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論 文 要 旨 専攻名

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Academic year: 2021

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別紙様式11

(課程博士・論文博士共通)

論 文 要 旨

専攻名

(又は推薦専攻名) 地域イノベーション学専攻 ふりがな かねおか ひであき

金岡 秀明 学位論文題目:生鮮ショウガからのヘキサン抽出物の脂肪細胞分化に対する生理作用の解析

(英訳又は和訳:Analysis of Physiological Function for Adipocyte Differentiation of the Raw Ginger Hexane Extract

ショウガ香料は、一般的に熱乾燥処理を施したショウガから超臨界二酸化炭素抽出法およ び水蒸気蒸留法を用いて、精油成分を抽出することで製造されている。これら二つの抽出法 で乾燥ショウガを原料とする理由は、原料であるショウガの保存性の向上および抽出効率を 上げるためである。しかし、乾燥ショウガでは、ショウガに含まれる揮発性香気成分が損失 し、辛み成分が熱により変化する。

辻製油株式会社は、近年、ヘキサン抽出法を基に、水分含量の高い生原料から精油成分を 抽出する技術を確立した。そこで同社は、生鮮ショウガから精油成分の抽出を試みた結果、

揮発性香気成分と生鮮ショウガ特有の辛み成分を含んだ精油成分の抽出に成功し、生鮮ショ ウガヘキサン抽出物 (HRG: Hexane extract of Raw Ginger) を得た。HRGは生鮮ショウガ の特徴を反映した新規のショウガ香料である。また、HRGは精油成分だけでなく、機能性 成分も含むことが確認されたため、機能性食品素材として利用できる可能性がある。本研究 ではHRGの肥満に対する有効性を検討した。

肥満に関連する研究では、前駆脂肪細胞から脂肪細胞へ分化する際のメカニズムを知るこ とは重要である。そこで、分化誘導剤の刺激により前駆脂肪細胞から脂肪細胞へ分化するマ ウス3T3-L1細胞を用いて、HRGの機能性に関する実験を行った。

初めにHRGの脂肪細胞分化に対する影響を検討した。3T3-L1細胞をインスリンとHRG を含む培地で一定期間培養後、蓄積した脂肪滴の定量を行った結果、HRGは濃度依存的に 脂肪細胞への分化を促進することがわかった。また、脂肪細胞への分化には、脂肪細胞特異 的な遺伝子の発現が必須である。そこで、リアルタイムPCR法を用いて脂肪細胞特異的な 遺伝子Ppar2, aP2, adiponectin, Glut4の発現を解析した結果、HRGの濃度依存的に各遺 伝子の発現が上昇することを確認した。

次にHRGの分化促進作用のメカニズムについて検討した。抗糖尿病薬であるチアゾリジ ン誘導体 (TZD)は、脂肪細胞の分化を制御する核内受容体PPARのアゴニストとして強い リガンド活性を示す。TZD はその活性を介して、前駆脂肪細胞から善玉サイトカインであ adiponectinを分泌する小型脂肪細胞への分化を促進する。HRGの分化促進作用のメカ ニズムの一つとして、PPARの活性化を考え、HRGPPARに対するリガンド活性をレポ ーターアッセイで測定した結果、HRG はリガンド活性を示した。ゆえに、HRG が前駆脂 肪細胞を脂肪細胞へと分化を促進するメカニズムの一つとして、HRGに含まれる物質が

続紙 有

(2)

別紙様式11-続紙

(課程博士・論文博士共通)

ふり

がな 金岡かねおか 秀明ひであき

PPARのリガンドとして作用することが示唆された。

肥大化脂肪細胞から分泌されるTNF-は、インスリン抵抗性を惹起する炎症性サイトカ インであり、分化した脂肪細胞にTNF-処理を行うと、PPARadiponectinなどの脂肪 細胞特異的な遺伝子の発現が低下することが知られている。一方で、PPARに対するリガ ンド活性を持つ物質はTNF-の阻害作用を有することが報告されている。そこで、PPAR

のリガンドとして作用するRGが、TNF-による脂肪細胞特異的な遺伝子の発現低下を抑 制するか評価した。TNF-単独で処理した脂肪細胞と、TNF-と HRG を同時に処理した 脂肪細胞で、脂肪細胞特異的な遺伝子の発現を比較した結果、HRGを同時に処理した脂肪 細胞では、TNF-単独で処理した脂肪細胞に比べて、遺伝子の発現が上昇する傾向が見ら れた。

以上の実験結果から、細胞レベルではあるが、HRG PPARのリガンドとして作用す ることで小型脂肪細胞への分化を促進し、TNF-による脂肪細胞特異的な遺伝子発現の低 下を抑制する機能性食品素材としての可能性が示唆された。

参照

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