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博士(工学)小山学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博 士 ( 工 学 ) 小 山 学 位 論 文 題 名

異種金属イオンの添加によるアノード酸化ジルコニア膜の 高静電容量化に関する研究

学位論文内容の要旨

  近年,携帯竃話やパソコン顔どの通信用電子機器の市場は飛躍的に成長してきており,それにとも 教い各種電子部品の需要が増加してきている,キャパシタは電子機器に不可欠顔電子部品のーつで あるが,その中でも特に,タンタルのアノード酸化皮膜を誘電体とするタンタル電解キャパシタは,

小型大容量であり,良好改電気的特性を示すとともに耐久性や信頼性にも優れるためっ広く用いられ ている.しかし,タンタルの資源量は需要に対して十分ではをく,価格安定性に問題がある.実際に,

2000年には携帯電話の急速を普及にとも顔い,タンタル電解キャパシタの需要が増大した結果,タ ンタルの価格が高騰した.このよう極点から,タンタル電解キャパシタの代替とをる,汎用元素を材 料とする新規電解キャパシタの開発が望まれている.

  ジルコニウムは,結晶性のアノード酸化皮膜を高い電流効率で生成する数少数いバルプ金属のー つである.生成皮膜は主に単斜晶のジルコニアから顔り,その比誘電率はタンタルのアノード酸化 皮膜と比較すると同等以下である.しかし,高温安定相である正方晶や立方晶のジルコニアの比誘 電率はっ単斜晶のものと比較して大きいことが知られているため,異種元素の添加により皮膜の結 晶構造を変化させることができれぱ,誘電率の増大により高静電容量化を達成できる可能性がある.

本研究においては,タンタル電解キャパシタの代替と誼る電極および誘電体材料の創成を目指し,異 種 元 素 添 加 に よ る ジ ル コ ニ ウ ム ア ノ ー ド 酸 化 皮 膜 の 高 静 電 容 量 化 を 目 的 と し た .   本 論 文 は 第1章 か ら 第 7章 ま で で 構 成 さ れ て お り , 以 下 に 各 章 の 概 要 を 示 す .   第1章 では, まず各 種のバルプ金属に生成するアノード酸化皮膜,およびそれを誘電体として用 いる電解キャパシタについて基礎的事項をまとめた,また,資源量や価格安定性の点からタンタル 以外の金属を電極材料とする新規電解キャパシタの必要性を述ベ,その解決法としてジルコニウム 合金を選択した理由とともに本研究の目的を明確にした.

  第2章 では, 高温安 定相ジルコニアの安定化元素として最もよく用いられている元素であるイッ トリ ウムを 選択し, 種々組成のZr ‑Y合金のアノード酸化による高温安定相ジルコニアの生成と,

それに伴う静電容量の増大を試みた.高静電容量の電解キャパシタを得るには,比誘電率を増大さ せるだけではをく,耐電圧1Vあたりの皮膜厚さである.formation ratioを減少させる必要がある.

しかし,イットリウムを添加した場合,大きい比誘電率を示す正方晶ジルコこアから誼るアノード酸 化皮膜が生成したにもかかわらず,それと同時に皮膜厚さも増大するため,静電容量はほとんど増大 し顔かった.

  第3章では,合金元素としてシリコンを16 at.U/o添加したジルコニウムを種々の電圧でアノード 酸化し,生成皮膜の構造および誘電的性質を調査するとともに,これらの関係を検討した, Zr ‑Y系

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合金の 場合とは異橡り,ジルコニウムアノード酸化皮膜の静電容量はシリコンの添加により増大し た.また,これは皮膜の外層が結晶化する高いアノード酸化電圧において特に顕著であった.また、

Zr ‑ 16 at.% Si合 金試料 における比誘電率はな試料と同等であるため,静電容量の増大は皮膜厚 さの滅 少によるものであることが示された.皮膜外層の結晶化に際し,結晶性酸化物相とシリコン リッチ 顔アモ ルフん ス相へ の2相分離が起こり,シリコンが濃縮したアモルフアス酸化物相の存在 が皮膜厚さ減少の要因と顔ることが示唆された,

  第4章では,Zr ‑ Si合金の組成を最適化し,静電容量のさら款る増大を試みた.アノード酸化皮膜 の静電容量は合金組成依存性を示し,10 at.ワ。のシリコン濃度において最大と顔ることが明らかに 教った.この組成では,Zr試料に比ベ比誘電率が増大するとともに,結晶化による顕著を皮膜厚さの 減少が静電容量を増大させる要因であることが示された.

