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日本語語源研究の歴史とその現状について

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

日本語語源研究の歴史とその現状について

張, 愚

九州大学大学院人文科学府 : 博士後期課程

https://doi.org/10.15017/1518340

出版情報:文獻探究. 53, pp.77-82, 2015-03-31. 文献探究の会 バージョン:

権利関係:

(2)

《 短 信 》

日 本 語 語 源 研 究 の 歴 史 と そ の 現 状 に つ い て

張 愚

一 、 序 論

言 語の 系 統 と 起 源 ( い わ ゆ る 語 源 )を 確 定 し よ う と す る 知 的 欲 求 は 、

こ れ ま で 多 く の 言 語 学 者 を 駆 り 立 て 、 多 方 面 か ら の論 議 を 交 わ さ せ て

き た 。語 源 の 研 究 と い え ば 、 語 の発 生 お よ び 変 化 を 究 明 す る 学 問 で あ

る と 、 こ れ ま で の 先 行 研究 ( 吉 田( 二 〇 〇 六 ) 参 照) に 言 わ れ て い る

が 、 その 発 生 と 変 化 を ど う 捉 え るか に つ い て は 様 々 な 立 場 が あ る 。 小

稿 で は 、 そ れ ら の 立 場 を 概 観 し た う え で 、 従 来 の 国語 学 研 究の 中 に 胚

胎 し た 「個 別 的 な 語 史 研 究 を 包 摂 した 、 語 彙 史 体 系 の 中 で の 語 源研 究 」

( 阪 倉 ( 一 九七 八 ) 、 前 田 ( 一 九 八六 ) な ど 。 詳 し く は 後 述 ) の 方 法論

に 立 ち 返 り 、 そ の 研 究 手法 の 重 要性 を 再 確 認 す る 。

二 、 比 較 再 建 型 手 法 を 用 い た 日 本 語 語 源 研 究 の 限 界 人 類 学 ・ 考 古 学 的 な 研 究手 法 を 除く と 、 言 語 学 的 な 立 場 か ら 語 源 を

分 析 す る に あ た っ て 、 主に 二 つ のア プ ロ ー チ が あ るよ う に 思 わ れ る 。

一 つ は 、 二 つ 以 上 の 言 語 を 比 較 し て 、 そ れ ら の 言 語間 の 歴 史 的 関 係 を

明 ら かに し 、 共 通 の 祖 語 を 再 構 成 す る 比 較 再 建 型 の手 法 で あり 、 も う

一 つ は 、 問 題 と な る 言 語の 内 部 で の 語 源 研 究 を 重 視 す る 研 究手 法 で あ

る 。

前 者に 関 し て は 、 古 い文 献 か ら 推 定 さ れ る 言 語 の音 韻 ・ 語形 ・ 統 辞

構 造 な ど の 通 時 的 な 推 移 を 、 類 型地 理 論 的 に 判 定 さ れ る と こ ろ の ヨ コ

の 地 理 的 な 広 が り に 照 ら し て 、 祖語 再 建 を 試 み た イ ン ド ・ ヨ ー ロ ッ パ

比 較 言語 学 の 方 法 が 挙 げ ら れ る 。 こ の 比 較 再 建 型 の手 法 は 、東 洋 学 者

で あ った ウ ィ リ ア ム ・ ジョ ー ン ズ卿 (

W.Jones

、 一 七四 六 ~ 一七 九 四 )

が ヨ ー ロ ッ パ 諸 言 語 と サ ン ス ク リ ッ ト 語 を 比 較 す る際 に 発 見し た 事 象

を 元 にし て 、 ボ ッ プ (

F.Bopp

) 、 ラ ス ク (

R.Rask

) 、 グ リ ム (

J.Grimm

等 に よっ て 確 立 さ れ た も の で あ る。 一 八 八 七 年 以 降 で は 、 日本 語 の 系

(3)

