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透 光 性 電 磁 波 シ ー ル ド シ ー ト

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Academic year: 2021

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透 光 性 電 磁 波 シ ー ル ド シ ー ト

キ ー ワ ー ド: 電 磁 波 シ ー ル ド 、 I T O 薄 膜 、 ス パ ッ タ 、 プ ラ ス チ ッ ク

概要

  最近携帯電話から発生する電磁波による医 療機器や電子機器の誤動作の問題、欧州にお けるCEマーキング制度の制定などから、電 磁波シールドに関する関心が高まってきてい ます。これまで電磁波シールドを材料面から 解決するため、プラスチックの箇体に金属を めっきするなどの方法でシールドを行ってき ました。しかし光を透過する部分へのシール ドについては十分な対策はありませんでした。

ここでは電子デバイスの透明電極としてよく 用いられているITO(In−Sn合金酸化 物)薄膜を透明なプラスチック上にコーテイ ングし、透光性と電磁波シールド効果を合わ せ持つ機能材料としてのプラスチックの応用 として、透光性電磁波シールドシートの開発 について述べます。この方法は真空を利用し た薄膜作製技術の応用で、従来のめっきなど の方法では作製が困難なITO薄膜をプラス チック上に室温付近の温度でコーティングす るものです。

薄膜作製方法

ITO薄膜の作製は、イオンビームスパッタ 装置を用いて行いました。ターゲットにはI TO焼結体を用い、酸素ガス中で反応性スパ ッタ法によりポリカーボネート板(1mmt)上に 透光性電磁波シールド膜としてのITO薄膜 を形成しています。薄膜の特性を制御するた

め、真空槽内に導入する酸素ガスの流量をパ ラメータにして種々のITO薄膜を作製しま した。薄膜の作製条件を表 1 に示します。

ITO薄膜の特性

  透光性電磁波シールド膜としての特性を向 上させるためには、光の透過率を大きくする と同時に、膜の電気抵抗を小さくする必要が あります。ITO薄膜の特性は膜中に含まれ る酸素の割合によって大きく影響されます。

  出発材料としてのターゲットはITOの焼 結体を用いますが、Arでスパッタを行うと 膜中の酸素が減少し、作製された膜は不透明 な金属的性質を示します。電気抵抗は小さく なりますが不透明になり、透光性としての機 能がなくなります。このため酸素ガス中で反 応性スパッタを行います。酸素が膜中に多く 入ると光の透過率が大きくなり透光性が向上 しますが、ー方で電気抵抗が大きくなり電磁 波シールド特性が悪くなります。このため電 気抵抗値と光の透過率の両特性を満足するI TO薄膜の作製条件を見出す必要があります。

 表 1 の結果からわかるように、本実験では 酸素流量の値を2sccm にすることにより、透 過率〜70%)、比抵抗(〜1x10‑3Ωcm)のIT O薄膜を得ることができました。図1にこの 条件で作製したITO薄膜による透光性電磁 波シールドシートの透過率スペクトルを示し ます。

(2)

この実験で得られたlTO薄膜の比抵抗は、

電子デバイスの透明電極として使用されてい るITO薄膜の抵抗値より高い値を示し

ITO薄膜の電磁波シールド効果

  ポリカーボネート板上に作製したITO薄 膜による透光性電磁波シールドフィルムのシ ールド効果は、KEC法により測定しました。

ています。これは非耐熱性のプラスチック基 材の上に製膜することを考慮しているため、

基板加熱を行うことなく薄膜作製を行ってい ることに原因の一つがあるのですが、改善の 余地はあります。

  図 2 に電界成分のシールド効果の結果を示 します。電界シールド効果は 10MHz で約 50dB、

100MHz で約 30dB 程度の特性が得られていま す。

用途

銅やアルミのように低抵抗材料を用いた場合 に比較すると特性はまだ不十分ですが、電磁 波シールド効果をある程度犠牲にしても、ど うしても光の透過性を確保しなければならな い場所、例えば電子機器のディスプレーやメ ーターなどのシールドには有効です。

今後の課題

  透光性の電磁波シールドに適した材料開発 はいろいろ検討されていますが、まだ何が一 番よいのかはっきりわかっていません。IT 0は透明な導電材料としては最も特性がよい 材料ですので、透光性電磁波シールド材料と して期待されています。今後、光の透過率を 低下させずに電気抵抗をより小さくする方法 を見つけていく必要性があります。また信頼 性に対する評価も必要だと思います。

  一方で新しい透明導電材料の開発や、磁界 シールド特性のよい材料の開発、またシール ドだけではなく電磁波吸収材料の開発も今後 の課題として残されています。

本件のお問い合わせがありましたら、情報電子部電子・光材料系 岡本まで。 

Phone:0725‑51‑2668 

(作成者 吉竹正明 /平成10年6月29日 発行)     

参照

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