象とした.
2 . ソ フ ト ウ ェ ア 作 成 に あ た っ て の 考 慮 事 項 主 に 次 に 挙 げ る 事 項 を 考 慮 し , 衛 星 リ モ ー ト セ ン シングデータ(以下,衛星データと略記する)解析 用ソフトの作成を行った.
(1)衛星データによる画像と地形図とが重なるよ うに座標変換を行う.
(2)衛星データを解析する上で必要となる,グラ ンドトルースデータ(地表の情報)を入力可能な形 式とする.
(3)各バンドのCCTカウント値(反射輝度)と地 表の'情報を同時に出力する方式にする.
3 . シ ス テ ム 構 成
本 研 究 で は 次 の よ う な ハ ー ド ウ エ ア 及 び 環 境 の も とでソフトの作成を行った.
(1)ハードウエア
①CPU:NEC製パーソナルコンピュータ,PC‐
9801VX
②フレームメモリ:サピエンス製スーパーフレー ム(640*400*24ビット表示)
③ラムデスク:メルコ製RAMボード,HB‑4000
(4メガバイト)
④ディスプレー:高解像度カラーディスプレー NEC製,PC‑KD861
⑤プリンタ:シャープ製カラーインクジェットプ リンタ,IO−735
⑥マウス:バスマウス (2)使用言語
①OS:MS‑DOS
②言語:C言語(マイクロソフト社MS−C)
4 . ソ フ ト ウ エ ア の 概 要
本研究で開発した衛星リモートセンシングデータ 解析用のソフトの流れをFig.1に示す.本ソフトは 衛星データのフォーマット変換,衛星データの画像 表示(シュードカラーおよびフォールスカラー),幾 何補正,画像切り出し,画像拡大,数値データ入力,
各種データのマルチ・ウインドウ表示,データ読み 取り(CCTカウント値および数値データ),演算およ び結果の出力等の機能を有している.ソフトの概要 と実行結果の例を以下に述べる.
4.1データフォーマット変換およびファイル変換 衛星データは一般にCCT(Computercompatible tapeの略)に格納されて提供される(2)が,これをパ
ソコンで処理する場合にはフロッピーディスク(以 下ディスクと略記)に必要な場所を切り出して使用 する.しかし,供給されるデータはIBMフォーマッ ト(ベーシック)されたディスク上にデータが直接 書き込まれているため,そのままではC言語での処 理は困難である.そこで,データをファイルへの書 換えを行った後,MS−DOSファイルへの変換を行っ た.さらに,衛星データは256画素を単位とし,ラ インごとに配列(BSQおよびBILと呼ばれる形式(2) がある)されているためシーケンシャル的な変換処 理を行う必要が生じる.そこで,各バンドデータを l 画 素 単 位 に 集 中 配 列 す る 新 た な フ ォ ー マ ッ ト (Fig.2参照)を考案し,このフォーマット形式への 書換えも併せて行った.この結果,データ処理を能 率的に行うことが可能となった.
なお,TMのデータは1シーンで1.44メガバイト 以上(512×400ピクセル×7バンド分)の情報量を 有するため,データはデイスク2枚に分割して格納 されている.したがって,各バンド 情報を処理する 場合にはその度にディスクの入れ替えを行う必要が あり操作'性に劣る.そこで,フォーマット変換を行 ったデータをRAMディスクに転送し,バンド1〜7 のデータの一括処理を行った.
4.2画像表示
パ ソ コ ン に よ る 衛 星 リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タ 解 析 用 ソ フ ト の 開 発 53
衛 星 デ ー タ の 画 像 表 示 の た め の シ ュ ー ド カ ラ ー (疑似カラー)およびフォールスカラー(カラー合成)
のプログラムを作成した.作成したプログラムを使 用 し た 場 合 , デ ー タ 入 力 後 , 画 像 出 力 ま で に 要 す る 時間はシュードカラー,フォールスカラーとも1分 以下となり,十分使用に耐えるものと考えられる.