統 関 係( い わ ゆ る 「 南 方 ・ 北 方 起源 説 」 「 混 合 語 起 源説 」 ) を 究明 す る

際 に も 用 い ら れ る よ う に な っ た 。し か し な が ら 、 現在 の と こ ろ で は 、

音 韻 ・文 法 構 造 ・ 基 礎 語彙 と い った 三 つ の 面 に お い て 、 日 本語 ( 上 代

語 も 含 む ) と の 間 に 明 確 な 対 応 関係 が 見 ら れ る の は 、 日 本 語の 一 方 言

か 、 そ れ と も 姉 妹 言 語 と 見 る べ き か に つ い て 定 説 を 得 る に 至っ て い な

い 琉 球諸 語 し か な い

注1

以 上に 述 べ た 系 統 論 的 な 方 法 を 利 用し て 日 本 語 の 語 源 を 証 明 す る 際

に 、 印欧 語 ほ ど の 成 果 が 見 ら れ な い の は 、 主 に 二 つの 理 由 が あ る と 考

え ら れ る 。 そ の 一 つ は 、 服 部 ( 一 九 五 九 ) 、 風間 ( 一 九 七 八 ) が 指 摘 す

る よ う に 、 印 欧 語 と 日 本語 の 言 語構 造 が 違 う た め で あ る 。 印欧 語 は 、

語 根 部 と 接 辞 に よ っ て 語幹 が 作 ら れ 、「 そ れ に 続 く 語 尾 と が 一つ に 融 合

し て い な が ら 、 一 方 で は 母 音 交 替に よ っ て 相 互 に 関係 を 保 ち 機 能 し 合

っ て いる 」 ( 風 間 ( 一 九 七八 ・ 一 八頁 ) 参 照 ) 。 そ れ に対 し 、 日本 語 は

屈 折 に富 ん だ 印 欧 諸 語 のよ う に 、複 雑 な 形 態 で 綴 り を 取 ら ず 、 文 法 機

能 を 、主 に 時 代 ご と に 入 れ 替 え や す い 接 辞 あ る い は 、 そ れ に準 ず る 要

素 に よっ て 果 た す こ と が 多 い 。 その た め 、 印 欧 諸 語の よ う に、 共 通 基

語 を 再 建 す る 際 に 見 ら れ る 各 語 派 の 文 法 上 の 不 規 則形 を 合 理 的 に 説 明

す る こ と が 困 難 で あ る と 考 え ら れ る

ま た 、言 語 構 造 の 違 い だ け で な く、 資 料 の 面 で も 、印 欧 語 は 日 本 語

よ り 比較 的 有 利 で あ る と い え る 。 高 津 ( 一 九 九 二 ・ 九一 頁 ) 、 橋本 ( 二

〇 〇 〇・ 三 六 頁 ) も 指 摘 す る よ う に 、 印 欧 語 の 場 合、 他 の 語族 に 比 べ

て 非 常に 資 料 的 に 恵 ま れ て い る 。 最 も 古 い 文 献 は 、 ヒ ッ タ イ ト 語 の 楔

形 文 字の 文 献 や ヴ ェ ー ダの 賛 歌 の如 く 、 紀 元 前 一 〇〇 〇 年 ~一 五 〇 〇

年 に ま で 遡 り 、 し か も 祖語 か ら 分か れ 出 た 時 代 は そ れ ほ ど 古く は な く

( 服 部( 一 九 五 四 ・ 二 九頁 ) に よる と 、 今 か ら 四 五〇 〇 年 ~六 〇 〇 〇 年 前 後 )、 多 く の 語 派 が 現 代 に ま で 生 き て い る 。 と は い え 、 仮 に そ れ ら