  第5章 では,シリコンと同様に平衡状態でジルコニアへほとんど固溶せず,2相分離した酸化皮膜 の生成 により静電容量の増大が期待できる添加元素として,アルミニウムを選択した.アルミニウ ムの添加により,ジルコニウムアノード酸化皮膜の静電容量は増大し,11 at.t70の添加量において最 も静電 容量が増大した,アルミニウム添加による静電容量の増大は,比誘電率の増大の寄与が大き いことも明らかと誼った.

  第6章 で獄,第2章〜第5章の結 果を踏 まえ, ジルコ ニウム 合金に 生成す るアノード酸化皮膜の 誘電的 性質に及ばす添加元素の影響について総合的に考察し,高容量キャパシタ材料の設計指針に ついて 議論した.バルブ金属に生成するアノード酸化皮膜において,比誘電率の大きい酸化物は一 般に,formation ratioも大きく顔る傾向がある,この傾向にしたがい,Zr ‑Y合金では,比誘電率の大 きい正方晶のジルコニア単相から顔るアノード酸化皮膜が生成したものの,formation ratioが同時 に増大するため,静電容量の大幅顔増大は達成でき顔かった.一方,シリコンおよぴアルミニウムの 添加により酸化皮膜の静電容量は大きく増大し,それぞれ約10 at.U/oの添加量ではタンタルアノー ド酸化 皮膜の静電容量に匹敵した.これらの試料のアノード酸化皮膜は,正方晶ジルコニア単相で は誼く アモルフんス相が混在しており,それぞれが比誘電率の増大および膜厚の減少という役割を 担うこ とによ り静電 容量が 増大することが示唆された.以上の結果から,それぞれ役割の異教る2 相が共 存した酸化物膜の形成を促す合金設計が,アノード酸化皮膜の静電容量の増大に効果的であ るという指針を提案した.

  第7章では,本研究の内容を総括した.

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学位論文審査の 要旨 主 査    教 授    幅 崎 浩 樹 副 査    教 授    安 住 和 久 副査   准教授   伏見公志

学 位 論 文 題 名

異種金属イオンの協幼ロによるアノード酸化ジルコニア膜の 高静電容量化に関する研究

  近年。携帯電話やパソコン改どの通信用電子機器の市場は飛躍的に成長してきており,それにとも 教 い各種電子部品の需要が増 加してきている。キャパシタは電子機器に不可欠教電子部品のーつで あ るが,その中でも特に,タンタルのアノード酸化皮膜を誘電体とするタンタル電解キャパシタは,

小 型大容量であり,良好次電気的特性を示すとともに耐久性や信頼性にも優れるため,広く用いられ て いる。しかし,タンタルの 資源量は需要に対して十分では教く,価格安定性に問題がある。実際 に ,2000年には携帯電話の急速を普及にとも極い,タンタル電解キャパシタの需要が増大した結果,

タ ンタルの価格が高騰した。このよう誼点から,タンタル電解キャパシタの代替と教る,汎用元素を 材 料とする新規電解キャパシ タの開発が望まれている。

  ジルコニウムは,結晶性のアノード酸化皮膜を高い電流効率で生成する数少誼い′ヾルブ金属のー つ である。生成皮膜は主に単 斜晶のジルコニアから教り,その比誘電率はタンタルのアノード酸化 皮 膜と比較すると同等以下で ある。しかし,高温安定相である正方晶や立方晶のジルコニアの比誘 電 率は。単斜晶のものと比較して大きいことが知られているため,異種元素の添加により皮膜の結晶 構 造を変化させることができ れぱ,誘電率の増大により高静電容量化を達成できる可能性がある。

本 研究においては,タンタル電解キャパシタの代替と改る電極および誘電体材料の創成を目指し,異 種 元 素 添 加 に よ る ジ ル コ ニ ウ ム ア ノ ー ド 酸 化 皮 膜 の 高 静 電 容 量 化 を 目 的 と し た 。   第1章では,まず各種のバル ブ金属に生成するアノード 酸化皮膜,およびそれを誘電体として用 い る電解キャパシタについて 基礎的事項をまとめた。また,資源量や価格安定性の点からタンタル 以 外の金属を電極材料とする 新規電解キャパシタの必要性を述ベ,その解決法としてジルコニウム 合 金を選択した理由とともに 本研究の目的を述べた。