また,Platelに示すようにパソコンが持っている色
表示機能(8または16色)のみを使用し得られた画 像は必ずしも鮮明とは言えなかった.そこで1678万 色同時に発色可能なフレームメモリーボードを使用 し画像表示を行った.得られた画像をPlate2に示 す.R,G,Bのいずれも各256階調の表示が可能と なり,解像度が格段に向上し,鮮明な画像が得られ る 様 子 が 確 認 さ れ る . ま た , 本 研 究 の 方 法 を 用 い る
SelectionofGCP
TopographicaImap
(l/25000)
DigitaIterraindata
FormatconversionofsatelIitedata
[ : f ご ; " 三 M 淵 … 1
一CoIorima8edispIay
[Pesudoorfalsecolor]
Revisionof8eometricaidistortio、
lnterpolationwithnearestnei8hbormethod
CoIorima8edisplayofdatarevised
C1ippin8ofstudyarea
EnIargementofstudyarea
Afforestationmap
(l/25000)
Oigitalafforestationdata lnte8rationofsatelIitedata
anddi8itaIdata
卜1uIti‐windowimagedisplay ofdataintegrated
Samplingofdataintegrated
EvaIutionofresult
YeS
OIItI1ulo『resI」1tぷ
TeI・msforjud8ment
NC
Fig.1Flowdiagramofthesoftwaredevelopedinthisstudy.
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と,7バンド(従来は4バンドのみ)のうち任意の3 バンドを自由に組合せて画像出力することが可能で ある.
なお,衛星データの画像表示を行う場合には,画 像全体の各バンドおよびバンド間のビット情報(デ ィジタルデータ)の出現頻度(ヒストグラム)を知 る必要がある.作成したソフトは各バンドのヒスト グラム,平均値及び標準偏差の結果を表示する簡単 な統計処理機能を有している.さらに,階調処理の 一種であるヒストグラム平滑化処理を行う機能をも 有している.
4.3画像の幾何補正
衛星データはUTM(UniversalTransverseMer‐
CatOr)図法に基づいて配列されている(2)が,地形図 と完全に一致していないため,そのままでは地形図 を基本とした数値データとの重ね合わせが困難とな る.そこで,画像データを地形図と対応させるため 幾何補正を行うプログラムを作成した.
画像の座標変換処理は次に挙げるアフイン・ヘル マート変換式(4),(5)を用いて行った.
P=A1X+A2y+A3 L=A4X+A5y十A6
ここで,x,yは地図座標であり,P,Lは画像座
Headerl Header2
Line lPixeI lBandl Line lPixeI l B a n d 2 Line l P i x e I l B a n d 3 Line lPixeI lBand4 LIne lPixeI ワー Bandl Line lPixeI 2Band ワー しIne
しIne
LIne
lPixeI lPixeI
ワー
ワ
ー
Band3 Band4
400Pixel512Bandl Line400Pixel512Band ワー しIne 400Pixel512Band3 Line400Pixel512Band4
Fig.2Newformatforsatellitedata.
標である.変換式の係数A1〜A6を求めるため,地図 および画像上で明瞭に判別可能な点をいくつか選定 し,これを地上基準点(GCP:GroundControle Point)として設定した.設定した各GCPの位置の 情報(緯度,経度)をUTM投影法を用いて距離に 変換し,求めた距離から画像上での位置(座標)を 推定し,この座標と画像からの直接読み取ったGCP の座標データを基に変換式の各係数を計算し変換を 行った.また,変換後の座標への各バンドデータの 内挿方法としてはNearestNeighbor法(2)を用い た.
本研究ではTablelに示す地点をGCPの候補と して選定し,この中から3地点をGCPとして選択 し幾何補正を実行した.幾何補正を行った後の画像 出力の例をPlate3に示す.また,Fig.3に未補正画 像および補正後の画像から得られた各地点の座標 と,地形図より得られた座標との対応を求めた例を 示す.未補正の画像に比べ補正後の画像では座標の ずれの改善されている様子が認められる.