の 文 献 を 利 用 せ ず に 、 現代 フ ラ ン ス 語 と ス ペ イ ン 語 と イ タ リ ア 語 な ど

の 基 礎語 彙 だ け を 採 取 し て 祖 語 を 再 構 築 し て み て も 、「 そ の 結果 は 、 ラ

テ ン 語 は い う に お よ ば ず 、 俗 ラ テ ン 語 と も ほ ど 遠 い も の 」 ( 橋本 二 〇

〇 〇 ・三 六 頁 ) と さ れ る と こ ろ か ら す る と 、 甚 だ 古い 時 代 に遡 り う る

文 献 の存 在 が 印 欧 語 の 系統 を 有 効に 解 明 で き た 大 き な 要 因 の一 つ と 言

え よ う

注3

文 献 の 量 と 性 質 の 面 か ら 考 え れ ば 、 日 本 語 は 、 印 欧 諸 語 の よ う に 、

比 較 再 建 法 を 用 い た 語 源研 究 は で き な い 。 二 ~ 四 世紀 前 後 の土 器 な ど

に 記 さ れ た 一 つ な い し 二つ の 文 字 は 、 文 章 す ら な し て い な い点 か ら 言

え ば 、祖 語 比 較 再 建 の 文献 と し て 利 用 す る こ と は 難し い 。 また 、 三 世

紀 成 立の 『 魏 志 』 倭 人 伝 に 記 録 さ れ て い る 五 十 五 語 の音 訳 語 彙 ( 《 然 り》

の 意 を 表 す 「 噫 」 と い う 一 語 も 含 む ) の 研 究 に つ い て は 、 大矢 透 、 濱

田 敦 、亀 井 孝 、 安 本 美 典 、 清 瀬 義 三 郎 則 府 等 の 優 れ た 論 考 が あ る も の

の 、 上古 音 と 中 古 音 の 過渡 期 に あた る 三 世 紀 の 中 国語 音 を 精密 に 復 元

す る こ と は 決 し て 容 易 で は な く 、古 代 中 国 語 の 発 音 を そ の まま 音 韻 体

系 の 異 な る 日 本 語 に 当 て は め て 良 い か と い っ た 問 題点 も 抱 え て い る た

め 、 少 な く と も 現 段 階 で は 、 系 統論 研 究 の 資 料 と し て 用 い るの は 無 理

が あ るよ う に 思 わ れ る 。結 局 現 在の と こ ろ で は 、 日本 語 の 古形 を 体 系

的 に 窺い 知 る こ と の で き る 最 古 の文 献 は 、 近 年 大 量に 出 土 した 七 世 紀

末 ~ 八世 紀 初 成 立 の 木 簡 資 料 ( 音 義 木 簡 、 交 用 書 き 木 簡 、 書 簡 木 簡 、

和 歌 木 簡 ・ 宣 命 木 簡 ) と 、 こ れ ま で の 先 行 研 究 に 指摘 さ れ て き た 八 世

紀 成 立の 記 紀 万 葉 以 外 に な い 。 こ の よ う な 状 況 で は 、 日 本 語 と 他 言 語

の 親 族関 係 を 証 明 す る 作業 は 印 欧語 の 場 合 と 比 べ も の に な ら な い ほ ど 、

大 き な 困 難 を 伴 う で あ ろ う 。 文 法構 造 の 対 応 関 係 は と も か く、 音 韻 法

則 を 確 立 す べ き 同 系 語 彙

の 特 定 と い う 最 初 の 一 歩 か ら 難 航 を 極

め る 。 服 部 ( 一 九五 四 ) 、 松 本 ( 二 〇 〇 七 ・ 七頁 ) の 指 摘 す る 「 言 語 年

代 学 の想 定 に よ る 基 礎 語彙 の 消 失率 」

(注5)

と 合 わ せ て 考 え れ ば 分 か る

こ と だが 、 た と え ば 日 本語 と ア ル タ イ 諸 言 語 の 間 に、 著 し い文 法 構 造

上 の 類似 点 が あ る の に も 拘 ら ず 、 時 代 ご と に 変 化 ・消 失 さ れ や す い 基

礎 語 彙 が 現 存 の 文 献 上 で は 確 定 で き な い た め に 、 両者 の 親 族関 係 は 未

だ に 証明 さ れ て い な い 状 態 で あ る

注6

三 、 日 本 語 内 部 で の 語 源 研 究 に つ い て

以 上の よ う な 問 題 点 が あ る た め 、 日本 語 の 語 源 は 、 比 較 再 建 型手 法

に よ っ て は 解 明 さ れ ず 、他 言 語 と の 系 統 関 係 も 不 明の ま ま に残 さ れ て

き た 。そ こ で 、 日 本 語 の語 源 研 究に は 、 こ れ ま で の比 較 再 建 型 手 法 と

は 違 った 方 法 論 が な け れ ば な ら な い と 、 一 部 の 語 源研 究 者 か ら 指 摘 さ

れ る よ う に な り 、 印 欧 語の 比 較 方 法 と は 全 く 異 な った ア プ ロ ー チ が 試

み ら れ る よ う に な っ た 。そ れ は 、前 節 の 冒 頭 部 分 で 述 べ た 、調 査 対 象

と な る言 語 の 内 部 で の 語源 研 究 を 重 視 す る も の で ある 。

管 見 の限 り 、 こ こ で い う 「 言 語 の 内 部 で の 語 源 研 究」 は 、 日本 語 語

源 研 究の 歴 史 と 現 状 を 鑑 て 、 さ ら に 二 つ の タ イ プ に分 け る こ と が で き

る 。 一つ は 、 日 本 語 内 部 で の 共 時的 な 分 析 を 手 掛 かり に し て 、 そ の 記

録 以 前の 古 形 を 推 定 し 、そ の 発 達 過 程 を 再 構 築 す る と い う 意 味 で の 内

的 再 建 手 法 ( 内 的 再 構 と も い う /松 本 ( 一 九 九 四 )、 川 本 ( 一九 九 七 )

な ど 参照 ) で あ る 。 そ し て も う 一つ は 、 阪 倉 ( 一 九 七 八 ) 、 前 田 ( 一 九

八 六 )の 言 う 「 個 別 的 な 語 史 研 究 を 包 摂 し た 、 語 彙史 体 系 の中 で の 語

源 研 究の 手 法 」 で あ る 。両 者 と も 、 同 系 言 語 の 比 較 を 前 提 と し な い た め、 小 稿 で は 便 宜 上、 比 較 再 建 法 と 区 別 し て 、「あ る 言 語 内 部 で の 語 源

