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直結4形スラブ区間における扛上用締結装置の試験敷設

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Academic year: 2022

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(1)IV‑450. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 直結4形スラブ区間における扛上用締結装置の試験敷設 JR 西日本 正. 青野 正. JR 西日本 正. 塩﨑 宏紀. JR 西日本 正 ○鷹﨑 徹 1.はじめに スラブ軌道においては、経年によりスラブ板の沈. プを開発した。性能確認試験の結果、力学的な性能. 下や角折れ等が発生し、調整パッキンの調整範囲を. には全く問題ないが、電気絶縁抵抗が低くなる場合. 超える軌道狂いが存在する。また、直結4形の締結. があることが判明した。そのため本締結装置の各部. 装置は、直結 8 形の締結装置における増厚形タイプ. 材に樹脂コーティングを施すこととした。. レート等は無く、調整量が少ない。しかし、新幹線 軌道整備心得の規定上、高低狂いが±7mm を超過す る場合にはこれを整正しなければならず、スラブ板 を扛上する「スラブ扛上」を実施する必要がある。 しかし、 「スラブ扛上」は、コストがかかるだけでな く、一夜の施工延長は 10m~20m程度が限度で、連 続して施工する必要のある長波長軌道整備を実施す るには適していない。そこで、調整量を大幅に大き くした直結 4 形扛上用締結装置 1)を開発し、長波長. 図1 C タイプの外観. 軌道整備を実施した。2) 本研究では、この試験敷設 した直結4形締結装置の追跡調査の結果を報告する。. 3.試験敷設の概要. 2.直結 4 形扛上用締結装置について. 開発した直結4形扛上用締結装置を試験的に敷設. 現行の直結4形レール締結装置は調整量が少ない. し、高低方向の長波長軌道整備を実施した。施工区. 反面、タイプレートを使用しないことから価格も安. 間は、以前から路盤沈下等により、スラブ扛上や路. く敷設も容易といった利点がある。その利点を活か. 盤注入等を繰り返してきた箇所で、40m 弦高低σ値. し、今回新たに設計するレール締結装置については、. =7.26 と悪く、上下動揺も発生していたトンネル内. なるべく現行の構造を維持することとし、極端に扛. の①L=400m、②L=387mの2箇所を選定した。. 上量が大きい場合についてタイプレートを使用する. 4.試験敷設結果. こととした。今回新たに新設計した締結装置は4種. ①軌道狂いの推移. 類(それぞれの名称をA、B、C、Dとした)で(表. 施工前、施工後及び施工後1年半を経過した現時. 1) 、Aタイプは従来の直結4形レール締結装置のバ. 点の軌道狂いを図 2、σ値の推移を図 3 に示す。2. ネ受け台のみを変更し、調整量を 8mm 大きくした. 箇所とも、施工前に比べ施工後は特に 40m弦高低. もの。. 施工前. Bタイプは板バネを新設計し、締結ボルトの埋込 栓部は現行どおりとし、板バネ締結部はねじピッを 3mm とした2重ねじボルトとし、現行より 16mm 上量を大きくしたもの。CおよびDタイプはタイプ. 施工後. 現在(1年半経過後). 25 15 5 -5 -15 -25 826700 826750 826800 826850 826900 826950 827000 827050 827100 827150 827200. レート形式で、レール-スラブ間距離が 34~ 44mm となるCタイプと 42~54mm となるDタイ. 図2 軌道狂いの推移(40M 高低). 直結 4 形スラブ軌道、扛上用締結装置、長波長軌道整備 JR 西日本広島新幹線保線区、広島市南区松原町1-1、082-263-6230 ‑899‑.

(2) IV‑450. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 表 1 直結 4 形扛上締結装置の調整量. タイプ 現行 A B C D. 合計 14~20 21~28 26~36 34~44 42~54. 絶縁板 タイプレート厚 パッド厚 - - 10 - - 10 - - 10 5 16 10 5 24 10. 調整板 調整パッキン 構造 板バネ 4~10 直4形 11~18 座面式 8 8~18 新設計 3~13 タイプレート 直8形 式 3~15. の軌道狂いが小さくなっている。また、施工後1年. C下14T(己斐TN内). 半を経過した現時点でも軌道狂い進みは見られず、. 8. 7.26. 7 6 5. 3.96. 4. 1000 ATCレベル[mA]. 当該区間のσ値も大幅に良化している。. 3.99. 敷設直後. 敷設後1年. 800 600 400. 要注意. 200 0 826750. 指摘 826850. 826950. 827050. 827150. 3. 図5 信号レベルの推移. 2 1. グ調査の結果、レールとの接触面でコーテイング面と板バネと. 0 施工前. 施工後(計画). の縁切れが出かかっている箇所が若干有ったが、全. 施工後. 図3 施工区間のσ値の推移. 体的には樹脂コーテイング面での大きな損傷は見られな. また、施工前には体感で分かった列車動揺につい. かった。 (図6). ても、現在に至っても発生していない。 ②締結装置の緩み 締結ボルトのトルクについて、施工後1年半間の 追跡調査を実施した結果、各締結装置(図4)とも 所定の範囲内で推移しており、特に緩み等も発生し ておらず、問題無いことが確認できた。 A C(Tボルト). B D(バネ). C(バネ) D(Tボルト). トルク(N・m). 120. 図6 敷設後 1 年半後の締結装置の状態. 100 80. 5.まとめ. 60. 直結 4 形扛上用締結装置の開発により、今までス. 40 20 0 H11.12.6. ラブ扛上を行うしかなかった軌道狂いに対して、長 H12.5.4. H12.10.1. H13.2.28. H13.7.28. 波長軌道整備を実施することが可能になった。また、 敷設後の追跡調査の結果、①軌道狂いの進み、②締. 図4 トルクの推移. 結装置の緩み、③絶縁抵抗レベルの低下、④締結装. ③電気絶縁抵抗 電気絶縁抵抗が低くなる可能性の対策として本締. 置の損傷については発見されず良好に推移している。. 結装置の各部材に樹脂コーティングを施すこととし. 今後は、この直結 4 形扛上用締結装置を使用し、. た。敷設後2ヶ月を経過した時点及び敷設後 1 年を. スラブ区間の更なる乗り心地の向上に努めていきた. 経過した時点において試験敷設区間の信号レベルは. い。. 要注意レベルである 300mA を大きく上回っており、. <参考文献>. 列車運行に特に支障無いレベルに維持されている。. 1.高尾・前田、60kg レール用直結4 形扛上形締結装置の開発、日本鉄道施設. (図5). 協会誌、2000.3. ④締結装置の損傷状態. 2.青野・鷹﨑、直結4形扛上用締結装置を用いた長波長軌道. 樹脂コーテイングは、敷設1年半後のサンプリン ‑900‑. 整備、第 55 回土木学会年次講演集、2000.9.

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