4.4画像切り出しと画像拡大
前節までの処理はパソコンで表示可能なフルシー ン(約1.44メガバイト)を対象として行ったが,フ ルシーンの衛星データに加えて,数値データを入力 することを考慮するとかなりのメモリが必要とな る.さらに,画像を参照して1画素ごとのデータを 読み取る場合,フルシーンでは位置の特定に誤差を 生じ易い.このため,解析の対象領域を50×40画素 だけ切り出し,その部分の画像拡大を行うプログラ ムを作成した.画像切り出し,画像拡大を行った例 をPlate4とPlate5に示す.Plate4は田沢湖近郊 の画像(フレームNo. 07‑033,1985年6月16日撮 影)から解析の対象領域(白い枠で囲われている)
の切り出しを実行中の画像である.また,Plate5は 切り出された対象領域を10倍に拡大したフォール スカラー画像である.なお,画像の切り出しと同時 に任意の数値データを入力するスペースを(本研究 ではl画素あたり3バイト分を設定)確保したデー タファイルの作成を行った.
4.5数値データ入力
前節で作成した画像範囲を50×40のメッシュに 分割し,地図上から読み取った数値データをマウス を用いてデータファイルへ書き込むプログラムを作 成した.具体的には,田沢湖湖畔南部の杉植林地帯 を対象領域とし(Plate4参照),この地域のl/25000 地形図に30mメッシュを書き込み,各メッシュの 標高を読み取り,これを標高データとして入力した.
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茎。"6 6 / |i峰
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▲
●8
パ ソ コ ン に よ る 衛 星 リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タ 解 析 用 ソ フ ト の 開 発
ま た , 植 林 年 に つ い て も 同 様 の 方 法 に よ り 樹 立 事 業 図(6)(Fig.4参照)から読み取ったデータを入力し,
それぞれ数値データを作成した.
4 . 6 各 種 デ ー タ の 画 像 表 示
標高と植林年に関するデータおよび、ヒストグラム 平 滑 化 処 理 を 行 っ た 各 バ ン ド デ ー タ を マ ル チ ・ ウ イ ンドウ表示した結果をPlate6に示す.標高に関し ては標高の高い部分を明るく,植林年に関しては新 しい植林地点ほど明るくなる様に設定し出力を行っ た.なお,杉の植林地以外の地表に関しては,数値 デ ー タ を 入 力 し て い な い た め 真 っ 黒 に 表 示 さ れ て い る.Plate6の画像から,解析を行う際に参照する画 面の選定を行った.
4 . 7 デ ー タ 読 み 取 り お よ び 結 果 の 出 力
各種データ(1〜7バンドまでのCCTカウント値,
標高および植林年)の読み取りは,次の2種類の方 法 の い ず れ か を 選 択 し 実 行 す る プ ロ グ ラ ム を 作 成 し た.
①画像を参照しながら,マウスで位置の指定を行 いデータの読み込みを行う.
②特定の条件を入力し,その条件に該当するデー タのみを読み込む.
①の方法を実行中の画像をPlate7に示す.マウ ス で 指 定 し た 場 所 ( 画 像 上 の + 印 ) の 各 バ ン ド の CCTカウント値,植林年,標高その他の情報を画像 上に出力することが可能である.なお,Plate7の画 像右隅に見られる帆SUN〃は指定した場所が日当り
と判定(次章参照)された結果を表示したものであ る.また,植林年を条件として入力した場合の各(
TablelTheplacesselectedforgroundcontrol point.
Fig.3Coordinateofselectedpointsontopographic map,rawimageandrevisedimage.
(SelectedGCPareNo.',No.9andNo.12)
80.[ 39.6S9766
§●coodin1teonth彦個aIu一… 一一 一…− 一 一一 … 一一 !
;,ご),。ooIjinユteonrユb1data 3
:▲CoodinateonrevisEddユta:
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55
ウーI●い
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雨W盲T−両三一1
Fig.4Afforestationmapofstudyarea.
(ReprintedfromthereferenceNo6).