研 究 」 と 称 し て い る 。 た だ し 、 両者 は 成 立 背 景 と 研究 状 況 が 全 く 異 な

る た め、 多 く の 相 違 が ある の も 事 実 で あ る 。

ま ず 、 前 者 の 成 立 背 景 と 研 究 状 況 につ い て 簡 単 に 述 べ た い 。 こ れ は 、

ソ シ ュ ー ル (

Ferdinand de Saussure

) を 代表 と し た 一 部 の 歴 史 言語 学 者

が 、 比較 再 建 型 の 手 法 の限 界 を 見 極 め た と こ ろ で 、新 た に 提唱 し た 方

法 論 で あ る 。 歴 史 言 語 学 の 再 構 方 法 と し て 利 用 さ れ る 場 合 、当 該 方 法

が 、 同系 で あ る と い う 証明 が ま だ さ れ て い な い 言 語の 研 究 に も 用 い ら

れ 得 る と こ ろ は 、 前 述 した 比 較 再 建 型 の 方 法 論 と 根本 的 に 異 な っ て い

る 。 内的 再 建 手 法 に つ い て 、 言 語の 先 史 を 部 分 的 に明 ら か にし た に す

ぎ ず 、比 較 言 語 学 の よ う に 祖 語 を 体 系 的 に 再 構 築 す る こ と は で き な い

と い った 建 設 的 な 批 判 (吉 田 ( 一九 九 六 ・ 一 〇 二 頁) 参 照 ) も な さ れ

て は いる 。 し か し な が ら 、 派 生 ・屈 折 と い っ た 形 態的 な 変 化 が 顕 著 で

あ り 、か つ 系 統 関 係 も ま だ 完 全 に証 明 さ れ て い な い言 語 の 先史 を 解 明

す る 上 で 、 意 義 の あ る こ と は 確 か で あ ろ う 。

後 者 は 、 伝 統 的 な 国 語 学 研 究 の 中に 胚 胎 し 、 中 世 か ら 近 代 にか け て

培 わ れ て き た 語 源 解 釈 論 を ベ ー スに し て な っ た も の で あ る 。無 論 、 そ

の 初 期の 研 究 方 法 に つ い て は 、 あま り に 個 別 的 ・ 恣 意 的 で 、文 化 史 的

で あ る( 阪 倉 ( 二 〇 一 一・ 二 一 六頁 ) 参 照 ) と い った 問 題 点 を 抱 え て

お り 、ま た 原 義 の 分 か ら な く な っ て い る 言 葉 を 、 こ じ つ け で 解 釈 し よ

う と す る 民 間 語 源 説 ・ 通俗 語 源 説(

folk etymology

) の 《 氾 濫 》( 見 方

に も よる が 、 あ る い は 《 隆 盛 》 と 言 う べ き か ) も 、し ば し ば 指 摘 さ れ

る と こ ろ で あ る ( 例 :

馬 道 面 倒

。 し か し 、 近 代 以 降 に な る

と 、 語構 成 法 ・ 造 語 法 ・ 方 言 や 外国 語 と の 音 義 対 照 と い っ た様 々 な 視

点 か ら 、 従 来 の 説 が 見 直さ れ る よ う に な り 、 研 究 も 次 第 に 恣 意 的 な 解

(4)

則 を 確 立 す べ き 同 系 語 彙

の 特 定 と い う 最 初 の 一 歩 か ら 難 航 を 極

め る 。 服 部 ( 一 九五 四 ) 、 松 本 ( 二 〇 〇 七 ・ 七頁 ) の 指 摘 す る 「 言 語 年

代 学 の想 定 に よ る 基 礎 語彙 の 消 失率 」

(注5)

と 合 わ せ て 考 え れ ば 分 か る

こ と だが 、 た と え ば 日 本語 と ア ル タ イ 諸 言 語 の 間 に、 著 し い文 法 構 造

上 の 類似 点 が あ る の に も 拘 ら ず 、 時 代 ご と に 変 化 ・消 失 さ れ や す い 基

礎 語 彙 が 現 存 の 文 献 上 で は 確 定 で き な い た め に 、 両者 の 親 族関 係 は 未

だ に 証明 さ れ て い な い 状 態 で あ る

注6

三 、 日 本 語 内 部 で の 語 源 研 究 に つ い て

以 上の よ う な 問 題 点 が あ る た め 、 日本 語 の 語 源 は 、 比 較 再 建 型手 法

に よ っ て は 解 明 さ れ ず 、他 言 語 と の 系 統 関 係 も 不 明の ま ま に残 さ れ て

き た 。そ こ で 、 日 本 語 の語 源 研 究に は 、 こ れ ま で の比 較 再 建 型 手 法 と

は 違 った 方 法 論 が な け れ ば な ら な い と 、 一 部 の 語 源研 究 者 か ら 指 摘 さ

れ る よ う に な り 、 印 欧 語の 比 較 方 法 と は 全 く 異 な った ア プ ロ ー チ が 試

み ら れ る よ う に な っ た 。そ れ は 、前 節 の 冒 頭 部 分 で 述 べ た 、調 査 対 象

と な る言 語 の 内 部 で の 語源 研 究 を 重 視 す る も の で ある 。

管 見 の限 り 、 こ こ で い う 「 言 語 の 内 部 で の 語 源 研 究」 は 、 日本 語 語

源 研 究の 歴 史 と 現 状 を 鑑 て 、 さ ら に 二 つ の タ イ プ に分 け る こ と が で き

る 。 一つ は 、 日 本 語 内 部 で の 共 時的 な 分 析 を 手 掛 かり に し て 、 そ の 記

録 以 前の 古 形 を 推 定 し 、そ の 発 達 過 程 を 再 構 築 す る と い う 意 味 で の 内

的 再 建 手 法 ( 内 的 再 構 と も い う /松 本 ( 一 九 九 四 )、 川 本 ( 一九 九 七 )