  第2章では.高温安定相ジル コニアの安定化元素として 最もよく用いられている元素であるイッ ト リウムを選択し,種々組成 のZr・Y合金のアノード酸化による高温安定相ジルコニアの生成と,そ れ に伴う静電容量の増大を試 みた。高静電容量の電解キャパシタを得るには,比誘電率を増大させ る だけでは誼く。耐電圧1Vあ たりの皮膜厚さであるformation ratioを滅少させる必要がある。し か し,イットリウムを添加した場合,大きい比誘電率を示す正方晶ジルコニアからをるアノード酸化 皮 膜が生成したにもかかわらず,それと同時に皮膜厚さも増大するため,静電容量はほとんど増大し 社 いことを明らかにした。

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  第3章で は,合 金元素 として シリコ ンを16原 子パー セント 添加し たジルコ ニウムを種々の電圧 でアノ ード酸化し,生成皮膜の構造および誘電的性質を調査するとともに,これらの関係を検討し た。Zr ‑Y系合金の 場合と は異誼り,ジルコニウムアノード酸化皮膜の静電容量はシリコンの添加 により 増大した。また,これは皮膜の外層が結晶化する高いアノード酸化電圧において特に顕著で あった。また,Zr ‑ 16原子パーセントSi合金試料における比誘電率はZr試料と同等であるため、静 電容量 の増大は皮膜厚さの滅少によるものであることが示された。皮膜外層の結晶化に際し,結晶 性酸化 物相と シリコ ンリッ チ教アモルフアス相への2相分離が起こり.シリコンが濃縮したアモル フんス酸化物相の存在が皮膜厚さ滅少の要因と顔ることが示唆された。

  第4章では,Zr ‑ Si合金の組成を最適化し,静電容量のさら顔る増大を試みた。アノード酸化皮膜 の静電 容量は合金組成依存性を示し,10原子パーセントのシリコン濃度において最大と教ることが 明らか に極った。この組成では,Zr試料に比ベ比誘電率が増大と皮膜厚さの減少が静電容量を増大 させる要因であることが示された。

  第5章では,シリコンと同様に平衡状態でジルコニアヘほとんど固溶せず,2相分離した酸化皮膜 の生成 により静電容量の増大が期待できる添加元素として,アルミニウムを選択した。アルミニウ ムの添 加により,ジルコニウムアノード酸化皮膜の静電容量は増大し,11原子パーセントの添加量 におい て最も静電容量が増大した。アルミニウム添加による静電容量の増大は,比誘電率の増大の 寄与が大きいことも明らかと顔った。

  第6章で は,ジ ルコニ ウム合 金に生成するアノード酸化皮膜の誘電的性質に及ばす添加元素の影 響につ いて総合的に考察し,高容量キャパシタ材料の設計指針について議論した。バルブ金属に生 成するアノード酸化皮膜において,比誘電率の大きい酸化物は一般に,formation ratioも大きく誼る 傾向がある。しかし,本研究において,ジルコニウムにシリコンおよびアルミニウムを添加すること により,酸化皮膜の比誘電率の増大とformation ratioの減少が達成できた。これらの試料のアノー ド酸化皮膜は,正方晶ジルコニア単相では没くアモルフんス相が混在しており,それぞれが比誘電率 の増大 および膜厚の減少という役割を担うことにより静電容量が増大することが示唆された。以上 の結果 から, それぞ れ役割 の異次る2相が共存した酸化物膜の形成を促す合金設計が,アノード酸 化皮膜の静電容量の増大に効果的であるという指針を提案した。

  第7章では,本研究の内容を総括した。

これを要するに,著者は結晶性アノード酸化皮膜を形成するジルコニウム系合金に着目し,結晶性酸 化物と アモルフんス酸化物が共存した複合構造の誘電体皮膜を形成することで,誘電体酸化膜の高 容量化 に成功し,現在広く利用されているタンタル電解キャパシタと同等以上の高容量キャパシタ を汎用 金属で実現可能であることを示し,新規社高容量誘電体アノード酸化皮膜の設計指針を提案 した。 この成果は稀少金属を用い顔い新規電解キャパシタの開発に貢献すること大である。よって 著 者 は 、 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る 。

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参照

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