P U
2 140.073684
3 140.087719 39.6900991 NorthsideofnewOmoIIobridBG
4 140.087424 39.68S436 SouthsideofnewO画onobrid8e
5 140.096786 39.689977 NorthsideofAkitabridBe
6 140.094152 39.681644 SouthsideofAkitabrid8e
7 140.104668 39.684459 NorthsideofUetsuline
8 140.099708 39.681644 Southsideofljetsuline
9 140.0910S2 39.720270 Yahasesite
10 140.096199 39.703153 SouthsideofshinkaH1brid8e
1
1 140.106s20 39.703153 SoIIthsideofAsahibrid:e
12 140.079971 39.725460 West−SouthofSensyuupark
13 140.079971 39.725460 SouthsideofShin回inntobrid8e
14 140.081725 39.72319S Akitaicerink NC Longitude
(de8E〉
1 140.072953 39.690373
56 西 田 填 ・ 吉 村 昇 ・ 鈴 木 久 雄
とが認められる.この結果は,衛星から見たとき杉 が地表被覆の支配的存在となっていると見なすに は,樹齢が15〜20年に達することが必要であること を示唆するものであろう.なお,バンド5における CCTカウント値の植林との関係はバンド4とほぼ 同様の傾向を示したが,その他のバンドでは明瞭な 変化は認められなかった.また,日陰と判定された 地帯に関して,1970年以降の植林地に該当する地点 が見あたらなかったためデータを得ることが出来な かった.
以上の結果より,本研究で作成したソフトを用い ることによって,大まかではあるものの杉植林後の 生育状態および樹相の推移を把握できるものと考え
られる.
ンドの反射輝度(CCTカウント値)を出力した例を Fig.5に示す.近赤外バンドにおいて反射輝度が大 きくなり,典型的な植生のパターンになることが認 められた.
5.杉植林年による分光輝度の相違 ブナ林(広葉樹)を対象とし,日当りと日陰の位 置を目視によって地図上から判読し検討した結果,
日当りと日陰では近赤外バンドの反射輝度が異なる ことを既に報告した(7).本章では,前章で作成したソ フトおよび入力した数値データ(標高と植林年)を 利用し,太陽光線の向きと山の尾根による陰を考慮 し(Fig.6参照),次式を用いて日当りと日陰の判定 を行い検討を加える.
Hi−4×tan{(7r/2)−8}≧H2→日当り Hi−4×tan{(万/2)−8}<H2→日陰 ここで,Hi,品は任意の地点の標高,4はHiは 昆間の距離,βは太陽の仰角である.上式を用いて 得られた日当りと日陰の判定結果の画像をPlate8 に示す.なお,解析の対象領域はPlate4で示した田 沢湖湖畔南部の杉植林地帯である.
杉植林年とCCTカウント値の関係を求めた例と してバンド4の場合をFig.7に示す.日当り,日陰 のいずれの場合とも,1970年代以前に杉が植林され た地帯(樹齢15年〜20年以上に相当)における CCTカウント値には大きな変動が認められずほぼ 一定値を示している.また,日当りと日陰では反射 輝度の異なることが認められる.
これに対して,1970年以降に植林された地帯の中 で,日当りと判定された地点でのCCTカウント値 は,1970年以前と比較して著しく高い数値を示すこ
6 . む す び
本研究では衛星リモートセンシングデータをパー ソナルコンピュータによって解析するためのソフト ウエアの開発を行った.作成したソフトは,衛星デ ータのフォーマット変換,衛星データの画像表示(シ ュードカラーおよびフォールスカラー),幾何補正,
画像切り出し,画像拡大,数値データ入力,各種デ
0084
︒︒﹄︒︒
Fig.6Calculationmodelforsunnyandshadyarea.
200
グ゚。、。−
006211
﹄秒二医コーー
255
Fig.5Spectralpatternofcedars.
−CEdarpIantBdinI970
‑.‑.‑.‑.‑.CedarPIantedinl911
000021
﹄し︒毎コ二一二コ︒︒﹄︒︒
‑.‑.‑.‑二重冒謬′
、。
0
'9101920133019.101350196019701980l1j1:IO AffoI、ピst乱tioI1y 「
2 3 4
BandNo 0
5 6 7
Fig.7RelationbetweenCCTnumberand afforestationageofcederundersunnyandshady area(band4).