な ど 参照 ) で あ る 。 そ し て も う 一つ は 、 阪 倉 ( 一 九 七 八 ) 、 前 田 ( 一 九

八 六 )の 言 う 「 個 別 的 な 語 史 研 究 を 包 摂 し た 、 語 彙史 体 系 の中 で の 語

源 研 究の 手 法 」 で あ る 。両 者 と も 、 同 系 言 語 の 比 較 を 前 提 と し な い た め、 小 稿 で は 便 宜 上、 比 較 再 建 法 と 区 別 し て 、「あ る 言 語 内 部 で の 語 源

研 究 」 と 称 し て い る 。 た だ し 、 両者 は 成 立 背 景 と 研究 状 況 が 全 く 異 な

る た め、 多 く の 相 違 が ある の も 事 実 で あ る 。

ま ず 、 前 者 の 成 立 背 景 と 研 究 状 況 につ い て 簡 単 に 述 べ た い 。 こ れ は 、

ソ シ ュ ー ル (

Ferdinand de Saussure

) を 代表 と し た 一 部 の 歴 史 言語 学 者

が 、 比較 再 建 型 の 手 法 の限 界 を 見 極 め た と こ ろ で 、新 た に 提唱 し た 方

法 論 で あ る 。 歴 史 言 語 学 の 再 構 方 法 と し て 利 用 さ れ る 場 合 、当 該 方 法

が 、 同系 で あ る と い う 証明 が ま だ さ れ て い な い 言 語の 研 究 に も 用 い ら

れ 得 る と こ ろ は 、 前 述 した 比 較 再 建 型 の 方 法 論 と 根本 的 に 異 な っ て い

る 。 内的 再 建 手 法 に つ い て 、 言 語の 先 史 を 部 分 的 に明 ら か にし た に す

ぎ ず 、比 較 言 語 学 の よ う に 祖 語 を 体 系 的 に 再 構 築 す る こ と は で き な い

と い った 建 設 的 な 批 判 (吉 田 ( 一九 九 六 ・ 一 〇 二 頁) 参 照 ) も な さ れ

て は いる 。 し か し な が ら 、 派 生 ・屈 折 と い っ た 形 態的 な 変 化 が 顕 著 で

あ り 、か つ 系 統 関 係 も ま だ 完 全 に証 明 さ れ て い な い言 語 の 先史 を 解 明

す る 上 で 、 意 義 の あ る こ と は 確 か で あ ろ う 。

後 者 は 、 伝 統 的 な 国 語 学 研 究 の 中に 胚 胎 し 、 中 世 か ら 近 代 にか け て

培 わ れ て き た 語 源 解 釈 論 を ベ ー スに し て な っ た も の で あ る 。無 論 、 そ

の 初 期の 研 究 方 法 に つ い て は 、 あま り に 個 別 的 ・ 恣 意 的 で 、文 化 史 的

で あ る( 阪 倉 ( 二 〇 一 一・ 二 一 六頁 ) 参 照 ) と い った 問 題 点 を 抱 え て

お り 、ま た 原 義 の 分 か ら な く な っ て い る 言 葉 を 、 こ じ つ け で 解 釈 し よ

う と す る 民 間 語 源 説 ・ 通俗 語 源 説(

folk etymology

) の 《 氾 濫 》( 見 方

に も よる が 、 あ る い は 《 隆 盛 》 と 言 う べ き か ) も 、し ば し ば 指 摘 さ れ

る と こ ろ で あ る ( 例 :

馬 道 面 倒

。 し か し 、 近 代 以 降 に な る

と 、 語構 成 法 ・ 造 語 法 ・ 方 言 や 外国 語 と の 音 義 対 照 と い っ た様 々 な 視

点 か ら 、 従 来 の 説 が 見 直さ れ る よ う に な り 、 研 究 も 次 第 に 恣 意 的 な 解

(5)

釈 か ら 、 科 学 的 な 説 明 と い う 方 向に 近 づ き 出 し て き た と 言 え よ う ( と

は い え 、『 日 本 国 語 大 辞 典 』 ( 第 一・ 二 版 ) や 、 現 行の 一 部 の日 本 語 語

源 辞 典 に お け る 語 源 の 記述 は 、 ま だ 十 分 科 学 的 で ある と は 言い 難 い ) 。

異 な る研 究 背 景 の も と で 成 立 し た前 者 と 後 者 の 相 違 は 、 主 に研 究 ス

タ ン ス と 語 源 の 定 義 と い う 二 つ の面 に 顕 著 に 現 わ れ て い る 。ま ず 、 研

究 ス タン ス の 面 に お い て 、 前 者 の 内 的 再 建 法 は 、 言語 事 象 の史 前 の 発

達 過 程構 築 を 目 的 と し 、 方 言 を 含め た 言 語 内 の 共 時的 な 比 較分 析 に そ

の 主 眼 を 置 い て お り 、 後者 の よ う に 、 各 時 代 の 文 献資 料 を 利用 し て 、

個 別 的 な 語 の 由 来 と 、 その 史 的 変遷 ( 形 式 と 意 味 の関 係 ) につ い て 調

査 す る こ と は あ ま り な いよ う に 思 わ れ る 。 ま た 、 語源 の 定 義 に つ い て

も 、 前 者の 方 は 、 語 の 源 流 と い え ば 、 記 録 ・ 文 献 以 前 の言 語 の 形 と し 、

そ の 古形 を 推 定 す る こ と に 力 点 が 置 か れ て い る よ うだ が 、 後者 の 場 合

は 、 語源 と は 「 文 献 的 に遡 り う る限 り 」 と い う 限 定 つ き の も の で あ っ

て 、 前者 の よ う に 、 語 の祖 形 の 推 定 な ど を 意 図 す る も の で はな い 。

四 、 語 彙 史 体 系 に お け る 語 源 研 究 の 重 要 性

で は 、 こ の よ う な 複 数 存 在 す る 研 究法 の 中 で 、 果 た し て ど の よ う な

方 法 を 取 れ ば 最 善 で あ ろ う か 。 無論 、 研 究 手 法 は いく つ あ っ て も 構 わ

な い し、 そ れ ら の 方 法 は 対 等 で ある と い う 考 え 方 も あ り う る。 た だ 、

比 較 言 語 学 者 ・ メ イ エ (

A.Meillet

) が 著 書 『 史 的 言 語 學 に 於 け る 比 較

の 方 法 』( 泉 井 久 之 助 訳 ・ 一 九 三 四年 ・ 一 一 ~ 一 二 頁 ) で 指 摘 す る よ う

に 、 研究 対 象 と な る 言 語 が 異 な れ ば 、 方 法 論 自 体 の有 効 性 も 変 わ っ て

く る と い う こ と も 事 実 で あ る 。 前述 し た 語 源 研 究 の諸 方 法 は 、 そ れ ぞ

れ 異 な っ た 研 究 背 景 の も と で 成 立し た も の で あ り 、ま た そ れ ぞ れ の 言 語 の 特徴 を 考 慮 し た う え で つ く ら れ た も の で も あ る。 そ の ため 、 あ る