灘 灘 蕊 舗
. 、 静 隅 越 ト 唾 、 、 , 、 h , 、 , 、 , 茜 1 1 函 』 , 静 . . . &。 ; 。 , デ 、 賃 ' f 9 、 心
ペ ソ コ ン に よ る 衛 星 リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タ 解 析 用 ソ フ ト の 開 発
蕊 ,
蕊Plate8Calculatedresultofsunnyandshadyarea
(White:sImnyarea,Black:shadyarea)
PlatelNaturalcolorcompositeimageoftherawPlate2Naturalcolorcompositeimageoftheraw datawithnormalsystem, datawithHamememory.
b
" 〃 ″ 〃 〃 ず 〃 , 閥
〃L劇⑳SpW,#
″【耐躍"』I D目JJ〃'.,q$ずⅣゴザ
唱 斌 鴇
臼藍EI#F【巳p 曙艶9m4.1廊堀
ci墨』E:魁
角Ⅷ
Plate4Clippingofstudyareaonlmagedisplay,
(FalsecolorimageofsouthemareaofLake
Tazawa)
Plate3Naturalcolorcompositeimageafterthe revisionofthegeometricaldistortion.
卜 霊露¥野呂 u 、
蕊
年︑
唖
。
Plate6Multi‑windowlmageofdataintegrated a:bandl,b:band2,c:band3,d:band4 e:band5,f:band6,9:elevation,
h:afforestationageofcedars,
C
57
P1ate70perationalimagefordatasampling Plate5Enlargedimageofstudyarea.
各 一
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.一、''蝉.職 一⁝・︲︲闇繍鯛臓鰯鰯趣唾唾画題恐鱈叩 ・等§
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蕊謂蕊蕊算蛎
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灘識瀧識I質 p F 器 五 鉦一ザ●面l
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58 西 田 具 ・ 吉 村 昇 ・ 鈴 木 久 雄
一 タ の マ ル チ ・ ウ ィ ン ド ウ 表 示 , デ ー タ 読 み 取 り (CCTカウント値および数値データ),演算および結 果の出力等の機能を有している.
本ソフトでは,衛星データの配列を集中化するフ ォーマット形式を用いた.その結果,各画素に対応 す る バ ン ド デ ー タ お よ び 入 力 し た 数 値 デ ー タ の 読 み 取 り お よ び 処 理 を 能 率 的 に 行 う こ と が 可 能 と な っ た.また,画像上で指定した各地点の衛星データお よ び 入 力 さ れ た 数 値 デ ー タ を 視 覚 的 に 把 握 で き る 等 多くの特徴を有している.
作成したソフトおよび数値データ(標高と植林年)
を利用し,杉植林年による分光輝度の相違について 検討を加えた.その結果,1970年以降に植林された 地 帯 の う ち , 日 当 り と 判 定 さ れ る 地 点 で の C C T カ ウント値は,1970年以前の植林地に比較して著しく 高 い 値 を 示 す こ と が 認 め ら れ た . さ ら に , 日 当 り と 日陰では反射輝度の異なること等の結果を得ること ができ,作成したソフトの有用性が確かめられた.
今 回 は 結 果 の 検 証 お よ び 精 度 の 確 認 は 特 に 行 わ な かったが,今後,標定精度の検証,各種の補正(例 えば地形効果による放射量の歪に対する補正)等を 考慮したソフトの開発を進める予定である.
最 後 に , リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タ を 提 供 下 さ れ
た 岩 手 大 学 工 学 部 横 山 隆 三 教 授 に 厚 く 御 礼 申 し 上 げ ます.また,樹立事業図を提供下された秋田営林局 関係各位並びに,プログラム作成に協力下された本 学卒業生小石一之氏(現,NTT)に感謝申し上げま す.
参 考 文 献
(1)例えば,和達・土屋・安田・江森・飯坂・長尾編著
(1984):リモートセンシング,朝倉書店.
(2)宇宙開発事業団地球観測センター編(1986):地球 観 測 デ ー タ 利 用 ハ ン ド ブ ッ ク ー ラ ン ド サ ッ ト 編 ・ 改 訂 版一,側リモート・センシング技術センター発行.
(3)小特集パソコンとリモートセンシング(1990):日本 リモートセンシング学会誌,10巻,1号.
(4)日本リモートセンシング学会編(1989):パソコンに よるリモートセンシングデータ解析,啓学出版.
(5)日本リモートセンシング研究会編(1981):画像の処 理と解析,共立出版.
(6)秋田南部地域施業計画,角館事業区,第五次樹立事業 図,昭和60年度秋田営林局作成.
(7)西田・猪原・横山・吉村(1988):TMセンサによる 森林スペクトルパターンの観察,日本リモーモセンシ ング学会,第7回学術講演会論文集,173頁.