言 語 、あ る い は あ る 語 族の 研 究 で 成 果 を 遂 げ た 学 説 や 方 法 で も 、 そ れ

を そ のま ま 他 の 言 語 の 研究 に 採 用し て 良 い の か と い う 省 察 も 時 に は 必

要 で ある 。 異 な っ た 言 語の 研 究 に は 、 そ の 言 語 の 性質 と 置 か れ た 環 境

に 即 応し た 方 法 を 用 い るの が 一 番効 果 的 で あ ろ う 。

以 上 によ り 、 日 本 語 の 語源 問 題 に取 り 組 む 上 で 、 前節 に 述 べ た 後 者

の 研 究手 法 を よ り 重 視 す べ き で はな い か と 、 筆 者 は 考 え る 。無 論 こ の

こ と は 、 再 建 型 手 法 の 従来 の 研 究 成 果 を 無 視 し て 良 い と い う こ と を 意

味 し な い 。 前 者 の 内 的 再 建 法 は 、 現代 ド イ ツ 語 の よ う な 、「 派 生 ・ 屈 折

と い った 形 態 的 な プ ロ セ ス が 顕 著に 用 い ら れ て い る言 語 に は と り わ け

有 効 で あ る 」( 吉 田 ( 一 九 九 六 ・ 七 八 頁 ) 参 照 ) が 、 日 本 語 の よ う に 不

規 則 で 複 雑 な 形 態 を 取 ら ず 、 文 法機 能 を 主 に 接 辞 によ っ て 果た す 言 語

の 場 合、 動 詞 ・ 助 動 詞 を 含 め た 祖形 再 建 は 決 し て 容易 な 作 業 で は な い

た め 、 方 法 と し て は 後 者 に 重 き を 置く べ き で は な い か と 考 え る

注8

ま た 、自 然 言 語 の 語 彙 は 常 に 個 別 的 に 変 化 し て い くた め 、 文献 以 前

の 姿 や 祖 形 な ど を 性 急 に論 じ る 前に 、 ま ず 調 査 可 能 な 範 囲 内 で 、 そ の

言 語 の も つ 大 半 の 語 彙 の歴 史 的 解明 を 試 み な け れ ばな ら な い。 こ の よ

う な 観点 か ら 考 え れ ば 、日 本 語 の語 源 研 究 に と っ て 、 祖 語 の再 建 や 他

言 語 と の 系 統 関 係 の 解 明 は 確 か に重 要 で は あ る が 、そ れ よ り も も っ と

早 急 に解 決 す べ き な の は 、 問 題 と な る 語 彙 の 出 自 およ び 、 周辺 言 語 と

の 通 時的 な 影 響 関 係 ( た と え ば 、日 本 語 史 に お け る 漢 語 ・ 朝鮮 語 の 受

容 な ど ) で あ ろ う 。 こ れ ら の 研 究 は 、 文 献 学 的 実 証 を 経 る こ と に よ っ

て 、 は じ め て 可 能 と な る 。 殊 に 「 根 本語 原 」

(注9)

が ま だ 解 明 さ れ て い

な い 日本 語 の 場 合 、 後 者 の 「 個 別 的 な 語 史 研 究 を 包 摂し た、 語 源 研 究 」

は 大 き な 意 義 を も っ て いる よ う に思 わ れ る ( 無 論 、言 語 学 研究 と し て

の体系性・法則性も重要ではあるが)。

1

無論、琉球語と言っても、地域によってはかなり分化しているように思われ

る。基礎語彙の面では、地方を問わず日本語との対応が見られるが、アクセント

や文法事項に関しては、なお慎重に検討しなければならない点がある。たとえば、

古代日本語の係り結びの用法が、まだ多くの琉球方言に残っている一方、動詞の

活用については、琉球語でさえ日本語の古形に遡ることはできない。

2

これは、決して日本語だけに見られる現象ではない。単音節で、孤立型言語

に属する中国語においても同じことが言える。それについては、王(一九八二・

四六頁)を参照。

3

高津(一九九二)は、セム・ハム語族の例を取り上げ、甚だ古い時代に遡り

うる文献資料をもたない語族の研究に関しては、印欧語族の比較方法をそのまま

用いることが難しいと述べており、言語の系統研究における古文献の重要性を強

調している。ただし、例外も全くないわけではない。一九三八年以降、デンプヴ

ォルフ(Otto De­mpwolff)を代表とする言語学者たちが、文字・文献のないオー

ストロネシア語族の代表的な言語を、印欧語族の比較方法論で比較して、その祖

語(Proto Austronesian)の再構成に取り組み、一定の成果を上げている。しかし、

「ブラック・スワン」のような例外現象があるとしても、風間(一九七八)、高

津(一九九二)、橋本(二〇〇〇)等の指摘するように、古い文献の乏しい語族

や、あるいは語族を形成するであろうと推測されている言語群の研究においては、

やはり印欧語族の比較方法がそのままに用いられにくいのも事実であろう。

4

当然、語彙同士の意味も一致しなければならない。

5

松本(二〇〇七・七頁)は、「どんな言語でもほぼ一定の速度で消失してい

る」と述べており、アメリカの言語学者Morrs Swadeshの提唱した「語彙統計学」

(lexical statistics)的方法論の影響を受けているように思われるが、それに対し、 言語の消失あるいは変化が決して一定の速度で起きることはないとして、Swade­ shの語彙統計学的方法を疑問視する論も見られる。詳しくは橋本(二〇〇〇・三

九頁)等を参照。

6

ただし、一言基礎語彙と言っても、どのような語彙が基礎的と言えるか、言

語によって判定しにくいことが多い。その判定がいかに困難であるかについて、

橋本(二〇〇〇・三八~四二頁)は数詞・親族語彙・身体語彙などの例を挙げて

詳しく説明している。たとえば、朝鮮語と日本語の数詞について、他の語彙とは

異なり、新たに形成されたり、借用したりすることが少ないと考えている学者(河

野六郎など)もいるが、橋本氏の論を視野に入れて考えれば、それは印欧語の系

統研究の影響によるところが大きいと思う。印欧語の場合には、数詞ほど安定し

たものはなく、系統論といえば、まず数詞の調査から始めるという習慣があるが、

それに対し、日本語・朝鮮語を含めた東アジアの言語の場合は、他言語の数詞を

借用するケ―スが多く(日本語に限っていえば、「十一」以上の数字になると、和

語の数え方がなくなり、中国語からの借用語〔漢字音〕の体系に移る)、また親

族語彙・身体語彙に関しても、印欧語より不安定のように思われる。そのため、Swadesh listに入っている二一五語の基礎語彙が、日本語の系統研究にとってど

れほど有効なのかについては、もう一度慎重に検討する必要もあろう。

7

吉田(二〇〇六)の述べるように、「言語学的語源に、民間語源は付きまと

うものである」(十一頁)。初期に行われた印欧語の歴史的研究についても、同じ

ような現象が見られる。詳しくは、W.B. Loc kwood (1969)Indo­European Philology (永野芳郎訳・二二七頁)を参照。

8

吉田(一九七六・第二章)にもあるように、日本語動詞の祖形再構に関して

は、語根や接辞のみを問題にした従来のやり方では限界があるように思われる。

9

ここでの「根本語原」は大槻文彦氏の用語である。詳しくは『大言海』の「本

書編纂に當りて」を参照。

(6)

の体系性・法則性も重要ではあるが)。

1

無論、琉球語と言っても、地域によってはかなり分化しているように思われ

る。基礎語彙の面では、地方を問わず日本語との対応が見られるが、アクセント

や文法事項に関しては、なお慎重に検討しなければならない点がある。たとえば、

古代日本語の係り結びの用法が、まだ多くの琉球方言に残っている一方、動詞の

活用については、琉球語でさえ日本語の古形に遡ることはできない。

2

これは、決して日本語だけに見られる現象ではない。単音節で、孤立型言語

に属する中国語においても同じことが言える。それについては、王(一九八二・

四六頁)を参照。

3

高津(一九九二)は、セム・ハム語族の例を取り上げ、甚だ古い時代に遡り

うる文献資料をもたない語族の研究に関しては、印欧語族の比較方法をそのまま

用いることが難しいと述べており、言語の系統研究における古文献の重要性を強

調している。ただし、例外も全くないわけではない。一九三八年以降、デンプヴ

ォルフ(Otto De­mpwolff)を代表とする言語学者たちが、文字・文献のないオー

ストロネシア語族の代表的な言語を、印欧語族の比較方法論で比較して、その祖

語(Proto Austronesian)の再構成に取り組み、一定の成果を上げている。しかし、

「ブラック・スワン」のような例外現象があるとしても、風間(一九七八)、高

津(一九九二)、橋本(二〇〇〇)等の指摘するように、古い文献の乏しい語族

や、あるいは語族を形成するであろうと推測されている言語群の研究においては、

やはり印欧語族の比較方法がそのままに用いられにくいのも事実であろう。

4

当然、語彙同士の意味も一致しなければならない。

5

松本(二〇〇七・七頁)は、「どんな言語でもほぼ一定の速度で消失してい

る」と述べており、アメリカの言語学者Morrs Swadeshの提唱した「語彙統計学」

(lexical statistics)的方法論の影響を受けているように思われるが、それに対し、 言語の消失あるいは変化が決して一定の速度で起きることはないとして、Swade­ shの語彙統計学的方法を疑問視する論も見られる。詳しくは橋本(二〇〇〇・三

九頁)等を参照。

6

ただし、一言基礎語彙と言っても、どのような語彙が基礎的と言えるか、言

語によって判定しにくいことが多い。その判定がいかに困難であるかについて、

橋本(二〇〇〇・三八~四二頁)は数詞・親族語彙・身体語彙などの例を挙げて

詳しく説明している。たとえば、朝鮮語と日本語の数詞について、他の語彙とは

異なり、新たに形成されたり、借用したりすることが少ないと考えている学者(河

野六郎など)もいるが、橋本氏の論を視野に入れて考えれば、それは印欧語の系

統研究の影響によるところが大きいと思う。印欧語の場合には、数詞ほど安定し

たものはなく、系統論といえば、まず数詞の調査から始めるという習慣があるが、

それに対し、日本語・朝鮮語を含めた東アジアの言語の場合は、他言語の数詞を

借用するケ―スが多く(日本語に限っていえば、「十一」以上の数字になると、和

語の数え方がなくなり、中国語からの借用語〔漢字音〕の体系に移る)、また親

族語彙・身体語彙に関しても、印欧語より不安定のように思われる。そのため、Swadesh listに入っている二一五語の基礎語彙が、日本語の系統研究にとってど

れほど有効なのかについては、もう一度慎重に検討する必要もあろう。

7

吉田(二〇〇六)の述べるように、「言語学的語源に、民間語源は付きまと

うものである」(十一頁)。初期に行われた印欧語の歴史的研究についても、同じ

ような現象が見られる。詳しくは、W.B. Loc kwood (1969)Indo­European Philology (永野芳郎訳・二二七頁)を参照。

8

吉田(一九七六・第二章)にもあるように、日本語動詞の祖形再構に関して

は、語根や接辞のみを問題にした従来のやり方では限界があるように思われる。

9

ここでの「根本語原」は大槻文彦氏の用語である。詳しくは『大言海』の「本

書編纂に當りて」を参照。

(7)

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1

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Knowledge ”www.japanknowledge.com”上 で 檢 索 を行 つた 。)

謝 辭

本 稿 は第257囘筑 紫日 本語 硏究 會 (2014.12.27) にお ける 發表 資 料の 改稿 であ る。 有益 なコ メ ント を 下 さつ た井 手口 将仁 氏に は感 謝 申し あげ る次 第で ある 。

(かさま ゆういちらう・本学大学院修士課程)

参照

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